仮面の重さ
第一章 ごっこ遊びの残酷
「はい、じゃあ次、ユキちゃんはお母さん役ね」
幼稚園の教室に、先生の明るい声が響く。私──藤崎雪は、その瞬間、全身が硬直するのを感じた。またか。またあの「ごっこ遊び」の時間だ。
「やだ」
小さな声で呟いたが、誰にも届かない。周りの子どもたちは既に役になりきり始めている。ミホちゃんは赤ん坊役で「ばぶー」と言いながら床に転がっているし、タケシくんは犬役で四つん這いになって「わんわん」と吠えている。
私だけが、ぽつんと立ち尽くしていた。
「ユキちゃん、どうしたの?お母さん、やってみて」
先生が優しく促す。その優しさが、かえって私を追い詰める。
仕方なく、ぎこちない動作で想像上の赤ん坊を抱く真似をする。でも、それだけだ。言葉が出てこない。「よしよし」とか「いい子ね」とか、そんな台詞を言えばいいのだろうけれど、喉が詰まったように何も出てこない。
私は私なのに。なぜ「お母さん」にならなければいけないのだろう。
家に帰ると、母が「今日は何して遊んだの?」と聞いてくる。
「ごっこ遊び」
「楽しかった?」
「……うん」
嘘をついた。でも、本当のことを言っても母には理解できないだろう。他の子は楽しそうにしているのだから。
ある日、流行りのアニメ『ミラクルフラワー』のごっこ遊びが始まった。クラスの女の子たちは我先にと「フラワーローズ役がいい!」「私はフラワーリリー!」と叫ぶ。
私は隅で小さくなっていた。
「ユキちゃんは、フラワーチューリップね」
リーダー格のアヤカちゃんが決めた。拒否権などない。
「ミラクル!ブロッサムチェンジ!」
みんなが叫ぶ。私も口を開く。でも声が震えている。こんなに恥ずかしいことはない。なぜみんな平気なのだろう。なぜ私だけがこんなに苦しいのだろう。
変身ポーズを真似ろと言われる。腕を上げ、回転する。顔が熱い。涙が出そうになる。
幼心に、私ははっきりと理解していた。
──私は、私でしかない。
他の誰かになることなんてできない。なりたくもない。私は私のままでいたかった。それなのに、世界は私に「演じろ」と要求してくる。
第二章 演劇部という地獄
小学三年生の春。部活動選びの日がやってきた。
「部活は先着順です。定員になったら締め切りますので、入りたい部活がある人は早めに申し込んでくださいね」
担任の佐藤先生が説明する。私は既に決めていた。パソコン部に入るのだ。ゲームを作ったり、絵を描いたりできると聞いていた。もしダメなら漫画部。どちらも一人で黙々と作業できる部活だ。
昼休み、私は部活動の申し込み用紙が置かれた職員室前の廊下に走った。でも、既に人だかりができている。
「パソコン部、もう定員だって」
前にいた男子が肩を落として戻ってくる。
心臓が早鐘を打つ。急いで掲示板を見ると、パソコン部の欄には「定員に達しました」の赤い紙が貼られている。漫画部も同じだった。
残っているのは……演劇部、吹奏楽部、陸上部。
吹奏楽部は楽器ができない。陸上部は運動が苦手だ。消去法で、演劇部しか残らなかった。
「嘘でしょ……」
小さく呟く。よりにもよって、一番苦手な「演じる」ことをしなければならない部活に入ることになるなんて。
初めての部活動の日。演劇部の部室は視聴覚室の隣の小さな部屋だった。六年生の部長、川村麻衣先輩が新入部員を前に話す。
「今年の演目は『いそがしい王様』に決まりました。配役は来週オーディションで決めます」
オーディション。その言葉だけで胃が痛くなる。
結局、私に回ってきた役は召使いの一人だった。台詞は少ない。「はい、王様」「かしこまりました」程度。それでも、私には重荷だった。
練習の日々が始まる。王様役は六年生の男子、坂本健太先輩。お妃様役は同じく六年生の女子、高橋沙織先輩だった。
高橋先輩の演技を初めて見たとき、私は息を呑んだ。
「あら、召使い。このお茶はぬるいわ。作り直してちょうだい」
尊大で、傲慢で、でもどこか滑稽さもある。完璧なお妃様だった。彼女は間違いなく「高橋沙織」ではなく、「お妃様」そのものだった。
同じ小学生なのに。なぜこんなに違うのだろう。
本番の日が近づくにつれ、私の不安は膨らんでいった。夜、布団の中で何度も台詞を復唱する。
「王様、お客様がお見えです」
「かしこまりました」
たったこれだけの台詞なのに、頭から抜け落ちてしまいそうで怖かった。
第三章 記憶の空白
本番当日。
体育館の舞台袖で、私は震えていた。客席には保護者や他の学年の生徒たちが座っている。
幕が開く。王様とお妃様が登場する。
「まったく、今日もいそがしい、いそがしい」
王様の台詞。笑いが起きる。順調だ。
そして、私の出番がやってくる。足を一歩、また一歩と踏み出す。スポットライトが眩しい。
王様が私を見る。
──何か言わなければ。
でも、何を言うのだっけ。
頭が真っ白になる。台詞が、完全に抜け落ちていた。
時間が止まったように感じる。客席がざわつき始める。王様役の坂本先輩が困惑した顔で私を見ている。
その時だった。
「……お客様」
すぐ横から、小さな声が聞こえた。高橋先輩だ。お妃様の衣装を着たまま、私に台詞を教えてくれている。
「王様、お客様がお見えです」
私は、かろうじて声を絞り出した。
芝居は何とか続いた。終演後、高橋先輩が私のところに来た。
「大丈夫だった?」
「ごめんなさい……」
「ううん、いいのよ。緊張するよね。でも、ちゃんと言えたじゃない」
先輩は優しく微笑んだ。でも、私は自分が許せなかった。
なぜ、私は演じられないのだろう。なぜ、私だけができないのだろう。
第四章 能という試練
小学五年生の秋。国語の授業で日本の伝統芸能を学ぶ単元があった。
「今日から三週間かけて、班ごとに『能』を演じてもらいます。最終的に、一つの班を選んで、全校集会で発表してもらいます」
担任の山田先生が告げた瞬間、教室中が「えー!」という声に包まれた。
私の班は五人。リーダー格の佐々木くん、活発な美咲ちゃん、おとなしい健人くん、そして演技が上手いことで有名な真央ちゃん、そして私。
「演目は『附子』にしよう。面白いし」
佐々木くんが提案する。『附子』は、主人が附子(実は黒砂糖)を毒だと偽り、家来二人がそれを知りながら食べ尽くし、主人の大切な壺を割った言い訳に使うという、ユーモラスな話だ。
配役が決まっていく。主人役は真央ちゃん。彼女の演技力なら完璧だ。家来役の一人は佐々木くん。そしてもう一人の家来役が……私になった。
「雪ちゃん、大丈夫?」
美咲ちゃんが心配そうに聞く。
「……うん」
本当は大丈夫じゃない。でも、断れなかった。
練習が始まる。真央ちゃんの主人役は素晴らしかった。能独特の抑揚と動き、すり足、扇の使い方。全てが様になっている。
「附子に近づくでないぞ!毒じゃ、毒じゃからな!」
威厳と、でもどこかとぼけた感じも滲ませる。小学生とは思えない演技だった。
一方、私の演技は……。
「雪、もっと声を大きく。それと、附子を見る時はもっと欲しそうな顔をして」
佐々木くんが指導する。
私は何度も何度も同じところを練習した。でも、上手くならない。体が硬く、声も小さい。
「まあ、本番までにはなんとかなるよ」
佐々木くんは言ったが、その声には不安が滲んでいた。
そして、各班の発表の日。
真央ちゃんの演技が際立っていた。山田先生だけでなく、見学に来ていた校長先生も感心している。
「では、全校集会で発表する班は……五班に決定します」
私たちの班だった。
真央ちゃんは喜んでいたが、私は絶望していた。全校生徒の前で、また失敗する。そんな未来が見えた。
第五章 評価という残酷
全校集会当日。
体育館の舞台に立つ。全校生徒約四百人が客席にいる。三年前の演劇部の本番よりもずっと多い観客だ。
幕が開く。
真央ちゃんの演技は完璧だった。笑いも起きている。佐々木くんも上手く演じている。
そして、私の番。
「主人がおらぬ間に、あの附子を食べてみようぞ」
台詞は出た。でも、私の声は震えていた。体の動きもぎこちない。
なんとか最後まで演じ切った。拍手が起きる。でも、その拍手が私に向けられたものではないことは分かっていた。
終演後、山田先生が講評した。
「真央さんの主人役、素晴らしかったですね。佐々木くんも良かったです」
私の名前は呼ばれなかった。
教室に戻ると、クラスメイトたちが話している。
「真央ちゃん、めっちゃ上手かったね」
「うん。プロみたいだった」
「雪ちゃんは……まあ、頑張ってたけど」
その「まあ」という言葉が、全てを物語っていた。
帰り道、一人で歩きながら考えた。
やはり、私には演技の才能がない。幼稚園の頃から分かっていたことだ。
人には得手不得手がある。
私が得意なのは、工作や折り紙、お絵かき。
一人で黙々と作業できるもの。誰かを「演じる」必要のないもの。
それでいいじゃないか。そう思おうとした。
でも、心の奥で小さな声が囁く。
──この世界は、演じられる人間を求めている。
その声を、私は必死に打ち消した。
第六章 大人という役
二十六歳の春。
私は三度目の転職をしていた。
最初の会社は、新卒で入った広告代理店。朝九時から夜十一時まで働き、休日出勤も当たり前。上司は常に怒鳴っていて、同期は次々と辞めていった。
私も一年で辞めた。
二社目は、デザイン事務所。もっと自分に合っていると思った。でも、クライアントとの打ち合わせが苦手だった。
「もっと明るく話してよ。クライアント、不安そうな顔してたよ」
先輩に言われる。
私は、デザインは好きだった。でも、「デザイナー」という役を演じることができなかった。
明るく、自信満々に、自分の作品を語る。そんなことができなかった。
半年で辞めた。
そして今、三社目。小さなIT企業の事務職。
「藤崎さん、お客様から電話です」
受話器を取る。手が震える。
「はい、お電話ありがとうございます。株式会社テクノスの藤崎と申します」
声が裏返る。相手は不機嫌そうな声だ。
「先日の見積もりの件だけど、まだ届いてないんだけど」
「申し訳ございません。すぐに確認いたします」
電話を切ると、額に汗が浮かんでいた。
──「演じろ」。
私は自分に命令する。
有能な事務員を演じろ。明るく、テキパキと、効率的に。そんな人間を演じろ。
でも、体が拒否する。心が拒否する。
私は私でしかない。なぜ「有能な事務員」を演じなければならないのか。
定時後、上司に呼ばれた。
「藤崎さん、最近ミス多いね」
「申し訳ございません……」
「それと、もうちょっと周りとコミュニケーション取ってほしいな。ランチも一人で食べてるでしょ?もっと他の人とも話さないと」
コミュニケーション。また、その言葉だ。
「はい、気をつけます」
そう答えたが、どうしていいのか分からなかった。
アパートに帰ると、部屋は散らかっていた。洗濯物が山積みで、シンクには食器が溜まっている。
ベッドに倒れ込む。天井を見つめる。
子どもの頃の演技とは違い、今は生活がかかっている。上手く「演じ」なければ、生きていけないのだ。
でも、どうすればいいのだろう。
幼稚園の頃から、小学生の頃から、ずっと苦手だった。二十年以上経っても、私は変わっていない。
スマートフォンを手に取る。SNSを開くと、同級生たちの投稿が並んでいる。
真央ちゃんは、今や舞台女優として活躍している。『附子』で主人役を演じたあの真央ちゃんだ。彼女の投稿には、華やかな舞台の写真と、たくさんの「いいね」がついている。
高橋沙織先輩は、大手企業の管理職になっていた。部下を率いる姿が、投稿された写真から伝わってくる。
みんな、上手く「演じて」いる。社会人という役を、大人という役を、完璧に演じている。
なぜ、私だけができないのだろう。
私の何がいけないのだろう。
第七章 仮面の亀裂
月曜日の朝。
目覚ましが鳴る。でも、体が動かない。
「行かなきゃ……」
呟くが、布団から出られない。このまま、ずっとここにいたい。誰にも会いたくない。誰も演じたくない。
結局、会社を休んだ。
「体調不良です」
電話でそう伝えた。それは嘘ではなかった。心が、体が、限界を迎えていた。
一日中、ベッドで過ごした。スマートフォンで動画を見る。何も考えたくなかった。
夕方、母から電話がかかってきた。
「雪?元気にしてる?」
「……うん」
「声、元気ないわね。何かあった?」
「何もないよ」
また、嘘をついた。幼稚園の頃と同じように。
「そう。無理しないでね」
電話を切ると、涙が溢れてきた。
無理しないで、と言われても。無理をしなければ、この世界では生きていけないのに。
翌日も、翌々日も、会社を休んだ。上司から心配するメールが来たが、返信できなかった。
一週間が経った頃、もう会社には行けないと悟った。
退職届をメールで送った。
──また、脱線してしまった。
これで四度目だ。
第八章 本当の私
無職になって一ヶ月が経った。
貯金は減っていくが、不思議と焦りはなかった。むしろ、解放感があった。
毎日、絵を描いた。デジタルでも、アナログでも。誰に見せるでもなく、ただ自分のために。
ある日、描いた絵をSNSに投稿してみた。それほど期待はしていなかった。
でも、予想外の反応があった。
「この絵、好きです」
「色使いが素敵」
「もっと見たいです」
コメントが次々と届く。
……私の絵を、認めてくれる人がいる。
その事実が、少しだけ心を温めた。
投稿を続けた。フォロワーが増えていった。
そして、ある日。
「イラストの依頼をしたいのですが」
DMが届いた。
初めてのイラスト依頼。報酬は決して高くなかったが、私にとっては大きな一歩だった。
クライアントとのやり取りは、全てメールとチャット。直接会う必要はない。電話もほとんどない。
──これなら、私にもできるかもしれない。
徐々に、依頼が増えていった。フリーランスのイラストレーターとして、なんとか生計を立てられるようになった。
でも、それで全てが解決したわけではなかった。
クライアントとの打ち合わせ。オンラインとはいえ、カメラをオンにして話さなければならない時がある。
その時、また「演じなければ」という恐怖が襲ってくる。
「プロのイラストレーター」を演じなければ。自信に満ちた、頼りになるクリエイターを演じなければ。
打ち合わせが終わると、どっと疲れる。
──私は、一生このままなのだろうか。
「演じる」ことから逃げ続けて、でも完全には逃げられない。
第九章 小さな変化
ある日、高校時代の友人、香織から連絡が来た。
「久しぶり!雪、元気?」
香織は、数少ない私のことを理解してくれる友人だった。
「うん、まあまあ」
「今度、お茶でもしない?話したいことがあるんだ」
久しぶりに、外で誰かと会う気になった。
カフェで香織と再会する。彼女は相変わらず明るかった。
「雪、フリーランスになったんだって?すごいじゃん」
「まあ、食べていけてるだけだけど」
「でも、雪らしいと思う。会社員、合ってなかったもんね」
香織はそう言って笑った。
「実はね」香織が続ける。
「私、カウンセラーの資格取ったんだ」
「え、本当に?」
「うん。それでね、雪に聞きたいことがあって」
香織は真剣な顔になった。
「雪って、子どもの頃から『演じる』のが苦手だったでしょ?それって、もしかしたら……」
香織は、ある可能性を示唆した。
私が長年抱えてきた「演じられない」という感覚。それは、単なる性格の問題ではなく、もっと深い理由があるかもしれない、と。
「専門家に相談してみたら?別に病気とかそういうことじゃなくて、自分を理解するためだよ」
香織の言葉に、私は戸惑った。でも、同時に、少しだけ希望も感じた。
──もしかしたら、答えが見つかるかもしれない。
第十章 答えを探して
香織の紹介で、カウンセラーの先生に会った。
穏やかな表情の、五十代くらいの女性だった。
「藤崎さん、今日はどうして来られましたか?」
私は、子どもの頃からの話をした。ごっこ遊びが怖かったこと。演劇部での失敗。能の発表。そして、社会人になってからの苦しみ。
先生は、静かに聞いていた。
「藤崎さんは、『自分であること』をとても大切にされているんですね」
「……はい」
「でも、世界は『役割を演じること』を求めてくる。そのギャップが、ずっと苦しかったんですね」
その通りだった。
「一つ、お聞きしたいのですが」先生が続ける。「藤崎さんにとって、『演じる』と『自分でいる』は、完全に別のものですか?」
「え……?」
その質問の意味が、すぐには理解できなかった。
「例えば、藤崎さんが誰かに優しくする時。それは『優しい人を演じている』のでしょうか?それとも、『藤崎さん自身が優しい』のでしょうか?」
「……」
「社会の中で役割を果たすことと、自分を失うことは、必ずしも同じではありません」
先生の言葉が、ゆっくりと心に染み込んできた。
「完璧に演じる必要はないんです。藤崎さんらしく、その役割を果たせばいい。それは『偽りの自分』ではなく、『自分の一側面』なんですよ」
帰り道、先生の言葉を反芻した。
真央ちゃんや高橋先輩が上手く「演じられた」のは、彼女たちが自分を殺していたからではない。むしろ、自分を活かしていたのかもしれない。
そして、私が苦しんでいたのは、「演じること」そのものではなく、「完璧に別人にならなければいけない」と思い込んでいたからかもしれない。
──私は私のままでいい。
でも、私には色々な側面がある。
絵を描く私。友人と話す私。クライアントと仕事をする私。
それら全てが、「私」なのだ。
エピローグ
それから数ヶ月。
私は相変わらずフリーランスのイラストレーターとして働いている。
今日は、大きなプロジェクトのオンライン打ち合わせがある。
パソコンの前に座り、深呼吸する。
──「演じろ」。
でも、その意味は以前とは違う。
私は、完璧なプロを演じる必要はない。ただ、仕事をする時の私でいればいい。
カメラをオンにする。
「お待たせしました。藤崎です」
声は、少し震えている。でも、それでいい。
完璧じゃない私も、私なのだから。
クライアントとの打ち合わせは、なんとか無事に終わった。以前ほど疲れていない。
夕方、母から電話がかかってきた。
「雪、元気にしてる?」
「うん、元気だよ」
今度は、嘘じゃなかった。
「そう、良かった。声も明るくなったわね」
電話を切ると、窓の外を見た。
夕日が、部屋をオレンジ色に染めている。
私の何がいけないのだろう。
その問いに、まだ完全な答えは出ていない。
でも、もう答えを急ぐ必要はないと思えるようになった。
私は私のペースで、少しずつ、前に進んでいけばいい。
完璧に演じられなくてもいい。
ただ、私らしくいればいい。
──そう思えるようになった今日この日を、私は忘れないだろう。
──完──




