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試験にゃん

 ○帝国暦 二七三〇年〇九月〇八日


 ○魔獣の森


 各種評価試験のため、オレはリーリと猫耳たちを連れて研究拠点からジープでマナが濃い場所に移動した。

 研究拠点を取り囲むマナゼロ地帯は月光草を使って加速度的の領域を拡大させていた。今朝も抜けるのに軽く一時間を要したにゃん。

「にゃあ、試験を開始するからおまえらも気を付けるにゃん」

 ジープを降りたオレは魔法馬に飛び乗った。

「これからマナの濃度を上げて魔獣をおびき出すにゃん」

「「「にゃあ!」」」


 猫耳たちから少し距離を取ってマナを発生させて周囲の濃度を上げる。

「正面から来るよ」

 オレの探査魔法にヒットするよりも早くリーリが教えてくれた。

「にゃ!? もう来たにゃん」

 まだマナの濃度を上げて数秒ってところなのだが。

 いきなりでっかい丸太みたいのがオレの防御結界にドカンと打ち込まれた。完全に死角からの攻撃だ。

「にゃあ、探査魔法の精度をもっと上げないとダメにゃんね、おかげで、いきなり防御結界の試験になったにゃん」

 オレとしては、まずガトリングガンを試したかったのだが。

「お館様、サソリにゃん!」

「にゃあ、鏡面サソリよりでかいにゃんね」

 姿を現した超巨大サソリはオレの防御結界を左右のハサミで押さえ込んで、毒針を繰り返し打ち付け毒液を飛び散らせる。

 毒液の飛沫で周囲の木々どころか地面の土までもが溶けていた。

「にゃあ、防御結界に損傷なしにゃん」

 かなり強力な毒液だが、どこも問題ない。溶けてすらいなかった。

「お館様、ウチらの防御結界も問題無しにゃんよ」

 ジープごと猫耳たちを飲み込もうと大蛇が大口を開けて牙を突き立てていた。前回のウナギほどではないけどデカい口だ。

『ニャア』

 ジープも損傷なしと報告してくれた。

「にゃあ、データは取れたから飲まれる前に反撃していいにゃんよ」

「「「了解にゃん!」」」

 後部座席の猫耳がひとりガトリングガンを構えて大蛇の口の中を撃った。

 大蛇はビクンと震えると身体をギクシャク動かしたが、直ぐに力が抜けてその場に横倒しになった。

「効果絶大にゃんね」

 オレもさっきから毒針を杭打機みたいに何度も突き立ててる超巨大サソリにガトリングガンを御見舞した。

 半エーテルの弾丸は、超巨大サソリの装甲のような外殻を難なく貫き、体内のマナを根こそぎ電気に変換した。

 超巨大サソリは外殻の隙間から白煙を立ち上らせて被弾から一分も経たずに沈黙した。予定どおりエーテル機関が破壊されている。

「防御結界もガトリングガンもいい感じにゃん」

 悪くない結果だ。

「どっちもガトリングガンは完全なオーバーキルだったにゃんね」

 猫耳たちは沈黙した魔獣を眺める。

「にゃあ、そこがいいにゃん」

 ギリギリの戦いなんて望んでいない。

「もちろん、ウチらも同感にゃん」

「「「にゃあ」」」

 大蛇と巨大サソリを分解して次の魔獣に向かった。



 ○魔獣の森 ロッジ


『マコト、ちょっといい?』

『にゃあ、領主様にゃん、こっちは問題ないにゃん』

 午前中の試験を終え、ロッジを出して皆んなで猫耳ゴーレムに給仕されながらランチを楽しんでいるところに領主のカズキ・ベルティから念話が入った。

『これから大公国経由で州都に戻るところだよ、例の件、全部無事に終わったから報告しておこうと思ってね』

『にゃあ、アポリトとケラスの事にゃん?』

『そうだよ、マコトは今日からアポリトとケラスの領主、マコト・アマノ辺境伯だ』

『にゃあ、今日からにゃん?』

『そう、今日から、簡易だけどちゃんと陞爵しょうしゃくの儀を行うからまた州都に来てくれるかい?』

『にゃあ、まさかケラスの州都じゃないにゃんよね?』

『オパルスだよ、残念ながらケラスの州都は一〇〇年前に魔獣の森に沈んでるから正式にはないんだ』

『にゃお、それは知ってるにゃん』

『それでも辺境伯の地位を手に入れられたんだから、マコトにとってケラスはお買い得だったと思うよ』

『にゃあ、好き勝手できる辺りは最高にゃん』

『だろう? ではオパルスで待ってるよ』

『にゃあ、了解にゃん』

 念話を終えると猫耳たちが目をキラキラさせながらオレを見ていた。

「にゃあ、お館様、おめでとうにゃん!」

「辺境伯なんてスゴいにゃん!」

「ウチらも一緒に偉くなった気がするにゃん!」

 猫耳たちが抱き付いて来る。

「にゃあ、ケラスでもまた魔獣の森に入るから大変にゃんよ」

「問題ないにゃん」

「お館様と一緒なら、何処でも楽しいにゃん、お館様は違うにゃん?」

「にゃあ、オレも楽しいにゃん」

「「「にゃあ♪」」」



 ○魔獣の森 研究拠点


 午後もまた日が沈むまで魔獣相手に防御結界とガトリングガンの試験を兼ねた狩りをしてから研究拠点に戻った。

 それから全員の防御結界とガトリングガンをバージョンアップした。



 ○魔獣の森 研究拠点 地下都市


 夜は厨房で猫耳ゴーレムと一緒に魔獣の肉を調理する。

「おいしそうだね」

「にゃあ、味は問題ないにゃんよ」

 オール金属の魔獣以外は基本食べられる。

 金無垢のGとカニは金の地金に作り変えてあるが、金庫室の肥やしになることはほぼ決定だ。

 戦艦は勿体ないのでオレの格納空間で改造している。

 エーテル機関の代わりにマナ変換炉を入れ、生きてる金属の砲弾を半エーテル弾に変更し戦艦型のゴーレムに作り変える。

 巨大ドラゴンと一緒で使い所がいまいち思い浮かばないが、格納空間の肥やしになろうともそれはそれで良しだ。


 調理の後はリーリや猫耳たちと一緒にテーブルを囲み、魔獣づくしのフルコースを味わう。

「にゃあ、どれも美味しいにゃん」

「これは牧場に魔獣を加えてもいいぐらいだよ」

「魔獣の飼育はさすがにヤバいにゃん」

「魔獣だったらわざわざ育てなくても幾らでも獲れるにゃんよ」

「それは言えるか」

 リーリは少し心残りな様子だった。

「お館様、蜘蛛系の味はカニやエビみたいにゃんね」

「にゃあ、大きなくくりでは似てないこともないにゃん」

「蛇の魔獣で作った燻製も美味しいにゃん」

「まさか魔獣をおなかいっぱい食べる日が来るとは思わなかったにゃん」

「お館様、明日からウチらも魔獣を狩りに出てもいいにゃん?」

 まだ、オレと試験に参加した猫耳たち以外は魔獣の森で狩りをしていない。

「にゃあ、いいにゃんよ、怪我をしない範囲でやるにゃん」

「「「にゃあ♪」」」

『ニャア?』

「にゃう、猫耳ゴーレムたちも狩りをするにゃん?」

『『『ニャア♪』』』

「いいけど、猫耳を誰か連れて行くにゃんよ」

『『『ニャー』』』


 明日は猫耳と猫耳ゴーレムたちが魔獣を狩るのを見守りつつ、オレは人目に付くとマズいものの調整をすることにした。



 ○帝国暦 二七三〇年〇九月〇九日


 ○魔獣の森 研究拠点


 翌日、猫耳と猫耳ゴーレムたちが元気に研究拠点から飛び出して行った。

 猫耳一〇〇人、猫耳ゴーレム三〇〇体だ。

『『『ニャア』』』

 それぞれパステルピンクのジープに分乗して魔獣を目指す。


 オレとリーリは研究拠点の側でドラゴンのディオニシスとドラゴンゴーレム、それに改造を終えたばかりの戦艦型ゴーレムを再生した。

 生きてる金属をまとったディオニシスは見るも眩しい白銀の巨大龍になっている。飾っておきたくなる出来だ。デカいけど。

「ディオニシスは神々しさが増したにゃんね」

『我など、主の足元にも及ばぬ』

「オレに神々しさはないにゃんよ」

「あたしと間違えたのかもね!」

 リーリはオレの頭の上で胸を張った。

「にゃあ、久し振りの地上はどうにゃん?」

『懐かしくもあるが、あまり思い入れはない』

「にゃあ、そういうもんにゃんね」

 前回、外に出たのは爆発する寸前のほんの一瞬だったから思い入れがないのは仕方ないか。地底湖にいた方は地上を知らないわけだし。

 ドラゴンゴーレムは半透明な赤に変わりマナ変換炉を搭載して知力と魔力を上げた。

「飛翔魔法もバージョンアップしたから、これまでよりも高速で飛べるにゃん」

 ドラゴンゴーレムは満足げに頷く。

 魔獣からゴーレムになった戦艦は、色が黒からピンクに変わり艦橋には戦車と同じくメタルな猫耳が生えていた。

『ニャ~ン』

 改造は、マナ変換炉の埋め込みと知能の付加を行い、艦橋はオレたちが乗り込める様になってる。

 いまは猫耳ゴーレムたちが乗り込んでいる。

 ドラゴン×2と戦艦、いずれも攻撃力よりも防御力と飛行能力を重点的に強化した。

「皆んな、軽く飛んでみるにゃん」

 オレはドラゴンゴーレムの背中に乗った。

『ニャアア』

 戦艦が不満そうな声を上げる。

「オレが乗るのは順番にゃん」

 ディオニシスとドラゴンゴーレムが身体を浮かせ戦艦ゴーレムと同じ高度にそろう。

「高度限界に気を付けるにゃんよ」

 高さが三〇〇メートルを超えるとレーザーが無差別に攻撃してくる。いまの三体なら問題はないだろうけど。

「にゃあ、まずは研究拠点の周囲を何周かするにゃん、不具合が有ったら直ぐに教えるにゃんよ」

『心得た』

『ニャア』

 そしてドラゴンゴーレムがうなずいた。

 三体はゆっくりと低空飛行を開始する。

 オレと研究施設内の猫耳とで監視するがいずれも不具合は無さそうだ。突風が吹き荒れることも地上に影響が出ることもない。

「にゃあ、少し速度を上げていいにゃんよ」

 ドラゴンゴーレムを先頭に速度を上げる。

 魔力も安定してるし、音も風も立てずに滑るように飛ぶ。

 続くディオニシスと戦艦も順調だ。

 続けて戦艦に乗り越えた。

 ドラゴンゴーレムの背中から甲板に飛び移って艦橋に上がった。

『『『ニャア』』』

 艦橋の猫耳ゴーレムたちが出迎えてくれ、オレには大きな艦長席に運ばれた。

「皆んな、森の上を行くにゃん」

 足をぶらぶらさせながら指示した。



 ○魔獣の森 上空


 研究拠点を離れ南に向かって戦艦とドラゴン×2が横並びで魔獣の森を飛ぶ。

 マナゼロの地点を越えて進むと魔獣たちが逃げ出した。

「ヤツらは、自分たちより大きいのが来ると逃げるみたいにゃんね」

 浮足立った魔獣が地上にいる猫耳たちに狩られる。


『ニャア!』

 そろそろ引き返そうとしたところで戦艦ゴーレムが声を上げた。

「停止にゃん、どうしたにゃん?」

『ニャア』

「にゃ、前方にゃん?」

「なんかいるみたいだね」

『ニャア』

「超巨大魔獣にゃん?」

 オレも艦長席に座ったまま探査魔法を打った。

「近いにゃんね、地面の下にいるにゃん」

「でも出てくるよ」

 リーリの読み通り一〇数キロ先の森が隆起した。

「にゃあ、出たにゃん!」

 土砂と一緒に木々が根っこごと飛ばされて縦回転で宙を舞い、高度限界を超えて次々とレーザーに焼かれた。

 軽々と弾き飛ばしたが、いまの木だって五〇メートルはあったぞ。

 この前の巨大ウナギと違って森の一角が消し飛んだ。

「どんだけ力があるにゃん?」

 隆起した森から魔獣が姿を現した。

「またグニャグニャしてるにゃん」

「そうだね」

 起こした身体は軽く高度限界の三〇〇を超えてるらしくあちこちから赤いレーザーが飛んだ。

 強力な防御結界を展開してるらしく身体に届く前にその全てが途中で消え失せる。

 そして形がはっきりした。

「にゃあ、あれはクラーケンにゃんね」

 先日のタコはただの大きな森タコだったが、今回のは紛れも無く魔獣だ。エーテル機関の反応がある。

 頭の先から足の先まで測ったら軽く一キロを越えそうな巨大イカだった。

 自重で潰れないのは身体強化の魔法か?

『どうやら逃げぬ様だ』

 こちらに近付いて来る。

「そうにゃんね、明らかにあっちが大きいから仕方がないにゃん」

 巨大イカは、地面の下を移動するタイプみたいだ。

 オレたちの拠点の下には潜り込ませないけどな。

『にゃあ、いま狩りに出てる猫耳と猫耳ゴーレムは全員、速やかに研究拠点に退避するにゃん』

『『『にゃあ!』』』

 どんな魔法を撃ってくるかわからないので、猫耳たちの退避が完了するまでは様子見をしつつ、周囲のマナを吸い上げて魔力を溜め込む。

 クラーケンはじわじわとこちらに近付く。

 とにかくデカい。


『『『にゃあ、退避完了にゃん!』』』

『『『ニャア!』』』

 猫耳と猫耳ゴーレムから退避完了の念話が来た。

「にゃあ、ディオニシスは大丈夫にゃん?」

『地面に足を下ろせば問題はない、ついでに地中のマナを吸い尽くしてやろう』

「にゃあ、頼むにゃん」

 ディオニシスは着地して羽根を休めた。

『ニャア!』

 監視を続けていた猫耳ゴーレムがクラーケンの変化を報告した。

「来るよ」

 クラーケンはウネウネと足を動かす。

 魔力が増幅されているのがわかる。

 クラーケンの足の先が光った。

「にゃ、レーザーにゃん!」

 森を焼きながらまばゆい光の束がこっちに来る。かなりの熱量だぞ。

 防御結界を即座に組み直した。

 視界が光で奪われる。

 レーザーの照射が続く。

「にゃああ! しつこいにゃん! こっちも主砲発射にゃん!

『ニャア!』

 戦艦自身が返事をし主砲を発射した。

 船体を横に向けて撃ちまくる。半エーテルの巨大な弾丸がクラーケンの防御結界に殺到し見えないはずの結界が帯電して光を放つ。

 防御結界が飽和に近づき、クラーケンのレーザー照射が収まった。

 レーザーはあちこちに飛んだらしく、白煙が森の中で何箇所も上がっていた。

 戦艦の砲弾もガトリングガンと同等の仕掛けを施してある。

 半エーテルの砲弾に仕込んだ魔法でマナを吸い上げて電撃に換える。

 こちらもしつこく撃ち続ける。

「クラーケンの防御結界がかなりすり減ったみたいだね」

「にゃあ、もうそんなにもたないはずにゃん」

 クラーケンの防御結界の飽和が近付く。電撃の一部は既に結界の内側に届いていた。

『主よ、次は我にやらせて欲しい』

 ディオニシスがやる気になった。

「にゃあ、いいにゃんよ」

 銀色に輝く巨大龍は口を開き、光の塊を放った。

 光の塊は薄くなった防御結界を軽く突き抜けその中でゴムボールみたいに弾みまくってクラーケンの身体を穴だらけにする。

「にゃあ、スゴいにゃん」

 クラーケンは森の木々を押しつぶして倒れた。衝撃波のような轟音はオレの結界で押さえ込んだ。

 下手をするとプリンキピウム遺跡に届きかねないからな。

『主よ、我は限界ゆえ、そろそろ休ませて貰おう』

「にゃあ、わかったにゃん、お疲れ様にゃん」

 ディオニシスを格納空間に送った。

『ニャアン』

「イカの回収にゃんね」

「そうだよ、今夜はイカフライだよ!」

「にゃあ、了解にゃん」

 リーリと艦橋の猫耳ゴーレムに急かされオレは移動すること無くクラーケンを回収して格納空間で復元した。

「めちゃくちゃ大きいのにエーテル機関は普通の大きさにゃんね」

 見た目は特別変わったところは無かったが、内部が違っていた。演算機能が飛び抜けて高性能っぽい。

「研究拠点に持ち帰って調査にゃんね」

「それとイカフライね」

「にゃあ」



 ○魔獣の森 研究拠点


 戦艦は研究拠点の横にドックを作ってそこで休ませることにした。

 台座に乗ってる間に猫耳ゴーレムたちが整備する。

 ドラゴンゴーレムはその隣に洞窟チックなねぐらを作った。

「狭くないにゃん?」

 ドラゴンゴーレムは首を横に振った。

「それでいいにゃん?」

 首を縦に振る。気に入ってくれたようだ。



 ○魔獣の森 研究拠点 研究室


 オレは拠点の研究室に篭って猫耳たちとクラーケンのエーテル機関の解析をする。

 セーラー服の上からちゃんと白衣を着てるにゃんよ。

 猫耳たちもつなぎの上に白衣だ。


 ちなみにフードコートでは、早速イカ祭りが開催された。

 無論、リーリ主催だ。

 生で食べなきゃ大丈夫だ。

 魔獣を生で食べるヤツはいないと思うが。


「お館様、魔法式の演算能力が上なのは間違いないみたいにゃん、ただ全体的なデザインは古いにゃんね」

 元カトリーヌ団のイケメンだったクーがクラーケンのエーテル機関を手にとって透かし見る。

「オレの見立てだと試作品に近いワンオフにゃん、地面に潜る能力のおかげで生きながらえていたっぽいにゃん」

「にゃあ、一日の連続稼働時間が一時間ちょっとしかないから、そうにゃんね」

「地面の上で休息していたら間違いなく他の魔獣にやられたにゃん」

「稼働時間が約一時間で、休息が二三時間にゃん」

「休息時間が長すぎにゃー」

 元犯罪ギルドの構成員だったマロンが肩をすくめた。

「身体が大きくなるほど休息時間が必要になるにゃんね」

「光線銃はどうにゃん?」

 クラーケンのレーザーの発射機構を応用して光線銃を作った同じく元犯罪ギルドの構成員のオウカに聞いた。

「これにゃん」

 見た目は昭和な感じの光線銃だ。イカスにゃん。

「どんな感じにゃん?」

「にゃあ、たぶんこれで人間や獣を撃ったらよく燃えるにゃん」

「ちょっと危ないにゃんね、少なくとも人間は燃えない方向で頼むにゃん」

「大型の高出力のモノは研究拠点の固定砲台に使うにゃん、それと戦艦の一部砲台も艤装するにゃん」

「にゃあ、了解にゃん」

「お館様、魔獣の林檎の品種改良が一段落したにゃん」

 魔獣の林檎をイジっていたスーがやって来た。こちらも元カトリーヌ団だ。

「にゃあ、仕様どおりに出来たにゃん?」

「仕様は無事クリアにゃん、もう勝手に走り出したりしないのを確認したにゃん、それと果実の味もリーリからOKが出たにゃん」

「了解にゃん、それを持って明日プリンキピウムに戻るにゃん」

「その次は州都に行くにゃん?」

 近衛軍から悪霊経由で猫耳になったフーが問い掛ける。

「にゃあ、領主様に呼ばれてるから行くにゃん、たぶん州都からケラスに入ることになるにゃん」

「本格的にケラスを開拓するにゃんね」

「その前にあそこに巣食ってる盗賊狩りにゃん!」

「「「にゃあ、賛成にゃん!」」」

 猫耳たちは声を揃えた。


 オレの領地に盗賊どもの安住の地はないにゃん。


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