エピソード1
この物語は貧乏なのにゲーマーな青年の物語である。
「遂に、遂にこの日がやってきた!」
俺はこの日をどれほど待ちわびたことだろう。このオンボロアパートともすぐにお別れしてやる。そのために、俺はバイトをこれまでにないほど頑張ったんだ!食事も一日二回に抑えていた。そのおかげでダイエットもできた。まあそれはこの際どうでもいい。「Make Money Online」が家に届いたのであった。このゲームは、なんと値段が五万円もするのだ。プレイするのにもお金がかかる。俺が貧乏なのにお金を貯めたのはこのゲームのためである。そして、なんといってもこのゲーム業界を変えてしまうほどの特徴があるのだ。それはゲームで手に入れたお金を、リアルマネーに換金できるということだ。換金の比率などは、ゲームをプレイした人にしかわからないという仕様になっている。なお、ゲームのジャンルも発表はされていない。得意なジャンルだから始める、といったプレーヤーを出さないためだろうか?俺は換金の比率がどんなにひどくても、俺は自分なら稼げると信じて疑ってなどいない。俺は小さいころから、どんなゲームでも友達の中では一番だった。RPG、アクション、シューティングどんなものでもだ。
俺はこのゲームでお金を稼いで貧乏生活から抜け出してみせる。そして、あの時の約束を果たさなければならない。
俺は覚悟を決めて、ゲームを起動した・・・
同じとき、お嬢様といってもいいような裕福な家庭で育った女の子がゲームを始めようとしていた。
「私にとってお金はただの紙切れよ、でも、お父様から与えられたお金を使うだけの生活なんて嫌。このゲームで私の人生を変えるわ。」
私は生まれてから18年ただ親に言われた通りに生活してきた、でもそれじゃあただつまらないだけ。つまらない生活にうんざりしていた私にクラスの友達が素晴らしいものを私に教えてくれた、そうこれが私のゲーマーとしての一歩だったのだ。
ゲームの中では違う自分でいられる。
私はどんどんゲームにのめりこんでいった、あるゲームのトップギルドのリーダーをするほどに・・・。
そんな私にリアルマネーを懸けてゲームできる、このゲームは私にとって最高のものだ。
「さて、待ってなさい。私の新しい未来!」
「Make Money Onlineへようこそ!」
無機質な文面が目に見えてきた。この目に映っているものは、現実の俺が見ているものではないのだ。そう考えると、少し気持ちが悪い気もする。だが、今の俺はゲームに対する興味がその気持ちを塗りつぶしているかのようだった。
「プレイヤー名を入力してください」
いつもオンラインゲームをプレイする名前と同じでいいか。そんな考えるもんでもないだろ。そう考え、俺はプレイヤー名の欄に「ティル」と入力した。
「種族を選んでください」
ヒューマン・・・平均的な能力をもつ。器用貧乏。
フェアリー・・・魔法に特化している。打たれ弱い。
アンドロイド・・・防御が高く、頭がいい。魔法に対しては理解がない。
ワー・ビースト・・・素早い身のこなしが可能で、攻撃が高い。頭が悪い。
これは、ヒューマン一択だな。器用貧乏だとしても、なんでもできるキャラは使いこなせれば強いはずだ。別に、貧乏に親近感がわいた訳ではない・・・と思いたい。
「クラスを二つ選んでください」
戦闘系
ハンター・・・打撃職。打たれ強くなれる。
シューター・・・射撃職。遠距離からの火力は高い。
マジシャン・・・魔法職。近距離と遠距離どちらもできるが隙が多い。
アベレージャー・・・何でもそつなくこなすが本職には及ばない。
非戦闘系
フードメイカー・・・食材を用いて料理できる。このクラスでないと料理はできない。
クラフター・・・装備品の作成ができる。このクラスでないと装備品は作成できない。
デザイナー・・・服、装飾品が作れる。このクラスでないと服、装飾品が作れない。
アイテムメイカー・・・消費アイテムが作れる。このクラスでないとアイテムは作成できない。
「注意!戦闘系、非戦闘系から自由に二つ選べますが、ゲーム開始後に変更する場合はゲーム内通貨が必要になりますので注意してください。」
え、これどうすればいいんだ?自由に二つか、個人的には戦闘系二つとりたいところだがなー。あくまでもお金稼ぎを目的としてるわけだし、どちらも一つとるかな。戦闘系は、アベレージャーかな。ヒューマンの特徴ともかぶっているわけだしまず間違いではないだろ。非戦闘系は、うん、フードメイカーで。実は俺、料理得意だからなー。ただし、貧乏飯限定だが・・・。あと、こっちの世界でくらい美味しいご飯が食べたいですしね。
そして初期設定が終わったみたいだ。また、無機質な文面がみえてくる。
「それではこの世界の住人となります」
景色が暗転していく。
「Make Money Onlineへようこそ!」
ほかのゲームとは違ってなんだか素っ気ないスタートね?5万の価値はあるのかしらね。
「プレイヤー名を入力してください」
名前は「玲花」っと。この名前はゲームを教えてくれた子がお嬢様っぽい名前として私につけてくれたのよねリアル名前より好きかも笑
「種族を選んでください」
ワー・ビーストでいいかな。
「それでは特徴となる耳と尻尾を選んでください」
両方狐にするわ。狐って可愛いわよね?つんと立った耳にもふもふの尻尾!どこをとっても一番よ!
「クラスを二つ選んでください」
アベレージャーとデザイナーかしらね?近接のほうが得意だったんだけどね。魔法戦士ってかっこいいしレイピアとかブンブンしたいしね。それにファッションは大切よ!!!
いよいよ始まるのね!
「それではこの世界の住人となります」
景色が暗転していく。
この世界には、数多の財宝が眠っている。その数多の財宝の中でも、とくに貴重なものはこの世界の4つの惑星それぞれに、7つずつ眠っているとされている。4つの惑星とは、主にヒューマンの住む惑星である地球、主に妖精の住む惑星であるエルファリア、主にアンドロイドの住む惑星であるアーレス、主にワー・ビーストの住む惑星であるナーゲル。これらの惑星を巡り、財宝を探すことがこのゲームの目的の一つであるともいえよう。
冒険者である君たちは、宇宙に浮かぶ巨大船団ヒュリオを拠点として、惑星を巡ることとなるだろう。
しかし、ゲームの目的は人それぞれ違うはずだ。君たちには自分のやりたいように自分の物語を進めてほしい。
それでは頑張ってくれたまえ。
誤字、脱字、質問などあれば感想まで。
http://mypage.syosetu.com/548260/ 紅叉
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二人で書いてみました~