28.甦れ“俺”の聖剣!!
◐AMAZING MIDWAY RESULT◑
☆〔桐山剣 HP950 手札4枚 EG:⑤〕
・ユニット:《頑固な鍛冶屋》
★〔マンドラ・チャンドレイユ HP1750 手札2枚 EG:②〕
・カスタムツール:《長久の聖刀剣―DLランダル―》《大いなる伝説の聖剣―GXキャリバー―》《呪われし龍滅魔剣―BMクーガ―》
※3枚のカスタムツール全てはマンドラが装備中
GXキャリバー、DLランダル、BMクーガ。三本の聖剣全てを装備し、右手の方が割増窮屈ながら両手に携える三刀流のマンドラ。
今まさに聖剣による特攻撃が始まろうとしたその時、桐山剣に浮かぶ余裕の笑み。彼が笑えば気まぐれな勝利の女神も笑う。即ちこれは攻略する策が見つかった合図だ!
――さぁ読者の皆様お立ち会い、桐山剣流窮地突破タクティクスの答え合わせだ閑話休題だ!!
▶▶▶ NEXT▽
「俺はEGを③支払ってアクションカードを発動!」
桐山剣はカードを横一文字に引き抜いて、そのままブレスへ装填・カードスキャン!!
『アクションカード、【一点集中の武装崩壊】!!』
カードを唱えて、剣は手札のカードを1枚墓地に捨てた瞬間、音速の速さで迸る閃光直線がマンドラのDLランダルに直撃! そのままボロボロと崩れ落ちて破壊された!!
「何……!?」
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【一点集中の武装崩壊】
属性:白 EG:③
・効果:①このカードを発動する際、
自分はEGコストを払う代わりに手札を1枚墓地に
送って発動することが出来る。
②フィールド上のツールカードを1枚破壊する。
◎――――――――――――――――――◎
剣は蓄積されたEGを使う代わりに、手札のツールカードを1枚捨てて効果を発動。その対象を《長久の聖刀剣―DLランダル―》にし、破壊させた。これで場に残っている聖剣は二本。
「バカな、例え聖剣を一本失って命拾いした所でダメージが通れば―――」
『アクションカード………』
「!!?」
おおっと?! 桐山剣、間髪入れずに2枚目のアクションカードをスキャン!!
『――――【超電磁装備解除装置】!!』
ブゥゥゥウウウウンッッッ
「ああぁぁあああ!!!?」
突如召喚された装置がマンドラと剣の眼前に現れ、瞬時に発生した電磁音波の波紋から磁力が発生。その時マンドラの装備していた二本の聖剣が手元から離れ、桐山剣同様丸腰と化した!
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【超電磁装備解除装置】
属性:黄 EG:⑤
・効果:①相手プレイヤーを対象にする。
プレイヤーに装備したカスタム・ツールカードの
装備を全て外し、60秒間相手は
カスタム・ツールカードを装備できない。
◎――――――――――――――――――◎
しかもこの強力な磁力は一分間継続され、マンドラがEGを使って聖剣を装備させても電磁力の反発によって装備が出来なくなっていた。
「き、貴様ぁ……、俺の聖剣を壊すだけでなく厄介な電気で持たせなくさせるとは……生意気な!」
「これで一分はお前やユニットにも聖剣は装備出来ねぇぜ。あとは……!」
2枚のカードによって宣言通り窮地を脱した桐山剣。そんな彼の真っ直ぐな眼で見つめているのは《大いなる伝説の聖剣―GXキャリバー―》。
あの聖剣が場に出てから彼はずっと気にかけていた。
「……正直、俺はDLランダルとかBMクーガとか破壊する対象はどっちでも良かった。もしGXキャリバーを持ち主の手で破壊するケースになったら、聖剣に愛想尽かされるんか心配になってた所や」
「………どういう意味だ? 何が言いたい」
何やら意味深な言葉を呟く桐山剣にマンドラが物議を醸す時、剣は拳を胸に秘めつつ何かの発動準備に入っていた。……………もしや、まさか!?
「一応お前に教えとくけどさ。―――俺達が住む世界じゃ《大いなる伝説の聖剣―GXキャリバー―》は……、俺の聖剣なんだよ」
その刹那、剣の胸に放たれる烈火の光! ――いざとなったら魂を込めろ! 桐山剣、プレイヤースキルをも超越するゲーム戦士の魂・PASを発動させる時が来た!!
◎――――――――――――――――――◎
・PAS【ロングソード】発動。
◎――――――――――――――――――◎
赤く輝く騎士の剣、これが桐山剣のPASの形!
そしてアメイジングにおけるPASの発動によって使う事が出来る『PASスキル』は、多種多様に強力なスキルを使えるが、ゲーム中は一回しか使えない最後の切り札!
果たして桐山剣はどんなPASスキルを使うのか!? その時彼は精魂込めて祈願の念を唱えた!
「切り札騎士・桐山剣、我ここに捧げん。戦場を駆け抜けし英雄達よ導き給え、聖剣の意志よ我の元に霊幻を現し給え! 時空・空間を超越し、我が手に運命を共にする刃を呼び起こし給え……!!
―――PASスキル【伝説聖剣大招来】!! 出てこい《大いなる伝説の聖剣―GXキャリバー―》ッッッ!!!!」
◎――――――――――――――――――◎
・PASスキル【伝説聖剣大招来】発動!
ゲーム外部から
選択した《カスタム・ツールカード》を1枚、
自分に装備する!!
◎――――――――――――――――――◎
カッッ―――――!!!
その時速く、渾沌の闇の空に一筋の光!!
その光は光速の元に桐山剣の頭上に降り注ぎ、彼が無意識の域にスッと右手を差し出せば、降り注ぐは光に導かれた聖剣の刃。
タイミングよく銀色の鍔の下の柄に握りしめた右手、その感触からその正体を見るならば、おおっ!!!
「な…………に…………ッッッ!!!???」
――眩い光で包み込まれた《大いなる伝説の聖剣―GXキャリバー―》が、桐山剣の元に装備された!!
「ま、まさかお前……! お前の居る世界から聖剣を呼び起こしたというのか!? 時間も空間も異なるこのオリジンゲームワールドから………!!?」
「『そんな馬鹿な事が……!?』って言いたげやろお前。―――残念、俺も同意見や」
真の聖剣は持ち主を選ぶとファンタジー理論では有りがちな事ですが、時間も空間も異なった世界までやって来るとは桐山剣も自分で発動して思いもよらなかったでしょう。
そう、呼び出したGXキャリバーは本物の剣の居た世界に存在するカード。アメイジング・ウォーズ終結後に管理機関WGCによって保管されたこのカードだが、剣のPASの力を使った事で、見事パクった……じゃなかった。持ち主の元に呼び起こしたのでした!
『―――我、切リ札騎士ト共にアリ……!!』
「ん……?」
すると、剣の頭の中で自分を呼びかける声が聞こえた。これはGXキャリバーの意志の声によるテレパシー、早い話が意志疎通だ!
『例エ異ナル時代、異ナル空間二居ヨウトモ、窮地トアラバ我ハ騎士ノ元ニ宿ル。ソレモゲーム戦士ガ“キズナ”トヨブ形ノ1ツダ!!』
「……ヘヘッ、違えねぇ! 今回は特別大サービス、思う存分振るってやらぁな!!」
(聖剣の意志が、桐山剣に語り掛けているだと……!? そんな事、俺には一度だって出来た事が無いのに……!!)
マンドラも魔力を持つ事からGXキャリバーのテレパシーの声が聞こえていた。だがその結果、彼には成し得なかった疎通に驚愕する事となった。
『――サァ征クゾ、切リ札騎士! 我ガ刃デ勝利ヲ斬リ拓クノダ!!!』
「……ッしゃあ、行くぜッッッ!!!!」
聖剣携え突撃する桐山剣! 対して二本の聖剣を装備出来ずこの猛攻に回避するしか術がないマンドラ。
戦闘経験も剣術の経験則も、桐山剣相手では大差でマンドラのが上の筈だった。だが……!
―――カッッ、ビュッ、シュシュバッッ!!
(は、速い……!!!)
マンドラの軽やかな足取りをも超えた隼の如し二連斬、十文字斬り炸裂! GXキャリバー装備によるAP200ダメージが二回入っての400ダメージ!!
〔マンドラ HP1750→1550→1350〕
「GXキャリバーのダメージが二回通ったから、HP500回復も二回。更に墓地から《ありがたやの天使》を手札に回収する!!」
〔桐山剣 HP950→1950〕
――強い、絶対に強い! GXキャリバーを携えた桐山剣にこれ程まで頼もしいと思ったことは無い!!
聖剣の力によって回復、更にはユニット回収を可能とした桐山剣に勝利への光明が見えてきた!!
「よっしゃぁぁぁまだまだ俺は終わんねぇぞ!! どっからでも掛かってこいッッ!!!」
……あの、打ち切りを思わせるような叫びは止めてください剣さん。(困惑)
本当にまだまだ終わりませんよゲームウォーリアー外伝、最後までお楽しみに!! ――本日のゲームは、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




