地下拠点にゃん
「にゃあ、確かに何かあるにゃん」
土塊の向こう側に言われて初めて気付く微弱な反応があった。
詳細にサーチする。
強力な認識阻害&防御の結界に囲まれた直径三〇〇メートルの球体だ。
「にゃお、また三〇〇メートル級の球体にゃん」
「今度のはなんだろうね?」
リーリも目を凝らす。
「お館様の中に有る図書館やスパコンとは違うっぽいにゃん」
猫耳たちもオレの探査結果を共有する。
「球体の中に液体のエーテルが詰まってるにゃん」
「にゃあ、内側に細かい刻印がびっしり書き込まれてるにゃん、にゃああ、目がまわるにゃああん」
猫耳のひとりが遺跡の刻印に当てられフラフラする。
「にゃお! 勝手に見ちゃダメにゃん、この遺跡は生きてるにゃん、まずはシステムを制御してからじゃないとダメにゃん」
「「「にゃあ」」」
「球体の表面に魔獣が張り付いてるね」
リーリが最初に発見した。
「にゃ?」
「「まじゅう!」」
ビッキーとチャスもリーリ直伝の精霊魔法系の探査魔法で確認した。
「リーリとビッキーとチャスの言う通り魔獣がいるにゃん」
「魔獣は死んでるにゃん?」
猫耳たちも遺跡に貼り付いてる魔獣を観察する。
「違うにゃん、魔力を球体に吸われて動けなくなってるだけにゃん」
「にゃお、ヤバい遺跡にゃん」
この世界にヤバくない遺跡なんて無いけどな。
「魔獣は鎧蛇にゃん?」
「それにしては随分長いにゃんね、三〇〇メートルの球体にグルグル巻き付いているにゃん、キロ単位の長さにゃん」
「お館様、あの魔獣をウチらで分解していいにゃん?」
猫耳のひとりロアが手を挙げた。オレと同じ黒髪で元魔法使いだ。
「いいにゃんよ」
「皆んな、ウチと一緒にやるにゃん!」
「「「にゃあ!」」」
ロアの掛け声に他の猫耳たちも拳を突き上げた。ビッキーとチャスも一緒になって拳を突き上げる。
球体に張り付いる魔獣は魔力の大半を吸われて仮死状態だ。
分解できるかどうかギリギリの個体だがどうだ?
「にゃあ、行くにゃん!」
「「「にゃおおおん!」」」
仮死状態の巨大な魔獣に分解の魔法が掛けられた。
ズズン!と腹に響く地響きがした。
「にゃあ、魔獣が動き出したにゃん!」
猫耳たちの魔法を浴びた魔獣は分解されずに逆に魔力を吸って覚醒した。
「目を覚ましたにゃん!」
「にゃあ! こっちに来るにゃん!」
トンネルが地震の様に揺れる。
「た、退避にゃん!」
猫耳たちが浮足立った。
「にゃあ! 落ち着くにゃん! 慌てなくても大丈夫にゃんよ」
「「「みゃあ」」」
オレの声に猫耳たちは動きを止めた。
「魔獣は目を覚ましただけで、いまだ球体の防御結界から抜け出せてないにゃん、動かない魔獣なんてオレたちの敵じゃないにゃん」
オレは電撃で魔獣の頭部を破壊した。
「にゃあ、今度こそ分解して消し去るにゃん!」
「「「にゃあ!」」」
猫耳たちの魔法が三〇〇メートルの球体に巻き付いてた魔獣を跡形もなく分解した。格納空間にはちゃんと収まってる。
「にゃあ、まずはトドメを刺さないとダメみたいにゃんね」
「反省にゃん」
ロアは耳をペタンとさせる。
「「「みゃあ」」」
他の猫耳たちも同様だ。
「にゃあ、反省はしても落ち込んでる暇はないにゃんよ」
オレは新しい結界で球体を覆い時間を止めた。
「にゃあ、お館様これはいったい何にゃん?」
「いま、調べるにゃん」
猫耳たちと繋がってるおかげで以前とは桁違いの速度で解析して球体のシステムに侵入する。
ああ、なるほど。
「わかったの?」
リーリがオレの前でホバリングする。
「にゃあ、これは未完成の地下シェルターにゃん、完成前に魔力供給が途切れたみたいにゃんね」
「それで魔獣を捕まえて自前で魔力の調達をしていたにゃん?」
「そういうことにゃん」
オレは猫耳の意見にうなずいた。
「これを完成させればウチらの拠点にそのまま使えそうにゃん」
「ついでにお館様とウチら好みに改装したいにゃん」
「にゃあ、その辺りは抜かりないにゃん」
遺跡を分解してオレの格納空間に収めて改装を加えて完成させる。
「お館様、ひとつ足りないにゃん」
「にゃ?」
「「「お風呂にゃん」」」
「にゃあ」
猫耳たちの希望で大浴場が追加された。お風呂は全員が一度に入れることが何より大事らしい。
○州都オパルス プリンキピウム間 魔法蟻トンネル 中間拠点
そんなわけでオパルス前衛拠点から中間施設改め中間拠点まで進んで、ほとんど地下都市レベルのシェルターをその真横に再生してトンネルで繋いだ。
「「「にゃ~」」」
出来たての大浴場にお湯を張って全員そろって入浴中だ。この人数で入ってもビッキーとチャスが泳げるぐらいの余裕がある。
「これからウチらは各拠点に地上への秘密の出入口を作るにゃん」
「ウチらは残りの拠点に地下シェルターを設置するにゃん」
「プリンキピウムの森にも拠点を作るにゃん」
猫耳たちは次の予定を立てる。
「プリンキピウムの森の出口はいくつか増やした方が便利にゃんね」
現在の出口は元魔獣の森の飛び地とか数えるほどしかない。
「トンネルは魔法蟻が張り切ったおかげでプリンキピウムの森を縦横に走ってるから、まずは整理する必要があるにゃん」
「「「了解にゃん」」」
「にゃあ、お風呂から出たらオレは外の様子を確認してくるにゃん、近衛軍のいる遺跡とはかなり離れてるけど用心するに越したことはないにゃん」
「にゃあ、近衛軍の騎士は、平民も貴族も魔法使いも盗賊も全部ぶった切るにゃん」
「戦場で見た騎士は、ニヤけながら魔法馬ごと三騎の騎士を一度に真っ二つにしたにゃん、ウチは速攻で逃げたにゃん」
「にゃあ、戦場って何処で戦争したにゃん?」
「領地間の紛争は日常茶飯事にゃん、同じ派閥でも良くやってるにゃんよ、ウチらは魔法馬をかっぱらって儲けさせて貰ったにゃん」
元アール・ブルーマー男爵のアルが語る。
「領地間の紛争に近衛軍の騎士が介入してるにゃん?」
「そこはそれ、出すモノを出せばどうにでもなるにゃん」
「オレも使えるってことにゃん?」
「にゃあ、可能にゃん、でもお館様ならどんな問題もウチらが解決するから大丈夫にゃん」
「「「にゃあ」」」
「だからって近衛軍を勝手につついては駄目にゃんよ」
「にゃあ、ウチらもそこまでバカなことはしないにゃん」
猫耳たちの前世で、近衛軍は天敵みたいな存在だから、そのヤバさも熟知していた。
いまはオレもその記憶も共有してる。
だから直接関わってないオレにも具体的な脅威がしっかりと伝わった。
戦場での姿も改めて共有する。
そしてここ最近のネタはプリンキピウムの遺跡絡みだ。
遺跡を発見して大金持ちになったという冒険者も、報奨金を受け取りに行ったまま失踪している。根も葉もない噂ではない。
盗賊にやられたのか、身の危険を感じて自分で姿を消したのか、それとも遺跡の詳細を知ってる人間の口封じだったのか?
ブルーマー男爵もプリンキピウム遺跡には大いに興味を持っていたらしく、念話のできる間者を犯罪奴隷に紛れ込ませたのだが、言葉にならない錯乱した思考を最後に連絡が途絶えた。
遺跡の近くに様子を見に行かせた手下も行方不明になっている。その調査の途中でオレの噂を小耳に挟んだらしく遺跡からターゲットを変更して現在に至る。
「お館様、プリンキピウムの遺跡に宮廷魔導師が来ているという情報があるにゃん」
「にゃあ、その割に遺跡は生きたままみたいにゃんね」
「プリンキピウム遺跡は、まだ生きてるにゃん?」
「死んでる遺跡なら、犯罪奴隷を潰さなくても簡単に掘り返せるはずにゃん」
「なるほどにゃん」
「宮廷魔導師が遺跡で何をしてるのかが気になるにゃん」
魔導師なら遺跡のシステムに介入することが出来そうな気がする。現に大公国の元第一公子やアポリト州の領主だったファビオ・カンデイユなどは遺跡のシステムにアクセスしている。
「プリンキピウムの遺跡はクーストース遺跡群の筆頭にゃん、いったい何が埋まってるのか気になるにゃん」
元アール・ブルーマーのアルの好奇心は猫耳になっても変わらないらしい。
「金目のモノがあるかどうかはわからないにゃんよ」
「犯罪奴隷をスゴい勢いで使い潰してるから、ヤツらはそれなりに勝算ありと踏んでるはずにゃん」
「お館様に助けられなかったら、ウチらも送り込まれていたにゃんね」
「「「にゃあ」」」
「危険なものじゃなければ何が埋まっていても構わないにゃん」
「そうだね」
リーリも頷く。
「遺跡の情報は欲しいにゃんね、明日にでもオレが近くまで行って見て来るにゃん」
「お館様が遺跡に潜入するにゃん?」
「にゃあ、潜入まではしないにゃん、近くに行くだけにゃん」
「ウチらじゃダメにゃん?」
「逃げ足はおまえらよりオレの方が速いにゃん」
「ダメにゃん!」
「ウチらも一緒に行くにゃん!」
「「「にゃあ!」」」
残りの猫耳たち全員が激しく同意する。
「にゃあ、三人まで連れて行くにゃん」
「じゃんけんにゃん!」
「「「にゃああああ!」」」
じゃんけん大会が始まった。
○州都オパルス プリンキピウム間 魔法蟻トンネル 中間拠点 出口
「オレはちょっと地上を見てくるにゃん」
じゃんけん大会はまだ続きそうなので、予定どおりオレは中間拠点の地上を確認することにした。
「あたしも行く!」
食堂に行きかけたリーリがUターンしてオレの頭に飛び乗った。
「「マコトさま!」」
ビッキーとチャスも駆けてくる。この辺りならそう危なくないか。まだ完全に獣の領域ってわけじゃなさそうだし。
「にゃあ、オレから離れたらダメにゃんよ」
「「はい!」」
過保護と言われようとここは譲れない。
オレたちは中間拠点の地上に出た。
森の中というかヤブの中だ。地図と照合するとここは旧道から二キロほど林道よりに入った場所になる。
出口は地面に偽装した舞台の昇降装置のセリのように地上に出てくる。ヤブの中では身動きが取れないので直径一〇メートル程度の空き地に作り変えた。
日没が近いとあって空は赤く染まり、ヤブの中は一足先に夜の暗さだ。
プリンキピウム遺跡はかなり離れてるから近衛の騎士に見つかることはないと思うが、用心のため探査魔法で発見されやすい防御結界をなるべく小さくした。
直径三メートルで高さも三メートルの円柱状の空間が防御結界はほとんどの人間には見えない代物だ。
それも人が出入りするときだけ展開する仕様にした。ジメジメしたヤブの中に出る用事もそうはないと思うけど。
「ビッキーとチャスで探査魔法を打ってみるといいにゃん」
「「はい!」」
ビッキーとチャスは緊張した面持ちで探査魔法を打った。
「にゃあ、何か見付かったにゃん?」
この辺りは獣はプリンキピウムの森よりも薄いし凶暴なのもいない。ヤバいのに会いたかったらもっと林道側に行くしかない。無理に会うこともないけど。
「おおきいのいた!」
「おおきいくま!」
「クマにゃん?」
ビッキーとチャスは大きいクマを見付けた。オレまで探査魔法を打たなくてもヤブを掻き分ける音で方向がわかる。
「匂いが漏れてたみたいだね、子供の匂いにクマが大興奮だよ」
リーリも鼻をクンクンさせる。
「変態のクマにゃんね」
大きなクマがヤブをぶち破って現れた。複雑に絡まった草木を軽く一払いする張り手はスゴいが、突進してドカンと防御結界に追突した。
『ガアアアアアアッ!』
「怒ってるにゃんね」
「怒ってるね」
防御結界にブチ当たって勝手に怪我をして激怒したクマが防御結界を滅多打ちする。
手負いの獣が危険なのは八つ当たりされるからか?
「にゃあ、ビッキーとチャスで狩っていいにゃんよ」
「「はい!」」
オレに許可されたビッキーとチャスはクマに電撃を浴びせた。雷鳴のような音と閃光の後、感電死したクマが仰向けに倒れる。
その直後、さらに大きいクマがヤブから飛び出し防御結界に張り付いた。
こちらは仲間を殺され激怒してる。
「にゃあ、電撃の音で逃げないとはなかなかにゃん」
二頭目はオレの銃で黙らせた。
「勇敢なクマには敬意を払っておいしくいただくにゃん」
「そうだね、敬意は必要だから熊鍋だね」
「にゃあ」
そんなわけで今夜は熊鍋になった。真夏だけど。
○州都オパルス プリンキピウム間 魔法蟻トンネル 中間拠点
夕食の後の時刻、プリンキピウムのホテルにいるノーラさんから魔導具を介して連絡が入った。
『シャンテルとベリルからマコトさんにお願いがあるそうなんです』
『にゃあ、何にゃん?』
『あなたたちからマコトさんに直接お願いしなさい』
シャンテルとベリルはノーラさんのすぐ近くにいるみたいだ。
『はい、マコトさんシャンテルです』
『あたしもいるよ!』
通信の魔導具を通してシャンテルとベリルの声がした。
『どうしたにゃん?』
『マコトさん、聖魔法を使えるんですよね?』
シャンテルが緊張気味の硬い声で訊いてきた。
『にゃあ、使えるにゃんよ』
『マコトさんの聖魔法で、わたしたちのお父さんを送ってあげて欲しいんです』
『お願いネコちゃん!』
横からベリルの声が入る。
『にゃあ、シャンテルとベリルのお父さんはオパルスの冒険者だったにゃんね?』
『そうです、息子のジェドはオパルスを拠点にしていた冒険者でした。三年前に依頼を受けたまま戻らなかったそうです』
姉妹に代わってノーラさんが答えてくれた。
『にゃあ、わかったにゃん、三年前の依頼の内容を調べれば場所もわかると思うから責任を持って送るにゃん』
『ありがとうございます、プリンキピウムからオパルスの冒険者ギルドに調査の依頼を出しておきますから二、三日待って訪ねてみて下さい』
ノーラさんは自分の息子が最期を遂げたであろう場所の調査依頼を出すらしい。
『にゃあ、大体の場所がわかれば大丈夫にゃん』
『ありがとう、マコトさん』
『ありがとう、ネコちゃん』
シャンテルとベリルにも先にお礼をいわれた。
『にゃあ、お礼は上手くいったらでいいにゃん、結果がわかったら連絡するにゃん』
オレはシャンテルとベリルの願い事を引き受けた。
○帝国暦 二七三〇年〇八月十二日
翌朝、全員で雑魚寝した中間拠点から猫耳たちはそれぞれ予定した作業を行うために散った。
○州都オパルス プリンキピウム間 魔法蟻トンネル プリンキピウム前衛拠点 出口
オレたちも中間拠点とプリンキピウムの間にある出来たばかりのプリンキピウム前衛拠点に移動して、さっき作ったばかりの出口から外の様子をうかがった。
「異常なしにゃん」
獣の領域だけにオオカミの群れやマッチョシカが射程圏内にいるが、ここでは異常のうちには入らない。
オレとリーリ、それに昨日のじゃんけん大会で勝利した三人の猫耳ヨウとホタルとミアが地上に出た。
これがプリンキピウム遺跡偵察隊のメンバーだ。
ビッキーとチャスはお留守番だ。
五歳児たちも一緒に付いて来たがったが、さすがに偵察には連れていけない。その代わりふたりにはプリンキピウム前衛拠点を守る重要任務をいい渡してある。
いまも拠点内を魔法蟻に乗ってパトロールしてるはずだ。
「にゃあ、王都や州都とは匂いが違うにゃん」
森の空気を吸い込む猫耳たち。
「森の匂いにゃん」
「獣の匂いも混ざってるにゃんね、それにマナが少し濃いにゃん」
三人の猫耳たちは周囲をキョロキョロする。三人は王都を拠点に活動していた盗賊が前世なので獣の濃い森は知らない。
「にゃあ、プリンキピウムの森に入ったらもっとスゴいにゃんよ」
「特異種をこの手で狩れるかと思うとワクワクが止まらないにゃん」
「ウチは魔獣でもいいにゃんよ」
「にゃあ、お館様と一緒に魔獣を狩りたいにゃん」
「それはいいにゃんね、魔獣の森にも遠征をかけたいにゃん」
思考の基本が同一だから、オレも猫耳たちもやりたいことは一緒だ。
「美味しい魔獣もいるかな?」
「にゃあ、いままでの魔獣もそこそこ美味しいから期待できるにゃんよ」
「これは早急に確かめる必要があるね」
リーリもやる気だ。
「「「にゃあ」」」
猫耳たちも同意らしい。
○州都オパルス プリンキピウム間 森林
オレたちはそれぞれ魔法馬に跨った。隠密行動なので今日の魔法馬はそろってオリーブドラブだ。
「にゃあ、旧道まで一キロ、林道まで一〇キロ、遺跡までは五〇キロにゃん」
ヨウが探査魔法で距離を測る。赤毛のナイフ使いで赤い死神的な二つ名があったが、いまは可愛い猫耳だ。ホタルは詐欺を得意とした鬼畜眼鏡だったし、ミアは貴族専門の盗賊だったが、やはり外見で受け継いでいるのは髪の色ぐらいだ。
「山あり谷ありで往復一〇〇キロだと今日中には拠点に戻って来れないにゃんね、林道の西側がやばいにゃん」
「お館様、ドラゴンゴーレムは使わないにゃん?」
「あれは切り札のひとつだから緊急脱出用にゃん、それに宮廷魔導師には見られたくないにゃん」
「ウチらの秘密兵器にゃんね」
「そうにゃん」
ドラゴンゴーレムを出さなくても猫耳ひとりひとりがすでにヤバいけどな。オレたちの戦闘力と防御力は、以前とは比べ物にならないほど大きくなってる。
「にゃあ、今夜はお館様とお泊りにゃん!」
「楽しみにゃん!」
「お館様と一緒に寝るにゃん!」
「「「にゃあ!」」」
前世の姿を考えてはいけない、こいつらは魂をリサイクルした別物だ。記憶は知識として持ってるレベルだ。
「出発するにゃん、ここはすでに近衛が目を光らせてる可能性があるから油断は禁物にゃんよ」
森を魔法馬で駆け回るあいつらだったら、この辺りだって行動範囲に十分入る。
「「「にゃあ、わかってるにゃん」」」
三人の返事はいい。
「行くにゃん」
オレは三人の猫耳を引き連れ魔法馬をプリンキピウム遺跡に向けて出発した。




