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州都に出発にゃん

 ○帝国暦 二七三〇年〇四月十八日


 ○プリンキピウムの森 街道沿い テント


 プリンキピウムでの休暇のスケジュールを無事に消化してキャリーとベルは、いよいよ王都に帰る日を迎えた。

 途中のアルボラの州都オパルスまではオレも一緒だ。

「名残惜しいけど、これでプリンキピウムの森ともお別れか」

「たくさん稼がせてもらったのです」

「にゃあ、オレはキャリーとベルに出会えて良かったにゃん」

「それは私たちも同じだよ」

「同じなのです」

 オレはちょっとウルっとしそうになったがふたりを心配させてはいけないのでぐっと我慢した。


 テントを消してオレたちは魔法馬に跨りアルボラの州都オパルスに向かって出発する。



 ○プリンキピウム街道


 州都に続く街道には、プリンキピウムの名前が付けられていた。街道だがオレみたいな現代日本人の感覚からすると林道だ。森の中を進むのでまんま林道だね。


 キャリーとベルはこれまでの戦闘服に替わって軍服にハーフマントという凛々しい出で立ちだ。

「にゃあ、軍服とマントがカッコいいにゃんね」

「これは王国軍兵士の長距離を移動する為の服装なんだよ」

「手を出したら危険という目印なのです」

「にゃあ」

 馬上で風にたなびくハーフマントが実にカッコよかった。


「休暇は楽しめたにゃん?」

 街道をパカポコと魔法馬を歩かせながらキャリーとベルに尋ねた。

「しばらく遊んで暮らせそうなお金が入ったのです」

「駐屯地に直行だから遊んでる暇もないけどね」

「軍人なので仕方がないのです」

「その点、冒険者はボロくて気楽な商売にゃん」

「そう思ってるのは、世の中でマコト一人だけだと思うよ」

「同感なのです、普通は儲かる職業でも気楽な仕事でもないのです」

「世間ではどういう認識にゃん?」

「危険でキツい仕事かな」

「資格が要らないので誰でもできるけど早死にする仕事なのです」

「にゃあ、確かにそんな一面も有るにゃんね」

 森の獣ヤバさを考えると当然か。襲ってくる動物ばかりだもんな。

「ただ、プリンキピウムの森は特別だからね、普通は危険な獣があんなにいないから」

「他はもう少しマシなのです」

「オレは特別危険な場所に落ちたにゃんね」

「魔獣の森よりはマシかな」

「マシなのです」

「そうにゃんね」

 オレは、魔力と精霊情報体のもたらす知識があったから、わずかな時間で対応できたが、もしこれらが無かったら、空から落ちたまま地面に衝突して次の世界に行ってたにゃんね。

「マコトは自分の強さを自覚しなくてはいけないのです」

「にゃあ、キャリーとベルだってそんなに変わらないにゃんよ」

 オレのアドバンテージは魔法だけで、肉体そのものはただの六際児だ。しかも六歳児にしてはちょっと小さいらしい。

「私たちの場合は、マコトがくれた道具のおかげだから」

「とても実力とは言えないのです」

「にゃあ、ふたりとも謙虚にゃん」

「それが長生きする秘訣らしいよ」

「にゃあ、深いにゃん」


 魔法馬がパカポコ進む林道みたいな街道だが、ところどころ大理石みたいな表面がツルツルに磨かれた石が敷かれていた。

「ここは綺麗な石畳が敷いてあるにゃんね」

「ああ、それね、大昔に作られたらしいよ」

 キャリーがいう大昔だからオリエーンス連邦あたりか?

 オリエーンス神聖帝国の舗装路とは違う気がする。精霊情報体がオリエーンス神聖帝国のすべての情報を網羅しているわけじゃないから断定は出来ないが。

「いまはこれほどのモノを作る技術は失われたのです」

 ベルが解説してくれた。

「ロストテクノロジーにゃんね」

 この世界、いろいろロストしまくりだ。

 魔法馬の蹄はツルツルの石畳をしっかりグリップした。

「にゃあ、滑らないにゃん」

「見よう見まねで作った人がいたらしいけど、ツルツル滑って大変だったらしいよ」

「形だけ真似すればそうなるにゃんね」

 石畳には一枚ずつかなり高度な術式と思われる刻印がされてた。この術式が失われた技術なのだろう。

 やはりオリエーンス神聖帝国の技術とは毛色が違ってる。

「ところで州都まではどのぐらい掛かるにゃん?」

「乗合馬車で一〇日ぐらいだよ」

「にゃあ、思ってた以上に遠いにゃんね」

 地元の県庁所在地に行くのとはスケールが違う。

「魔法馬単体なら三~四日は短縮できるのです」

「にゃあ、それはいいにゃんね」

「マコト、帰り一人になるけど本当に大丈夫なの?」

「平気にゃん」

 帰り道、一人は寂しいけど我慢する。

 なりは六歳児でも中身はアラフォーなオヤジだ。寂しさもあるがワクワクもある。

「気が変わったら一緒に王都に来てもいいのです」

「にゃあ、こっちの生活に慣れたら遊びに行くにゃん」

「私たちもまた近くに来ることもあるかもしれないし」

「そうなのです、詳しくは言えないのですが、あるかも知れないのです」

「にゃあ、近くに来たら教えて欲しいにゃん」

 魔法馬を通してオレたちは念話ができる。

「魔法馬の念話って王都からでも大丈夫かな?」

「問題ないはずにゃん」

「旅の途中にも連絡を入れるのです」

「にゃあ、待ってるにゃん」


 オレたちは馬を早足で進ませる。これでも十分に馬車より速いらしい。


 街道の両側は起伏が激しく平坦な土地は道の両側にあるぐらいだ。

 その平坦な場所には耕作を放棄されたらしき土地が幾つか見えた。

 小麦畑だったのだろうか?

「元農地みたいな土地があるにゃん」

「そうだね」

「この辺り、人がいるにゃん?」

「住んでいる人間は皆無なのです、ここはプリンキピウムの人たちが作っていた畑の跡なのです」

「ここ何年か獣がかなり増えたって話だから、たぶんそのせいで辞めちゃったんだね」

「森の外でも獣が出るにゃん?」

「街道の近くはあまり出ないはずなんだけどね」

「獣がまったく出ないのは城壁の中だけなのです」

「農作業も命がけにゃんね」

「守りの薄い農村が獣に襲われて全滅なんて普通にある話なのです」

「プリンキピウム周辺はこんな感じだけど、アルボラ州自体はまだマシな部類だよ、他の領地は酷いよ、おかげで盗賊が増えたりで地味に治安が悪化しているんだよね」

「盗賊が出ると流通にも影響が出そうにゃんね」

「うん、実際出てるよ、たちの悪い盗賊団だと王国軍がコテンパンにやられちゃうぐらい強いから」

「にゃあ、それは怖いにゃんね」

「本当に人間は獣より厄介なのです、マコトも用心なのです」

「肝に銘じるにゃん」


 キャリーとベルに人間社会の厄介さを改めて説かれた。


 人間の厄介さは前世でも経験したが、そこは平和な日本、命のやり取りまではなかったわけで、ふたりの話にここが異世界なのだと改めて実感させられる。

「盗賊は躊躇せず撃って良いのです」

「うん、あっちは殺す気で来てるから手加減は無用だよ」

「にゃあ、頑張るにゃん」

 でも、人を撃つのに抵抗があるのは事実だ。

 自分に銃口が向けられたらそう悠長なことも言ってられないだろうけど。



 ○プリンキピウム街道脇


 お昼ごはんは道端の大きな石に並んで座って作りおきのサンドイッチを食べた。

 乗合馬車一台と荷馬車が二台プリンキピウムに向かって走って行く。

「今日、初めて見た馬車にゃん」

「乗合馬車は毎日走ってないから、明日はすれ違わないんじゃないかな?」

「州都行きは追い付くのです」

「やっぱりそんなには走ってないにゃんね」

「冒険者ギルド関係の荷馬車は結構、行き来してるよ」

「冒険者なら乗せてくれることもあるので、覚えておくといいのです」

「乗せてくれないこともあるにゃんね?」

「荷台に空きがないとか、料金を払えないとかじゃないかな、ただでは乗せてくれないから」

「お金は大事にゃんね」

 何処の世界も変わらないか。



 ○プリンキピウム街道


 午後も森の中を進む。昼間はともかく夜走るのは怖すぎる道だ。しかも時折、崖っぷちを走ったりもするから、マジで林道だ。

 街道は平坦だが、道の両側の起伏の激しさが凄い。かつてそれだけの土木工事をやったのだろう。

 現在はどうなんだ? これまたロストテクノロジーっぽいな。

 ただ平坦と言ってもそれなりに曲がりくねっていた。トンネルが無いのは魔法で道路を作ったからかな。

 真っ平らにする方が圧倒的に簡単だから。


「次の野営地で今夜は泊まるのが良いと思うのです」

 日が傾いて来ていた。

 特に森は暗くなるのが早い。

 キャリーとベルに散々脅かされたが幸い盗賊のとの字もなかった。

「思ってたより平和だったにゃんね、盗賊が出るかと思ったにゃん」

 馬車が盗賊に襲われるテンプレ展開にも遭遇しなかった。

「プリンキピウムの近くは獣が多いから盗賊もほとんどいないと思うよ、襲う前に食べられちゃうから」

「にゃあ、すると盗賊はもっと先にゃん?」

「そうなのです、州都に近い方が危険なのです」

「何処に行っても何かしらの危険があるにゃんね」

「それが現実だよ」

「それに王国軍の兵士をあえて襲う盗賊はそうはいないのです、襲って来るとしたら素人か、本物のヤバいヤツなのです」

「素人はともかく、本物は逃げるしか無いね」

「死ぬ気で逃げるのです」



 ○プリンキピウム街道 野営地


 野営地は道端のただの野っ原だ。森の中にあっては貴重な空間ではある。

 水場もトイレもない。焚き火の跡が有るぐらいだ。

 先客もいない。

 ただし、獣避けの結界で守られていた。それがここで野営する最大の理由だ。

「テントはキャリーとベルのを交互に使うといいにゃん」

「了解なのです、まずは私のを使うのです」

「いいにゃんよ」

 ベルは魔法で整地するとテントを出した。見た目はなんの変哲もないふたり用の三角の小さなテントだ。

 現代日本で見るようなお洒落さはない、軍幕みたいなデザインだ。

 昨日のオレのテントも外観は同じだが、中身が違う。

「天気が悪くなって来たにゃん」

 遠くで雷鳴が聞こえ空がにわかにかき曇って、あっという間に周囲が暗くなる。

「早速、防水性能も試せるね」

 早くもぽつぽつと雨が落ち始める。

「にゃあ、早く入るにゃん!」



 ○プリンキピウム街道 野営地 テント


 オレたちがテントに飛び込むと直ぐに大粒の雨が落ち始めた。

「スコールにゃん」

 一気に夜の暗さが訪れ滝の様な豪雨になった。

 地面は水しぶきで白くけぶり、僅かな時間で風景が一変した。

「防水は問題ないみたいだね、水が流れ込むことも無いし」

「雨が結界に弾かれて当たってないのです」

 テントを覆う防御結界が雨を全て弾いてる。

「話に聞いた通りの激しい雨にゃんね、王都はどうにゃん?」

「王都の雨はもっと穏やかだよ、こっちよりも冷たい雨だけど」

「こちらの雨はシャワー代わりに使えるのです」

「王都でやると風邪を引くね」

 雨も十分眺めたので入口を閉じて魔導具のランタンを点ける。

 テントの中には空間拡張の魔法で作り出した二〇畳ほどの部屋。そこにツインのベッドが置いてある。

 オレのテントよりもずっとホテルチックな作りになっている。

 三角テントのはずが壁も斜めではなく垂直で、しかもしっかりとした硬い材質だったりする。

 これは自分で作ったのに不思議だ。

「靴は脱ぐにしても入口のウォッシュをもっと強くした方がいいにゃんね、他に何かあるにゃん?」

「ベッドじゃない方が使い勝手がいいのです」

「人を入れる時もあるかもしれないから、私が許可すれば入れられるんだよね?」

「にゃあ、問題ないにゃん、ベッドを消して最悪、毛布だけでも痛くないように床をちょっと柔らかくするにゃん」

 フローリングの硬さを少し変えた。

 二つのベッドを片付けて布団を壁にビルトインした収納庫に入れる。

「おお、床が柔らかい」

「入口に治癒の魔法を組み込めたら便利そうなのです」

「にゃあ、いいアイデアにゃん、入口だけでは効果が薄いのでテント内全体に治癒効果を付加するにゃん」

 どんどんテントを改良して行く。

「シャワーも皆んなでじっくり使ってみるのです」

「皆んなってここの三人にゃん?」

「マコトのことは私たちが洗ってあげよう」

「オレは自分のことは自分で洗えるにゃん」

「いいからいいから」

「サービスなのです」

「にゃああ!」

 オレはシャワールームに連れて行かれてまたしてもキャリーとベルにゴシゴシされた。

 今度も耳の天辺から尻尾の先までツヤツヤのふわふわだ。



 ○帝国暦 二七三〇年〇四月十九日


 未明には雨が上がって朝には雲一つない青空が広がっていた。

「朝ごはんはサンドイッチとスープにゃん」

「マコトと別れたら美味しい料理が食べられなくなっちゃう」

「ハンバーガーは食べられるにゃんよ」

 ハンバーガーだけは調理器から好きなだけ取り出せる。

「それも旅の間だけだよ、軍の宿舎に戻ったらテントなんて拡げられないから」

「仕方ないのです、非番の日のキャンプで我慢するのです」

「にゃあ、悪目立ちはしないように気を付けるにゃん」

「十分気を付けるのです」

「もちろん、私も気を付ける、孤児院育ちの私たちに抜かりはないよ」

「心配なのはむしろマコトなのです」

「気前が良すぎるからね」

「悪い奴らに目を付けられたら大変なのです」

「にゃあ、オレも注意するにゃん、何かあったら速攻で逃げるにゃん」


 朝食の後は直ぐに魔法馬に乗って出発した。



 ○プリンキピウム街道 プリンキピウム巨木群


 昼近く、それまでの風景が一変した。

「にゃあああ、ここの木、めちゃくちゃ大きいにゃん!」

 道の左右にある巨木を見上げる。

 高層ビルみたいな、物凄いとしか表現できない巨木が並ぶ。

 紛れも無く異世界の風景だった。

「この辺りは『プリンキピウム巨木群』と名前が付いてるのです」

「抜けるのに二~三日掛かるよ」

「ここも人は住んでないにゃん?」

 これまでと同じく人の気配は無い。静寂に包まれていた。

「人は住んでないよ、獣もそれなりに出るし」

「獣は出るにゃんね」

「獣が出るのは主に夜なので、獣除けの有る野営地を出て歩き回らなければ大丈夫なのです」

「運の悪い人は何処にでもいるけどね」

「暗くなっても野営地にたどり着けず獣に食べられてしまう人がたまにいるのです」

「すると狩りをするなら夜にゃんね」

「巨木群は、夜になると精霊が出るからヤメた方が良いのです」

「にゃ、精霊にゃん?」

「そう、精霊に連れて行かれちゃうんだよ」

「連れて行かれるにゃん?」

「珍しい事件ではないのです」

「大概、翌日遺体で発見されるんだよね」

「にゃお」

「そうなのです、苦悶の表情で手足を折り曲げて死んでるのです、私もキャリーも何度か見てるのです」

「そう、王都の近くにも精霊が出る森が有るんだけど、戻って来ない人を王国軍の私たちが探しに行って見付けるんだよ」

「死因は何にゃん?」

「外傷がないからわからないのです」

「にゃあ」

「精霊の呪いだと言われてるよ」

「にゃお、精霊は勝手に連れて行って呪ったりなんかしないにゃんよ」

 少なくともオレの知識には存在しない。

「実際に死んじゃった人が証言したわけじゃないから実際の原因は不明だね」

「とにかく夜は結界の張られた野営地でテントに入ってるのが無難なのです」

「にゃー」

 一応、同意した。


 獣にも盗賊にも出会うこと無く夕方を迎えた。

「でも、ちょっとペースをしくじったかな、これって途中で真っ暗になるパターンだよね」

「今日はマズいのです、空気がザワザワしてるのです」

「ザワザワにゃん?」

「精霊の気配なのです」

「マズいねそれ、引き返そうか? ギリギリ間に合うかも知れないよ」

「後ろがザワザワするので、それはそれで危険な賭けになるのです」

「にゃあ、危ないなら、大木の裏辺りでキャンプするにゃん? テントでもいいけどオレのロッジなら例え魔獣でも一発でやられる様なことはないにゃん」

「どうするベル?」

「暗くなった道を行くより、マコトのロッジを使わせて貰った方が安全なのです」

「決まりだね、マコト、お願いするね」

「にゃあ、承ったにゃん」



 ○プリンキピウム街道 プリンキピウム巨木群 街道脇


 手頃な大木の裏手にロッジを出す。

「出来れば街道から見えないほうがいいのです」

「にゃ?」

「精霊は街道を通るのです」

「わかったにゃん」

 土壁を作ってロッジの周囲をぐるりと覆って街道側から物理的に姿を隠した。

「これでいいにゃんね」

「OKなのです」

「ふう、良かった」

 巨木群の森は直ぐに暗くなる。普通の森より夜が早く感じられた。

 確かに来た道の方向からザワザワと形容するのがピッタリな気配がする。

「にゃあ!」

 土壁に飛び乗った。

「マコト、危ないよ」

「大丈夫にゃん、少なくとも精霊じゃないにゃん」

「違うの?」

「にゃあ、いまは道路上を濃いマナが流れてるにゃん」

 濃いマナの塊が人の歩くぐらいのゆっくりとした速度で通り過ぎて行く。

「濃いマナって、マコトは濃度の違いわかるんだったね、もしかしてベルもわかったりする?」

「いいえ、私も濃度まではわからないのです」

「にゃあ、見えてるわけじゃないけど感じるにゃん」

 日本にいた時には無かった感覚だ。

「ベルの言ってたザワザワって濃いマナと違うにゃん?」

「マナと言われてみるとそんな気がしないでもないのです」

「運悪く致死量の濃いマナに当たると普通の人間は悶え死ぬにゃん」

「それが精霊の正体?」

「にゃあ、人を連れ去る精霊はそうにゃんね」

「マコトの話を聞くと可能性は高いのです、魔法使いでもマナの濃さを正確に言い当てる人間はいないのです」

「あっさり精霊の正体がわかっちゃったか」

「マコトのことは話せないから、これからも精霊の仕業として語り継がれるのです」

「にゃあ、怖い話にしたままにしておくのが安全にゃん」



 ○プリンキピウム街道 プリンキピウム巨木群 街道脇 ロッジ


 オレたちはロッジに入った。

 尻尾がザワザワして外が気になったがキャリーとベルがオレをじっと見てる。

 濃いマナとは別に本物の精霊がいるのかも。

「正体がわかっても危ないから今夜は外に出ちゃダメだからね」

「にゃ!?」

「マコトは今夜、私たちと寝るのです」

「にゃあ」

 まずは風呂に連れて行かれた。


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