褐色短角牛にゃん
ジェドたちを見送ったところに魔法蟻から念話が入った。
『……』
口をカチカチさせる。
『にゃあ、また何か見付けたにゃん?』
『……』
魔法蟻が頷く様子が伝わる。
○州都オパルス ピガズィ間 魔法蟻トンネル
オレとリーリはホテルの地下に降りると魔法蟻の背中に飛び乗って現場に向かった。今度はビッキーとチャスも連れて来てる。
俺の後ろにふたりを乗せてトンネルで魔法蟻が呼んでるオパルスの外に向かう。魔法蟻が呼んでるのはフルゲオ大公国方面に向かう西に伸びてるトンネルから枝分かれした支線の途中だ。
ピガズィの街に延長させて掘削してる最中に何かを発見したらしい。
「にゃあ、銀行を開設するためにトンネルを繋ぐにゃんね」
銀行の支店づくりは急ピッチで猫耳たちが計画を進めている。将来的には州を飛び出して王都に向かうのだろうが、そうなると本格的に貴族や大手の商会を相手にしなくてはイケないのでいろいろ面倒臭そうだ。
体制が整うまではアルボラ州と大公国の領地内で事業を充実させることになるというのがオレの予想だが、貴族や大商会を得意とする猫耳もいるから早まりそうな気がしないでもない。
○州都オパルス ピガズィ間 魔法蟻トンネル 地下遺跡
「にゃあ、お館様こっちにゃん!」
「「「にゃあ」」」
先行していた猫耳たちが魔法蟻の背中から手を振る。
「今度は何が見付かったにゃん?」
「お館様、あれにゃん」
遺跡?の一部がトンネルの正面に掘り出されていた。金属ではなくコンクリートみたいな質感の壁だ。
「これにゃんね」
探査魔法を使うまでもなくマナの値は平常値なのはわかる。特に防御結界があるわけじゃなさそうだ。
結界も張られてはいるが崩壊防止の状態維持の魔法だ。
他には何の反応はない。
「危険はなさそうにゃん」
更にサーチを続ける。
「「おおきい」」
ビッキーとチャスもリーリ仕込みの探査魔法を使ってる。
直径二〇〇メートル、高さ三〇〇メートルほどの筒状の遺跡だ。
その筒にぎっしりとあるモノが詰められてる。
「いっぱいはいってる」
「うん、いっぱい」
ビッキーとチャスもわかったらしい。オレも探査結果から答えを導き出す。
「これはオリエーンス連邦時代の魔法馬の廃棄場にゃんね」
「にゃあ、お館様の見立てもウチらと同じだったにゃん」
「「「同じにゃん!」」」
トンネルに猫耳たちの声が響く。
「「おなじ!」」
ビッキーとチャスも声を上げた。
「ゴミの分別がしっかりされていたのか魔法馬以外一切入ってないにゃん」
面白いモノが混ざってると良かったのだが、今回は見事に壊れた魔法馬のみだ。
「フルグル村の馬井戸と同じだね」
リーリも探査魔法を使ったらしいが相変わらず妖精魔法はほとんど感知できない。
「にゃあ、そうにゃん、違いがあるとすればあっちは軍用馬でこっちのは民間のものにゃん」
「お館様、この馬をウチらで直して売っていいにゃん?」
猫耳のひとりがオレに許可を求める。
「にゃあ、面倒なことにならないよう気を付けるなら構わないにゃんよ」
ここに捨てられてる魔法馬は、オリエーンス連邦時代のモノだけあって民生品とはいえ現在使われてるモノに比べてもかなり性能が高い。
「ベイクウェル商会を通すから大丈夫にゃん、面倒事はヤツらが片付けるにゃん」
「にゃあ、それならいいにゃん、それとこの中に派手なのが有ったら残して欲しいにゃん」
「お館様が乗るにゃん?」
「違うにゃん、派手なのはアーチャー魔法馬商会に売ってやって欲しいにゃん」
「にゃあ、ダリル好みの変な馬はアーチャー魔法馬商会に卸すにゃんね、了解にゃん」
「頼んだにゃん」
○州都オパルス クリステル・オパルス・オルホフホテル 猫ピラミッド
『にゃあ、お館様、特異種のいる群れを発見したにゃん!』
猫ピラミッドに戻ったところで中間拠点にいる猫耳たちから念話が入った。
『にゃ、特異種にゃん?』
『にゃあ、これにゃん』
群れの映像が送られてきた。視覚の共有だ。
『おいしそうな褐色短角牛の群れにゃん、特異種二頭で約一〇〇頭を率いてるにゃん』
和牛である。大きさがぜんぜん違うけど。
『特異種以外は、牧場に欲しいにゃんね』
『『『にゃあ、ウチらもそう思ったにゃん!』』』
中間拠点にいる猫耳たちが声を上げた。
『褐色短角牛の群れは、中間拠点とオパルス前衛拠点の間ぐらいにいるにゃん』
巨大な和牛は細い道を一列になって移動していた。
『にゃあ、これってウシの群れが林道を走ってるにゃん?』
『そうにゃん、林道を州都を向いて進んでるにゃん、西側の森から林道に入ったらしいにゃん』
『州都に向かってるにゃんね?』
『にゃあ、どうして州都に向かってるかは不明にゃん』
『林道は片方がトゲトゲでもう片方が崖だから、他に逃げようがないのかもしれないにゃんね、それに州都側のほうが道がなだらかにゃん』
猫耳のいうとおり単に移動しやすい方に進んでるだけなら問題ない。人間を襲いたくて州都を目指してると厄介だが。
『近衛軍の動きはどうにゃん?』
『にゃあ、遺跡にいる近衛軍はいまのところ無反応にゃん』
『たぶん距離が有るから無視してるか、気付いてない可能性もあるにゃん』
『にゃあ、州都がどうなろうとヤツらには関心がないから、こっちまで警戒してないと違うにゃん?』
『一応、ヤツらの動きには注意するにゃん、なるべくオレたちの存在は知られたくないにゃん』
『『『にゃあ!』』』
『全頭捕獲するにゃん!』
『『『了解にゃん!』』』
いい返事が返って来た。
○州都オパルス クリステル・オパルス・オルホフホテル 猫ピラミッド ブリーフィングルーム
オレは猫ピラミッドのブリーフィングルームから褐色短角牛の捕獲作戦を指揮する。ビッキーとチャスもオレの横にちょこんと座っている。
中間拠点とオパルス前衛拠点の間、褐色短角牛の群れの前後に臨時の出口が造られ猫耳たちが地上に出る。
魔法蟻がいると自在にトンネルと出口を造ってくれるから便利だ。
褐色短角牛は、林道から逸れることなくオパルス方向に移動し続けていた。
『にゃあ、群れの頭を押さえるにゃん』
『『『にゃあ!』』』
近隣から合流した猫耳たち二〇人がヤブを伐採して林道横にウシを箱に詰めるちょっとした広場を造成した。
『『『ムォオオオオオ!』』』
ウシの群れが迫る。狭い道を一頭ずつだがどの個体もデカいからなかなかの迫力だ。すれ違えない田舎道を暴走する大型ダンプみたいだ。
『にゃあ、風の魔法にゃん』
『『『了解にゃん』』』
群れの前後から風の魔法で空気の抵抗を増しウシたちの速度を落とす。
特異種も群れの速度には逆らえず速度を落とした。
『広場に誘い込んで箱詰めにゃん』
『『『にゃあ』』』
なだらかなRを描いたフェンスで褐色短角牛の群れを広場にご案内する。広場は高速の料金所のように一頭ずつゲートを通るようになってその先で眠らされ箱詰めされてトンネルに運ばれて行く。
『林道を近衛軍の兵士が来るにゃん!』
見張りの猫耳が声を上げた。
『にゃあ、林道を六人が馬に乗ってオパルス方面から来るにゃん』
『本当に近衛軍の兵士にゃん?』
『にゃあ、あの帽子を被ってるから間違いないにゃん』
あのカエルの頭みたいな形に縞模様の帽子だ。それで顔の上半分を隠してる。見えるのは口だけだ。
『帽子というより被り物にゃん』
『『『にゃははは』』』
『にゃあ、おまえら急がないとウシを回収する時間が無くなるにゃんよ』
『『『にゃあ!』』』
猫耳たちは風魔法を調整してウシの速度を上げ、回収を急ぐ。中には暴れだすのもいたがそれは一足先に箱に入ってもらった。
『お館様、群れの後ろからもその場で箱詰めした方がいいにゃん』
『にゃあ、そうにゃんね、現場の判断に任せるにゃん』
ウシたちは声を上げる間も無くその場で箱詰めされる。箱に入ったウシたちはよりスムーズにトンネルに呑み込まれて行った。
『回収完了にゃん』
最後に広場を元どおりヤブに戻した。近衛軍の兵士たちは、そのまま森での出来事に気付くこと無く通り過ぎる。
『にゃあ、騎士だったらヤバかったにゃん』
近衛の騎士だったら隠し通せる気がしない。底が知れない気味の悪さがある。できることなら関わり合いになりたくない。猫耳たちも同じらしい。
『お館様、これから牧場にウシを運ぶにゃん』
『にゃあ、了解にゃん』
『『りょうかいしました!』』
おお、ビッキーとチャスがオレたちの念話に割り込んだぞ。念話に割り込めるのもリーリの仕込んだ精霊魔法の応用か? 今度オレも教えて貰おう。
○州都オパルス クリステル・オパルス・オルホフホテル 付属牧場 管理棟
オレたちは牧場で新しいウシの到着を待つことにした。
「にゃあ、オレは牧場のウシたちを運動させてくるにゃん」
「お館様、牛の背中に乗るとか危ないことは禁止にゃん」
「「「にゃあ」」」
管理棟から外に出ようとしたオレは猫耳たちに囲まれた。
「にゃお、おまえらはオレがウシごときにどうにかされると思ってるにゃん?」
「お館様、そういう問題ではないにゃん」
「そうにゃん、不必要な危険は許可できないにゃん」
「「「まったくにゃん」」」
「危険な遊びは不許可にゃん」
「ビッキーとチャスがお館様の真似をするにゃんよ」
「にゃぅ」
オレにピッタリくっついてるビッキーとチャスが更にギュっとする。
「わかったにゃん、普通にウシたちを運動させるにゃん」
ビッキーとチャスを引き合いに出されてはオレも猫耳たちに従うしかなかった。
○州都オパルス クリステル・オパルス・オルホフホテル 付属牧場
仕方ないのでごく普通に魔法馬で牧場のウシたちと追いかけっこをして遊んでやる。一緒に付いてきたがるビッキーとチャスには管理棟の警備をお願いした。ふたりの防御結界ならウシに食べられるようなことはないけど、オレも猫耳たちと同じか。
「にゃあ、クロウシとマダラウシは、今日も元気にゃん、オレを食べたくてどうしようもない感じにゃんね」
ウシの巨体がいくつも直ぐにオレ目掛けて駆け寄ってくる。
「しっかり付いて来るにゃんよ!」
魔法馬を走らせウシたちを誘導する。前方から突っ込んでくるウシもかわして速度を上げる。
何台もの大型ダンプに追われる以上の圧迫感だ。ダンプはぶつかって来ることは有っても喰い付いて来ることはないが、ウシは防御結界を齧ってくる。
ウシも牧場の森に慣れたのか前後左右から一斉にオレを取り囲んで逃げ道を塞いだ。
『『『モォォォ!』』』
オレは、あっというまにウシどもに囲まれた。ウシたちが額でオレの馬の防御結界をグイグイ押す。
勝ち誇った鳴き声にイラっとした。
「どいつもこいつも元気が有り余ってるにゃんね」
電撃を御見舞したいところだが、それでは運動にならないので行く手を塞ぐウシを力任せに押して再度、逃げ回る。
「にゃあ、お館様、ウチらもお手伝いするにゃん」
猫耳たちも加わってオレに集中したウシをバラけさせる。
「にゃあ、助かったにゃん」
「お館様がウシに囲まれたのを見たビッキーとチャスが危なく電撃をぶっ放すところだったにゃん」
「にゃあ、ウチらの中にもいたにゃん」
「皆んな、落ち着いて欲しいにゃん」
オレもビッキーとチャスが同じ目にあっていたら冷静な行動がとれるか自信がないけどな。
『お館様、間もなく到着にゃん』
箱詰めのウシを運ぶ猫耳から連絡があった。
『にゃあ、場所を空けておくからそのまま牧場内に運び込んでいいにゃんよ』
『了解にゃん』
管理棟の周囲に認識阻害の結界を張ってウシたちが入れないスペースを作った。これで開封作業を横から邪魔されずに済む。
ウシを遊ばせていたオレたちもその結界内に飛び込んだ。
『『『モォ?』』』
突然、目標を見失ったウシたちは少し探してから興味を失って森の中に散って行った。それから少しして褐色短角牛を詰めた箱が猫耳と魔法蟻たちによって運び込まれた。
あっという間にオレの周囲は仮死状態のウシが入った箱でいっぱいになる。
「にゃあ、まずは健康状態をチェックするにゃん」
牧場で飼うウシだから伝染病や寄生虫が入ってると困る。箱に入れたまま診断した。
「どれも問題無さそうにゃん」
「お館様、こっちのウシたちも問題ないにゃん」
「にゃあ、こっちも大丈夫にゃん」
猫耳たちにもチェックを手伝って貰う。
「お館様、こいつは内蔵に疾患があるにゃん」
「治療して欲しいにゃん」
「にゃあ」
「こっちは、骨折した跡が変になってるにゃんね」
「こいつは子宮に問題があるにゃん」
「伝染病はなくても野生の獣だけあって細かいことはいろいろあるにゃんね、とにかく全部治療するにゃん」
「「「にゃあ!」」」
健康診断&治療をしてる最中、二頭ほど目を覚まして勝手に箱から出てきた。
「にゃあ、特異種は他とは違うにゃんね」
「そうにゃんね」
「特異種だけはあるにゃん」
猫耳たちは特異種を囲んで感心してる。
「にゃ!? 特異種を生かして連れて帰ったのは誰にゃん!」
二頭を結界で隔離した。
『『ムォォォォォォォッ!』』
間一髪で、他のウシたちに特異種の声は届かずに済んだ。
「おまえら、いまの特異種の声を聞いたにゃん?」
「にゃあ、お館様、確かにいま『起きろ!』って言ったにゃん」
「ウチらも特異種の言葉がわかったにゃん?」
「言葉というより電波にゃんね」
「電波にゃん?」
「ウチらウシの電波を受信したにゃん?」
「そういうことにゃん」
「ウチらも使えそうにゃん」
「にゃあ、おまえらも特異種の電波を覚えたにゃん?」
「「「にゃあ!」」」
「まずはオレが使ってみるにゃん」
オレは近くにいるクロウシたちに顔を向け特異種と同じ電波を放った。
『整列するにゃん!』
近くにいたクロウシたちがオレの指示に従って整列する。
『散開するにゃん!』
今度もちゃんと指示に従ってバラバラに散った。
「にゃあ、便利にゃん」
「何でいままで気が付かなかったにゃん?」
「にゃあ、特異種と普通のウシの鳴き声を聞き分けて無かったにゃん」
「特異種と遭遇したら、普通はそれどころじゃないにゃん」
「にゃあ、襲われながら観察するのは至難の業にゃん」
「意外と単純に指示していたにゃんね」
「にゃあ、もっと念話的な何かで脳を直接操ってるのかと思ったにゃん」
「電波だから、あながち間違いじゃないにゃん」
「言語に近い命令にゃん」
「脳を直接操るほどの能力は無かったにゃんね」
「お館様、これって他の動物にも応用が効くにゃん?」
「にゃお、オレの中の魔法龍によると、オレと猫耳ならば条件付きで人間までは操れるらしいにゃん」
「条件て何にゃん?」
「意識が朦朧としてる状態にゃん」
「にゃあ、普通の状態だと操れないにゃんね」
「催眠術に毛が生えた程度にゃん」
「にゃあ、オレたちの魔法と併用すればそれなりに使えそうにゃん」
「盗賊相手なら重宝しそうにゃん」
「特異種には使えるにゃん?」
「試してみないとわからないにゃん」
「早速、試すにゃん」
動きを封じた特異種を解放した。
二頭の特異種は、もそもそと警戒しながら動き出す。
「にゃあ! 前進にゃん」
特異種に向けてコントロールの電波を浴びせた。
「にゃあ、効いてるにゃん」
ウシの特異種が二頭そろって前進する。いい感じだったが隊列は直ぐに乱れた。
「にゃ?」
『『モォォォォ!』』
効いたのはほんの一瞬で、三分も持たずにコントロール出来なくなった。
「ダメにゃんね」
電撃で倒して拡張空間に仕舞った。
「今夜は焼肉にゃんね」
「「「にゃあ!」」」
「えっ、焼肉! 何処で?」
厨房巡りをしていたはずのリーリがオレに飛びついた。
○州都オパルス クリステル・オパルス・オルホフホテル 猫ピラミッド
夜は猫ピラミッドに猫耳たちを全員戻して焼肉大会だ。
「やきにく!」
「美味しい!」
ビッキーとチャスもテンションが高い。
「にゃあ、ウチらもビールが苦くて飲めないにゃん」
「皆んなもオレと同じでアルコールは一切ダメみたいにゃんね」
「にゃお、お酒がこんなにそろってるのに飲めないとは無念にゃん」
「にゃあ、お酒なんかよりコーラが最高にゃん!」
「「「にゃあ!」」」
オレは各テーブルを回ってホルモンを焼いたりコーラを注ぐ。
「ホルモンが美味しいにゃん」
「にゃあ、白米も最高にゃん」
「お米も普及させたいにゃんね」
猫耳たちは、白米で焼肉をモリモリ食べてる。
「やっぱり王国でお米は普及してないにゃん?」
「にゃあ、アルボラでは州都の近くでしか作ってないにゃんよ」
「それはオレも知ってるにゃん、他の州はどうにゃん?」
「ウチらが知ってる限り他では聞かないにゃんね」
「王都はどうにゃん?」
「にゃあ、王都でもあまり見ないにゃん」
「小麦より高いから庶民の食べ物ではないにゃん」
「「「にゃあ」」」
猫耳たちが州都のお米事情を教えてくれる。
「プリンキピウムでは普通に売ってたから、もう少し普及してると思ってたにゃん」
普通の冒険者たちも使っていたぐらいだ。
「小麦より手軽だから王国軍でも使ってるにゃん」
「にゃあ、それでキャリーとベルは普通に食べてたにゃんね」
「ホテルでもお客さんたちが白米を非常に珍しがってるにゃん」
「富裕層でもそんなには食べないにゃんね、領主様のところで普通に出たからそこまで珍しがられるとは思ってなかったにゃん」
「カズキ・ベルティと言えば、食道楽で有名にゃん」
「お米だって自分が食べるためにオパルス近くの村で栽培を始めさせたにゃん、だから州都の近くで作ってるにゃん」
莫大な資金を投じたことはオレも聞いてるし、上質なお米も栽培されてる。
「おかげで王都では魔力と金は持ってるけど無害なボンクラだと思われてるにゃん」
「裏の顔はなかなかの策士にゃん」
「食い道楽の策士にゃん」
「食い道楽は外れないにゃんね」
焼肉大会の後は、リーリ主催のソフトクリーム巻き巻き大会になった。




