第13話 お前らが弱いから負けたんじゃねえのか!?(フレッド視点・ざまあ)
俺が立ち上がろうとすると、トロールの足音が近づいてくる。
「お、おいロベリア、セレーヌ! 早く援護を……!」
俺が助けを乞うように言った。
しかしロベリアはトロールの威圧で怯えたまま立ち上がらず、セレーヌは怯えて口をパクパクさせている。
そしてトロールは俺の胸ぐらを掴み、軽々と持ち上げた。
肺を圧迫されるような、この感覚は初めてだった。
息がしづらく苦しい。
全身の骨が軋む音がした気がした。
そんな時、ロベリアとセレーヌが俺に後ろから回復魔法をかけているのが見えた。
だが俺はそれどころではなかった。
「た、助けて……」
俺が小さく口を動かすがトロールはそれを無視する。
そうして俺の意識は徐々に薄れていくのであった。
◇
数時間後、俺は目を覚ました。
ここは……どこだ? 俺は確かトロールにやられて。
俺はゆっくりと体を起こして周りを見渡すと、そこは馬車の中だった。
「私たち、やられたんだよ……フレッド」
ロベリアが震えた声で話す。
トロール相手に手も足も出なかったのだから。
「お、お前らが弱いから負けたんじゃねえのか!?」
「はあ!?」
俺は反射的にロベリアにそう言う。
俺がトロールに殴られたのは事実だが、誰も援護をしてこなかったのも確かだ。
そして俺とロベリアの口論が始まる。
すると傍観していたセレーヌが言った。
「私たちが弱かったのよ、もしかするとアランはS級冒険者以上に強かったのかも」
セレーヌは珍しく真面目に話す。
だけど俺は認めたくなかった。
S級冒険者である俺がトロールなんかに負けるはずがない、と。
そうして口論はエスカレートしていき、俺らが乗っている馬車が進行を停止してしまう。
「ふざけやがって! お前らは足手まといだ!」
「あんたこそ! 剣士なのにトロールも倒せないってなんなのよ!」
俺らが喧嘩をすればするほど馬車は身動きが取れなくなる。
「とりあえず落ち着きなさい二人とも、まずはギルドに戻るわよ」
セレーヌが俺らの喧嘩を止め、落ち着いた後、馬車が再び動き出すのだった。
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