天
「突然ですが、あなたの惑星は滅亡を迎えました。」
「は?」
目が覚めたと思ったら一番に言われる言葉がこれか。白に薄く青が混ざったような色の毛髪の少女の突拍子のない発言に、慎は思わず間抜けな声を出してしまった。
「………あれ?もしかして通じてないですか?アルギヌの言葉はマスターしたと思ったんですけれど…」
少女が右手で頭をポリポリと掻く仕草を見せた。人のそれと違って、指が4本に見える。爪はなく、手袋を嵌めているのかと見間違うほどに滑らかな蒼白い手。いや、嵌めているのか?手首に薄く線がある気がする。
「いや、聞こえたし意味はわかるよ。アルギヌとやらの意味と状況が理解できないだけで。」
「あっ、本当ですか、良かったです!では続けますね!」
「何も良くないが。おい、話し聞けおい」
慎の言葉は無視して少女は駆け出す。スカートから覗いたその脚も4本以上有ったように見えた。慎の右手側にある布…カーテンだろうか?そちらの方に少女が駆け寄ると、それを開いた。丸い窓が露になって、その先は漆黒に見えたが、目を凝らして漸く林檎大の青い球体を見た。見覚えがある。ところどころ赤く染まっているようにも見えるが、間違いない。間違えるわけがない。
「どうです、美しいでしょう!あなたの星ですよ!」
本日二度目の「は?」が口から出た。