南方方面に異常ありにゃん
○帝国暦 二七三〇年〇七月十四日
○プリンキピウムの森 南エリア(危険地帯) ロッジ
「おはようマコト、妖精殿、身体を休めたおかげで今朝は、すこぶる体調が良いのである」
アーヴィン様が起きてきた。
「おはようにゃん、それは何よりにゃん」
「おはよう!」
アーヴィン様の朝食の用意をする。
「妖精殿も早起きであるな」
「美味しい朝ごはんが待ってるから寝てなんかいられないよ!」
リーリは出来たてのソーセージをマフィンに挟んだ朝ごはんを食べている。
昨夜作った巨大ヤモリのソーセージは当たりだった。
「確かにマコトの用意してくれる朝食を前にして寝坊は有りえぬな」
「でしょう? 今日も大変だから、侯爵も朝ごはんはしっかり食べた方がいいよ!」
「無論そのつもりである、マコト、もつ煮と米があったら頼むのである」
「にゃあ、いっしょに茹でソーセージもどうにゃん?」
「それもいただくのである」
ごはんともつ煮とスープに漬物を出す。それに茹でたてのソーセージをそえる。
「マコト! あたしにも茹でソーセージちょうだい!」
「にゃあ」
リーリのソーセージを茹でる。
「「おはようございます」」
そこにキャサリンとエラも起きてきた。
「にゃあ、おはようにゃん、疲れは取れたにゃん?」
「ネコちゃんのベッドのおかげでいつもより調子がいいぐらいよ」
ハグされるオレ。
「私も同じくです」
「にゃあ、それは何よりにゃん」
キャサリンとエラにはソーセージと目玉焼きをマフィンで挟んで出す。どこかで見たことがある朝食だ。
「「マコト」」
アーヴィン様とリーリも欲しがったので追加で作った。
食欲があるのはいいことだ。
○プリンキピウムの森 南エリア(危険地帯)
ロッジを仕舞ってオレたちは魔法馬に乗った。
足元のぬかるみは、これでもかなりマシになったのだが、それでもオレが完全に水没するぐらい深い水溜りがそこかしこに残っている。
「今日からプリンキピウム方面に向かいながら狩りをするのが良いであろう」
「にゃあ、了解にゃん」
オレの魔力を隠せば特異種を引っ張ってくることもないだろう。あいつらは魔獣の森の近くが好きみたいだし。
魔法馬は水溜りを自分で避けながらパカポコ進む。夏場の森はジャングルといった方がしっくりくる。オレ狙いのヒルだの蚊だのが防御結界に触れて昇天した。
ヒルも虫も得意じゃないのでしっぽがザワッとする。
「にゃ?」
違うザワッとした感触が混ざった。ヒルや虫とは違う何か別の存在か?
次にキャサリンも違和感に気付いた。
「アーヴィン様、南からマズいものが来ます!」
「マズいとは何であるか?」
「猿蟲の群れです」
「何と! それは本当であるか!?」
「間違いないかと思われてます」
「猿蟲は、マズいですね」
エラも緊張の表情を浮かべる。
「美味しくないの?」
リーリが首を傾げた。
「味じゃなくて、その存在がかなり危険てことにゃん」
「そうです」
エラがうなずいた。
「にゃあ、南からいっぱい来るのが猿蟲にゃんね?」
「そうだね」
次はリーリが教えてくれた。
「キャサリン、猿蟲の数はわかるであるか?」
「ここから確認できるのは二〇〇〇匹ちょっとかと、いいえもっと多いみたいです、その倍はいそう、えっ? まだ増えるの!」
キャサリンの魔力を以てしても猿蟲の数を正確に把握できないようだ。
「にゃあ、特異種がこっちに多かった原因は猿蟲にゃんね」
「特異種が猿蟲の群れから逃れるために北上した可能性はあります」
「逃げた特異種を追って猿蟲もこっちに来てるのね」
「そうみたいにゃん」
「マコト、おまえは街に帰りこのことをデリックに知らせてはくれぬか?」
「にゃあ、それならアーヴィン様の通信の魔導具で知らせた方が早いにゃんよ」
「違うのネコちゃん、アーヴィン様はネコちゃんに逃げろと仰ってるの」
「にゃあ、オレだけ逃げるにゃん?」
「そうです、猿蟲は悪食です、動くものなら魔獣にだって襲い掛かるのです、ですからマコトさんは逃げてください」
「我らで数百は削れるが、それ以上は無理であろう。プリンキピウムの防御結界なら数日耐えられるはずである。上手く行けば籠城の間に森に帰るやも知れぬ」
「アーヴィン様、数がわかりました」
「六八〇〇です!」
「ちと多いな」
「地鳴りが聞こえます」
「にゃあ、猿の身体に蜘蛛の足が生えてるにゃんね、群れの中心に際立って大きいのがいるにゃん」
「たぶんそいつが女王の個体である」
「にゃお」
『リーリ、女王はエーテル機関があるにゃんよ』
リーリに念話を送った。
『マコトは大丈夫だと思うけど侯爵たちは頑張らないと食べられちゃうかな』
『かなり強いにゃん?』
『いっぱいいる手下を使って自前でマナを作り出すタイプだから、魔獣の森の中にいるヤツらと変わらないよ』
『にゃお、そんなことができるにゃんね』
『滅多に魔獣の森から出ないのにね』
『こいつらはもう六八〇〇匹で一つの個体にゃんね』
『そういうことだよ』
小さいと言ってもウシぐらいの大きさがある手下の猿蟲は、女王から魔力の供給を受けて動いてる。
そして手下が食べたモノがマナになって女王が吸収するのだ。悪食なのはそうしないとマナの供給が滞ってしまうからに違いない。
アーヴィン様一行は猿蟲の女王を魔獣と認識してないようだ。
「マコト、プリンキピウムに急ぐのだ」
「にゃお、オレなら大丈夫にゃん、それより猿蟲はここで食い止めないとプリンキピウムの冒険者たちに多大な被害が出るにゃん」
プリンキピウムの冒険者は小汚いおっさんばかりだが、皆んな人のいい連中だ。猿だか蟲だかわからないものに喰わせるわけにはいかない。
「マコトの気持ちはわかるが相手が悪すぎるのである」
「そうよ、死霊と違ってネコちゃんの聖魔法も効かない相手よ」
「我々が時間を稼ぎますから、マコトさんはどうか逃げ延びてください」
アーヴィン様たちもオレが守る。善良な貴族が減ると国が滅ぶ。
「にゃあ、猿蟲の群れは全部オレが狩るにゃん」
「マコト、無理を言うでない」
アーヴィン様は、駄々っ子を前にした困ったお爺ちゃんの顔になる。
「にゃあ、アーヴィン様、キャサリンとエラもこれから見ることは内密に頼むにゃん。リーリも喋っちゃダメにゃんよ」
「うん、わかった」
いちばん口の軽い妖精が軽く引き受けた。
オレは格納空間からグールの上位種から戴いたアーティファクトの剣を取り出す。
オレの魔力に最適化したので以前と色と形が変わってる。
大きさだけは小さくできなかったので元のままだ。
「何やら業物の様だが」
「にゃあ、一匹ずつ潰すのは面倒臭いから、まとめてざっくりぶった斬るにゃん」
電撃で仕留められたら話は早いのだが、そこは魔獣だけに獣のようにはいかない。
「ぶった斬るの?」
「えっ?」
キャサリンとエラは困惑の表情をする。
「了解である、マコトの好きにやってみるといいのである、その代わり失敗したら街に戻るのであるぞ」
「にゃあ、わかったにゃん」
「マコトなら大丈夫だよ!」
リーリが保証してくれる。
オレは前に出て魔法馬の鞍に立った。
「にゃあ、やるにゃん!」
剣に魔力を込めると魔法式を載せた刀身に青白い光が宿る。
猿蟲六八〇〇匹のすべてをロックオンした。
「にゃあ!」
剣を横一文字に振った。
オレから扇状に魔力が広がり森の木々がドミノ倒しみたいに倒れる。
「森林破壊だね」
「にゃあ、こんなのすぐ元に戻るにゃん」
こっちの森は地球のそれよりずっとタフだ。一週間もあれば元の森に戻る。
「アーヴィン様、猿蟲は女王以外、全て沈黙しました」
キャサリンが報告した。
「ちょっと待つのだ、六八〇〇がであるか!?」
確認するアーヴィン様。
「そうです、六八〇〇がです!」
「一撃?」
エラは南の方角とオレを交互に見る。
「吾輩も見てはいたが、本当に一撃であるか?」
「一撃です」
頷くキャサリン。
「信じられませんが確かに一撃でした」
三人はお互いに事実を確認しあっている。
「にゃお、まだ気を抜いちゃダメにゃんよ、ここからが本番にゃん」
沈黙した手下どもの躯、六八〇〇分は勿体ないので格納した。
猿の身体に蜘蛛の足なんて、こんな気持ちの悪いモノが売れるかどうかわからないが。
「にゃあ、猿蟲の女王がこっちに来るにゃん」
「これはかなり怒ってるね」
リーリの言うとおりなのかはわからなが、猿蟲の女王の身体は熱が上がっていた。
「このまま逃げればいいのにオレの魔力をたどってこっちに来るにゃん」
木々も倒されてるわけだし、オレを探すのは造作もないことだ。
「速い、こんなに速く移動できるの!?」
「実際しています」
魔獣なら十分に出る速度だ。
「吾輩にもわかるとは相当な魔力を持っておるぞ、これは普通の特異種ではあるまい、少なくとも上位、もしくは……」
アーヴィン様の言葉が途切れた。
「まさか?」
キャサリンが気付いたっぽい。
「魔獣ですね」
エラがはっきり言う。
「あー気付いちゃったか」
ダメ押しでリーリが余計なことを言う。
「猿蟲の女王が魔獣であったとは」
「これまで討伐された記録もありませんから、知られていなくてもおかしくはありません」
「魔獣と判断できる距離まで近付いて生き残った者が皆無なのでしょう」
「マコト、魔獣は分が悪い、兵隊を始末しただけでも快挙である。すぐに街に戻り門を閉ざすのだ」
「にゃお、それはできないにゃん」
オレは首を横に振った。
「もう、そこまで来てるよ」
リーリの言葉どおりだ。
切り倒された木々の上は通らず、身を隠しつつ速度を上げて近付く。慎重な性格の魔獣らしい。
危険な気配がオレのしっぽにビリビリくる。
「にゃお、来たにゃん!」
大木を砕いて猿蟲の女王が姿を現した。
『ギャォォォォォォォォォォォォォォッ!』
キングコングみたいな身体に蜘蛛の脚が十六本!? 手足のある場所から蜘蛛の脚が四本ずつ生えている。
猿蟲の女王の頭だけでもアーヴィン様よりデカくて、口から生えるサーベルタイガーの様な牙は毒付きだった。
オレたちから一〇〇メートルほど距離があるが、ヤツの間合いに入ってると考えていいだろう。
『ガァァァァァァァァァァァァァァァッ!』
クレームジジイのごとく湯気を吹いて怒ってるのは、さっきの斬撃で手下と脚をちょん切られたせいか?
手下はともかく脚は治ってるんだから落ち着け。
「こいつ女王って顔じゃないにゃんね」
「そうであるな」
「ちょっと! ふたりとも落ち着いてる場合じゃないでしょ!?」
「キャサリンは落ち着いてください」
エラに諌められるキャサリン。
「にゃあ、こいつもオレが始末するにゃん」
シューと音を立て、猿蟲の女王は身体のあちこちから水蒸気を吹き上げている。
「マコト、むちゃをするでない、ここは吾輩が出るのである」
アーヴィン様が馬を前に出そうとする。
「にゃあ、猿蟲の女王は防御結界を展開してるにゃん、アーヴィン様の衝撃波もガントレットの打撃も届かないにゃん」
シミュレーションするまでもなく、アーヴィン様が前に出れば脚の爪に刺し貫かれて秒殺される。
人間離れしたアーヴィン様の速さを持ってしても猿蟲の女王には及ばない。
「アーヴィン様、ネコちゃんが言うとおりです、さっきまではなかった桁違いに強力な防御結界を展開しています」
「キャサリンの魔法も効かないのですか?」
「あの防御結界は試すまでもなく無理ね、ぜんぜん歯が立たないわ」
猿蟲の女王が静かに身体を左右に揺らし始めた。
獲物を狩るタイミングを図っている。
「にゃあ、行くにゃん」
一メートルほど飛翔したオレはそこから空間圧縮を使って一気に突っ込んだ。
猿蟲の女王の防御結界とオレのトゲトゲの防御結界が激突した衝撃でドン!と土煙が上がった。
まさかまた先制攻撃を食らうとは思ってなかったらしい。
驚愕の色がその眼に浮かんでいた。
だが油断はなかった。
前脚八本のアイスピックみたいな爪がオレを包み込むように撃ち込まれた。
「にゃあああ!」
オレの防御結界が猿蟲の爪を受け止める。
鋭い爪の先端が赤く光った。
魔法だ!
風の魔法で自分の身体を吹き飛ばして後ろに下がった。
オレのいた場所に赤い熱線が交差し地面を切り刻み白煙を上げる。
『ギャァォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!』
猿蟲の女王はオレに逃げられ激怒する。
そんなレーザー切断機みたいなので防御結界の耐久テストはしたくないが、こちらに向けないところをみると自分の防御結界近辺でしか使えないみたいだ。
『マコト、もうすぐ手下を生み出すから早めにケリを付けた方がいいよ』
リーリから念話が入った。
『了解にゃん!』
オレは改めてアーティファクトの剣を構えた。
「行くにゃん!」
今度は猿蟲の女王も動いた。女王は空間圧縮を使ってないのに弾丸のように速い。
「にゃああ!」
猿蟲の女王の防御結界を切り裂き爪を切り捨てる。
オレは身体をスピンさせ猿蟲の女王の前脚の付け根を切断した。
『ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!』
オレの防御結界に牙を突き立て毒液を飛ばす。
「効かないにゃん!」
毒液は既に対策済みの溶解系の魔法式だった。オレの防御結界に触れた途端、魔法式は破壊されて四散する。それでも牙は深く防御結界に食い込んだ。
「ネコちゃん、大丈夫なの?」
「動きが速すぎてわかりません」
「マコトは、吾輩とは比べ物にならない強者であったか」
「マコトだからね!」
リーリが空中で得意げに仰け反る。
「もうすぐ終わるよ!」
切り落とした猿蟲の女王の前脚四本分の付け根から脚が再生される。
断面から新しい脚がまるまる飛び出すとか反則級の再生能力だ。
切り落としたはずの爪もいつの間にか再生している。
さらに腹部が膨らんで手下を産み落とす秒読み段階に入った。
卵じゃなさそうなのが厄介だ。ここで数が増えるとアーヴィン様たちを狙われる。
「にゃあ、そっちが数を増やすならこっちもにゃん!」
アーティファクトの剣を飛ばした。
猿蟲の女王の眼が剣を追う。
「にゃあああああああ!」
コピーされたたくさんの剣が猿蟲の女王をぐるりと囲み一斉に襲い掛かった。
避ける間もなく全身が剣山状態になる。
それでも内側で再生が開始され、剣を外に押し出そうとする。
『ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!』
しかし剣は再生よりも早く猿蟲の女王の身体を切り刻む。
『ガッ!?』
バキッ!っとクラックの入る音とともに猿蟲の女王が粉々に砕け散った。
「にゃあ、勝ったにゃん」
エーテル機関を回収した。これは解析する必要ありだ。
粉々になった身体も回収するが、猿蟲の女王の身体もまた魔獣の特徴がアリアリなので冒険者ギルドには渡せない。
売るとしたら手下の猿蟲だけだ。買うかどうかはわからないけど。
「なんと、六歳の少女が魔獣を倒したのである」
「ネコちゃん、スゴすぎ」
「はい」
あ然としている侯爵たち。
「マコトと約束したんだから余計なことは言っちゃダメだからね」
リーリが三人に念押しする。
「わかっておる、数を言わねば問題あるまい」
「でも、魔獣は報告しないとまずいですよね?」
「ですね」
「それもダメだよ!」
妖精がダメ出し。
「確かにマコトが魔獣を狩ったことが表沙汰になると騒がしくなるのである」
「それはそうですね」
「証拠はないですし、隠蔽は問題ないかと。それ以前に信じる人がいるとは思えませんが」
「信じなくても話しちゃダメだからね!」
リーリが問答無用で話を締めくくった。
「にゃあ、でっかいだけで大して強くなかったにゃん」
地面にごっそり突き刺さってる大量のアーティファクトの剣も仕舞った。
再生能力が強力で面倒くさい相手ではあったが、速度重視の攻撃で力はそれほど強くなかった。
マナを供給する手下を先に潰されたせいでガス欠状態だったのかも。
「マコト、猿蟲が弱いのでは無くておまえが強すぎるのだ」
「にゃあ、剣に助けられただけにゃん」
「ネコちゃん、スゴい剣を持ってるのね、お姉さんにくれない?」
キャサリンがオレを抱っこした。
「アーティファクトを子供から巻き上げたら貴族でも犯罪奴隷に即堕ちです」
エラが真面目に警告する。
「確かにそうであるな」
アーヴィン様も頷く。
「や、やだな~ふたりとも、冗談に決まってるじゃないですか!」
「にゃあ、アレはオレ用に調整してあるからキャサリンには使えないにゃん」
「下手すると魔力を吸われて死んじゃうよ」
リーリがざっくりと解説する。
「アーティファクトクラスの剣をカスタマイズなんてやるわね」
「使用する魔力も半端なさそうです」
「アーティファクトでは珍しくあるまい、妖精殿の言葉どおり魔力を過放出して命を落とす例も有る」
「オレのはその前に電撃を食らって素っ裸になるにゃん」
「ネコちゃんは容赦ないね」
「同感です」
「詳細は秘密にするとは言え、準魔獣に指定されてる猿蟲のことは冒険者ギルドに報告せねばなるまい」
「にゃあ、準魔獣にゃん?」
「そうである、準魔獣に分類された獣は、本来であれば王国軍が対応する」
「にゃあ、王国軍は王都にいるのと違うにゃん?」
「おお、良く知っておるな」
「さっき知らせたとしても王都からでは、プリンキピウムどころか州都が襲われても間に合わないにゃんね」
「次の州を襲われる頃には間に合うんじゃない?」
「そして蹴散らされる」
エラがぼそっと付け加える。
「仕方あるまい練度も装備も足りぬのだ」
国軍を擁護するアーヴィン様。
「にゃあ、アーヴィン様は王国軍の関係者にゃん?」
「いや、知り合いがいるだけである」
「にゃあ」
オレと同じだ。
「ネコちゃんが一人いれば王国軍は要らないですね、王都に持っていっちゃいますか?」
「無駄飯食いを全部リストラ出来ますね」
「むむ、笑い飛ばせぬところが辛いところである」
「にゃーお」
「では、改めてプリンキピウムの方向に進むのである、狩りをしながらだから帰り着くのは明日であるな」
「急がなくていいにゃん?」
「すでに猿蟲の脅威は去ったのだ、急ぐ必要はあるまい」
「了解にゃん」
リーリのリクエストでお茶の時間を挟んで帰還ついでの狩りを再開した。
ウエイトはオマケの狩りに比重が置かれてたけどな。




