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新種にゃん

 ○帝国暦 二七三〇年〇八月二〇日


「にゃう?」

 朝、目を覚ますと猫耳たちの間に挟まっていた。

 いや、正確には埋まってる。

「にゃあ、おまえら退くにゃん!」

 猫耳たちを跳ね飛ばした。

「「「にゃあ!」」」

「お館様、酷いにゃん」

「にゃあ、酷いのはおまえらにゃん、誰がオレの上で寝ていいと言ったにゃん」

「にゃあん、お館様が可愛いのがいけないにゃん」

「「「にゃあ♪」」」

 朝から揉みくちゃにされた。



 ○プリンキピウム街道 旧道 ホテル レストラン


「お館様、ウチらも一緒に行っていいにゃん?」

 レストランで朝のトーストを齧りながら質問された。

「いいにゃんよ、今日はシアとニアとノアのおチビたちとビッキーとチャスを馬に乗せるからそのフォローも頼むにゃん」

「かしこまりにゃん」

「ベーコンエッグも美味しいけど、ハムエッグもたまらないよね」

「「「にゃあ」」」

 猫耳たちもリーリの意見に全面的に賛成だった。

 オレもだけど。

 あっちにいた時は、牛丼屋の朝定かコンビニのサンドイッチばかりだったせいで、身体に染み付いてるのかも。

 ちゃんと結婚していたらまた違ったのだろうか?

 もし嫁さんや子供がいたらきっと元の世界に帰ろうと必死になっていた?

 精神に異常を来していたかも。

 むしろ独身に戻れていまより羽根を伸ばしていた可能性もあったりして。

 それはそれで悲しいにゃん。

 現実、いま帰ったら生命保険の受け取りが立ち消えになって、能面みたいな顔になった妹から『何してくれるの?』とか言われそう。

 うん、間違いなく言われる。

 最悪、妹の旦那の博くんに『すいません、お兄さんの保険金がないとヤバいんです』と謝られながら首を絞められて山中に埋めらたりして。

「こ、怖いにゃん」

「にゃあ、お館様、どうかしたにゃん?」

「オレはおまえらといられて幸せにゃん」

「にゃあ、ウチらもにゃん」

「「「にゃあ♪」」」

 また、揉みくちゃにされた。

『『『ニャア♪』』』

 更に猫耳ゴーレムも加わって大変なことになった。



 ○プリンキピウム街道 旧道


 馬車二台が走り出し、その後をシアとニアとノアの三人の馬とそれをフォローするビッキーとチャスそれに猫耳たちの馬が続く。

 オレは先頭の馬車に乗ってる。

「ざっと見た限り、危なそうな獣はいないにゃんね」

「そうだね」

 獣の領域ではないが、獣が増加傾向なのはオレも身をもって知ってる。

「にゃあ、この辺りはウチらが狩り尽くしてるにゃん」

「それはナイスにゃん」

「にゃあ、ウチらで食べきれない分は冒険者ギルドとベイクウェル商会に卸してるにゃん」

「いい判断にゃん」

「でも、獣は直ぐに数が戻るにゃん」

「仕方ないにゃん、柵でも作らないと流入は止められないにゃん」

「にゃあ、柵だったらいつでも作れるにゃんよ」

「にゃう、柵を作ると別の弊害が出るからヤメた方がいいにゃんね、地道に狩りを続けるのが安心にゃん」

「にゃあ、了解にゃん」

 パカポコとおチビたちの乗った馬たちが前に出て来た。

「おやかたさま、ココアをかけさせてもいい?」

 シアが聞いてきた。

「にゃあ、ちゃんと防御結界を張れているならいいにゃんよ、それとビッキーとチャスや猫耳たちの言うことを聞くことが条件にゃん」

「うん、わかった」

「おやかたさま、あたしもチョコもはしらせたい」

「おやかたさま、アンコも」

 ニアとノアも続く。

「にゃあ、ちゃんと約束が守れるならいいにゃんよ」

「まもる!」

「わたしも!」

 ビッキーとチャスは力が入っていた。

「わかったにゃん、ビッキーとチャスも頼んだにゃん」

「「「おやかたさま! いってきます!」」」

 シアとニアとノアの三人は馬の速度を上げて前に出た。

 その後をビッキーとチャスそれに猫耳たちの乗った馬が追い駆けて行く。

「めちゃくちゃ速いにゃんね」

 もう、豆粒大の大きさになった。

 馬の扱いもまだ二回目だというのに慣れたものだ。

 思考共有で得た知識にちゃんと身体が付いて来てるのがスゴい。

 四歳児だから順応性が高いのだろうか?

 ビッキーとチャスが教えてるのもあるだろうし、それに魔法馬が高性能だからね。


「お館様!」

 チビたちが馬で先行してから三〇分ほどした頃、突然、御者台の猫耳が叫んだ。

「にゃ!?」

 オレも直前になってそれを察知した。

 馬車が急制動した瞬間、爆音とともに前方の大木がはじけ飛んだ。

 防御結界が木々の破片を弾き飛ばす。

 もうもうと立ち上る土煙の中に大型ダンプみたいなシルエットが三つ。

 馬車とおチビたちの乗る馬の間に現れたそれは三頭の巨体を持つ獣だった。

「イノシシにゃん?」

 形は元の世界のイノシシと同じだが大きさがまるで違う。いや、こいつはこっちの世界でもデカうぞ。

 五〇メートルほど距離はあるが完全にヤツらの間合いだ。

「こんなところで珍しいね」

 リーリは冷静に目の前の巨獣を見る。

「にゃあ、なんでオレたちの探知魔法に引っ掛からなかったにゃん!?」

「お館様、ヤツらは結界持ちの特異種みたいにゃん」

「にゃお、特異種がこんなに強力な結界を持ってるにゃん?」

 目玉が六つ、大きく裂けた口にはサメのような歯が並び笑ってるように見える。いずれも特異種の特徴だ。それでいて本来、特異種が持つことのない認識阻害と防御の強力な結界を展開している。

「にゃあ、しかもこいつらのは侵食系の結界にゃん」

 魔法式を読み取って予想した性能はやばいの一言だ。こいつらの結界は他者の防御結界を侵食して壊す。

 森の大木だってこいつらの防御結界にやられたのだ。そうでなかったらあんなに簡単に粉々にならない。

 イノシシの特異種たちはこちらの馬車とおチビたちの乗った魔法馬を交互に見ていた。

 チビたちも逃げるのを忘れてイノシシの特異種を見ている。

 イノシシどもはどちらが餌として魅力的か天秤に掛けてるみたいだ。

「にゃあ、ヤツらはオレが狩るにゃん」

 馬車から飛び出し、再生した聖魔石の魔法馬の背中に乗った。

 銃を取り出す。

 黒いイノシシの特異種どもは、おチビたちに狙いを付ける。

『にゃあ! 逃げるにゃん!』

 オレは念話を飛ばしておチビたちの魔法馬を走らせる。

 イノシシの特異種は一拍遅れた。

 オレに背を向けダッシュでおチビたちの馬を追うが、一撃で仕留めるはずだったヤツらの思惑は外れた。

 それでも距離はすぐに詰められる。鈍重そうな巨体のくせに機敏に速度を上げる。

『お館様、こいつはヤバいにゃん! ウチらの魔法も銃も効かないにゃん、ただの特異種じゃないみたいにゃん!』

『にゃあ、魔力が半端ないにゃん、ウチらの結界をスゴい勢いで喰ってるにゃん!』

『ウチらが足止めしてチビたちを逃がすにゃん』

 おチビたちに付けた猫耳から念話が入った。

『にゃあ、おまえらはおチビたちに付いてるにゃん! 足止めなんて不要にゃん、ちゃんと追いつくにゃん!』

 魔法馬の速度を上げる。

 近付くほどにイノシシの特異種からの強い魔力を感じた。特異種にはありえない量の魔力だ。

「こいつら、どう考えても普通じゃないにゃんね」

 見た目もそうだが、魔力の不自然さはその上を行く。

「そうだね、特異種じゃないのかもよ」

 リーリには答えが見えてるみたいだ。

「にゃ、違うにゃん?」

「そう、目の前のモノに目を惑わされないで!」

 リーリは魔法馬を飛ばすオレの頭にしがみついてる。

「確認するにゃん!」

 こいつらの魔力を溶かす結界に力押しで無理矢理わり込んで探査魔法を打った。

 なんだこれは?

「そういうことらしいね」

 リーリが頷く。

「にゃお」

 オレは猫耳たちに念話を送る。

『にゃあ! こいつら、なりはイノシシの特異種でも中身は魔獣にゃん!』

『『『にゃ!?』』』

『エーテル機関があるにゃん!』

『『『あり得ないにゃん!』』』

『にゃあ、あり得なくても現実にゃん! こいつらは魔獣にしては身体を小さくしてる分、強い結界を獲得したにゃん』

 チビたちに迫るイノシシどもにオレは更に速度を上げる。

『にゃあ、オレがヤツらに接触したら、オレごと結界で封じ込めるにゃん』

『『『にゃ、お館様ごとにゃん!?』』』

『ヤツらは自分の防御結界の中を魔獣の森並みの濃度のマナで満たしてるにゃん、それがブチ撒かれると厄介なことになるにゃん!』

 オレは自分の魔力を外に放出した。

 以前プリンキピウムの森で特異種を集めたアレだ。

 三頭の黒いイノシシが足を止めてこちらを向いた。

 オレは馬の背中に立って、ガトリングガンを再生する。

 間近で見る黒いイノシシは、六つの眼を赤く光らせていた。

「にゃあ、行くにゃん!」

 オレの防御結界にヤツらの結界が接触した瞬間、魔法馬を消しガトリングガンのトリガーを引いた。

 余裕を浮かべていた六つの目玉×三は直ぐに驚きに見開かれた。

 結界で溶かせる数を超える弾丸をブチ込まれたからだ。

 飽和した結界は防御機能を喪失し残りの弾丸を素通りさせた。

 最初の一頭の頭を蜂の巣にして吹き飛ばし、二頭目の腹に大穴を空けた。

『結界、急ぐにゃん!』

『『『にゃ、にゃあ!』』』

 オレの言葉に自分の仕事を思い出した猫耳たちが慌てて結界を張る。

 幾重にも張られた結界は、無色透明なはずの空間をピンク色に色付けした。

 濃厚なマナがイノシシの躯から湧き出す。

 オレは二つの死体を分解して消す。

 最後の一頭は頭を低くしてオレを威嚇する。

 オレはガトリングガンを構えたまま路上に降り立った。

 イノシシ型の魔獣は、六つの目を細めた。

 こちらの精神に干渉する。

 レジストする前にオレの中の魔法龍ディオニシスがイノシシに反撃した。


『……ブッ!』


 六つの目から血を吹き出して倒れる。ディオニシスが格の違いを見せつけた。

 オレはその躯も分解した。

『にゃあ、マナが溜まってるので予定にはないけど、ここに地下農場を作るにゃん』

 流石にホテルから一〇キロも離れてないので休憩所には近すぎる。

『『『にゃあ!』』』

 イノシシたちの遺したマナを消費して地下深くに米や小麦、各種野菜の農場と作業用の猫耳ゴーレムを一度に作り出した。

 基本は魔法蟻が作ったものがベースだ。

『後でトンネルを繋いで欲しいにゃん』

 近くの拠点にいる魔法蟻たちに伝えた。

『『『……』』』

 口をカチカチさせながら右側の前脚を上げてるビジュアルが伝わる。


「にゃあ、これで完了にゃんね」

 時間からするとわずかだが、魔獣を三匹倒してからの地下農場作りでちょっと疲れた。

「「「おやかたさま!」」」

 おチビたちが戻って来た。

 最初にビッキーとチャスが馬を消してオレに抱きついた。

「にゃあ、皆んなは大丈夫にゃん?」

「だいじょうぶ」

「おやかたさまは?」

「だいじょうぶなの?」

 シアたちは目に涙をいっぱい溜めていた。

「にゃあ、オレは平気にゃん、ヤツらは魔獣としてはそんなに強くなかったにゃん」

「本当に大丈夫にゃん?」

 オレは後ろから猫耳に抱きかかえられた。

「にゃあ、ちょっと疲れただけだから心配要らないにゃん」

「お館様のあのゴツい銃はいったい何にゃん?」

「にゃあ、ガトリングガンのことにゃん?」

「そうにゃん、魔獣をあの侵食系の結界ごと砕いたにゃん」

「力押しに使うには便利な道具にゃん、グールとオーガにも良く効いたにゃん」

「お館様、それはアーティファクトにゃん?」

「近いかも知れないにゃんね」

「お館様は、何処で手に入れたにゃん?」

「にゃあ、貰い物にゃん」

「「「貰ったにゃん!?」」」

「にゃあ、随分と物騒なものをくれたにゃんね」

 アーチャー魔法馬商会の爺さんからの贈り物だ。

「元はどこかの遺跡の出土品で、くれた本人は『たぶん武器だろう』としかわからなかったにゃん」

「お館様は使い方がわかったにゃんね」

「にゃあ、まだ未完成だったから使えないのは当然にゃん」

「お館様が完成させたにゃん?」

「にゃあ、エーテル機関を突っ込めばだいたいなんとかなるにゃん」

「ウチらに使われなくて良かったにゃん」

「そのまま人間を撃ったらマジで血煙になって回収不能にゃん」

「にゃあ、怖すぎにゃん」

「いまは安全装置が付いてるから人間を撃っても素っ裸になって気絶するだけにゃん、銃で撃たれるより痛いのはご愛嬌にゃん」

「そのぐらいで済むなら我慢してもらうしかないにゃんね」

「「「ウチらも欲しいにゃん」」」

「にゃあ、そうにゃんね、全員の装備品の中に入れておくにゃん」

 猫耳たち全員の格納空間にガトリングガンを入れてやった。

「にゃあ、これはスゴいにゃん」

「「「最高にゃん!」」」

 猫耳たちが馬車の荷台からガトリングガンの試し撃ちを始めた。

 道路脇の大木が幹を砕かれて次々と倒れる。

「気を付けて撃つにゃんよ」

 獣たちが大慌てで逃げて行く。

「この辺りの獣は根性がないにゃんね、プリンキピウムの森だったら逆に襲い掛かって来るにゃんよ」

「「「にゃあ」」」

 ビッキーとチャスそれにシアとニアとノアもうっとりとした目でガトリングガンを見てる。

 それから期待の篭った視線をオレに向けた。

「「「おやかたさま! あたしたちもうってみたい!」」

「にゃあ、まだダメにゃんよ、ガトリングガンを一人で持てるぐらい大きくなったら撃たせてやるにゃん」

「「「はい」」」

 聞き分けがいいのは助かった。

「にゃあ、そろそろ出発するにゃん!」

「「「にゃあ!」」」

 この場に留まっていても仕方ないので、オレたちは次の休憩地に向けて出発した。


 出発して直ぐにシアとニアとノアの四歳児は電池切れでお昼寝、リーリとビッキーとチャスはおやつタイムでアイスを食べている。

 そしてオレは馬車の荷台で猫耳に抱っこされながら分解して格納したイノシシ型の魔獣を解析する。

 魔獣の森の環境を結界に封じ込めて移動したり、防御結界を侵食したり、精神干渉を仕掛けたり、見た目はまるで特異種だったりと目新しさ満載で登場してきたイノシシ型魔獣だが、エーテル機関を見て違和感を覚えた。

 マナの変換効率が鎧蛇に比べてかなり悪い。

 魔法式の演算能力も見劣りする。

 それでいて低機能の割に廉価版には思えない凝った作りをしてる。

「新型じゃなくて実は古いみたいにゃん」

「にゃにゃ!?」

「お館様、どうしたにゃん?」

「巨大化するにゃん、このイノシシのエーテル機関には巨大化の機能があるにゃん、にゃあ、使われなくて良かったにゃん」

「にゃあ、巨大化したらパワーアップにゃん?」

「それはないにゃん、臓物をぶちまけて自壊するにゃん」

「にゃあ、それだと巨大化したら死んじゃうにゃんね」

「その通りにゃん、道の真中で巨大化されたら臓物まみれにされるところだったにゃん、チビたちにはトラウマものにゃん」

「にゃあ、巨大化って使えそうで使えないにゃんね」

「野菜も果物も大きすぎるとおいしくないにゃん、にゃあ、でも何かしら応用はできるかもしれないにゃん」

 結論として面白機能だが使えないと言う評価で落ち着いた。

 いままで存在が知られて無かったのは、他の魔獣ほど大きくないことから特異種と混同されていたのだろう。

 普通の冒険者では太刀打ち出来なかったろうから、倒されて魔獣と確認されるには至らず今日に至ったのかも。

 魔石と呼ばれるエーテル機関を取り出さないことには、魔獣と判断できないわけだし。



 ○プリンキピウム街道 旧道 宿泊施設


 お騒がせな珍魔獣の襲撃以外は、特に何もなく休憩所と宿泊所を予定していた分をこなして今日はどっちに泊まろうかという時間になった。


 順番から言うと簡易宿泊所になるのだが、新たに選ばれた一〇人の猫耳がオレの後をぞろぞろ付いて来る。

 ちなみにリーリは昨夜の猫耳プレスに懲りたらしく「じゃあね」とオレを置いてホテルに直行した。

 チビたちは簡易宿泊所一択だ。

「にゃあ、もしかして今夜も一緒に寝ようとか思ってるにゃん?」

「当然にゃん、お館様と一緒に寝るのはウチらの基本的な権利にゃん」

「そうにゃん、何人も侵すべからずにゃん!」

「「「にゃあ!」」」

「簡易宿泊所は相部屋でも一〇人は入れないにゃんよ」

「お館様、正確には十一人にゃん」

「無理にゃん」

「にゃあ、お館様がそう言うと思って、今日の部屋は寝台を増設したにゃん」

「増設にゃん?」



 ○プリンキピウム街道 旧道 簡易宿泊所


 案内された部屋は何とか一人入れそうな寝台が両側に五段作られていた。

 普通は三段だから高さがかなりヤバい。

「にゃ、にゃあ」

 危なく寝台の一つに飛び込みそうになったが何とか我慢した。

 このみっしり感は最高すぎる。

「お館様も気に入ってくれたにゃん?」

「じゅ、一〇人部屋にゃんね」

「にゃあ、真ん中にハンモックがあるから大丈夫にゃん」

 真ん中にハンモックが吊り下げられた。

「にゃあ、ハンモックにゃん♪」

 思わず飛び付いてしまった。

「にゃ」

 猫耳たちがニマニマした表情でオレを見ていた。

「オレはここで寝るにゃん」

 もう開き直った。

「「「にゃあ♪」」」

「にゃあ、揺らさなくていいにゃん!」

 でもこの何とも言えない浮遊感はちょっと気持ち良かった。


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