虫の来訪にゃん
○帝国暦 二七三〇年〇九月二二日
○ケラス州 境界門前 宿泊施設
予定通りケラスの州境から出発する。
「にゃあ、ここから先は魔獣並の大型の虫が出没するので、多少の戦闘が有ると予想されるにゃん、でも、オレと猫耳で対処するから心配いらないにゃん」
「我輩にもやらせてくれんのか?」
アーヴィン様から手が挙がる。
「にゃあ、初見の虫が多いからダメにゃん」
「残念である」
「昔の人がこの道を作るのを断念しただけはあるにゃん、とにかく虫の種類が多いにゃん」
実際には青いエーテル機関を持つ準魔獣だ。
「それにアーヴィン様は最後の切り札にゃん」
「わかったのである」
オレと猫耳が抜かれるのは魔獣以上の何かが現れた時だ。
その時はアーヴィン様に姫様を託して逃げて貰うしかない。
「出発!」
リーリの号令とともに半透明の物理障壁が格納されジープを先頭に走り出す。
復活した二〇人の女性と十七人の子供たちが加わったので通常タイプのトラックを二台増やした。
それとパネルバンタイプももう一台追加した。これはこの先で生け捕りにした獲物を詰め込む為だ。
使えそうな青色エーテル機関持ちは飼うことにした。
というのは表向きで魔法蟻の活動を偽装するために走らせている。いくら拡張空間を使ってもそんなに載せられるわけがない。
オレと姫様とチビたちは子供たちのトラックに乗り込んでいる。側仕えのイライザやアーヴィン様一行と第三騎士団の守護騎士たちも一緒だ。
子供たちは絵本だのおもちゃだのを持ち込んでるが、流れる景色に目を奪われていた。
静かだからいいにゃんね。
○ケラス州 ケラス街道
『にゃあ、お館様、前方にウシの群れ発見にゃん』
先頭を行くジープの猫耳たちから念話が入った。
『ウシにゃん?』
『にゃあ、小さめのマダラウシにゃん』
伝わってきたイメージはオレからすると普通のホルスタインだ。こっちのウシがバカみたいにデカいのだ。
『何頭いるにゃん?』
『四〇頭ぐらいにゃん、路上を歩いてるにゃん』
『遊牧なわけないにゃんね』
『酪農はヤギしかやってないにゃん』
『家畜ではないにゃんね、青エーテル機関持ちにゃん』
早速、捕獲候補か。
『にゃあ、ウシたちがこっちを向いたにゃん』
『エーテル機関の修正弾を撃ち込んで様子を見るにゃん、使えそうなら回収にゃん、ダメなら狩るにゃん』
『にゃあ、了解にゃん』
二台のジープに先行させる。その後を今回追加したパネルバンタイプが続く。
本隊は速度を落とす。
『にゃあ、毒ミルクを飛ばして攻撃をして来るにゃん』
『突進とかじゃなくて、やっぱり毒にゃんね』
『道路の舗装が毒で溶けてるにゃん!』
『にゃああ! 作ったばかりなのに何をするにゃん!』
『ドクウシに撃ち込んだ修正弾が効いてるみたいにゃん』
『毒はどうなったにゃん?』
『にゃあ、普通のミルクになったぽいにゃん、ミルクを飲めっておっぱいを押し付けてくるにゃん』
『ひとまず回収して詳しく調べるにゃん』
『にゃあ、了解にゃん、本隊は停車にゃん、猫耳は全方位警戒にゃん!』
念話で猫耳たちに指示を出した。
『『『にゃあ!』』』
本隊の車が停車した。
「マコト、どうかしたのであるか?」
アーヴィン様は前方を睨む。
「にゃあ、毒持ちの獣が出たので洗浄と道路の補修をしてるにゃん」
「毒持ちであるか?」
「にゃあ、ケラスの毒持ちは虫だけじゃないみたいにゃん」
「獣まで毒持ちではケラスでの狩りは絶望的であるな」
アーヴィン様が少し落ち込む。
「にゃあ、そうにゃんね」
貴重な青色エーテル機関持ちを狩られては困るのでアーヴィン様には我慢して貰うしかない。
『お館様、ウシの回収に洗浄、道路の補修完了にゃん、ウシは予定どおり魔法蟻に運んだにゃん』
小型のマダラウシは箱詰めされトンネルへと運ばれて行った。
『了解、お疲れにゃん』
わずかな時間でウシの痕跡は綺麗に消え去った。
「にゃあ、全車出発するんにゃん!」
「「「にゃあ!」」」
前方のトラックが動き出す。
「「「うごいた!」」」
子供たちはシートに膝立ちでまた外の様子を眺める。姫様も一緒になって外を見る。
森の中の代わり映えしない風景も子供たちの目には新鮮に映るらしい。
最初の休憩後、車列が動き出して三〇分ほど過ぎたところでその音が聞こえた。
「にゃ?」
かなり距離はあるが音は高速でこちらに近付いてるらしい。
反射的に探査魔法を使った。
北の上空に幅五キロ、長さ一〇キロ、個体数四五〇万匹のオレよりデカい蜂だ。名称は軍隊蜂。こいつらは青色エーテル機関はない。人間を好んで食らう大型の虫だ。
「にゃあ、全車密集隊形で停車にゃん!」
「「「にゃあ!」」」
路上に車両を集めて停車した。
「また、毒持ちであるか?」
アーヴィン様が立ち上がる。
「毒持ちなのは間違いないにゃん、でもケラスの虫じゃないにゃん」
「いったい何であるか?」
「オレより大きいハチにゃん! 物理障壁展開にゃん!」
「「「にゃあ!」」」
半透明のドームが密集して停車した車両をすべて包み込んだ。
「お館様、来たにゃん」
空がにわかにかき曇る。空を覆ってるのは雲では無く無数の蜂だ。
「マジかよ、あれは軍隊蜂だぞ」
隣に停めたトラックからラルフが立ち上がった。
「その様だ、我輩も生きてるのを見るのは初めてだが間違いあるまい」
ふたりとも軍隊蜂を知っていた。
「防御結界も重ね掛けして毒針と瘴気に備えるにゃん!」
「「「にゃあ!」」」
猫耳たちが声を揃え、防御結界が厚みを増した。
「ハチなのに瘴気なのですか?」
「軍隊蜂は、毒針から瘴気を注入するのだ」
アーヴィン様は第三騎士団の見習い騎士たちに説明する。
「だから建物に逃げ込んでもダメなことが多い」
隣のトラックから身を乗り出してラルフが補足する。
「来るにゃん」
目ざとくドームを見付けた蜂が全方向から押し寄せる。
物理障壁で守られて無かったらまず羽音の轟音で耳がやられていたはずだ。
「にゃあ、どいつもこいつもオレよりデカいにゃん、生意気にゃん」
物理障壁を覆う防御結界に触れた蜂たちが感電してボトボト落ちる。
もちろん勿体ないから全数確保だ。
「軍隊蜂も凄まじいが、マコトたちの強さも規格外であるな」
アーヴィン様が呟く。
「アーヴィン様は軍隊蜂を良くご存知にゃん?」
「巣を持たず二〇〇万とも三〇〇万とも言われる数で旅をしている超大型の蜂だ。遭遇したら生存は困難と言われておる、今回は四五〇万なのだな?」
「そうにゃん、四五〇万匹いるにゃん、この数でかなり好戦的だから厄介にゃんね、蜂の毒針も魔法使い単体の防御結界だったら軽く貫通するにゃん」
「普通ならまず助からない数だな」
「ラルフも詳しいにゃんね、もしかして軍隊蜂と戦ったことがあるにゃん?」
「いや、俺はそれこそ軍隊蜂に遭遇して運良く生き残った冒険者の話を聞いたことがあるだけだ」
「いったいどんな偶然があると生き残れるにゃん?」
「生き残った冒険者は、偶然に居合わせた複数の宮廷魔導師たちが張った防御結界の中に逃げ込めたかららしい」
「にゃあ、それは本当に運が良かったにゃんね」
「防御結界に入れず蜂に刺された多くの人は、食い散らされた挙げ句、最後は破裂したそうだ」
「嫌な死に方にゃん」
「ネコちゃんと一緒じゃなかったら、私たちがそうなってた可能性が高いですね」
キャサリンは蜂で覆われた空を見上げた。
「マコト、軍隊蜂がどの方向から飛来したかわかるであろうか?」
「にゃあ、北にゃん」
「北であるか、あまりよろしくはない方向であるな」
「レークトゥスや王都の方角ですね」
エラの言葉にアーヴィン様がうなずき通信の魔導具を取り出す。
レークトゥスはケラスとアポリト州それに大公国の一部の北側に位置する州だ。東西に長い形をしている。
「我輩である、そちらで軍隊蜂の情報を掴んではおらぬか?」
何やら相手の人も女性だとわかるぐらいの声の大きさで興奮気味で喋っている。
「王都の外縁部であるか、確かに防御結界の外である、それは仕方あるまい、王国軍も訓練中に、そうであるか二〇〇か、ああ了解である」
「アーヴィン様、王国軍がどうかしたにゃん?」
「昨日、山林で訓練中だった王国軍の兵士が、軍隊蜂の群れに襲われ二〇〇名以上が命を落としたそうである」
「にゃ、マジにゃん!?」
「王都も城壁の外縁部で多数の死者が出たようである、軍隊蜂は王都から南に飛び去ったそうである」
「王都からケラスに来たのなら途中のレークトゥスも襲われた可能性が大きいですね」
ラルフも苦い顔をする。
「そうであろうな」
アーヴィン様もうなずいた。
『にゃあ、キャリーとベルは大丈夫にゃん!?』
オレは慌ててキャリーとベルに念話を送った。
『わ、びっくりした』
『マコトからなのです』
『にゃ~、ふたりが無事ならいいにゃん、軍隊蜂に王国軍が襲われたと聞いて肝が冷えたにゃん』
『軍隊蜂だったら、マコトのお陰で助かったよ』
「にゃ?』
『マコトに貰ったテントで軍隊蜂から身を守れたのです』
『にゃあ、テントにゃんね、良かったにゃん』
『同じ小隊の仲間も全員保護出来たし、皆んなマコトに感謝してるよ』
『小隊の仲間にテントのことがバレたのがちょっと痛かったのです』
『にゃあ、入れてしまったからには仕方ないにゃんね、王国軍の被害はどうにゃん?』
『演習中の中隊が幾つか全滅したし、瘴気も有ったから今回はかなり危なかったよ』
『でも、私たちは無事だから安心して欲しいのです』
『にゃあ、わかったにゃん、またにゃん』
念話を終了した。
「軍隊蜂はこの後、アルボラの州都オパルスに抜ける可能性がありますね」
「群れ全体が人の味を覚えたでしょうから」
キャリーとエラは空を見上げる。
「それはないにゃん!」
「何故であるマコト、ヤツらはオパルスには行かないのであるか?」
「にゃあ、ここで四五〇万の軍隊蜂をオレたちが全部狩るからにゃん」
「狩るのであるか!?」
「そうにゃん」
既に全部の個体をマーキング済みだ。
「にゃあ、行くにゃん!」
「「「にゃあ!」」」
空を覆っていた蜂たちの間に青い電流が縦横に走った。感電した蜂たちが絶命して墜落する。
「おお、これは」
アーヴィン様が絶句する。
「にゃあ、女王蜂も殺したからこの群れは全滅にゃん」
蜂の姿が消え青空が戻る。
軍隊蜂の亡骸は墜落前にすべて回収した。毒針と瘴気を封じてしまえば数が多いだけの大きな虫でしかない。
「マコト、蜂の素材は売ってくれるか?」
ラルフがまた隣のトラックから身を乗り出す。
「にゃあ、一匹幾らにゃん?」
「大金貨二枚だったらどうだ?」
「冒険者ギルドならそんなところであろうな」
アーヴィン様が肯定する。
「にゃあ、すると全部で大金貨九〇〇万枚にゃんね、端数はオマケしてやるにゃん」
「いや手持ちの予算だと一〇匹で限界だ、それ以上は王都の本部決済になる」
「そうにゃん?」
「間違いなくウチの実家が買い取りに来ますね」
エラが手を挙げた。
「欲しいなら売るにゃん」
「マコト、ちょっと待ってくれ! 直ぐに王都の本部と調整する!」
ラルフの顔が怖い。
「にゃあ、わかったにゃん」
「たぶんいずれも大喜びであろう、軍隊蜂の素材は魔導具の工房や宝石商がこぞって買い求めるはずだ」
「にゃあ、いろいろ使えるにゃんね」
「軍隊蜂も狙って狩れるものじゃない幻の素材だから、冒険者ギルドも商会もテンションが上がるわね」
キャサリンが解説してくれた。
「にゃあ、王都を掠めたから、かなり撃ち落とされたと違うにゃん?」
「それはどうであろう? 城壁内ならともかく防御結界の効かぬ外ではいいように蹂躙されただけの可能性が高いのではないだろうか、残念ながらいまの王国軍では荷が重くて対処出来まい」
「王国軍の魔法使いでは身を守るのがやっとかな?」
「身を守れたら上出来ってレベルのはずです」
キャサリンとエラの意見が的を得てるかも。
「にゃあ」
キャリーとベルなら魔法馬の防御結界が上乗せされるから軍隊蜂程度には後れは取らないだろう。
それに今回はテントを使って小隊を守った。なかなかの機転だ。
しかし、オレがやった装備が無かったら簡単に死んでしまう世界なのも現実か。
「にゃあ、瘴気も洗浄したからもう大丈夫にゃん」
物理障壁を消去した。
軍隊蜂の痕跡は何処にも残ってない。
「にゃあ、周囲を警戒しつつ出発にゃん!」
「「「にゃあ!」」」
ジープを先頭に車列が再度出発する。
時間的なロスは三〇分程度だったので、今日の行程に大きな影響はない。
場所が場所なので油断はできないが。
『マコト、軍隊蜂の群れがそっちに行ったらしい、昨日王都近郊で被害が出たそうだ、まったく今頃になって連絡してきたよ』
カズキから念話が入った。
『にゃあ、軍隊蜂なら四五〇万匹ほどを撃ち落としたにゃん、だからもうこの辺りにはいないにゃん』
『マジで!?』
『マジにゃん、猫耳もいたから楽勝にゃん』
『『『にゃあ』』』
『そうか、それならいい、フリーダからの話を聞いて直ぐに連絡したんだけど蜂の方が早かったか』
『連絡ありがとうにゃん、よその被害はどんな感じにゃん?』
『王都の外縁部東部地区が大きな被害を受けたらしい、スラムなのもマズかった、逃げ場がないからね』
『スラムはどの程度の大きさにゃん?』
『王都外縁部東部地区のほぼ全域だから、外縁部の約四分の一に該当するかな』
『かなりの大きさにゃんね』
『ボクたちのいた世界にだって有ったんだ、こっちのスラムが小さいわけがないよ』
『そうにゃんね』
『王国軍の演習場でも大きな被害があったみたいだね、そちらはボクよりアーヴィン様の方が詳しいんじゃないかな?』
『にゃあ、アルボラとレークトゥスはどうにゃん?』
『アルボラには来てないよ、これはマコトのおかげだね、フリーダに来た連絡によるとレークトゥスの州都は防御結界が効いて被害を免れたらしい』
『にゃあ、街の防御結界って思ってたより効くにゃんね』
『領主がいちばん金を掛けるところだからね』
『本当にゃん?』
『一〇〇年前のケラスの教訓が効いてるんだよ』
『にゃ?』
『当時の城主が、魔獣避けの結界の設置をケチったせいで魔獣の大発生を招いたと伝わってる』
『魔獣避けの結界にゃんね、にゃあ、これは高そうな刻印にゃん』
図書館情報体にその概要があった。
かなり複雑な結界だ。
『そりゃそうだよ、新規に頼んだら大金貨二万枚と一〇年の歳月。打ち直しでも二〇〇〇枚で三年掛かる』
確かにアウルムの城壁に魔獣避けの刻印は無かったが、マナを遮断する刻印で十分に代用が効いてるから非難するのはお門違いだと思うのだが。
『にゃあ、プリンキピウムが襲われたのはカズキが刻印をケチったからにゃん?』
『いや、ボクの前の領主だよ、予算が無くて打ち直しを先延ばしにしたところを襲われたらしい、州都じゃないからってのもあっただろうけど、誰だってない袖は振れないからね』
『でも、ケラスと違って魔獣は居座らなかったのは、カズキとユウカで追い払ったからって聞いてるにゃんよ』
『いや、実際のところは不明かな、魔獣が勝手に帰ったようなものだから、おかげで命拾いしたわけだけど』
『カズキはそのままアルボラ州を乗っ取ったにゃん?』
『いや、改易したのは先代の国王だよ、乱脈経営ってヤツで領地の財政が酷い有様だった上に魔獣の出没を許したからね、自力で対処できないのを隠そうとした点でも余計な怒りを買ってたかな』
『魔獣退治をしてアルボラ州を貰ったにゃん?』
『マコトと同じさ、買ったんだよ、ボクの場合はプリンキピウムの魔獣避けの刻印の代金大金貨二万枚を肩代わりした』
『ポンと払えるところがスゴいにゃん』
『マコトだってかなり溜め込んでるんじゃないの?』
『にゃあ、お小遣い程度にゃん』
『美術館の絵画代として大金貨二四万枚をマコトの銀行に振り込んでおいたよ、手数料として一割乗せて請求したからこっちも儲けさせて貰ったけどね』
『予想より高く売れたにゃんね』
『さる大貴族が一括での購入をご希望でね、ちょっと高値で買ってくれたんだよ』
『にゃあ、スゴいにゃんね』
『あの建物はどうする? こっちで引き取ってもいいけど』
『せっかくの美術館なんだし、カズキの絵を飾るのはどうにゃん?』
『おお、それはいいね』
『にゃあ、カズキの絵を売ってくれるか、貸してくれると助かるにゃん』
『じゃあ、貸す方向で、運営はこっちでやっておくよ、美術館に絵を飾って貰うのが夢だったからうれしいよ』
『にゃあ、それは良かったにゃん』
『ところでマコト、今回の軍隊蜂の件、姫様を狙ったのと違うかな?』
『不可能ではないけど手間も被害も大きすぎにゃん』
『だとは思うんだけどね、本来だったら軍隊蜂はケラスじゃなくもっと人のいるアルボラに向かうと思うんだけどね』
『オレたちを狙うためにケラスに来たってことにゃん?』
『偶然とは思えないからね、マコトのいう手間と被害を厭わない人間もいるってことを心に留めておいて欲しい』
『わかったにゃん』
カズキに釘を刺されて念話を終えた。
本当に軍隊蜂の襲来が姫様を狙ったものなら、人口が極端に少ないケラスに連れてきたのは正解か。
『にゃあ、ケラス領内の監視の強化とトンネルの延長を頼むにゃんよ』
『『『にゃあ!』』』
猫耳たちから返事が来た。
『『『……』』』
魔法蟻たちは仲間の増員を要求した。欲しがりな魔法蟻の要求に応えて猫耳たちが万単位で再生した。
そのうち地下が魔法蟻であふれそうな気がしないでもない。




