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序章
有名作家、神谷理人。
大学生の頃、新人賞を受賞。その後も、星彩社からあまたの作品を世に送り出し、本好きならば誰もが知るミステリー作家と呼ばれるに至る。
ホワイダニット、倒叙ミステリーを得意とし、犯人の心理描写、伏線、その世界観などが評判を呼んでいる。
そんな神谷理人には裏の顔がある。
犯罪者としての裏の顔が。
“検証”と称し、作品のシナリオに合わせた事件をデザインする。理人の仕込みはもちろん、裏社会に慣れた実務役を雇っているから、失敗はありえない。
そうして、世に送り出された作品の下に被害者と加害者を敷き詰めて、リアリティのある心理描写を得意とする。
なんで、そんなことをするのか?それは簡単。
神谷理人には、人の心がわからない。
わからないのならば、実際に確かめるしか無いだろう?




