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不良品  作者: あ、
1/1

出会い

僕は不良品だ。


27歳にして、職歴無し、恋愛経験無し、友達もほぼ無し。


救いようのない根暗。


僕の毎日は本当に単調で、


代わり映えのない日々を、ただ淡々と過ごすだけ。


そんな人生を、孤独なまま終えていくのだろうと


そう思っていた。


でも僕は、


出会ってしまったんだ。


出会わなければ、よかったんだろうか。

―――――

主人公:空井(そらい) (れい)

友人:神代(かみしろ) 颯太(そうた)

友人の妻:神代(かみしろ) 陽葵(ひまり)

―――――


朝8時。


目が覚めた。


最近は何だか、目が覚めたというより「目が覚めてしまった」という感覚によく陥る。


今日も、いつも通り。


パソコンをつけ、エナジードリンクを飲みながら、ひたすら作業。


僕は駆け出しのイラストレーターをしている。


少しでも多く依頼を獲得したく、


SNSに載せるためのイラストを日々描いているのだ。


僕のたった一つの生きがいだ。


作業を進めていると、ケータイが鳴った。


颯太からの連絡だった。


「結婚…。」


通知には、半年前から付き合っていた彼女と入籍した旨が書かれてあった。


僕には、一生関係のない話だろう。


でも、こんな僕と交流を続けてくれる友人だ。


おめでとうの一言くらい言わないと。


文字を打ちかけた瞬間、またメッセージが届いた。


「次通話するとき嫁が挨拶したいって!」


僕たちは直接会うことより通話する方が多い。


物理的な距離の問題と、僕が出不精だからだ。


しかし、困ったものだ。


僕は女性があまり得意ではない。


むしろ苦手な方だ。


でも友人の家族になった人にくらい挨拶はした方がいいんだろうな、と


漠然と思った。


作業中ということもあり、「おめでとう」の文字と了解のスタンプだけ送った。


そしてそのまま作業に没頭し、一日は終わっていった。


―――――


翌日。


颯太からまたメッセージが来ていた。


「今通話できる?」


こいつは相変わらずだな、と思った。


思い立ったらすぐに行動するタイプ。


僕とは正反対。


「少しだけなら」と返信をして5分後、着信音が鳴った。


「…もしもし」


「もしもし零、聞こえる?いや〜俺結婚しちゃったよ!」


「おめでとう」


「ありがとー!そんで、うちの嫁が零に挨拶したいって!零がイラストレーターしてること話したら興味持ったみたいでさ!」


そういえばそうだった。すると、


「初めまして!颯太の妻の陽葵です」


間髪入れずに、やたらハキハキしたよく通る声が聞こえてきた。


「は、初めまして…」


「イラストレーターしてるって聞きましたよ!実は私も創作活動してて。仲間ですね!」


「そう…ですね」


「今度また詳しくお話聞かせてくださいね!」


「……はい」


「じゃあ颯太に代わりますね!」


「……」


「お前は相変わらず人見知りだな〜(笑)」


「…仕方ないだろ」


「まあそんな感じで、陽葵のこともよろしくな!あ、俺らこれからデート行くから!また話そうぜ〜!」


「うん、また」


とても幸せそうだ。


別に羨ましくないわけじゃない。


でも、僕みたいなやつが


恋愛なんてできるわけない。


そう自分に言い聞かせていた。


陽葵さん、か。


名前と声がよく一致している。


この時はまだ、そんな印象があったくらいだった。

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