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城塞都市アウグルにゃん

『軍隊蜂の瘴気のせいで自分の街や集落に戻れないらしいにゃん』

 エルが避難民から聞き取りした情報を教えてくれる。

『瘴気がまだ消えないにゃん?』

『にゃあ、そうみたいにゃん、話を聞くと針を撃ち込まれた犠牲者の遺体から出てるみたいにゃんね』

 破裂するという話だったが、違うのか?

『瘴気は厄介にゃんね、いいにゃんよ、アウグル内に簡易宿泊所の区画を作って保護して欲しいにゃん』

『直ぐに対応するにゃん』

『にゃあ、ただしアウグルからケラス内は進入禁止で頼むにゃん』

『了解にゃん』

 軍隊蜂の瘴気が破裂した犠牲者の遺体からも出てるとなると結界でくくるなり洗浄するなりしないと影響が長引きそうだ。

 洗浄はともかく瘴気を封じ込める結界はそれほど難しくはないから、いずれ状況は落ち着くだろう。

 落ち着いてくれないと予定していた王都への物流が滞るからオレたちも困る。


 チビたちと姫様は他の子と一緒にホテル内を駆け回ってる。猫耳に猫耳ゴーレムたちが見守ってるから大丈夫だろう。


 ケラス騎士団の少女たちは引き続き射撃の訓練を行ってる。近いうち大公国のドクサ騎士団に送って訓練した方がいいかも。

 ドクサ騎士団は現在、増員されて六五〇人になっている。全員が魔法騎士として活動できるので、戦闘力はかなりのものだ。

 後でルチアと話してみるのがいいだろう。


「マコト! すまんがちょっといいであろうか?」

 領主公邸の執務室のソファーでだらりと長くなってるとアーヴィン様とその守護騎士のキャサリンとエラがやって来た。

 慌てた様子だ。

「にゃあ、大丈夫にゃん」

 ソファーに座りなおす。

「実はレークトゥスの領主から救援要請が来たのだ」

「にゃ、救援にゃん?」

「どうやら瘴気の洗浄に手間取ってるらしい」

「にゃあ、オレも瘴気が消えていないという話は聞いたにゃん、レークトゥスの人たちではどうにもならないにゃん?」

「瘴気を浄化できる魔法使いがまったく足りないらしい、結界も一時しのぎのものでそう長くはもたないとのことである」

「にゃあ、それはマズいにゃんね」

 オレたちの予想よりも状態はよろしくないようだ。

「ケラスから王都に抜ける街道沿いだけでも手を貸してやってはくれぬか?」

「にゃあ、いいにゃんよ、王都までの街道が通れないとオレたちも困るにゃん」

「済まぬマコト」

「にゃあ、オレの力が必要なら行くにゃん」

 魔法使いを手配できないのではオレが力を貸すしか無さそうだ。

「まさか、魔法使いを雇うお金をケチってるとかじゃないにゃんよね?」

「レークトゥスの人間ならそう思われても仕方はないが、今回はいくら金を積んでも雇えないようである」

「それなら問題ないにゃん」

「では、直ぐにレークトゥスの領主に連絡しても良いだろうか?」

「にゃあ、いいにゃんよ」

 アーヴィン様はその場で通信の魔導具を取り出した。

「コルネーユであるか? 我輩である、マコトが洗浄を引き受けてくれたぞ」

 魔導具の向こうから中年男の声が聞こえた。

「ではケラスから入って街道を洗浄しながら進み、州都スマクラグに入ればいいのだな? わかった、ではマコトに代わろう」

 アーヴィン様は通信の魔導具を差し出された。

「レークトゥスの領主コルネーユ・ピサロである、マコトと直接話したいそうだ」

 魔導具を受け取った。

「にゃあ、マコトにゃん」

『レークトゥスの領主コルネーユ・ピサロであります。この度は辺境伯様にお力をお貸しいただけるとアーヴィン様よりお聞きいたしました』

「にゃあ、これから直ぐに出るから明日の朝にはレークトゥスに入れるにゃん」

『明日の朝でありますか? ありがとうございます、感謝いたします』

「にゃあ、困ったときはお互い様にゃん」

『そう言っていただけると助かります』

「にゃあ、では州都スマクラグで会うにゃん」

『お待ちしております』

 通信の魔導具をアーヴィン様に返した。

「にゃあ、これからオレは猫耳を連れて直ぐレークトゥスに向かうにゃん」

「では、案内役にエラを付けるとしよう」

「かしこまりました」

 エラが一礼する。

「お待ち下さい! 何故、私ではなくエラをネコちゃんに付けるのですか?」

 キャサリンがオレを抱き上げて抗議する。

「エラはコルネーユの知人でありレークトゥスにも詳しい、それだけであるが?」

「にゃあ、キャサリンは姫様の護衛を頑張るにゃん」

「ええ、姫様も可愛いですから、お風呂でも寝室でもお守りします」

 何故か不安を感じないでもない。

「にゃあ、エラ直ぐに出発の準備にゃん、猫耳たちはジープを用意、一〇台で行くにゃん」

「はい、ただちに!」

「「「にゃあ!」」」



 ○ケラス州 仮州都ネオケラス ケラス領主公邸 車寄せ


 地下の車寄せにジープを一〇台並べた。同行する猫耳が四人ずつ乗り込んでいる。

 オレとエラの乗るジープにはふたりなので、猫耳は三八人だ。

「にゃあ、皆んな後は任せるにゃん」

「「「にゃあ」」」

 留守番の猫耳たちに後を頼む。

「お待たせしました!」

 準備を終えたエラが駆けて来る。

「マコト頼んだぞ!」

 アーヴィン様が見送ってくれる。

「にゃあ、オレたちにお任せにゃん!」

 王都までの街道の安全を確保したらさっさと帰って来るつもりだ。

「「「おやかたさま!」」」

 チビたちが飛び出して来る。

「「わたしたちもいきます!」」

 ビッキーとチャスがジープに乗ろうとする。

「にゃあ、ビッキーとチャスには姫様を守って欲しいにゃん」

「「ひめさま」」

「そうにゃん、精霊魔法が使えるのはビッキーとチャスだけにゃん、だからふたりに頼むにゃん」

「「「お館様はウチらが守るから大丈夫にゃん!」」」

 同行する猫耳たちが声を揃えた。

「にゃあ、頼むにゃんよ」

「「はい」」

 ビッキーとチャスはジープから離れた。

 これから行くのは瘴気と死体の処理だから、いくらなんでも五歳児を連れて行くわけにはいかない。

 オレは六歳児だけどな。

「にゃあ、では行って来るにゃん!」

「出発!」

 リーリがオレの頭の上から号令を掛ける。



 ○ケラス州 アルカ街道


 ジープの車列は建設中の市街を抜けて整備したばかりのレークトゥスに抜けるアルカ街道に入って北上を開始した。

 王都から見ると南方に伸びるこの街道は更に南に続きフィーニエンスの首都アルカに繋がっている。いまはケラス止まりだけどな。

 オレとエラは先頭車両の後部座席に乗り、リーリはいつものようにオレの頭の上でおやつのカスタードまんじゅうを食べていた。

「マコト様の魔法車はどれも速いですね」

「にゃあ、馬車でも出せないことはないにゃんよ、でも、魔法馬はどうしても限界があるにゃん」

 土地はあるので片側三車線で、中央を領主専用にしているので時速一六〇キロで巡航している。

『『『ニャア』』』

 鳴き声をあげる猫耳ジープは本物よりずっと速い。

 車線分けは魔法で自動的に行ってるので逆走も他の車線への変更もできない。それ以前に交通量がほとんどないが。

 人がいないのですれ違うのは猫耳たちの乗ったジープばかりだ。

「にゃあ、いま、お昼を回ったところだから途中で宿泊しても明日の午前中には到着にゃん」

 本当はトンネルが境界門まで繋がってるのでそれを使えばもっと早いのだが、エラに見せるわけには行かない。

「この速度なら納得です」

「時間が経ってるのに瘴気が残ってるにゃんね」

「毒針に刺された人間の遺体が瘴気の苗床になり、死後一〇日は出し続けるようです」

「にゃあ、一〇日とは厄介にゃんね、通常の対策はどうするにゃん?」

「早い段階で焼却するしかありませんが、周囲に残留したガスもあるので炎が得意な魔法使いでもいない限り処理できないのが普通です」

「魔法使いが必要となると初期の処理もかなり難しいにゃんね」

 精霊情報体に軍隊蜂の記載はなく、図書館情報体は簡単な記載があるだけで具体的な対処法は無かった。以前はそれほどの脅威では無かったのだろうか?

「市街地だと火は使えませんから、通常は一ヶ月ほど放置ですね、下手をするとしばらく使えないなんて事もあるようです」

「にゃあ、瘴気を洗浄しつつ聖魔法で遺体を送れば何とかなりそうにゃんね」

 聖魔法を使えば遺体はエーテルに分解される。

「マコト様は聖魔法の使い手でしたね、洗浄と聖魔法の組み合わせなら完璧だと思います」

「にゃあ、猫耳たちも全員が使えるから仕事は早いにゃん」

「全員というのはスゴいですね」

「オレはともかく猫耳は全員、純白な魂の持ち主だから当然にゃん」

「「「にゃあ♪」」」


 暗くなるまで走ったオレたちは、設置済みの宿泊施設に入った。



 ○ケラス州 アルカ街道 宿泊所


 エラが宿泊所を見上げてる。

「近いうちにケラスは国内で最も発展した領地になるでしょうね」

「そうにゃん?」

 オレは鬱蒼とした森を見回す。いまにも盗賊が出て来そうな雰囲気だ。

「そうですよ、資金も魔法も権力もあるんですから」

「にゃあ、六歳児にそんな権力はないにゃんよ」

「六歳でも辺境伯様は辺境伯様です、マコト様は直ぐに王宮から目を付けられるでしょうね、いえ、既に付けられてる可能性が高いですね」

「自分たちで辺境伯にしておいて目を付けると言うのも変な話にゃんね」

「王宮も一枚岩ではありませんし、いまはまだ大半の人間にはアルボラ州のカズキ・ベルティ様の傀儡で、アーヴィン様の隠し子だと思われてますから」

「にゃあ、随分と盛りだくさんにゃん」

「仕方ありません、誰も素直に六歳児の功績とは思っていませんから」

「それはそれでいいにゃん」

「既にそれも露呈しつつありますけどね」

「にゃあ、王族はいい人たちみたいだけど貴族はそうでもなさそうにゃんね」

「マコト様は、既に国王派と目されてますからね、ただ小麦の件がありますから表立って絡んでくる貴族はいないと思いますよ」

「それならいいにゃん」

「表立って絡んで来ると予想されるのは近衛軍ぐらいでしょうか?」

「にゃあ、オレはヤツらにちょっかいは出してないにゃんよ」

「彼らは常に強者を求めてますから」

 カズキも似たようなことを言っていた。

「にゃあ、六歳児でもにゃん」

「彼らは強者と立ち合うことのみが生き甲斐ですから」

「にゃあ、厄介なヤツらにゃんね、だから近衛軍は苦手にゃん」

「近衛の騎士は強いですが彼らは古い人間です、強力な魔法と魔導具を使いこなすマコト様には敵いません」

「にゃあ、それはヤツらを過小評価してるにゃん、例えばこれを見るにゃん」

 かつてグールの上位種となった近衛の騎士が持っていたアーティファクトの剣を取り出す。オレの倍以上の大きさだ。

「アーティファクトですね」

「にゃあ、防御結界ごと切り裂くとか頭がおかしい性能にゃん、こういうのを持ってるからヤツらには近寄りたくないにゃん」

 危ないので直ぐに仕舞う。

「ああ、実家がお金持ちの連中ですからね、脳筋ですけど」

「脳筋は苦手にゃん」

「得意な人は少ないと思います」

「にゃあ、余計に関わり合いになりたくないにゃん」

「そこは同感です」

「ご飯出来たよ!」

 リーリが呼びに来てくれた。

「にゃあ、エラはレストランに行って欲しいにゃん」

「マコト様はどうされるのですか?」

「にゃあ、オレはこれから猫耳たちとお風呂にゃん、だから今夜はこれで失礼するにゃん、明日は早いから夜更かししちゃダメにゃんよ」

「「「にゃあ♪」」」

「は、はい、おやすみなさいませ」

 オレは猫耳たちに抱えられてオレはエラの前を離れた。



 ○帝国暦 二七三〇年〇九月二六日


 ○ケラス州 アルカ街道


 翌日、日の出前に出発した。

「これなら朝のうちに到着出来そうですね」

「にゃあ、境界門でレークトゥスの担当者と合流すればいいにゃん?」

「はい、境界門にお迎えに来てくれる事になっています」

 エラにはオレの作った通信の魔導具を渡してある。

 馬が有るからアーヴィン様となら念話も可能だけどな。

「にゃあ、情報が集まるほどに気が重くなるにゃんね」

 昨夜もアウグルのエルから報告を受けていた。

「かなりの惨状ですから」

「ところで、ジープと猫耳ゴーレムの査定をしてたにゃんね?」

「えっ、なんのことでしょう?」

 視線を逸らすエラ。

「にゃあ、エラって意外と実家に忠実にゃんね」

「それはないです、どちらかと言えば好きじゃありませんから」

「にゃ~、そういうことにしておくにゃん、ちなみにどちらも非売品にゃんよ」

「それは残念です」

「にゃあ、ジープも猫耳ゴーレムも魔法馬と違って他所の人間には使えないので、商品としては成り立たないにゃん」

「本当ですか?」

「にゃあ、勝手に乗ったら電撃を食らって素っ裸になるから試してみるといいにゃん、既に某商会の関係者が三人体験してるにゃんよ」

「いえ、遠慮しておきます」



 ○ケラス州 城塞都市アウグル


 まだ朝と言える時刻にオレたちはレークトゥスとの境界門のある建設中の城塞都市アウグルに到着した。

 城壁はすでに完成しているし、街中の巨大倉庫が道の両側に並んでいる。大公国のクリムトの集積所に作ったもののコピーだ。あっちでは一つでもやっちまったと思ったのだが、こっちは複数あるぜ。

「わあ、デッカイね」

 リーリがオレの頭の上で声を上げる。

「にゃあ、オレの予想を越える大きさだったにゃん」

 マジで。

「マコト様、ここはいったい?」

「にゃあ、城塞都市アウグルにゃん、今後ケラスの交易の中心になる場所にゃん」

 そして境界門近くには簡易宿泊所が並んでいた。


「マコト様、人がたくさん居ますね」

「にゃあ、宿泊所を増設して避難民の受け入れをしてるにゃん」

「どのぐらいいるのですか?」

「にゃあ、報告では現在までに四六〇〇〇人を収容してるにゃん、それでもまだかなりの人がレークトゥス側にいるみたいにゃんね」

 猫耳たちからの報告は逐一念話で入って来ている。

 州境の状況は、避難民から聞き取りをしているオレたちの方が詳しいのではないだろうか?

「もう、普通の街より大きいですね」

「にゃあ、ネオケラスの三〇〇倍以上もいるところが泣けるにゃん」

「王国でもレークトゥスは人口が多い州ですから」

「にゃあ、普通に住むなら虫や獣の脅威に晒されないレークトゥスは魅力にゃんね」

 冒険者でもない限り安全なところがいいに決まってる。ケチばかりなのはキツいけど。

「皆さん朝食の時間なんですね」

「そうみたいにゃん」

 いい匂いがしてるのは、まだ宿泊所に入れない人たちの為にあちこちで猫耳たちが焼きそばを焼いてるからだ。

「おいしそう」

 さっき朝食を食べたはずの妖精が欲しがっていた。

「にゃあ」

 格納空間経由で一皿もらってリーリにあげた。

「ありがとう! 美味しい!」

 しかし何故、焼きそば?

 しかも朝から?

 その横ではハンバーグやジュースを配っていた。

 皆んながおいしそうに食べてるからいいか。


 境界門はかなり広く作っていたはずなのだが、それでも門の向こうレークトゥス側には長蛇の列が出来ていた。人の流れそのものは悪くないが、いずれも着の身着のままで避難したらしく薄汚れて疲れ切った様子だった。

「お館様、お疲れ様にゃん」

 猫耳のエルが境界門で人の流れをさばいていた。

「にゃあ、お疲れにゃん、スゴい人にゃんね」

「レークトゥス側が避難民をケラスに誘導してるからまだ増えそうにゃん」

「仕方ないにゃんね、このまま受け入れを続けて欲しいにゃん」

「了解にゃん、ではジープを通すにゃん」

 エルの指示で猫耳たちが境界門の一角を開けてくれる。

「にゃあ、危ないからちょっと待つにゃん」

「慌てなくても車を通すだけにゃん」

 猫耳たちに人を避けて貰い車列を通す。

「にゃあ、行ってくるにゃん!」

「「「にゃあ!」」」

 猫耳たちに見送られてケラスの境界門を抜けレークトゥス州に入った。



 ○レークトゥス州 境界門 前


 門の向こう側は、レークトゥスの守備隊が道を開けてくれた。

「マコト・アマノ辺境伯様の御一行でいらしゃいますか?」

 守備隊のイケメン四〇代が出迎えてくれた。声も渋い。

「そうにゃん、後ろに乗っているのがウチらのお館様にゃん」

 運転席の猫耳が答える。

「にゃあ、オレがマコトにゃん」

 後部座席のオレも手を挙げた。

「この度は、我らがレークトゥスのためにお出で下さり感謝いたします、我々が先導いたしますのでこのまま少し先にお進み下さい」

「にゃあ」



 ○レークトゥス州 アルカ街道


 魔法馬に乗った守備隊が誘導してくれる。レークトゥス側は境界門の前が小さな広場になっているだけで、道も石畳は遠の昔に剥がされたらしく雨が降ったらスタック間違い無しの土を踏み固めただけの道だった。

 ほとんど使われてない廃道寸前な街道だから仕方ないにゃんね。

 道幅は四メートル程度で馬車がすれ違うのも難儀しそうな道幅だ。普段はほとんど人の行き来も無かったから問題なかったのだろうが、いまは道いっぱいにたくさんの避難民たちが途切れること無くケラスに向かって歩いている。

 車列は人々に避けて貰いながら、路肩をほぼ歩く速度でゆっくり進む。

 レークトゥス側では交通整理のみで、これといって避難民に対する支援が何も行われていないみたいだ。

 猫耳たちの記憶からするとこっちではこれが普通らしい。それ以前に何かする場所もなさそうだけどな。


 五分ほど進むと、道脇の林を切り開いた場所にそれとわかる一団が待っていた。


「マコト様、あの真ん中にいらっしゃるのがレークトゥス側の責任者、領主のお嬢さんで守備隊総司令パメラ・ピサロ様です」

「にゃあ、可愛い子にゃんね」

 銀色のウエーブの掛かった髪。装飾の入った守備隊制服にマントとスカート。中学一年生ぐらいか? 総司令という事で背伸びした感じが微笑ましい。

「ちなみに二二歳です」

「にゃ、魔法使いにゃん?」

 魔力をまったく感じさせないが。

「いえ、パメラ様は魔法使いではありません」

「にゃあ」

 魔法使いじゃないのが惜しまれるほどの魔力を内在しているが、外には魔力を放出しない内向きのタイプらしい。


 出迎えの列の前でジープを停車した。


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