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魔法牛にゃん

 ○帝国暦 二七三〇年〇五月二二日


 ○プリンキピウム街道


 プリンキピウムへの帰路、実質的な五日目。

 襲い掛かってくる獣がいたのは林道の終わりまでで、街道に合流する頃にはオオカミすら姿を見せなくなった。

 街道は本来こう有りたい。

 獣避けの刻印が施されてる街道は獣は出ないはずなんだけど、毀損して久しいわけだ。

「後は街に戻るだけだね」

「にゃあ、また買い取り拒否に遭うと困るにゃん」

 獲物はどっさり格納されているわけだが。

「何のためにオパルスに行って来たのかわからなくなりますわね」

「今回は特異種がないから大丈夫だよ」

「にゃあ、その代わり数が多いにゃんよ、ゾウもいっぱいいるし」

「買い取り拒否されたら数日掛けて売るしかないですわね、悪くは有りませんが」

「にゃぅ、面倒にゃん」

「普通は他の冒険者に羨ましがられるんだけどね」

「ええ、間違いありませんわ」

「そういうものにゃんね」

 いまいち冒険者のトレンドを掴めないオレであった。


 獣に出会うことなく街道を進みオレたちは午前中の内にプリンキピウムの街に戻って来た。



 ○プリンキピウム 孤児院


「ただいまにゃん」

 冒険者ギルドに行くレベッカとポーラと別れてオレたちは孤児院に顔を出した。

「マコトさん、妖精さん、お帰りなさい!」

 最初にアシュレイが出迎えてくれた。

「いま帰ったにゃんよ」

「「「ネコちゃんたちだ!」」」

 メグを始めとするちっちゃい子たちが駆け寄って来る。

「ネコちゃんと妖精さん、帰って来たのね」

 デニスが出てきた。孤児院に来てくれてたみたいだ。

「にゃあ、いま戻ったにゃん」

「帰ってきたよ!」

 子供たちは顔色も良く清潔でオレたちがいなくてもちゃんと回ってる様で安心だ。

「にゃあ、皆んなにお土産があるにゃん」

「「「お土産?」」」

 子どもたちが首を傾げた。

「これにゃん」

 オレはオパルスで仕入れたつがいの魔法牛を再生させる。

「「「わぁ!」」」

 子供たち+デニスが驚きの声を上げた。

 エーテル機関を埋め込んだから本物の牛っぽい動きをする。

 本物は本物でも地球の牛だけどな。

 こっちのウシはヤバいなんてものじゃない。

「これ何ですか、魔法馬じゃないですよね?」

 アシュレイが代表して質問した。

「にゃあ、魔法牛にゃん、メスはミルクを出してオスは警備用にゃん」

「ミルクって、ヤギのミルクみたいな?」

 デニスが質問する。

「にゃあ、これはヤギと違って安全にミルクをしぼれるにゃん」

 元の魔法牛はそのミルクを出す刻印が複雑過ぎるのが泣き所だったが、エーテル機関の導入で大幅に簡素化して信頼性を上げてる。

 自動補修もされるので大丈夫だろう。

「ミルクか、超高級品ね」

「にゃあ、ミルクはそういうくくりにゃんね」

「ネコちゃんはマダラウシから搾って来るけど、ヤギのミルクはほとんど王都に行っちゃうからまず庶民や田舎貴族の口には入らないわ」

「にゃあ、数が少なそうだから仕方ないにゃん」

「それでミルクは売らないの?」

「にゃあ、手間が掛かりそうにゃん」

「それは仕方ないかな、状態保存の魔法は必須として液体だからね」

「にゃあ、液体はいろいろ面倒にゃん」

「あたしが全部飲んであげてもいいよ」

 リーリなら本当に全部飲めるだろうが何の解決にもならない。

「にゃあ、全部飲まれたらそれはそれで困るにゃん、アイスもチーズも作れなくなるにゃん」

「それはダメだね」

「そうにゃんね、チーズに加工したらずっと扱いやすいにゃん」

「チーズか、ネコちゃんに食べさせてもらったけど美味しいよね」

 デニスはチーズの味を思い出したらしい。

「うん、おいしかった」

 リーリがうっとりとする。

「にゃあ、何と言ってもミルクより取り扱いが楽にゃん」

「チーズなら高いけど州都に行けば手に入れられないことも無いものね」

 州都オパルスのレベルだと生乳は無理でも、チーズなら流通しているからそれだけ販路も期待できる。

「子供たちがチーズを作れば、孤児院の運営の足しにできそうにゃん」

「作る量によっては十分イケるんじゃない、ただ子供たちだけで作れるの?」

「にゃあ、そこは魔導具を使うから大丈夫にゃん」

「私たちがチーズを作るんですか?」

「にゃあ、そうにゃん、アシュレイたちならできるにゃんよ、どうするにゃん、やるにゃん?」

「やります、やらせて下さい!」

 アシュレイが即答した。

「おい、勝手に決めるなよ」

 孤児院の暴れん坊チビ助ことバーニーが待ったを掛けた。

「にゃあ、バーニーはチーズ造りに反対にゃん?」

「いや、そういうわけじゃないけど、少しは皆んなの意見を聞けよ」

 ちょっと声が小さくなるが、ちゃんと考えるのはいいことだ。

「にゃあ、そうにゃんね、皆んなの意見も大切にゃん」

「誰も反対しないと思うよ、ボクたちが森に行くより稼げると思うし」

 魔法使いの卵のブレアがのんびりとした口調で言う。

「チーズ作りは森に行くより安全にゃん」

 この差は大きい。

「少しは森に行こうよ」

 カラムは狩りがしたいらしい。

「俺も森には行きたい」

 バーニーも冒険者志望は変わらないらしい。

「にゃあ、チーズ造りの作業は朝のうちに終わるから十分森に行けるにゃん、まさか奥に入ったりはしないにゃんよね?」

「マコトは俺をバカだと思ってるだろう?」

「にゃあ、バーニーがバカだなんて思ってないにゃん」

 バカかもしれないって疑ってるだけだ。

「直ぐに街に逃げ帰れる場所にしか行かないから」

 慎重なカラムがいれば問題はないか。

「にゃあ、だったらオレから冒険者ギルドに依頼して引率を頼んでおくにゃん」

「うん、それがいいんじゃないかな、ネコちゃんが依頼を出してくれるならギルドとしても大歓迎だし、後は報酬かな」

 デニスが同意する。

 カツカツで暮らしてる冒険者にボランティアを頼むことに無理があるのだ。

「にゃあ、報酬は弾むから信用のおける冒険者を頼むにゃん」

「ええ、任せて、信用の置ける冒険者に指名依頼を掛けるから」

「マコトが冒険者をボクらの為に雇ってくれるってこと?」

「そうにゃん」

「ボクらの狩る獲物より冒険者を雇うほうが高くない?」

 ブレアはコストを心配する。

「にゃあ、皆んなの将来の為だから気にしなくていいにゃん、つまらないことで命を落とされたらそれこそ高く付くにゃん」

「ちゃんとした冒険者になれってことだね」

「カラムの言う通りにゃん」

「冒険者がいるなら森に深く入っても大丈夫そうだな」

「バーニーはバカで決まりにゃん」

「「「うん」」」

 皆んなも頷いた。


 魔法牛の数をメス一〇頭にしてオス二頭にした。

「これだけいればチーズ作りには十分にゃん」

 小さな子供たちは敷地内の巡回を始めた牡牛に乗せてもらって大騒ぎだ。

 リーリと魔法鶏も魔法牛の頭に乗っている。

 ミルクを搾るための施設とチーズの工房を孤児院の後ろに建てる。

 本物の牛と違って所定の位置に自分から来てくれるので面倒事は少ない。

「全部ゴーレムにやらせることも可能にゃん」

「いいえ、自分たちのできることは自分たちでやります」

 これまでの経験から自立を目指したいのだろう。

「わかったにゃん、ゴーレムは補助にするにゃん」

 新たに三体のゴーレムを追加した。

「ネコちゃん、このゴーレムって!?」

 デニスが驚きの声を上げる。

「にゃあ、ゴーレムのことは内緒で頼むにゃん」

「そうね、でもギルマスにだけは報告させて、悪いようにはしないから」

「わかったにゃん」


 作業の流れは、搾乳部屋からチーズを作る工房に搾ったミルクを運ぶ、後は魔導具を使いまくってチーズにする。

 アシュレイたちが慣れてきたら徐々に本来のチーズ作りに変えて行く感じで。

 魔導具を使わなくても作れるぐらいの知識と技術を伝授したい。

 無論、精霊情報体からピックアップした知識だ。オレの前世にこっちで役立つ知識はあまりない。

「にゃあ、工房の地下はチーズの貯蔵庫にゃん」

「あっという間に出来ちゃうのね」

 デニスが貯蔵庫を眺める。

 精霊情報体の知識とオレの知識が揃えば後は再生するだけだからな。

「チーズができたら冒険者ギルドで買い上げて欲しいにゃん」

「ええ、実物が出来たら価格を決める感じでいい?」

「そこはアシュレイたちと協議して決めて欲しいにゃん、でもあまり安くするのはダメにゃんよ」

「私たちがですか!?」

「価格は冒険者ギルドで厳密に査定するから心配しないで」

「にゃあ、それとチーズはギルドから取りに来て欲しいにゃん」

「チーズはそこそこ高価だから子供たちだけで納品は危険だよね、一日一回は誰か職員が来てるわけだし、うん、問題は無いと思うよ」

「にゃあ、助かるにゃん」

「ネコちゃん、明日は冒険者ギルドに顔を出してくれる? チーズのことギルマスに話して欲しいの」

「了解にゃん、サンプルを持って行くにゃん」


 夕食には魔法牛のミルクと工房の試運転で作ったチーズを出した。

 ありえない速度で熟成させたが、そこは魔導具の力だ。

「美味しいね」

「「「うん、美味しい」」」

 妖精にも子供たちにも大好評。自分たちが搾ったり魔導具を動かしたりして作ったチーズは格別の様だ。

「チーズはこれからも作れそうにゃん?」

「大丈夫だと思います、でしょう?」

 アシュレイは作業を手伝ったバーニーたちに聞いた。

「この程度だったらどうってことないぞ」

 バーニーは問題ないらしい。

「ボクも大丈夫だと思う」

「狩りを優先にしたいけど仕方ないか」

 ブレアとカラムも納得した。

「にゃあ、いずれチーズ作りを一から覚えてもらうにゃん、魔導具が無くても作れるようにするのがベストにゃん」

「私たちでチーズ作りができるようにするんですね」

「どうやるとチーズができるのかを知ってると知ってないとでは大違いにゃん」

「そうか?」

 バーニーが疑問を呈す。

「バカだと思われてもいいなら知らなくてもいいにゃんよ」

「いや、ちゃんと覚えるから、俺はバカじゃないぞ」

「にゃあ、そうにゃんね」

 皆んなはクスクス笑ってる。

「売上の一部はチーズ作りを手伝ってくれた人にお小遣いとして支給するにゃん」

「いいんですか?」

「にゃあ、労働の対価にゃん」

 日本だったら通報されるレベルのブラックだけどな。



 ○帝国暦 二七三〇年〇五月二三日


 ○プリンキピウム 冒険者ギルド前


 翌朝、リーリと一緒に出来たてのチーズを持って冒険者ギルドにやって来た。

 ギルドの建物に入る前に対面にある斜めになった売家の看板が出てる屋敷を改めて眺める。

 三階建のこの建物、個人の住宅ではないにゃんね。

 宿屋か何かだったみたいだ。

 この街で最初に泊まった子ブタ亭よりも敷地も広くずっと大きくて立派だがかなり古い。ここしばらく使ってないらしく完全な廃屋だ。

 斜めになった売家の看板が、売りに出されてから結構たってるっぽいことを物語る。

「にゃお、人は使ってないけど別のモノが使ってるにゃんね」

「うん、いっぱいいるね」

 リーリにも見えてるみたいだ。

 黒い人影がユラユラ蠢いていたり天井からぶら下がったりしてる。なかなか賑やかな物件だ。

「ヤバい物件が誰の目にも明らかなのは逆に親切にゃんね」

 無論、オレなら何とかなるので問題はない。

 格納空間に仕舞ってる魔法蟻たちが『地面を掘りたい』とせっついてる気がするのでさっさと拠点を作るにゃん。

 孤児院に作ろうかと思ったが、何か有ったらマズいのでそこはヤメた。

 前院長の婆さんの土地はちょっと狭くて穴の隠蔽が面倒くさい。

 その点、この目の前の廃屋は大きい上に埋まってる遺跡の真上にあって条件は申し分ない好物件だ。

 心理的瑕疵どころの騒ぎじゃない事故物件だけどな。



 ○プリンキピウム 冒険者ギルド ロビー


「おはよう、ネコちゃん、妖精さん」

 扉を開けるとカウンターにいるセリアに声を掛けられた。

「にゃあ、おはようにゃん」

「おはよう!」

 セリアの立派なおっぱいなら冒険者ギルドでの出世は約束されたようなものだ。

「デニスから聞いたけど、孤児院の子を森に連れて行く冒険者を探してるんだって?」

「にゃあ、そうにゃん、あいつらに冒険者としてのイロハを教えて欲しいにゃん」

「するとCランクは欲しいかな」

「悪くないにゃん」

「レベッカとポーラのコンビは? ネコちゃんと仲がいいんでしょう?」

「にゃあ、あんなうっかりがブーメランと大砲をぶっ放してる様なヤツらで大丈夫にゃん?」

「実力はピカイチよ」

「でも、森に子供たちを忘れて帰って来たりしたら、温厚なオレも冷静でいられる自信はないにゃんよ」

「あははは、そんなわけないじゃない、……と思うけど」

 自信なさげな顔になる。

「もっとちゃんとした人を頼むにゃん」

「そうだね」

 リーリも同意見だ。

「だったら、ジャックさんとバッカスさんのコンビは? 面倒見はいいよ、外見はちょっと怖いけど」

 ジャックは世紀末モヒカンで、バッカスは知らない。モヒカンはオレの犯行だ。

「にゃあ、バッカスさんはどんな人にゃん?」

「ヒゲモジャでクマみたいな人だよ」

「にゃあ、あいつらなら怖いぐらいがちょうどいいにゃん」

「だね、生意気盛りな男の子だもんね」

「まったくにゃん、それで料金はどのぐらいにゃん?」

「一日拘束だから基本は一人大銀貨一枚だね、後は依頼人が上乗せするの」

「にゃあ、相場はないにゃん?」

「大銀貨三枚くらいかな」

「にゃあ、諸経費別で一人大銀貨五枚ならどうにゃん?」

「かなり条件がいい依頼になるよ」

「にゃあ、それでふたりに聞いてみて欲しいにゃん、OKなら明日からでも週二から三で連れ出して欲しいにゃん」

「わかったわ、ジャックさんとバッカスさんに指名依頼ね、じゃあ、カードを出して」

「にゃあ」

 オレの冒険者カードを魔導具で読み取る。

 後は当面の代金をまとめてギルドに預けた。

 後で州都から送られて来るグール討伐の報酬も同じくプールして貰う。


「にゃあ、ところで冒険者ギルドの向かいにある建物って売り物にゃん?」

「幽霊ホテルのこと?」

「にゃあ、幽霊ホテルって、まんまの名前だったにゃんね」

 言い得て妙だ。

「にゃあ、幽霊ホテルはどこに行ったら買えるにゃん?」

 廃屋の方向を指差した。

「悪いことは言わないから、あそこはヤメた方がいいよ、マジで呪われるから」

「呪われるにゃん?」

「二年前にも買った人がいたんだけど、次の日にはロビーで首を吊った状態で見付かったんだから、これは本当、私も見たんだから」

「にゃあ、それならオレも見たにゃん」

「見たって、いつ?」

「さっきにゃん」

「うん、ぶら下がってたよ、幽霊だけどね」

「それでも買うつもりなの?」

「にゃあ、もちろんそのつもりにゃん」

「あの不動産だったらギルドで仲介できるわ、持ち主の不動産さんに来てもらうから二~三日待ってくれる?」

「にゃあ、いいにゃんよ」

 セリアに不動産屋への連絡を頼んだ。

 その後にギルマスの執務室に行った。



 ○プリンキピウム 冒険者ギルド ギルドマスター執務室


「にゃあ、お邪魔するにゃん」

「ようマコト、州都で大活躍だったらしいな」

「にゃあ、成り行きでグールの遠征に連れて行かれたにゃん」

「フリーダもFランクの六歳児を連れて行くんだから思い切ったことをする、マコトを引き止められなくて悔しがってたぞ」

「オパルスはプリンキピウムほど獲物が濃くないからダメにゃん」

「あっちは州都だからな、こちらほど獣が出られても困るだろうさ」

「にゃあ、そんなわけで暫くこっちにいるにゃん、それとこれにゃん」

 格納空間から例のものを取り出した。

「チーズか、デニスから今朝報告は受けていたが、良く短期間に出来たな、しかもかなりの上物だ」

 流石、貴族出身だけあってわかるらしい。

「州都で、たまたま魔法牛が手に入ったにゃん、後は魔導具を使って作ったにゃん」

「そういや、守備隊の連中に美味いものを配ってやったんだって?」

「遺跡の横っちょを警備してた人たちにあげたにゃん」

「何でもパンに肉のようなモノが挟まっていて、それが最高に美味かったと自慢されたぞ」

「昨日の今日で話が早いにゃんね」

「それはホットドッグですね、孤児院でネコちゃんが作ってくれました」

 お茶を持ってきたデニスがおいしかったモノの正体を明かした。

「これが食いたいにゃん?」

 紙に包んだホットドッグを取り出した。

「こいつか?」

 ギルマスは、オレの手からひったくると紙を剥くのももどかしくホットドッグに齧り付いた。

「おお、こいつは美味いな!」

「マコト、あたしにも頂戴!」

「にゃあ、チーズとホットドッグのどっちにゃん?」

「両方!」

「そうだと思ったにゃん、リーリにはチーズ入りホットドッグにゃん」

「おいしそう!」

「マコト、俺にもくれ!」

「にゃあ」

「おお、これも美味いぞ!」

 新作ホットドッグをむしゃむしゃ食べる筋肉と妖精。

「それでチーズは引き受けてくれるにゃん?」

「チーズの件はわかった、納品はいつからできる?」

「明日から取りに来てくれると助かるにゃん」

「いいだろう、その様に手配しておく、価格は納品されてからでいいか? 無論、買い叩いたりはしない」

「にゃあ、構わないにゃん、それで頼んだにゃん」

「なに、いろいろありがとうな、それとホットドッグをもうちょっとくれ」

「にゃあ」



 ○プリンキピウム 冒険者ギルド 買い取りカウンター


「ザックが来るにはまだ時間があるにゃん?」

 午前中もまだ早い時間だ。

 買い取りカウンターを覗いたが誰もいなかった。

「まだ近くに来てないみたいだね」

 リーリは探査魔法を使ったらしい。まったくオレには探知できない不思議魔法だ。

「にゃあ、これは森に行くしかないにゃん」

「そうだね、行くしかないね!」


 オレは冒険者ギルドを後にして魔法馬を走らせて門に向かった。


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