3/50? って喰らった毒
バジリスクの勇者毒盛。
「ご主人さま、奴らは湖の中を気泡を纏い移動しています」
「モカ、なぜそれがわかる?」
「へ? なぜって? この緊急時によくもまあ優等生みたいなことを。ご主人さま、ご都合主義ですよ、定番の」
「そ、そうなのか? まあいい、了解だぜ。さあ、出てこい悪魔嬢!」
ぷくぷくぷくぷく、パン!
ぷくぶかぷくぶく、ドバーン!
うわー凄い数だね、邦人くん。
東雲もこんな湖からたくさんの魔獣が現れるところ初めて見ちゃったから、記念に一枚念写しちゃうね。
いよいよ、パイパイさん登場だね。邦人くん、怪我のないようにね。
悪魔嬢パイパイ・パパンドラが漸く姿を現した。
「ふふふ、お出迎えゾクゾクしちゃうわ」
「お前がパパンドラか?」
「いかにも、妾が悪魔嬢パイパイパパンドラさ」
「あの、パイパイって、恥ずくね?」「何を言う、間抜けな勇者め!」
「なんだと? だったら言ってやんよ」
「な、何をだ?」
「パイパイ、パイパイ、パイパイちゃーん」
「や、やめろ! 妾の乳袋を見ながら、そんな卑猥な目をして口にするな!」
「言っとくけどな! 俺はお前の乳なんかに関心なんかねーんだよ!」
「なっ、なんたる恥辱! この妾の乳をぞんざいな言い方してからに!」
「俺ははなからお前ら側に寝返るつもりなんかねーんだよ」
「それは、本心か?」
「もちろん本心だぜ」
「では、妾が毎日お前が眠るまで、パイズリをしてやると言ってもか?」
「それはちょっと……いやいや、俺にはアオイ姫がいるから、テメェごときに用はねぇぜ」
「アオイ姫?」
「あゝお前とは月とスッポン、まったくの高純度のお嬢さまよ!」
「ふふふ、コノハナサクヤアオイヒメのことだな」
「そうだ、あっ、アオイヒメには指一本触れるなよ、わかったな!」
「あははは、愚かな勇者よ。ならそのアオイヒメを妾に取り込んでやるよ」
「なんだと」
「そうしたら、お前は妾のパイズリの虜だな、あははは」
「エモ、モカ、ルカ聞いてる?」
「はい、東雲さま」
「あーたたちは、アラクレスのあのやり取りを受け流しなさい!」
「はい、東雲さま」
もう、邦人ったら本当にダメな子、未成年の女の子たちの前でなんて破廉恥なことを。
パイパイさんは悪魔嬢であることを忘れちゃだめよ。
戦いに邪念は命取りよ。
「ご主人さま! 危険です! バジリスクか背後から迫っています」
「任せろ、俺は王国一の勇者、アラクレスなんだから!」
「黒牙剣! え? 噛まれてる?」
「ジ、エンドだ」
「うわー、噛まれた!」
「間抜けな勇者よ、お前の体の中には今バジリスクの毒が周り初めているわ」
「毒?」
「毒を消すには、悪魔と契りを交わすしかないことを覚えておけ」
「放っておいたら、どうなる?」
「聞いてどうする? まあ、いい……九十九日だ」
「九十九日?」
「痺れが次第に強くなり、一〇〇日目に死ぬ」
「何? 一〇〇日もあるのか?」
「何を、一〇〇日もあれば、なんとかなるぜ」
「お前はバカか?」
「バカ上等、俺は勇者だ、パパンドラ!」
「あまり動き回ると、毒の周りが早くなって、ショック死なんてあり得るから、大人しく降参しなさい!」
「ぬかせ!」
「うりぁ、そりゃ、どりゃあ!」
「ご主人さま、あんなに立ち回って」
「パパンドラの言う通りなら、もう、蚊の勢いね、落ちてきたら魔法陣を潜らせて飛ばすわよ、エモ!」
「了解だわモカちゃん」
「あー落ちてきた、エモちゃんよろ!」




