研究拠点にゃん
○帝国暦 二七三〇年〇九月〇六日
○魔獣の森 研究拠点
翌日の朝には、研究拠点の主なところはほぼ完成した。猫耳に猫耳ゴーレムそれに魔法蟻たちが頑張ってくれたおかげだ。
研究拠点の中核はオレが格納空間で再構築したものだけどな。つまりオレも頑張ったので褒めてほしい。
後は実際に動かして細かな調整をすればいい。
「お館様、最後の仕上げをお願いするにゃん」
その前に仕上げが残っていた。
「にゃあ、了解にゃん」
目標を定めて水を入れる。
水流の音に飛沫を含んだ冷たい風が吹き抜けた。
「これで、オレたちの研究拠点は完成にゃん」
目前の深く掘り下げられたクレーターの中に水が湛えられ、巨大な円形の湖が出来る。
全長二〇〇メートルの戦艦が飛び回っていた場所だ、とにかく大きい。
「あたしほどじゃないけど、マコトはスゴいよね」
「「「にゃあ、お館様はスゴいにゃん」」」
「皆んなの協力のおかげにゃん」
クレーターの外縁部は昨夜の内に生きてる金属の壁に作り変えられている。実際には巨大なお椀みたいな形をした外殻の一部だけどな。
湖の全体を透明なドームが覆っていて外界と遮断済みだ。ドームはこれまでとは真逆に大気からマナを大量に吸い取っている。
金属の壁の外側一〇キロはマナゼロ地帯だ。魔獣たちは早々に逃げ去って湖の周囲には一匹も存在しない。
湖の中心にはガラスのピラミッドが湖面から一〇〇メートルほど頭を出している。
「異世界の光景にゃん」
「他にこんな景色はないよ」
「「「にゃあ」」」
リーリと猫耳たちに突っ込まれた。
ピラミッドの大部分は水中に深く沈んでおり、その中にはオレが再構築した『プリンキピウム魔獣開発局』が巨大な招き猫になって鎮座していた。
その首輪に付けられた玉が今回マナ生成プラントをベースに魔力変換機能を付加して作り上げた二型マナ変換炉だ。
そのままだと大きすぎるので縮小して首輪の鈴に偽装してある。縮小してると言ってもノーマルのマナ変換炉のように戦車などに埋め込むのは無理な大きさだけどな。
オレたちは湖の畔の防波堤からバカみたいに大きな施設を眺める。戦艦から吸い取ったマナとクレーターに吹き溜まった分を消費するとこれぐらいのモノが出来てしまうのだ。
「ピラミッドは生きてる金属の透明版+聖魔石にゃん」
「隙間なく充填されてるのに恐ろしい透明度にゃん」
「ドームの材質も同じにゃんよ、こっちもメチャクチャ分厚くしてるから飛び上がった時に頭をぶつけないように気を付けるにゃん」
「にゃあ、お館様、天井までの高さはどのぐらいにゃん?」
「一番高いところで三〇〇メートル弱にゃん」
高度限界は湖面から三〇〇メートルなのでほんのわずか足りないドームはギリギリセーフだ。どこで測量してるのか知らないが恐ろしいほど正確だ。
「ウチらは、そんな高さまでジャンプしないにゃん」
「頼まれても無理にゃん」
「お館様ぐらいにゃん」
「オレは……絶対ないとは言えないにゃんね」
「そうだね」
リーリも同意した。
『ニャア』
ボートに乗った猫耳ゴーレムがオレたちを迎えに来てくれた。
「にゃあ、お館様、トンネルが開通したみたいにゃん」
「随分早かったにゃんね」
『ニャア♪』
「濃いマナのおかげで、皆んな魔法を使いまくったにゃんね」
オレたちはボートに乗り込んでピラミッドに渡った。
ピラミッドそのモノには特に何があるわけではない。研究施設の本隊である招き猫を守るだけに存在している。
「何処もかしこも透明で不思議な感じにゃんね」
「床が淡く光ってるから間違って壁に激突はないにゃん」
入口のホールからガラス張りのエレベーターに乗るとピラミッドの壁に添って斜めに降りて行く。
「にゃあ、招き猫の入口はお尻の穴にゃんね」
「場所的にはそうにゃん」
「おなかに穴を開けるのも忍びなかったにゃん」
「「「わかるにゃん」」」
エレベーターの壁に張り付いて招き猫を眺める。
当初予定の銀色から、生きてる金属に色付けする技術を確立したので、三毛猫に塗り分けた。
「大迫力にゃん」
「にゃあ、元が五〇〇メートル四方の建物だったから招き猫にしたら当然、もっと大きくなるにゃん」
「お館様は、それを難なく作ってしまうのがスゴいにゃん」
「にゃあ、難なくじゃないにゃん、オレの格納空間でずっとこしらえていたにゃん」
『ニャア』
猫耳ゴーレムが同意の返事をした。
「これはもう世界七不思議にランクイン確実にゃんね」
ムギが巨大招き猫を眺める。
「こっちにも七不思議があるにゃん?」
オルパスの図書館にも無かった情報だ。
「あるにゃん、王都のタリス城とかそうにゃん」
「にゃあ、あの馬鹿でかいお城にゃんね」
どんなからくりなのか高度限界を軽く越えていた。
「グランキエ州にあるグランキエ大トンネルも世界七不思議の一つにゃんね、砂の海の下を通ってケントルム王国に繋がってるにゃん」
「海底トンネルにゃんね、アーヴィン様に聞いたにゃん」
「通り抜けるのにどでかい鉄道馬車で一ヶ月掛かるにゃん」
「それは七不思議に入ってもおかしくないにゃんね」
エレベーターが降り切って地下トンネルと繋がる大ホールに出た。
「ここから、地下通路を通って招き猫の真下に行くにゃん」
「にゃ、歩道が動いてるにゃん!」
リンが驚きの声を上げた。
「距離があるから歩いてなんかいられないにゃん」
モデルは飛行場のそれだ。
「にゃあ」
招き猫の真下から、またエレベーターと手間の掛かる移動をしてようやく本来の研究施設に入ることができる。
「お館様、以前にも増して厳重にゃんね」
モカがキョロキョロする。
「にゃあ、エーテル機関と魔獣を扱う研究機関にゃん、何が有っても対処可能にしたからかなり大げさになってるにゃん」
「これなら万全にゃんね」
モカはあちこちペタペタ触って確かめる。
「にゃお、油断はできないにゃんよ、現に元の魔獣開発局は人だけ消されているにゃん、まだ未知の強力な魔法がたくさんあるにゃん」
「にゃあ、そんなのとは出逢いたくないにゃん」
ムギは首を横に振る。
「「にゃあ」」
リンとモカも同感だ。
「にゃあ、直ぐに研究エリアにゃんね」
「そうにゃん、招き猫の内部は以前の魔獣開発局と違って、研究用のエリアが大幅に増やしてあるにゃん」
「居住スペースがないにゃんね」
「にゃあ、プリンキピウム魔獣開発局にあった街は、招き猫の下に地下都市として作り替えてあるにゃん」
「今度は一フロアにゃんね」
「前よりもずっとデカいにゃん」
「にゃあ、巨大地下都市は男のロマンにゃん」
「「「わかるにゃん」」」
「招き猫の中で研究に従事するのは猫耳ゴーレムが大半にゃん、猫耳ゴーレムのメンテルームは大浴場以外に場所を取らないにゃん」
『ニャア♪』
「そんなわけで、オレは猫耳ゴーレムたちとお風呂に行って来るにゃん」
猫耳ゴーレムに抱っこされて大浴場に連れて行かれた。
「あたしたちは食堂ね、知ってる? フードコートだよ!」
「「「にゃあ!」」」
残りの猫耳はリーリが食堂に連れて行った。
○帝国暦 二七三〇年〇九月〇七日
○魔獣の森 研究拠点 地下都市
「にゃふ~」
地下都市に作ったプリンキピウム・オルホフホテルのペントハウスで目を覚ました。完全なコピーだが、こちらは繁華街の中に建っている。
街並みはドラマで見た十九世紀のロンドンみたいな雰囲気にゃんね。あちらみたいに霧が掛かったりしてないけど。
美味しい空気、抜けるような青空、暑くも寒くもない気温、ここが地下都市と説明されて信じるやつはまずいないだろう。快適すぎるのが不自然ではあるか。
魔法車よりも魔法馬と馬車が圧倒的に多い。
通行人の服装は思っていたよりも現代の日本に近いかも。いずれも立体映像だった。謎だったオリエーンス連邦時代の風俗が垣間見える。
「とても地下に見えないのがスゴいにゃん」
ベランダに出て街並みを眺める。大都会って感じだ。
「おはよう、マコト」
オレのおなかに張り付いて寝ていたリーリがロンTの胸元から這い出した。
「にゃあ、おはようにゃん」
「へえ、昼間になるとこんな感じになるんだね」
「基本は前にリーリがチェックしたプリンキピウム魔獣開発局の居住区と同じにゃん、ただワンフロアに並べ替えただけにゃん」
「とてもそうは思えないけど」
「にゃあ、天井の高さや街の面積は大きくなってるけど、違いはそれだけにゃん」
「大きな違いだと思うよ」
『ニャア』
猫耳ゴーレムが朝食をベランダのテーブルに運んで来た。
「ありがとうにゃん」
「トーストにハムエッグとスープとサラダだね、シンプルでいいと思うよ」
リーリはテーブルに着地してフォークを構えた。
「食品工場も設置したから、今日からでも一〇万人はイケるにゃん」
「人を入れるの?」
「にゃあ、セキュリティの問題があるからここには猫耳以外を入れないにゃん」
「それも仕方ないか」
「仕方ないにゃん、エーテル機関と魔獣の情報を外には漏らせないにゃん、その代わり地下都市は、地上に人が多い拠点には避難所代わりに増設するにゃん」
「地下のほうが立派というのも問題だね」
「にゃあ、それは言えるにゃん」
○魔獣の森 研究拠点
朝食の後は、猫耳たちを引き連れて周囲のマナを抜きゼロ地帯を増やしながら物理障壁の城壁の建設を行った。
森林も下草を月光草に替えところどころに魔獣の林檎の改良品を植えた。マナが無くても育つ品種だ。
「自前でエーテルからマナを生成して魔力に換える能力を持つにゃん」
品種改良をしている猫耳が教えてくれる。
「マナがない場所でも育つのはそういうわけなんだね、美味しいよ!」
「にゃあ、一歩間違うと勝手に歩き回って群れで魔獣を襲って食べたりするから調整が大変だったにゃん」
何かいまスゴいことを聞いた気がする。
「エーテル機関の機能をコピーするなら魔獣化の魔法式を削らないとダメにゃんよ」
「にゃあ、さすがお館様にゃん」
「面倒だからエーテル機関を突っ込んじゃえば良かったんじゃないの?」
「にゃあ、いまはリーリの言う通りにゃん」
「いちばん簡単な方法にゃんね」
宮廷魔導師が聞いたら卒倒すること間違いなしだ。
『お館様、物理障壁の外側、マナゼロの領域に入り込んで来た魔獣がいるにゃん』
監視業務に当たってる猫耳から連絡が入った。
『直ぐに行くにゃん』
物理障壁の設置は猫耳たちに任せてオレはパステルピンクのジープに飛び乗って魔獣の接近しているポイントに急行した。
「お館様、こっちにゃん」
出来たばかりの物理障壁の上から接近中の魔獣を見た。
「にゃお、デカいにゃんね」
「形が良くわからないね」
リーリもオレの頭の上で目を凝らした。
全長五〇メートルぐらいあるグニャグニャしたモノが巨木を押し倒しながらこっちに進んでる。
「スライムにゃん?」
「お館様、よく見ると足っぽいモノが見えるにゃん」
「にゃあ、触手っぽいけどちょっと違うにゃんね」
触手のようにも見えるが太くて吸盤みたいなものが付いてる。触手にも吸盤があるのだろうか?
「何で森にタコかイカがいるにゃん?」
「お館様、タコもイカも森の生き物にゃんよ」
「にゃ?」
オレの常識がまた異世界に否定された。
「デカい上にグニャグニャすぎてタコなのかイカなのか、それとも他の何なのか全然わからないにゃんね」
あっという間にそのグニャグニャした魔獣は物理障壁に到達した。
オレの頭より大きな吸盤が壁に張り付く。
ただしツルツルの壁は例え吸盤を使ってもそう簡単には登れない。
「こんなにヌルヌルでグニャグニャしていたら物理的な打撃は効かないにゃんね」
おお、頭が持ち上がってオレたちを見上げた。
「にゃあ、タコにゃん!」
壁に張り付いたのは巨大タコだった。
「巨大ウナギと同じジャンルにゃんね」
「美味しいの?」
リーリは興味津々だ。
「にゃあ、それはまだわからないにゃん」
「早く片付けちゃいなよ」
リーリが煽る。
「とにかくヤツからマナを抜いて動きを止めるにゃん」
「にゃあ!」
何のひねりもない巨大タコからマナを一気に吸い上げ……。
「にゃ?」
「お館様、どうしたにゃん?」
「にゃあ、こいつの体内にマナがほとんどないにゃん」
「どういうことにゃん?」
探査魔法でエーテル機関を探す。
「にゃあ、エーテル機関も見当たらないってどういうことにゃん?」
「お館様、それって普通のタコってことにゃん?」
「にゃあ、そうみたいにゃんね、ただの大きなタコにゃん」
大きさと森にいることを除けばオレの知ってる普通のタコだった。
「魔獣の森がタコの成長に何らかの影響を与えた可能性はあるにゃんね」
この大ダコなら魔獣でも捕食しそうだ。
「今後の地道な研究が必要にゃん」
「「「にゃあ」」」
「さっさと片付けるにゃんよ」
電撃を浴びせた。
「にゃう?」
「お館様、タコのヌルヌルが電撃を全部弾いたにゃん」
タコの全身を覆うぬめりがオレの予想を超えて有能らしい。
「にゃお、普通の魔獣より厄介にゃん」
電撃が効かないヌルヌルをまずどうにかしないといけない。
「ヌルヌルを取るならあれにゃん」
封印結界で陸棲の超巨大タコを包み込んだ。タコは真っ黒な墨を吐き出すが結界に遮られ用をなさない。
「にゃあ、今頃になって墨を吐いても遅いにゃん」
タコの上に塩を大量に降らせて結界を変形させて揉み込む。
それから水で洗い流す。
それを何度か繰り返してぬめりを取った。
「にゃあ、ぬめりが取れたら茹でるにゃん!」
結界に水を注ぎ込んで沸騰させ、タコを茹で上げる。
猫にタコの生食は厳禁だからじっくり茹でた。
「お館様、何かおいしそうにゃん」
「これは間違いなく美味しいヤツだよ!」
「にゃあ」
タコはその日のうちに各拠点に運ばれた。
その夜、オレはたこ焼きを食べながら研究施設の一室でガトリングガンの改造を行ってる。
「美味しいよね」
「にゃあ」
横からリーリがかっさらって行く。
「ガトリングガンをどうするの?」
「にゃあ、魔獣を一発で倒せるように改造してるにゃん」
「出来るの」
「にゃあ、硬い外殻をぶち抜いて内側からマナを分解して電撃に応用するにゃん」
「内部で反応させるんだね」
リーリは真面目に質問しつつオレのたこ焼きを減らして行く。
「にゃあ、そうにゃん、今日のタコみたいに表からの電撃に強いヤツもいるから、半エーテルの弾丸にマナ分解と電撃の刻印を刻むにゃん」
先日の黒い生きてる金属の弾丸にマナ生成プラント分解の魔法式を混ぜ込んだモノの進化版だ。改造マナの対策は済ませたので半エーテル弾でもイケる。
「なんかエグい武器だね」
「にゃあ、魔獣もエグいのばかりだからちょうどいいにゃん」
「それは有るね」
「これなら被弾した魔獣は一発で昇天にゃん、実際には何発も撃ち込むから効果は倍増にゃん」
「ガトリングガンだからね」
「魔獣も身体の内側で発生する魔法をレジストするのは至難の技みたいにゃん、だから最低でも活動停止に近い状態に追い込めるはずにゃん」
「悪くないと思うよ、問題はないの?」
「にゃあ、弾丸一発一発に刻印を刻むから処理が重たくなるにゃんね、だからガトリングガンにマナ変換炉を突っ込んだにゃん」
「魔獣よりもそのガトリングガンがヤバい感じがするよ」
「にゃあ、そうにゃんね」
改造を終えたガトリングガンを仕舞った。
「まだ何かするの?」
「にゃあ、まずはたこ焼きの追加にゃん」
熱々のたこ焼きにソースとマヨネーズと鰹節をいっぱい掛ける。
「おおおお」
「これまでに倒した魔獣を調査したところ、いずれも人間の使う身体強化に似た魔力の使い方をしてるにゃん」
「美味しい」
「にゃあ、しかも人間よりも効率が桁違いにいいにゃん」
「エーテル機関の性能が段違いなんだら仕方ないんじゃない?」
「にゃあ、オレと猫耳、それに猫耳ゴーレムは使える様にしたにゃん、今夜からは素手で魔獣とやり合えるにゃん」
「昔の人だってそこまではしなかったんじゃないの? おかわり!」
「そうにゃんね」
おかわりのたこ焼きを出す。
「熱々だから気を付けるにゃんよ」
「はふはふ、熱々が最高だよ」
「にゃお、オレは猫舌だったにゃん」
「はふはふ、防御力の話だったよね、面倒くさくなって攻撃は最大の防御とかいい出しちゃう?」
「にゃあ、それはないにゃん、いままでのオレたちの防御結界にはこの魔法と力業の中間に位置する身体強化をした攻撃に対しては専用の防御力を持って無かったにゃん」
「おお、ちゃんと分析してるね」
「オレたちの防御結界は精霊情報体の知識を元に作ったものだから、その後の時代に登場した魔獣には対応してなかったにゃん」
「図書館情報体には何か有ったの?」
「にゃあ、残念ながら対魔獣の防御結界の情報は無いにゃん、魔獣関連の細かい情報は機密扱いで秘匿されてるにゃんね」
「街の防御結界は魔獣の攻撃を全部防げるんでしょう?」
「にゃあ、うたい文句ではそうにゃんね、超絶に複雑な刻印だから何処まで効果があるかオレにも読めないにゃん」
「プリンキピウム魔獣開発局はどうなの?」
「まだ解析が始まったばかりだけど手応えは悪くないにゃん、情報体より魔獣に関して情報が多いのは間違いないにゃん」
「使えそう?」
「にゃあ、ただプリンキピウム魔獣開発局はエーテル機関の研究までで、実際に魔獣を動かしての実験はしてないにゃん、机上の計算でシミュレートしてただけにゃんね」
「実際に動かさないとダメだよね」
「にゃあ、実験は重要にゃん。魔獣の身体強化への対策はそう大きな書き換えを必要としないから、明日には実証実験まで持って行けそうにゃん」
『『『ニャア♪』』』
「にゃ?」
「お迎えだって」
猫耳ゴーレムたちがやって来て、オレは大浴場に連れて行かれた。




