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小話*ごまだんご

「デザート何食べますか」

「ゴマ団子」

「杏仁豆腐お願いします」


運ばれてきたのはゴマ団子数個と杏仁豆腐がひとつ。秋月あきづきはゴマ団子を頼んでいた。秋月は理人りひとが秋月の分まで食べ切ってしまいそうだと察すると、大人しく杏仁豆腐を追加注文していた。


「先生、ゴマ団子好きなんですか」

「全く?突然興味が湧いたから頼んでみたけど、今日が初めて」


気に入ったのか、惰性で食べているのか。

秋月のためにも前者であってほしいが、サクサクと音を立てながらもゴマ団子は理人の胃に次々と消えていく。

理人の観察眼は確かなものである。つまり、秋月がゴマ団子に未練がましい視線を送っているのにも気付いているはずだ。えにしにもわかるくらいの湿度である。


「縁くんもひとつ食べる?」


つまり、この挙動はただの嫌がらせである。悪ふざけ、イタズラ。秋月の様子を面白がっているのは確かだ。

ついに縁にも恨めしい視線が飛んできた。理人には向けられない分、怨念が凄い。


「……秋月さんがゴマ団子好きだったような」

「そう?なら、ひとつくらいはあげないとね」


耐えきれなくなって秋月にパスを渡すと、理人は案外簡単に秋月にゴマ団子を渡すことを良しとした。


「その代わり、どうしてゴマ団子をそんなに見てたのか。どうして、僕に好きって言わなかったのか。全部教えてもらおうかな」

「ハイ!かしこまりました!」


子どもが親にいろいろ聞いて回るような純粋な声色だ。こちらは震え上がるしかできないのだが。

秋月は怒らせたか、とかなり焦っているが、ただの疑問でしかないのだろう。

これが新しいバディである。


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