2/50? ご主人さまと3メイド
三人のメイドたちの戯れ
「ご主人さまにとっての三種の神器って何だと思う?」
「あら唐突ね。それはアラクレスさまのアラクレアイテムについてのことかしら?」
「なる、勇者の証のことよね?」
「まあ、そんなところよ」
「なら、一つ目は黒牙剣ね」
「そう、それよね。それは狼の魂が憑依した大剣だと、ご主人さまから聞かされている唯一無二の代物ですもの」
「では、二つ目はなんだと思いますか?」
「それは、背中の大きな翼なんじゃないかな?」
「大鷲の翼よ」
「大鷲の翼か」
「じゃあ三つ目は?」
「大きな鉤爪かしら?」
「あの出し入れできる?」
「それは獰猛なホワイトタイガーが憑依しているのよ」
「本当にあなたよく聞いてるわね?」
「だって、ご主人さまが声をかけてくださるんだもん」
「声をかけてと言うんじゃなくて、物珍しそうに三種の神器を見てたんでしょ?」
ギクッ、鋭いわ。
「ご主人さまは、あたくしの魅力にメロメロなんだから」
「何を何を、あたくしだってメロメロにさせちゃってるんだから」
「あんたたち、キモいよ」
「先輩、キモ言って酷すぎません?」
「そうよそうよ」
「あたくしは、ご主人さまの夜のお相手を……」
「えええー、私だって夜のお相手を……」
「そうなんですか? わたしも夜のお相手をしてますが?」
「本当にお相手してるの?」
「ええ、まあ」
「わたくしはちょっと見栄を張ってしまったのですが、お相手はしたことございません」
「ごめん、わたくしも見栄を」
「……じゃあ、わたくし一人がお相手を?」
「……聞きにくいんだけど、いっぱい濡れちゃってるの?」
「ええ、全身ぬるべしょなのよ」
「ふえ〜、凄過ぎるー」
「こんなこと、聞くのさ、あれだけど……気持ちよかったりするよね?」
「多分、そうなんじゃないかな?」
「多分?」
「夜のお相手って?」
「薬用オイルをお塗りしているの」
「そっち、けどねご主人さまは全裸なの、全裸?」
「パンツは履いてますけど」
「なーんだ、ほっとしたわ」
「抜け駆けはダメよ、ご主人さまは永遠にわたくしたちのものなのよね、フッフッフ」
翌朝
「ご主人さま」
「なんだね、エモ、こんな朝早くから」
彼の名は荒暮邦人、この王国の世界に転移した日本人なんですよ。 人格は名は体を表すと言ったように、どちらかと言えば荒っぽい日本人に分類できるかな?
わたくしですか?
わたくしは彼の姉の東宮寺東雲と言います。
ただし、一度死していまして、わたくしただ今、幽現界を彷徨う迷い魂なんです。
弟・邦人が心配で、こうして成仏できていません。
邦人が安心できる生活を手に入れるまで、わたくしが見守って行きます。
それでは、どうぞ続きを……。
「伝令が届きました」
「どこからだ?」
「この紋様は……恐らく悪魔帝国……」
俺は、ただならぬ気配を感じたこの伝令を広げた。
「送り主は、パイパイ・パパンドラと書いてあるが……」
俺の周りにいたメイドたちは、パパンドラと聞いて、半身後ろにのけ反った。
「これは、誰?」
と俺がメイドらに聞いてみたが、
「し、知りません。パイパイなんて」と否定するばかりで、パパンドラを知る由もないようだ。
パイパイ・パパンドラ。
胸が大きいエロカワ悪魔。
わたくしが集めて噂では、出会ったすべての男が、彼女の悪魔的美貌とエロカワの虜となり、例外なく廃人になっていると、聞いているわ。
パイパイ・パパンドラ、その名を聞けば、殿方は皆悶絶し、おなごらはその圧倒的なボリューウムに平伏してしまう悪魔帝国切っての女悪魔なのである。
この伝書には、とんでもないことが記されていた。
「ゆうしゃどのよ、あたいはパイパイパイバインドラちやんだぞ! なあ、ムダにちちくりあうのはやむて、あたいのとこへこないか? ことわるんなら、あなたのねじろにじやをはなつ。つぎのうじみつどきに、まんげつがちぢようにあらはれるばしよでまつ」
ん?
これは、ひらがなじゃないか?
この王国の世界に、ひらがなはないはず。
パイパイ・パパンドラも、どことなくご都合主義の流れっぽいネーミングだし、俺の名前と同じ匂いがするぜ。
まっ、しかしだ。
奴とは同郷かもしれないが、あのパパンドラは悪魔帝国の最高幹部の一人であるわけだから、用心なしで近寄ろうものなら、悪魔巣食う地の底に引き摺り込まれてしまうやもしれん。
ここで悪魔帝国の幹部を亡き者にしたならば、王国一の勇者として讃えられ、王女コノハナサクヤアオイヒメに相応き相手として、ケイロンより先に認められることになるはず。
「決めた。今夜、今夜丑三時にパパンドラを倒す」
そうと決まれば、王国に報告し、精鋭部隊の協力要請をしなかければならんな。
「エモは伝書の準備を、ルカとモカはルーナ・ラグーン付近の地形図とその地形に合わせた戦略図面を用意してくれ」
丑三時の約束の地
ルーナ・ラグーン上空を旋回しながらアラクレスは、三メイドと魔法石を使い交信をしている、
「エモ、そっちはどうだ?」
「ええっと、魔法陣はいつでも起こせます」
頼んだぞ!
「はい、ご主人さま」
「いい、返事だ!」
「モカ、全体を見渡せてるか?」
「はい、全体状況を見渡せています」
「ではそのアングルも頂くぞ」
「了解しました、ご主人さま」
「ルカ、そっちはどうだ?」
「こちらはカメラフォーカスバッチリでございます」
「カッコいいとこしっかりカメラに納めてよ!」
「承知しました、ご主人さま」
「王国の精鋭さんたちも、スタンバイOKね」
「準備は万端、さぁ来い、パイパイ・パパンドラ!」




