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州都弾丸行三日目にゃん

 ○帝国暦 二七三〇年〇六月〇二日


 日付が変わった辺りで、ロッジを囲んで張り巡らせた防御結界の外縁部に反応があった。これは防犯センサーと同じ作用がある。

 目を覚ましたオレは詳細に探査した。

 人間だ。それも一人じゃない。

 ロッジを取り囲みながらその包囲を狭める辺り襲撃が目的か。

「盗賊にしては人数が多いにゃんね」

「そうだね」

 リーリがオレのTシャツから這い出した。

 探知結界に入り込んだのが二〇人、更にその外側に三〇人。

 全員が銃で武装している。

 しかも五〇人のうち四人が魔法使いだ。

 認識阻害の魔法で五〇人を隠している。

 その程度の認識阻害ではオレには効かないけどな。逆に目立つ。

「おそろいの戦闘服だし、盗賊とは毛並みが違うにゃんね」


『手はずどおり一気に行くぞ、ギルド職員も冒険者どももひとり残らず皆殺しだ』

『荷物はすべて回収する』

『開始!』


 何か物騒な指示が出されて魔法使いたちが対象の人間のエーテル器官から魔力をシャットアウトする魔法を打った。

 つまりオレの魔法を封じるつもりらしい。

 でもロッジの防御結界も抜けないようでは、オレの魔法をどうこうするのは無理にゃんよ。

「にゃあ、オレとしても皆殺しにされるわけにはいかないにゃん」


 五〇人全員の頭の上で稲光が輝いた。


 三日目も夜明け前から皆んなが起きて来た。

「おはよう、昨日の夜も静か……って、何だあれは!?」

 馬車にトレーラーが二台接続されそこに棺桶みたいな箱が積まれている。

「箱が増えてますわ」

「何かあったの?」

「五〇人ほど襲って来たから、おいしく頂いたにゃん、他にも銃に魔法馬が人数分でホクホクにゃん」

「儲かっちゃうよね」

 リーリもニコニコだ。

「「「五〇人!?」」」

「マコト、それ盗賊じゃないだろう!?」

「確かにちょっと違ってたにゃんね、装備も良かったし統制が取れてたし、それに臭くないにゃん、あと魔法使いが四人もいたにゃん」

「いたね」

 リーリが頷く。

「マコト、五〇人の中で誰がリーダーかわかるか?」

「指示を出してたヤツならわかるにゃんよ」

「顔を拝ませてくれるか?」

「いいにゃんよ」


 チャドと外に出て馬車に載せた箱の一つを開けた。

 なかなか男前の兄ちゃんが入ってる。

「おいおい、こいつはイアン・バーマンだぞ! ブラッドフィールド傭兵団の副団長とはとんでもない大物を捕まえたな」

「大物にゃん?」

 ネットもないこの世界でチャドも良く知ってるにゃんね。

「天下のブラッドフィールド傭兵団が、盗賊まがいの真似とは、俺たちはいったい何を運ばされてるんだ?」

「さあ、ネコちゃんが売った何かじゃない?」

 デニスも箱の中を眺める。

「にゃあ、特別高いものは無かったはずにゃんよ」

 デカくて高いのは買い取り拒否されてるので最初からオレの格納空間に入ってる。

「州都で買い取ってもらう獲物が有ったんじゃないのか?」

「にゃあ、幾つかあるにゃん」

「聞かないほうが良さそうだな」

「言えるわね」

「にゃあ、傭兵団も犯罪奴隷になるにゃん?」

「いや、この場合は身代金だな」

「にゃあ、まるでオレが誘拐したみたいにゃんね」

「この場合は戦争捕虜と同じだ。交渉はフリーダに丸投げがいいだろう、相手が相手だからな冒険者ギルドに面倒事は押し付けろ」

「そうにゃんね、冒険者ギルドに全部任せるにゃん、それと分け前は昨日と同じでいいにゃん?」

「そりゃ駄目だ、野営中に見張りがひとりで倒したのと同じだからマコトの総取りになる」

「それは悪いにゃんよ」

「気にしなくていいわ、下手な前例を作られると他の冒険者に迷惑が掛かるから、ここは我慢して」

「わかったにゃん、皆んなごめんにゃん」

 耳がペタンとなってしまう。

「謝らなくていいですわ、盗賊でも手に余るのに傭兵団なんて、ネコちゃんがいなかったら皆殺しにされてましたわ」

「そうだよ、五〇人なんて人数多すぎだし」

 ポーラとレベッカがフォローしてくれる。

「直ぐに移動するぞ、マコト、荷物満載で馬車の速度は大丈夫なのか?」

「にゃあ、昨日より速いぐらいにゃん」

 トレーラーも魔法車になってる。

「それなら問題ないな」



 ○プリンキピウム街道 旧道


 朝食は後回しでオレたちはまだ薄暗いうちに野営地を出発した。

「うわ、本当に速いね」

 昨日に引き続きデニスが一緒に御者台に乗っている。

「この調子なら、今日中に到着するんじゃない?」

 デニスが地図を確認する。

「にゃあ、到着したとしても、門限ギリギリだから野営して明日の朝に州都に入った方が面倒がないにゃんよ」

「また襲撃されるんじゃない?」

「にゃあ、だからって五〇人以上で来るとは思えないにゃん」

「相手は大きな傭兵団だから油断はできないわよ」

「油断はしてないから安心するにゃん」

「そうだよ、マコトは強いからね」

「にゃあ、それにリーリもいるにゃん」

「任せて!」

 リーリがオレの頭の上で胸を張った。



 ○プリンキピウム街道 旧道 街道脇


 一時間ほど走ったところで休憩の為に馬車と馬を停めた。

「にゃあ、朝はサンドイッチにゃん」

 サンドイッチとスープを配った。

「何の疑問もなくマコトに飯を出してもらってるが、これ本来は依頼側のデニスが用意するんじゃないのか?」

「そうにゃん?」

「本当はそうよ、でもあんたら、私の手料理を食べたいわけ?」

 完全な開き直りだ。

「遠慮しますわ、同じマズくても自分で作った方が諦めが付きますわ」

「それは言えるかな」

 ポーラとレベッカは即答した。

「俺もノーサンキューだな」

 チャドも肩をすくめた。

「だったら最初から聞くな!」

「にゃあ、そう言えば依頼料とか全然聞いて無かったにゃん」

「諸経費別でひとり金貨一枚ですわ」

 ポーラは確認済みだった。

「マコトには拡張空間の使用料として金貨一枚プラスだ」

「諸経費って何にゃん?」

「主に持ち込んだ魔法馬分の経費だ。一日当たりひとり大銀貨一枚だな」

「ぜんぜん足りないけどね」

「ですわね」

 レベッカとポーラは不満らしい。

「よし、行くぞ!」

「もう行くの!?」

「今日中は無理でもなるべく州都に近付いておきたい。出来れば防衛圏内に入るのがベストだ」

「何かいいことがあるにゃん?」

「襲撃されれば記録される、盗賊やチンピラには効力はないが、傭兵団には都合が悪い代物だ」

「にゃあ、すると州都の防衛圏内に入る前が危険にゃんね」

「おう、ヤツらが動く前に逃げ込むぞ」

「襲撃失敗はもう知られたにゃん?」

「マコトが捕まえた魔法使いのいずれかが念話使いだ、連絡が途絶えたら直ぐに次の行動を開始する可能性がある」

「にゃあ、また五〇人にゃん?」

「どうだろうな、オレなら少数精鋭で当たらせるけどな」

「にゃあ、どっちにしても防御に力を入れる必要有りにゃんね、わかったにゃん」



 ○プリンキピウム街道 旧道


 休憩の後は馬車を改装して全員を乗せた。

 剥き出しだった荷台は幌を掛け、外からの視界を遮る。

 御者はチャド、その隣にポーラが座って前方を警戒する。

 デニスとレベッカは最後尾のトレーラーから後方の警戒を担当した。

 オレとリーリは幌の上に寝そべって防御結界に集中する。

「マコトこの馬車、スゲえ速いな」

「四頭立ては伊達じゃないにゃん」

 オレの馬車の場合、単騎より速い。


 馬車は順調に旧道を突っ走る。警戒レベルは最大級で行く。

 わざわざ五〇人の傭兵団を差し向けてくるのだから、かなりの値段のモノと言うことになるがオレにはさっぱり見当がつかない。

 プリンキピウムの森で狩った獣ならわざわざ傭兵団に頼まなくても金を払えば合法的に手に入れられるし、たぶん傭兵団より安い。

 もしかしたらオレの獲物とかじゃなくてまったく別の物じゃないだろうか?

 少なくとも金では買えないものだ。

「にゃあ、ダメにゃん」

 さっぱり思い付かなかった。



 ○プリンキピウム街道 旧道 野営地跡


 昼の休憩でオレたちは野営場跡に馬車を乗り入れた。

 旧道もやっと畑が見え始めた。

 森から人間の領域の境界って感じた。

「魔力ですわ」

 ポーラが声を上げた。

「チャド、馬車を道に戻すにゃん」

「お、おう!」

 馬たちの足が滑る。泥が足元に湧き出していた。

 野営地全体があっという間に泥の池のような有様になった。

「にゃあ!」

 オレは泥を凍らせる。

 馬も馬車もトレーラーも少し傾いただけで済んだ。

「ちょっとびっくりしたにゃん」

「うん、びっくりしたよ」

 馬たちが固くなった地面に蹄の音を立て前に出る。トレーラーのタイヤも自ら動いて難なく最後尾まで道路に戻した。

「にゃあ、焦って泥を全部、凍らせちゃったにゃん」

「おい、この泥って魔法だよな?」

「そのはずですわ」

「だったら近くに魔法使いがいるんじゃないのか?」

「にゃあ」

 オレは幌の上から地面に飛び降りた。

 カチカチに凍った泥の上を歩いてそれを見付けた。

「にゃあ、ここにいるにゃん」

 太ったおっさんの仰向けになったレリーフが凍った泥の中に出来上がっていた。

「死んだのか?」

「仮死状態にゃん」

「ネコちゃん、そいつ泥から出せる?」

「出せるにゃんよ」

 デニスの注文に応じて仮死状態のまま泥を分解する。

「おい、裸かよ」

 素っ裸で出て来たのは恰幅のいい中年男だ。

「やだ、ネコちゃん」

 そう言いつつしっかり見てるデニス。

「にゃあ、装備は全部分解したから仕方ないにゃん」

 太ったおっさんはヒゲを左右に伸ばしハゲ頭の左右にはパーマみたいな縮れた毛が残っていた。

 サーカス団の団長って感じの風貌だ。

「マコト、こいつ領主のお抱えの魔法使いだぞ」

「にゃあ、マジにゃん!?」

「見間違えるわけないだろう、こんな個性的なおっさん」

「それもそうにゃんね、すると領主もグルにゃん?」

「いや、それはちょっと考えづらいな、ここアルボラの領主なら無理矢理奪わなくても優先的に買い取りができるわけだし」

「お金がないとか?」

「ここの領主様だったら、それはないはずだけど」

 レベッカが首を傾げる。

「お金持ちにゃん」

「ええ、アルボラ州の領主様は価値のある遺跡を幾つも所有してる大富豪ですわ」

 ポーラが教えてくれた。

「だから、わざわざ危険を犯してまで奪う意味がないってことだ、盗賊行為は貴族であっても懲罰の対象だしな」

「実際は訴えても、その貴族と仲の悪い貴族の所にでも逃げ込まない限り、消されますわよ」

「怖いにゃんね」

「ここの領主様に関しては信じても問題ないわ」

 デニスが保証してくれる。

 皆んなと話してる間にサーカス団の団長みたいな魔法使いも、ゴーレムが箱に詰めてトレーラーに乗せた。

「お昼は馬車を走らせながら食べるしかないにゃん」

 皆んなにハンバーガーとジュースの入った袋を配った。

 オレはまた幌の上に飛び乗った。

「出すぞ!」

「にゃあ」

 オレの返事で馬車が動き出す。



 ○プリンキピウム街道 旧道


 探知魔法で索敵をしつつハンバーガーを食べる。

「美味しいね」

 リーリは満足そうだ。

 いまのサーカス団のおっさん、魔法が発動する直前までオレの探知魔法の外にいたのは間違いない。

 瞬間移動みたいな魔法があるのか?

 箱に仕舞ったおっさんの頭の中を覗いてみる。余計な記憶は見ないで気を失う直前のモノにフォーカスを当てた。

 にゃあ、これにゃんね。

 記憶とエーテル器官の履歴から該当する魔法式を見付けた。

 空間拡張の魔法を応用したものだ。

 空間を縮小して一気に距離を稼ぐ。

 空間圧縮魔法だ。

 このおっさんの場合は一回の移動で一キロぐらい進める。

 オレが使っていた探査魔法は距離にして半径七、八〇〇メートルというところだったから完全に範囲外だった。

 今後は半径一二〇〇メートル程度に広げる。

 頭の中でシミュレートした限りではオレならもっと距離は稼げるが、ある程度先が見通せる場所じゃないと使えない。

 単に空間を圧縮するだけだから、障害物を自動で通り抜ける便利機能は無いからだ。

 防御結界を併用すれば障害物を排除することも可能だが、人間や馬車を弾いたら大惨事になるから使えない。


「やはり門限には間に合わないか」

 遠くに州都の城壁が見えて来たが日が落ちて辺りが薄暗くなっていた。

 あと三〇分程度で門が閉ざされる。

「旧道とは言え州都に近付けば交通量が増えるから仕方有りませんわ」

「そうにゃんね」

 森を抜けて田園地帯に入り込んだ辺りから徐々に交通量が増えて来た。商人のちゃんとした馬車ならともかく、廃棄寸前の農家の馬ではほとんど歩く速度だ。

 こちらも追い抜きはするにしても危なくてまともに速度は出せない。

 単騎程度の速度で進んだ。

 州都の防衛圏内には入ったので当初の目的は達成した。

「この先に野営地が有るから、今夜はそこで野営にしようぜ」

「にゃあ、了解にゃん」



 ○プリンキピウム街道 旧道 野営地


 少し先に進んだところにあるだだっ広いのだけが取り柄の様な野営地に馬車を乗り入れた。

 先客がいる。

 見覚えのある金属製の馬車だ。

「おっ、マコトじゃないか!」

「おお、マコトと妖精さんか!」

「にゃあ、イートンにジェフリーにゃん!」

 イートンがニカっとする。

「ねえ、誰なの、あの格好いい人たち」

 デニスがいい食い付きを見せる。

「ふたりは武装商人にゃん」

「イートンとジェフリーって言ったら州都では割りと有名な武装商人だな」

 チャドは良く知ってる。

「武装商人と言えば冒険者の賞金稼ぎと違い、犯罪者を生きたまま捕まえるお仕事ですわね」

「ネコちゃんも顔が広いね」

 イートンとジェフリーがこっちに来た。

 オレも幌から飛び降りた。

「四頭立てにトレーラーを二連結とはスゴい馬車だな」

「これ、マコトの馬車だろ?」

「そうにゃん」

 イートンとジェフリーに頭を撫でられる。

「皆んなにも紹介するにゃん、イートンとジェフリー、武装商人にゃん」

「どうも、マコトのお仲間だけあって、みなさん強そうですね」

「ネコちゃんほどでは、ありませんわ」

「オレはチャドだ、州都を根城にしてる、こっちがレベッカであっちがポーラ、ふたりはプリンキピウムの冒険者だ」

「よろしく」

「お見知り置きを」

「私はデニスです! プリンキピウムの冒険者ギルドで働いています!」

「おお、そっちに行った時はよろしく」

「ギルドの人がいるってことは、それ絡みの仕事かい?」

「にゃあ、そうにゃん、極秘任務だから詳しいことは言えないにゃん」

「おお、スゲーなマコトは」

「まあにゃん」

 オレはリーリみたいに仁王立ちして腹を突き出す。

「あたしもスゴいよ」

 更にリーリがオレの頭の上で仁王立ちする。

 そこに近付く馬車の音が聞こえた。

「気を付けろマコト、面倒なのが来たぞ」

 チャドに小声で知らされる。

 馬車が二台、新たに野営地に入って来た。

 ぱっと見は普通の商隊の馬車だ。

 馬車を降りてこちらに来るのは背の低い中年の主人らしき男と部下らしき黒ずくめの三人。

 後ろに控える部下たちが銃を取り出す。

 更にそれぞれ馬車から同じ黒ずくめが三人ずつ出て来てオレたちの後ろに回り込んだ。

 いずれも銃を持っている。

「皆様、そこを動かれません様に」

 恵比寿様みたいな笑い顔の主人がオレたちを制した。

「おいおい初対面で銃を出すのはマナー違反だぜ」

 チャドがニヤリとする。

「そうは言いましても戦闘力の高い方々の様ですから、こちらとしても万全を期したいわけです」

「それで俺たちに何の用だい?」

「用事があるのは、そちらのイートンさんとジェフリーさんのおふたりでして、あなた方は不幸にも……」

「にゃあ!」

 この商人もどきの一〇人と馬車の中からこちらに銃を向けてたふたりの合計一二人に電撃を浴びせて装備を丸ごと剥ぎ取った。

「話が長いにゃん」

 素っ裸の男たちが転がる。

「お、おお、そうだな」

「相変わらずスゲえな、マコトの魔法は」

「いまのは、びっくりしたぞ」

「「「……」」」

 レベッカとポーラとデニスもコクコクと頷いた。

「イートンとジェフリーにはそこの四人と馬車を一台やるにゃん、残りの雑魚と馬車一台と装備一式はオレがもらうにゃん、それでどうにゃん?」

「この場合、マコトの総取りでもいいんだぞ」

「ああ、普通はそうだ」

「にゃあ、このおっさんたちはイートンとジェフリーに用が有ったみたいだし、ふたりだって聞きたいことがあると違うにゃん?」

「ああ、たぶんこいつらは武装商人狩りの殺し屋だ。確かにいろいろ訊かなきゃならないからもらえるなら助かる」

「そうだな、でも馬車まで一台もらっていいのか?」

「にゃあ、オレは友だちには甘いにゃんよ、でも、冒険者的に何か問題あるにゃん?」

 チャドに聞いた。

「いや、マコトが討伐したし、それなりの分け前ももらってるから問題ない、ただふたりはコトが済んだら後で州都の冒険者ギルドに顛末を報告してくれると助かる」

「ああ、わかった、伝えよう」

「ところでマコト、ヤツらを閉じ込めたその箱は何だ?」

「にゃあ、護送袋の代わりにゃん、獲物を仮死状態にして仕舞ってるにゃん、サービスでそこの四人も入れてやるにゃん」

「おお、護送袋の代わりか、ぜひ頼む」

「箱に入ってる間は、護送袋と同じく飲み食い不要にゃん、起こす時は箱から出して蹴りでも入れれば目を覚ますにゃんよ」

 目の前で伸びてる四人も魔法によって箱詰めされた。流石にイートンとジェフリーにまでゴーレムは見せられない。


「まったく、こいつらのおかげで予定が台無しだ」

「これから移動するにゃん?」

「ああ、こいつらを置いて来なきゃならなくなったからな」

「また何処かで会おうぜ!」

「またな、マコト!」

「にゃあ!」

 イートンとジェフリーは二台の馬車に分乗して走り去った。


「ありゃ尋問屋の所に持って行くんだな」

 チャドがボソリと呟く。

「尋問屋にゃん?」

「ああ、真実の首輪よりも深い情報を引っ張り出してくれる専門家だ」

「そんな商売があるにゃんね」

「汚れ仕事だから表立って看板も出してないから、知る人ぞ知るって稼業だな」


 ちょっと格好いいと思ったのは内緒にゃん。


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