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1/5

1/50? 王国の勇者アラクレス

これは、人生における節目を「戦い」として立ち向かうザックリとした勇者アラクレスの物語であります。

 襲撃

 

 王国の民は、常日頃から悪魔界の侵略に(さら)され、怯えながら暮らしていた。

 そんなある朝、悲劇がまた起ころうとしていた。

「ヴヴヴヴヴゥヴゥヴヴゥー」

「ヤベェ、空から魔獣の群れが!」

「マジか!」

「うわぁぁぁー、速過ぎて逃げ切れんぞ!」

「ダメだ、喰われちまうぞ!」

「うわぁー」


「バサッ、ザヴァヴァヴァッ」


 魔獣の牙が民に襲いかかったその瞬間、黒く大きな弧線を描く何かが、魔獣の身体を真っ二つに切り裂いていた。

「あゝ間に合ったか……」

「ア、アラクレス……助かったよ、ありがと……まただ!」


「スパッ」

「バタン」


「す、すげー」

「ほう、不意打ちか、ザコが!」

「お前らの哲学には、武士道のかけらもないようだな」

「アラクレス、危ない!」

 と黒牙剣(くろきばのつるぎ)を逆手に持ち、背後から襲いかかる魔獣をひと刺しして、粉砕した。

「さあ、皆さん建物のなかに避難するんだ」

 そう言い残し、アラクレスは黒牙剣にこびりつく魔獣の体液を振り落とし、背中の大きな羽を広げて、魔獣の群れ目がけて飛び立った。

「ウオオオーリャアー!」

 

 王宮殿

 

「勇者アラクレスよ」

 侍従が声を挙げた。

「ははぁ」

 アラクレスはラグーン王の前でひざまずいた。

「アラクレスよ、よく王国の危機を救ってくれた。感謝する」

「ありがたきお言葉」

 と下げていた頭を上げ、国王の顔を見た後、隣に座るヒメにウインクをして、また頭を下げた。

 国王は、宮殿に集まった諸侯らにこう明言した。

「我が王国でもっとも勇敢な者に、王女であるコノハナサクヤアオイヒメの婿として次期国王になってもらおうと考えておる」

 その言葉で宮殿内がざわつきだしたのを、侍従が制した。

「国王の御前だ、私語を慎み賜え!」

 宮殿内が静まるのを待ち、侍従が合図をすると、脇扉から一人の男が入ってきた。

 それはアラクレスの兄弟子であるケイロンであった。

 そして彼はアラクレスの隣まで来ると、国王の前で跪いた。

 これを見届けた侍従は、宮殿内にいるすべてのものに聞こえるよう、こう発表したのだ。

「皆の者、よく聞くのだ。国王はここに跪くふたりの勇者のどちらかにヒメの婿、次期国王として王族に迎えられると(おおせ)られるのだ」

 俺は隣に跪くケイロンに、

「白黒つける時が来たようですね」

 と宣戦布告をしたのだ。

 すかさずケイロンも、

「お前がこの私を出し抜けるかな?」

 と真の勇者は自身であることを示唆したのだ。

 

 俺の名はアラクレス。

 この世界に来る前は荒暮邦人(あらくれくにひと)と名乗っていたな。

 世界を我がものにしようと企む悪魔王が次々と送り込んできた刺客たちを、俺さまはこの超ド派手な黒牙剣くろきばのつるぎでぶった斬ってきた。

 故に国王の民には、若き大剣の勇者として知られているんだ。

 そして、この世界にはもう一人偉大な勇者がいた。

 彼の名はケイロン、俺と師匠を同じくする兄弟子である。

 ケイロンはフォルティ・フィアーマ(豪炎)を操ることができる上級術師でもあり、刺客どもを業火双撃剣で斬りつけ焼き払う、唯一無二の技を持つ勇者なんだ。

 俺たちは世界を二分する勇者として広く国王の民に崇められていたのさ。

この作品は全50話完結のつもりで書き始めたため、1/50?とタイトルに表示してしまいました。物語が後半に進むに連れ、展開がわかり易くなってしまうのを回避するため、このような表示にしたと忖度して頂ければ幸いです。

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