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監獄都市プロトポロスにゃん

 ○フルゲオ大公国 直轄領 城塞都市プロトポロス


 日が落ちる前に軽くレオンに聖魔法の手解きをする。と言っても、額をくっつけて情報を流し込んだだけだ。

 それからレオンを魔法馬の後ろに乗せ、五分ほど走らせてプロトポロスの城壁の前まで行った。距離にして一〇〇メートルほど手前だ。

「にゃあ、この辺りでいいにゃんね」

 馬を消してふたりで巨大なプロトポロスに対峙する。一〇〇メートルも離れてるのに城壁の威圧感がスゴい。尻尾が毛羽立つぜ。

「にゃあ、さっき教えた魔法を城壁に向かって撃ってみるにゃん」

「かしこまりました、やってみます」

 レオンは、オレのやった情報通りに手を翳し、丹田で魔力を練って聖魔法の青い光を城壁の一部に出現させる。

 まだ四角い空間で囲えてはいないがその前段階までは出来ていた。

「おお、出来てる!」

 レオンは自分の魔法に驚いていた。

「にゃあ、初めてにしてはいい出来にゃん」

「ありがとうございます! まさか俺に魔法の才能があったなんて驚きです!」

「にゃあ、魔法が使えるのはいいことばかりじゃないから気を付けるんにゃんよ」

「肝に銘じます」

「にゃあ、レオンが送った魂が天に昇って行くにゃん、あそこに死霊が隠れていたにゃんね」

「死霊ですか?」

「にゃあ」

 オレはいまレオンが天に還した死霊の魔石を回収して本人に手渡した。

「これは?」

「死霊の魔石にゃん、これはレオンのモノにゃん」

「いえ、これはマコト様のモノです、お納め下さい」

「にゃあ、まあ見てるにゃん」

 オレもプロトポロスに向けて聖魔法の空間を作り出した。

 一辺が一〇〇メートル四方で高さが地上と地下それぞれ三〇〇メートルずつの直方体を聖魔法の光で満たし死霊を送った。

 地下三〇〇まで聖魔法が届くようになったのはちょっとした進化だ。

 聖魔法の空間の中で、たくさんの光の粒子が立ち上る。

「にゃあ、いまので三〇〇ちょっとの魔石が獲れたにゃん、だからレオンも気にせず自分のモノにしていいにゃん」

「マコト様、本当によろしいのですか?」

「にゃあ、後で格納魔法も教えるにゃん」

「はい」

「にゃあ、格納魔法の前に次はこれを使ってみるにゃん」

 小銃を取り出した。

「銃ですか?」

「にゃあ、聖魔法も撃ち出せる銃にゃん、人を撃つと素っ裸になって気絶するにゃん」

「聖魔法を撃ち出せるってスゴいですね」

「にゃあ、聖魔法は死霊とか怨霊系にしか効かないから注意するにゃんよ」

「わかりました」

「使い方は銃を持てばわかるにゃん」

「はあ」

 レオンは不思議そうな顔をして銃を受け取る。その途端、驚きの表情に変化した。

「えっ? 本当にわかる、わかります!」

「にゃあ」

 銃を手にすると脳内にチュートリアルが展開する親切設計だ。

「銃はレオンの聖魔法を強化してくれるにゃん、実際に撃って確かめてみるといいにゃん」

「かしこまりました、撃ちます!」

 レオンが狙ったのは閉ざされたままの門だ。

 トリガーを引くと同時に発射された聖魔法の銃弾は、閉ざされた門そのものに影響することなく素通りした。

 その直後、着弾した門の一部が青く光り、続いて光の粒子が飛び散った。

「にゃあ、門の向こう側に死霊が二匹、隠れていたにゃん」

 回収した魔石をレオンに渡す。

「にゃあ、続けてもっと撃ってみるにゃん」

「はい、撃ちます!」

 レオンは次々と銃弾をプロトポロスの閉ざされた門に撃ち込んだ。

 その数以上に光の粒子が舞い上がる。

「にゃあ、いい感じにゃん」


 レオンの魔力が減って息が上がったところで射撃を終了しロッジまで戻った。



 ○フルゲオ大公国 直轄領 プロトポロス近郊野営地


 夕暮れが迫りオレは早めに夕食の支度をする。

「マコト! 夕ごはんは何なの?」

「にゃあ、今夜はスリランカ風カレーにナンとサラダにゃん」

「スリランカ風カレー?」

「にゃあ、簡単に言うと美味しいカレーのことにゃん」

 カレーはブタとトリと豆の三種類を用意した。

 ラッシーもある。

 これはなかなかの再現度だ。


「俺も皆様と一緒に食べるんですか?」

 腰が引けてるレオンの前にも皿を並べる。

「にゃあ、ご飯は皆んなで食べた方が美味しいにゃん、それにここは戦場みたいなもんにゃん」

「それにしては豪華な食事だがな」

 リンダにもこのカレーの豪華さが伝わったらしい。

「にゃあ、食は元気の源にゃん、腹が減っては戦はできないにゃん」

「同感だね、うーん、美味しい」

 フライングでリーリが食べ始めた。

「にゃあ、ナンにカレーを付けて食べると美味しいにゃんよ、でも自分の好きに食べるのがいちばんにゃん」

 皆んな頷いて手と口を忙しく動かしてる。

 リーリだけは何故か食べてる途中でダンスが入った。

「……」

 レオンの動きが止まった。

「どうしたにゃん? 辛かったらラッシーを飲むにゃん」

 レオンはポロポロと涙を流した。

「もしかして、豚肉は嫌いだったにゃん?」

 皆んなおいしそうに食べてくれるからこっちの人は好き嫌いがないのかと思ってたが。

「違いますマコト様、この世にはこんな美味しいものが有ったのかと感動しているのです」

「にゃあ、わかるにゃん、オレもこのカレーを初めて食べた時は衝撃を受けたにゃん」

 随分まえに潰れちゃったけど、スリランカカレー屋のマスターは元気でやってるだろうか?

 まあ、死んじゃったオレよりは元気だろう。

「マコトの料理だったら、他にも美味しいものがいっぱいあるよ、思わず踊り出しちゃうぐらいね」

 リーリのダンスが止まらない。

 ビッキーとチャスがピクっとした。

「にゃあ、おいしくても踊らなくていいにゃんよ」

 五歳児たちのカレーはココナッツミルクみたいな木の実でまろやかに仕上げてる。

「にゃあ、今日は好きなだけ食べるにゃん」

 皆んなの皿におかわりのカレーを注いで回った。


「明日はプロトポロスの先に行くにゃん?」

 夕食の後はテーブルに地図を広げて打ち合わせだ。

「いや、あの街の先に人は住んでいない、故に我々はひとまずここに留まって様子をみることになる」

 リンダが答えてくれた。

「にゃあ、するとこの地図に有るもっと西にある街には人が住んでないにゃんね?」

「そこはこのドクサ州のもともとの州都があった場所です、数百年前の死霊の大発生で壊滅して以来、復興されることなく放棄され現在は森に沈んでると思われます」

 エリカが補足してくれた。

「予定は了解したにゃん」


 完全に日が沈み、予定通りオレはロッジの上から本格的にプロトポロスへ向けて聖魔法をぶち込み始めた。

「「「にゃあ!」」」

 屋上に上がってきたビッキーとチャスもオレと一緒に声を出す。

 聖魔法の空間が城壁の向こうに現れると、まるで火花が飛び散るように光の粒子がたくさん天に昇る。

「「「にゃあ!」」」

 街全体を絨毯爆撃するのに一〇〇発もあれば十分だ。

 しばらくすると光の粒子も完全に止まった。

 魔石は三〇〇〇ちょっと。

 思ったほどではないのは、大半が昨日の飽和攻撃に参加してたからか?

 それと死霊になってない魂もかなりいた。

 それらも聖魔法の絨毯爆撃でまとめて天に還ってもらった。

「にゃあ、これでプロトポロスの街からは完全に死霊は消え去ったはずにゃん」

 でも監獄都市の異名があるだけあって嫌な感じが少しも払拭されてなかった。

 思い当たる理由は一つ。

「城壁の内側は、マナが濃いにゃんね」

「何かあるのかな?」

 リーリもオレの頭の上から監獄都市を眺める。

 五歳児たちも難しい顔をして眺める。

「でも、オレの探査魔法には何も引っ掛からないにゃん」

 監獄都市というだけ有って、監獄とその付随施設が大半を占めていた。

 監獄と言っても処刑する前に留置もしくは拷問するだけの場所だ。

 探索して愉快になるモノは何もない。

 死霊に街が迫った時、門を閉ざして籠城したが防御結界が破られ、逃げ場のない囚人はもちろん、獄卒も全滅した。

「迷える魂の吹き溜まりだったことが関係してそうにゃん、きっと恨みの念が凝り固まって城壁の中に蓄積されたにゃん」

 人間の強い感情は魔力と大きく変わらない。それが溶け出してマナを濃くしてるのではないだろうか?

「ない可能性じゃないね」

「死霊も迷っていた魂も消えたから、念が原因なら徐々にマナの濃度が下がるはずにゃん」

 こんな場所は街ごと消し去りたいところだが、大公国騎士のリンダとエリカがいるので自重した。

「にゃ、西の方角から大きな反応があるにゃん」

「うん、これって死霊だよね?」

「にゃあ、死霊だけど大きいにゃん」

「死霊なのにね」

 リーリもオレの頭の上で首をひねった。

「にゃあ、ここは危ないからビッキーとチャスはベッドに入るにゃん」

「マコト様は?」

「危なくないの?」

 ビッキーとチャスがオレにギュッと抱き着く。

「心配しなくてもオレは大丈夫にゃん、だからふたりは安心して寝てていいにゃん」

「「はい」」

「にゃあ、おやすみにゃん」

 五歳児たちを見送って西の空を見る。

 空気がピリピリしていた。

 オレの探査魔法に引っ掛かる反応は死霊なのだが、大きさが魔獣の鎧蛇ぐらいある。

 死霊なのにあの特急列車みたいな馬鹿げた大きさの蛇と同等なのだ。

「にゃあ、しかも反応が一つじゃないにゃんね」

「うん、もしかして魔獣が死霊化? うーん、それにしては感触は人間の死霊なんだよね」

「にゃあ、大きさ以外は人間の怨霊が死霊化したもので間違いないと思うにゃん」

 死霊化した魔獣なんてややこしいのは勘弁だ。

「数が二、三、四、にゃあ、もっといるにゃんね、全部で九匹いるにゃん」

「いるね」

「魔獣並みに強いと厄介にゃん」

「普通の人間が戦えばそうだね、でも死霊なんだからマコトなら楽勝なんじゃない?」

「にゃあ、そう願うにゃん」

 大きくても死霊なら聖魔法の前では無力のはずだが、死霊魔導師がそんな簡単なモノをぶつけて来るだろうか?

「マコト、今夜も死霊が来るのか?」

 ラルフが屋上に顔を出した。夕食でのアルコールは抜いてあるのでいまはシラフだ。

「にゃあ、昨日とは毛並みの違う死霊を当ててくるみたいにゃん」

「毛並みが違う?」

「めちゃくちゃデカいにゃん」

「デカい?」

「にゃあ、プリンキピウムの森で見た魔獣ぐらいあるのが九匹こっちに向かってるにゃん」

「魔獣の大きさの死霊ってなんだそれは!?」

「たぶん、死霊の集合体だ」

 リンダも屋上に出て来た。

「集合体は、単体の死霊よりもずっと強力ですからお気を付け下さい」

 エリカも続く。

「集合体にゃん?」

 死霊の集合体というのは初耳だ。

「死霊どもが集まって一匹の獣の様な動きをすると言われてる、記録も少ないので詳細は不明だが」

「大公国の一部にだけ伝わっている情報なんですね、アルボラの冒険者ギルドでは持ってないネタです」

 ラルフは冒険者ギルドの指定害獣駆除担当で、他の職員より獣やその他の化物の情報には精通してるが、集合体の話は知らなかったらしい。

「我が国でも知る人はほとんどいないでしょう、ましてや目撃した人間は皆無かと」

「少なくともいま生きてる人間の中にはいない」

「にゃあ、間もなく見えるにゃんよ」

「あたしは、見ない方がいいと思うよ、自前の防御結界を持たない人はオツムをやられて暴れるかも」

 リーリが忠告する。

「にゃあ、それはマズいにゃんね、ラルフは戻った方がいいにゃん」

「わかった、後は頼む」

 ラルフはロッジに戻った。

「リンダ、私たちも下がりましょう、妖精さんが仰ったのは精神系の防御結界よ」

「精神系か、効かないはずだがここで実験するわけにはいかないな、済まないマコト殿、我らも下がらせてもらう」

「にゃあ、了解にゃん、また明日の朝にゃん」

 リンダとエリカも下がって屋上のハッチを施錠した。ロッジのガラスも不透明化し厳重に防音する。


 こちらの準備が終わったところで西の空が赤くなり始めた。

 まるで夕焼けの様だが、いまの時刻は真夜中に近い。

「来たにゃん」

「派手な登場だね」

 プロトポロスの上空にそれが姿を表した。

 形は鎧蛇に似ていた。身体をくねらせ空を這うようのこちらに向かってくる。狙いはオレで間違いない。

「にゃあ、あれが死霊の集合体にゃん?」

「らしいね、あたしも見るのは初めてだよ」

 あれ一匹あたりに五~六万の死霊が集まってる。すべてかなり古い死者の魂が死霊に変質したものだ。

 身体中が赤く光ってる。それらはすべて死霊の眼だ。


『『『ああああああああああああああああああっ!』』』


 耳を覆いたくなる苦痛の叫び声が響く。

 集合体は、鎧蛇の型に死霊をギュウギュウに押し込んで作った様な見た目だった。遠くから見たら空を飛ぶ鎧蛇だが間近で見たら地獄絵図だ。


『『『ひゃああああああああああああああああっ!』』』


 直ぐに送るのがいいだろう。

 死霊と化した上に集合体なんて理不尽な責め苦を負わされている彼らを救う手段はそれしかない。

「にゃあ!」

 聖魔法の空間で死霊の集合体をくくった。

 鎧蛇に似た表面から白い光のいくつか弾けたが、集合体を解体するには程遠い効果しか無かった。

「みっしり詰まってるから聖魔法の通りが悪いね」

「にゃお」

 最初の一匹目が大口を開けてロッジに降下する。

 それに続く集合体が次々とプロトポロスの上空を越えロッジに迫った。


 ロッジの防御結界に最初の一匹目が喰いついた。


『『『ぐあああああああああああああああああっ!』』』


 聖魔法をまとった防御結界の電撃が集合体の口の部分を光の粒子に変える。

 それでもロッジの防御結界に喰らいつき続ける。

 更に別の集合体も喰いついた。

 眩しいぐらい光の粒子を弾けさせながらも死霊の集合体どもは攻撃をヤメない。

「にゃお、こいつらまたオレの魔力切れを狙ってるにゃんね」

「マコトには効かない戦法なのにね」

「にゃあ、もちろん効かないにゃん」

 防御結界の聖魔法成分を濃くする。

 それとともに大口を開けてる集合体の中に聖魔法の塊を撃ち込んだ。

「にゃあ、今度は効いてるにゃん」

 内側からの攻撃で集合体の結束が緩んだ。内と外から聖魔法の光が侵食して光の粒子が弾けまくる。


『『『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!』』』


 集合体としての形を失い光の粒子に溶けるように姿を消した。

「にゃあ! やったにゃん!」

 攻略法が確立したら後は、大口を開けた集合体に聖魔法を打ち込む仕事を機械的にこなす。

 消え去った集合体の後に次の集合体が喰らいついて同じ作業を繰り返す。

 そうでもしないと視界いっぱいギュウギュウに詰め込まれたゾンビみたいな死霊をじっくり見なくてはいけないことになる。

 それは勘弁願いたい。


『『『ああああああああああああああああああああああああっ!』』』


 一斉に上がる叫び声を結界でカットする。

「マコト!」

「にゃあ!」

 集合体の口の中から赤錆びた槍が何本も突き出され防御結界に突き刺さった。

 他の集合体も続く。

 次々とロッジの防御結界に無数の槍が突き刺さった。

 槍は呪いが掛けられており結界を侵食する。

「にゃあ、悪くない手にゃんね、でも、オレには悪手にゃんよ」

 全ての槍に電撃を喰らわせた。

 集合体に火がつく。


『『『がああああああああああああああああああああああっ!』』』


 オレたちをまた蒸し焼きにするつもりか?と思ったがどうやら違うみたいだ。

 集合体の胴?の部分で爆発が起こり途中から千切れた。

 聖魔法と電撃の合わせ技に集合体の中に溜め込んだ呪いの品々に火がついた。

 爆発と聖魔法で次々と死霊の集合体は形を失う。

「にゃああ」

 たくさんの光の粒子で眩しい。


 そして九つの集合体がすべて消えると辺りは静寂に包まれた。


「にゃお、まだいるにゃんね」

「いるね」

 周囲の地面から泥人形が立ち上がった。

「にゃあ、今度のは死霊じゃないにゃんね?」

「ゴーレムに近いかな? さっき集合体が撒き散らした魔導具から生まれたみたい」

「にゃ、銃を構えたにゃん」

「おお、思った以上に高性能だね」

「にゃあ、かなり高度な魔法と魔導具にゃん、これを用意したのが死霊魔導師ならヤバい相手にゃん」

「死霊を自由に操るだけで十分に危険な相手だよ」

「それもそうだったにゃんね」

 泥人形が泥の銃を撃つ。

 泥の弾丸はすべて結界侵食系の魔法式をまとっていたので、防御結界の手前で風の魔法で止めた。

 侵食の後に爆発とか芸の細かい設定がなされていた。

「にゃあ!」

 泥人形を動かしてる魔導具を分解回収する。道具なので簡単に回収できてしまった。

 魔導具を失った魔法式は四散し、泥人形は全て崩れ果てた。


 また静寂が戻る。


 もう変な動きをするものはない。

「今度こそ全部やっつけたみたいだね」

「にゃあ、騒がしい夜だったにゃん」

 周囲は森も含めて聖別され、森の精霊まで天に還っていた。

「この魔導具も悪くない性能にゃん」

 泥人形から回収した魔導具を手のひらに再生した。クルミほどの大きさで人工エーテル器官という感じの代物だ。

 魔獣由来のエーテル機関には及ばないが、例えば刻印を使った通常の魔法馬の性能強化などに使える。

「にゃあ、それと結界侵食系魔法の対抗策にゃん」

「そうだね、さっきは槍が刺さったもんね」

「油断して無くてもブスっと来たにゃん」

 この魔導具と使われていた魔法式から侵食の仕組みを解析し、オレの防御結界をより強化しなくてはならない。


 ロッジの屋上に座ったまま、格納空間でああでもないこうでもないとやってるうちに空が白んで来た。


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