タンピス領解放作戦にゃん
研究拠点の総合作戦室ではタンピスとレークトゥスの攻略作戦を立案中だ。
オレも念話で混ざってる。
『ドラゴンゴーレムで一気に展開するのが現実的にゃんね』
『にゃあ、人目があるからトンネルの使用は無理にゃん』
『タンピスとレークトゥスもトンネルの存在がバレたらヤバいにゃん』
『『『にゃあ』』』
『魔獣の推定数はタンピス十五万、レークトゥスで二〇万以上にゃん』
『三〇万から十五万だからタンピスは半減にゃんね』
『救援ついでに狩ったにゃん』
『にゃあ』
『ウチらに魔獣の森から遠く離れた魔獣など恐るるに足らずにゃん、それより道端で野垂れ死んで高濃度のマナをスカされる方が問題にゃん』
『にゃあ、魔獣の自爆テロにゃん』
『すぐにオレたちが救援に向かったタンピスはともかくレークトゥスの被害は甚大そうにゃん』
魔獣の数がタンピスで半減しているのに対して救援を拒否していたレークトゥスは手付かずのままだ。
タンピスは人的被害を最小限に抑えたがレークトゥスは詳細不明だった。上手く逃げてくれることを祈るのみだ。
『問題は遺跡にゃん』
『遺跡はいずれも最悪の場合、完成された人型魔獣が出てくるにゃん、いまのところその可能性がもっとも高いにゃん』
『完成された人型魔獣は、強力な魔法を使うにゃんね』
『にゃあ、そうにゃん、分解魔法に特化された魔獣にゃん』
『でも、分解魔法を除くとそんなに強くないし、いいところ一〇〇日しか稼働しないにゃん、ヤツの防御結界さえ突破できればこっちの勝ちにゃん』
『逆に防御結界を突破できないと王国の大半が更地になりそうにゃん』
『タンピスとレークトゥスで合計五匹の人型魔獣がいるにゃん、一〇〇日あれば十分やれる日数にゃん』
『『『にゃお』』』
実際に人型魔獣が何処まで魔法を連続して打てるか不明だし、この手の凝った造りのものは故障が付きものだ。
市街地で爆発でもされたら目も当てられないが、早々にぶっ壊れてくれると面倒がなくて助かる。
そうは上手くいかないのが世の常だから、希望的観測は盛り込まない。
『にゃあ、人型魔獣が遺した聖魔石の解析が完了したにゃん、完成された魔獣が使える分解魔法の出力がわかったにゃん』
解析班から報告が上がった。
『どのぐらいにゃん?』
『魔法一発で半径二〇キロを更地にするにゃん、ちょっとした州都レベルの都市でもすぐに消されるにゃん』
『にゃあ、先史文明の遺跡が地上にほとんど残ってないのは、そういうわけにゃんね』
『半径二〇キロとは、想像以上に広範囲に消してくれるわけにゃん』
『にゃあ、しかもこいつらは五~六発を並行して打つにゃん』
『人型魔獣が一匹でも先史文明が滅ぶわけにゃん』
『しかも生き物だけ消す魔法も別系統で持ってるにゃん、特に人間に合わせてチューニングされてるにゃん』
『遺跡の地下部分から人がいた形跡が消えたのはそのせいにゃんね』
『にゃあ、分解魔法で上モノを消して生き物を消す魔法で地下の人間も始末したにゃん、どの地域に投入されたかは今後の調査でわかると思うにゃん』
『他の魔獣よりも兵器っぽいにゃんね、どうやってコントロールしたにゃん?』
『にゃあ、残念ながら外部からのコントロールは受け付けない仕様にゃん、あらかじめ決められた行動を行いその後、自壊するにゃん』
『決められた行動というのは何にゃん?』
『命尽きるまで暴れまわることにゃん』
『世にも迷惑な魔獣にゃん』
『お館様、魔獣はどれも迷惑にゃん』
他の猫耳から突っ込まれる。
『兵器にしては敵地に魔獣の子宮を設置とか手間が掛かって使い勝手は悪そうにゃん』
『情報体に戦争の記録がないから、なんとも言えないにゃん』
『先史文明での運用がどうであれ、人型魔獣が最悪なことに間違いないにゃん』
『『『にゃあ』』』
『人型魔獣を外からコントロールする方法が一つだけあるにゃん』
解析班が情報を追加する。
『『『にゃ?』』』
『こいつらは特異種と同じく強い魔力に反応するにゃん、攻撃目標と認識して寄って来るにゃん』
『にゃあ、思いどおりとまでは行かなくても呼び寄せられるにゃんね』
『そうにゃん、しかもかなり鼻が利くにゃん、距離があっても捕捉するにゃん』
『例えばアポリト州からでも呼べるにゃん?』
『にゃあ、ウチらの魔力なら十分イケるにゃん』
『お館様、人型魔獣をおびき寄せるにゃん?』
『そうにゃん、できれば普通の魔獣もアポリトに誘い込んで始末したいにゃん』
遺跡にたかってる魔獣を街道に流すことができれば市街地のこれ以上の被害を防げる。
『にゃあ、呼び込むだけなら、例のループする魔法でイケるにゃん、ただオリジナルの魔法式より範囲を絞らないとまた魔獣の森から出てくるにゃん』
『にゃあ、領地ごと結界で囲むから問題ないにゃん』
『お館様、タンピス州内の魔獣もアポリトに誘引するにゃん?』
『出来ればそうしたいにゃんね、でもタンピス州とアポリト州の間にはレークトゥス州が挟まってるにゃん』
『にゃあ、タンピス州にいる魔獣をアポリト州に流すにはレークトゥス州を通過させる必要があるにゃんね』
『そうにゃん』
『お館様、タンピス州内の魔獣をレークトゥス州に移動させたら、後から何を言われるかわかったものじゃないにゃん』
『『『にゃあ』』』
総合作戦室の猫耳たちも同意した。
『何か言われなくても新たに魔獣を入れたら何らかの被害が出るにゃんね』
『被害が増えるのは避けたいにゃんね』
『タンピス州内の魔獣はレークトゥス州を横断させるより、現地で始末するのが被害がいちばん少なそうにゃん』
『にゃあ、タンピスでは市街戦になるにゃんね』
タンピス州の三つの遺跡パピリオ、アピス、セルペンスはいずれも街の中心に近い場所にあった。特にパピリオは州都だ。
『仕方ないにゃん、上空から入ってその場で殲滅するにゃん』
『お館様、オートマタは使わないにゃん?』
『にゃあ、もちろん同時に展開するにゃん、問題はオートマタを再生する場所があるかどうかにゃんね』
『市街地での展開はかなり難しそうにゃん』
『にゃあ、タンピス州内の遺跡近辺は街道から路地に至るまで魔獣が入り込んで渋滞してるにゃん』
『街道が魔獣の道になってるにゃん』
『足の踏み場もない状態にゃんね』
タンピスは街道沿いに街が発展してるので、オートマタを展開する場所がない。
『お館様、オートマタは魔獣の上に再生すればいいにゃん、踏み潰してエーテル機関を回収するにゃん』
『にゃあ、それはいい考えにゃん』
オートマタは出し入れ可能だから邪魔なときは格納すればいい。
『遺跡はどうするにゃん?』
『回収した聖魔石からの情報に依ると下手に刺激すると人型魔獣が目をさますにゃん』
解析班から回答をもらった。
『にゃあ、こちらの準備が終わる前に人型魔獣に出て来られたらヤバいにゃんね、ここは封印結界のみで他はノータッチで行くにゃん』
『まずは通常種の魔獣の殲滅が優先にゃんね』
『にゃあ、そうにゃん、直ぐに始めるにゃん!』
『『『にゃあ!』』』
作戦は即日決行された。
○タンピス州 上空
タンピス州は王都の西側に隣接している領地だ。先日までは王都を駕ぐ経済の中心地であったがクプレックス州側から流れ込んだ魔獣によって壊滅的な被害を受けた。
それでも避難が早かったのと安物の防御結界だったが多少の時間を稼いだため、奇跡的に人的な被害を最小限に押さえることができたのは僥倖だとファビウス・ボールディング伯爵が言っていた。
侵入した魔獣は列を成して街道を進み目的地であるクーストース遺跡群の三つの遺跡までを埋め尽くしている。
遺跡はいずれも街の中心にあり、大量の魔獣の侵入で周辺の市街地は瓦礫の山と化していた。
○タンピス州 州都パピリオ 上空
「にゃあ、これは復興までにかなりの金と労力が掛かりそうにゃん」
オレはドラゴンゴーレムに乗り上空からタンピス州の州都パピリオを眺めた。城のすぐ近くある遺跡に魔獣が折り重なって小山を築いている。
『にゃあ、マコトにゃん』
タンピス州領主ファビウス・ボールディング伯爵の通信の魔導具に念話を入れた。
『これは、マコト様』
『これから、タンピス州内の魔獣を一掃するにゃん』
『本当でありますか!?』
『にゃあ、ただし遺跡の中の魔獣は後回しにするにゃん』
『遺跡の中に魔獣がいるのですか?』
『クーストース遺跡群は人型魔獣を生成する魔導具だったにゃん』
『人型魔獣!? 最悪の魔獣ではありませんか!』
『にゃあ、知ってるにゃん?』
『多少の知識ならございます』
『にゃあ、それなら話は早いにゃん、人型魔獣を復活させたのはエドガー・クルシュマンにゃん、ヤツの居所に心当たりがあったら教えて欲しいにゃん』
『彼が生きていたのですか?』
『それは間違いなさそうにゃん』
『考えられるのは王宮でしょうか? 迷宮のような城内ですから隠れるには最適かと』
『防御結界に弾かれないにゃん?』
『城内の防御結界に精通した元主席宮廷魔導師ならどうとでもなります』
『そうにゃん?』
『絶対防御結界は、二〇〇年前の大改修以来、構造的欠陥を抱えているという噂です』
『それは興味深いにゃんね』
『エドガー・クルシュマンは当方も調査いたします』
『にゃあ、頼むにゃん』
『マコト様、ご武運を』
『やれるだけやってみるにゃん』
オレが念話してる間にタンピス州の十五万すべての魔獣にマーキングを完了した。
「マコト様、この下にいる魔獣をすべて狩るのですか?」
オレのドラゴンゴーレムにはマリオンを乗せている。マリオンはタンピス州の州都パピリオの中心を埋め尽くす魔獣を見て青い顔をしていた。
「にゃあ、殲滅だから全部にゃん」
「可能なのですか?」
「そのつもりにゃん、始めるにゃん、しっかり掴まってるにゃんよ」
「は、はい!」
オレは立ち上がった。
『にゃあ、殲滅開始にゃん』
『『『にゃあ!』』』
念話での号令に猫耳たちもそれに倣って声を返した。
「にゃあ、まずは電撃にゃん!」
マーキングした十五万の魔獣たちに等しく稲妻が走る。魔獣の森からの長い遠征で弱っていた個体はそれだけで機能停止に追い込まれた。
「あんな子供たちまで魔法をつかうのですか?」
チビたち五人もしっかりと電撃を放ってマリオンは目を丸くした。
『にゃあ、オートマタ再生にゃん!』
『『『にゃあ!』』』
瀕死の魔獣の上に現れた鉄の馬に乗った巨人はエーテル機関を槍で粉砕する。エーテル機関を砕かれた魔獣はマナを撒き散らす前にオレたちが回収した。
「スゴい!」
「にゃあ、オートマタはいい拾い物だったにゃん」
「拾ったのですか?」
「にゃあ、そうにゃん」
「オートマタは戦闘用ゴーレムではないのですか?」
「違うにゃん、オートマタは機械で動いてるにゃん、魔力のみで動くゴーレムとは似て非なる存在にゃん」
「機械ですか?」
「にゃあ、魔法馬と魔法車ぐらいの違いがあるにゃん。オートマタが乗ってる馬は魔法馬にゃん」
「良くわかりませんがスゴいことだけはわかりました」
『お館様、電撃で黙らせた魔獣はほぼ狩り終わったにゃん』
低空で飛ぶ猫耳から連絡が入った。
『アピス周辺もほぼ回収完了にゃん』
『にゃあ、セルペンス周辺も弱った個体は狩り終わったにゃん』
タンピス州にあるもう二つのクーストース遺跡群の遺跡からも連絡が入った。
『了解にゃん』
いまの電撃でおとなしくできたのは、全体のほんの一部に過ぎない。大部分の魔獣は身体の外を走る電撃では傷一つ与えられない。
タンピス州内の魔獣はいまオレが上空にいるパピリオを含めてクーストース遺跡群の三つの遺跡に集中してる。
遺跡の在る中心部はめちゃくちゃにされたが、それ以外は通りや裏路地に挟まってるだけで建物は奇跡的に原形を保っていた。
それも魔獣が少しでもビチビチ暴れたらあっという間に瓦礫に変わってしまう危うい状態だ。
『お館様、タンピス州内の魔獣の残存数十三万にゃん、第一波の攻撃としては悪くない成果にゃん』
研究拠点の総合作戦室から念話が入った。
『にゃあ、攻撃を続けるにゃん、できれば魔獣の動きを封じてから始末するのがベストにゃん』
ガトリングガンで始末すればことは簡単だが、出来ることなら元の世界だったら世界遺産間違い無しの美しい街並みを壊されたくなかった。
それに今後の復興のことを考えれば被害が少ないに越したことはない。
オレが心配しなくてもタンピス州の領主ファビウス・ボールディング伯爵は、うなるほど金を持ってるから資金面は大丈夫だろうけど。
『お館様、聖魔法にゃん』
研究拠点から連絡が入った。
『にゃ、聖魔法を魔獣に使うにゃん?』
『そうにゃん、魔獣のエーテル機関に聖魔法の魔法式を流し込むと一時的にフリーズするにゃん。これならどんなに生きのいい魔獣でもその場で動きを止めるにゃん』
『つまりおとなしくなるにゃんね』
『にゃあ、狭いところに入り込んだ魔獣を退治するにはオススメにゃん』
『わかったにゃん、次は聖魔法をブチ込むにゃん! おまえらも準備するにゃん!』
『『『にゃあ!』』』
チビたちも「「「にゃあ!」」」って叫んでいた。
オレはドラゴンゴーレムの背中で猫耳たちがオートマタを回収するのを待った。オートマタ自体は聖魔法に当っても何ら問題はないが魔獣との間に余計なモノは無い方がいい。
「何かされるのですか?」
マリオンは猫耳たちの動きが変わったことに気付いた。
「にゃあ、聖魔法を使うための準備にゃん」
「聖魔法ですか?」
「にゃあ、聖魔法は一時的にヤツらの動きを止められるにゃん」
「聖魔法にそのような効果があったのですか?」
「あるみたいにゃんね、どれほどの効果かはこれから確かめるにゃん」
『にゃあ、一気に行くにゃんよ!』
『『『にゃあ!』』』
猫耳とともに一斉に残り十三万の魔獣に聖魔法の青い雷を放った。
「おお!」
マリオンは魔獣の上でスパークしパピリオの街を青く染める稲妻に声を上げた。
「動きが止まったようです!」
「にゃあ!」
オレはマリオンの声を聞いて銃を装備した。
「行くにゃん、ちょっと揺れるけど我慢にゃん」
「わかりました、無理やりお連れいただいたのですから、私のことなどお構いなく」
「にゃあ、ドラゴンゴーレムから振り落とされないようにするにゃんよ」
「かしこまりました」
「にゃあ」
オレと猫耳たちのドラゴンゴーレムが一斉に急降下を開始した。
「……っ!」
オレは銃で動きを停めた魔獣のエーテル機関を次々と撃ち抜きその躯を回収する。街道から路地裏に挟まってるヤツらを始末した。
すでに街並みが壊されてる街の中心は猫耳たちが遠慮無しでガトリングガンをぶっ放していた。オートマタも再度、再生され暴れまわってる。
「魔獣がああも簡単に狩られるとは」
マリオンはドラゴンゴーレムの背中にしがみついている。
「にゃあ、これでも魔獣の研究には骨を折ったにゃんよ、でも、六歳のオレが言っても説得力はないにゃんね」
「いえ、そうでなければこれだけの魔獣を討伐することは出来ません、マコト様は人類の悲願を達成されたのです」
「にゃあ、それは大げさにゃん」
「いえ、大げさではありません、大発生した魔獣を討伐した例は過去に一度もないのですから」
「そうだったにゃん?」
思わず素で訊いた。
「魔獣の大発生で森に沈んだままの領地がいくつもあるのがその証拠です」
「にゃあ、宮廷魔導師が本気を出せば、軽く撃退できたのと違うにゃん」
「過去の事例では宮廷魔導師の攻撃で更なる大発生を引き起こしたことしかございません」
「にゃお、魔獣の躯をそのままにしたにゃんね」
「そのままとおっしゃいますと?」
「にゃあ、魔獣の最大の弱点は魔石(エーテル機関)にゃん、それを取り出さないと濃いマナが生じて魔獣が集まってくるにゃん、出来れば躯そのものも処分できると完璧にゃん」
「それは難しいですね」
「にゃあ、宮廷魔導師なら出来るにゃんよ、逆にいうと宮廷魔導師級の魔法使いじゃないと魔獣の退治は難しいにゃんね」
「私にも出来ますでしょうか?」
「にゃあ、マリオンなら出来ると思うにゃん、ただひとりではヤメた方がいいにゃんよ、濃いマナにやられるにゃん」
「そうですね、ひとりでは無理そうです」
マリオンと話しながらも魔獣を次々と処理していく。
『お館様、遺跡に取り付いた魔獣の排除完了にゃん!』
『にゃあ、残りはオートマタに任せて遺跡に封印結界を施すにゃん』
『『『にゃあ!』』』
人型魔獣を始末するのはアポリトに誘い込んでからだ。
『にゃあ、オレは先行してこのままレークトゥスに向かうにゃん! おまえらも作業が終了したら続くにゃん!』
『『『にゃあ!』』』
オレはまたドラゴンゴーレムの背中に立った。
「にゃあ! ディオニシス、来るにゃん!」
オレは空に向かって叫んだ。
『おう!』
白く輝く巨大な魔法龍が目の前に出現した。
「マコト様、これは!?」
マリオンが腰を抜かしそうなほど驚く。全長二〇〇メートル超えの魔法龍なら当然の反応か。
「にゃあ、見てのとおりドラゴンにゃん」
『主よ、我にも魔獣を狩らせよ』
「わかってるにゃん、レークトゥスで好きなだけ狩らせるにゃん」
『約束であるぞ』
「にゃあ、まずはオレたちをレークトゥスまで運んで欲しいにゃん」
『了解である』
オレはマリオンを連れてディオニシスの頭の上に飛び移った。
「「「おやかたさま!」」」
「「「マコトさま!」」
チビたちを乗せたドラゴンゴーレムがディオニシスの周囲を旋回する。
「にゃあ、おまえらは猫耳たちと一緒にくるにゃん!」
「「「はい」」」
「にゃあ、行くにゃん!」
『おう!』
魔法龍は空間圧縮魔法を使って一気に高度限界を超えた空間に跳んだ。




