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エピローグ

 ユウマは目を開いた。

 見渡す限りの白い空間。そこにポツンと一人ピンク色の髪の女の子が立ってこちらを見ていた。


「……」

『どうも如月ユウマさん。また会いましたね』

「……そうだな」

『今回は前回よりも短い人生でしたね』

「……そうだな……」

『テンション低いですね』

「そりゃな」

『自分の居る時間軸ごと消去するとは流石に私も想像していませんでした』

「……ナディアも……全て消えたんだな」

『ええ』

「俺の三度目の人生ではなく、二度目の人生では彼女はどうなってたんだ?」

『ええっと、ちょっと待って下さいね…………。どうやら別の男性と結婚して内乱発生から15年後に死んだようです。結構生き延びたんですね。その時生んだ男子がグアスクル領の領主になったんですね』

「俺がもし、三度目の時間軸の消滅を望まなかったらどうなっていた?」

『あなたの想像通りですよ。アイリス=アルスターは人類を滅ぼしました。ナディア=ハーディンはあなたが死んだ直後に死にます』

「そっか……。俺は、どうしてここにいるんだ? もしかして――」

『いえ、今回は召喚の依頼はありませんし、あなたの魂はこれから消滅します』

「え?」

『あなたの死後すぐにアイリス=アルスターが気づいたのですよ、あなたが2度目の召喚であると』

「そうなのか」

『最後に何か言い残すことはありますか?』

「……いや。内乱の末にトレディア王国はどうなるんだ? それだけ知りたい」

『つまり、今回消滅させた時間軸の話では無く、前回の時間軸の話をしてるのですね?』

「そうだ」

『え~と……、そうですね。内乱は100年続き、その後それを統一する覇者が現れます。覇者は人々との幸福からかけはなれた世の中を作りますが、それを打ち倒す為にあなたの元の世界のように民主主義が台頭し、まぁあなたの元居た世界の様になります。そこからの歴史も知りたいですか?』

「いや……、いいや……」

『……ユウマさん。皆は忘れますし、全てが消えてしまった今何を言っても仕方がないのですが、あなたが全力で運命に抗った事を私は知ってますよ。だから……その……、元気出して下さい』

「これから魂が消滅するのに?」

『ふふふ、まぁ最後くらい元気でもバチはあたらないでしょ?』


 ユウマはナディアの顔を思いだした。次にアイリスの顔を思いだした。これほど深く人を愛した事はなかった。三度目の人生は、愛を知り、愛に生き、愛に殺された人生だった。これほど愛にまみれた人生はなかっただろうと思った。

 愛を知れてよかった。全てが無くなった後にユウマが抱いた感想はこれだった。全てに感謝していた。


『では、さようならユウマさん』

「ああ、さようなら女神さん」


 少女が本を閉じると、そこには既に誰もいなかった。ユウマの魂は消滅した。


『良い人だったなぁ……。あの魂を再利用できたらいいのに……。さぁ仕事仕事!』


 運命は続く、運命は巡る。世界を飛び越え、時間軸を飛び越え、何もかもを超越して。また召喚が行われ、誰かが魔王を倒し、また倒されてゆく。

 勇者は生まれ続ける。いつの時代にも、いつでもどこでも。それは形を変え、目的を変え、世界さえも変えて。

 

 生まれ続ける。




























「…………あれ?」

『あはは、実は再利用してみました。いやぁホント他の勇者があまりにも役立たずな奴等が多いもんで。時間軸に影響を与えそうな勇者はやっぱり如月ユウマさんだけなんですよね。ってことで恥も外聞もなく魂を復活させてみました』

「……」

『どうです? 四度目の人生に挑戦する気ありますか?』


 少女とユウマはしばし見つめ合う。ユウマの答えは決まっていた。次こそ、次こそは愛すべき二人の人生の幸せの願う人生を。



「もちろん、やらせてもらうよ。だって俺は伝説の勇者だぜ?」


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