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13.大地吸収・ガイアパワー!!

 ――『紫煙の格闘王』高橋豪樹と、ノームの力を司る『エレメンタルナイツ』ノム・ジーとのリアルファイトゲーム【パワーバーストファイター】のガチンコ勝負。


 おじいちゃん相手に油断したか、豪樹はノムさんの大地を恩恵によってパンプアップされた拳一撃であっけなくふっ飛ばされた!


「ワハハハどうじゃ! 大地の力は人間とても軽く捻り潰せる程に大いなる力じゃ。まさか一発で場外になる程ヤワじゃなかろうな?」


 直線にふっ飛ばされ思うように身動きが出来ない豪樹。しかしタフネスな彼は空中で身体を動かして足を後方へ整えつつ……


 ―――シュタッ


「まだまだじゃああああああ!!!!」


 後ろの木を足場にして、その反動をバネにし脚力のみで再びノムさんの元へと舞い戻った!


「おぅ、おかえりぃ」

「ただいまッッ」


「ただ力が強いだけじゃ無さそうじゃな。五体全てがフルに機能しとる。コイツぁ俗に言うとこの、野生の本能ってヤツかな?」

「……まーたワイをゴリラ扱いしとるなじーちゃん? 土を吸い取って筋肉増強なんざ狡い技使うんなら、ワイも手加減せぇへんぞ!!」


 またしても電光石火の早業で突貫直線突き進み、ノムさんに先手を取らんと繰り出す剛腕はバルカンジャブ。だが対してノムさんはその速射砲パンチを全て見切ったのか軽やかなフットワークで回避していく!


「ほほぅ? 腕の筋肉の太さでスビードは劣るかと思ったが、その重量感で良くまぁ音速の速射パンチが出来るもんじゃのう!」

「じゃかぁしいわ戦ってる際の私語は舌噛むぞじーちゃん!!」


 ノムさん戦闘シーン真っ最中にも関わらず、呑気にしゃべくる程の余裕に豪樹は明らかにペースを乱されていた。


(すばしっこくて埒が明かんわ! ……んじゃ、これなら――!)


 豪樹は咄嗟の案を思いつき、即座にノムさんに急接近したかと思えば、


 ―――ガシッ!


「……っと?」


 ノムさんの華奢な身体ごと豪樹は両腕でガッチリグリップ。相手の両膝の裏側に自身の両足の踵を押し当てるように組み付き、そのまま二人は地面に向かって前転体制。


「アイアンフィスト流奥義・地獄車ァァァ!!!」


『地獄車』、相手を外側の球とし、自分は内側の球になり、相手の力を利用して車を作る!

 その遠心力によって束縛された相手は脳天・脊髄にダメージを受けるという荒技だが、当のノムさんには鍛え方が違うのかビクともしていない。


「なんじゃ、そんな柔道技でワシにダメージを与えたつもりかな?」

「んなもんまだ序の口じゃ!!」


 ―――ブゥンッッ


 地獄車で豪樹が下になったタイミングで反動を利用しノムさんを投げ飛ばす。開放された隙を逃さず豪樹はすくっと立ち上がり、コンボを決めようと次なる技を繰り出す!


「アイアンフィスト奥義・剛剛(ガンガン)旋風脚!!」


 パワーレッグが横回転、巨体の軸を中心に飛び交う金剛の烈脚! 投げ飛ばされて自由の効かないノムさんに直撃!! からの……!!


「―――昇・龍・拳!!!」


 ―――ド、ガガッッ……!!!


 剛拳一派・格ゲーセオリー、リュウもケンもたじろぐダメ押しのアッパーカット! まるで豪樹の脳内、右脳の回路に『右・下・右下+P(パンチ)』のコマンドが自動的にインプットされたかのような、滑らかかつ自然なコンボの昇龍拳。多段ヒットのおまけ付き。


 これには流石のノムさんとて、三連コンボのヒットにはひとたまりもないだろう。


「悪く思わんといてなじーちゃん。ワイらファイターにとって()()()は最大の屈辱やからな。ボコボコにしたって後で恨むなよ!」


「…………恨むもんかぇ、寧ろワシにはこれぐらいが丁度いい」

「―――!?」


 豪樹が形勢逆転した、というのは単なる先入観にしか過ぎないのか。

 華奢な身体付きだった筈のノムさんの胸部がいつの間にやら厚い胸板で覆われ、あれだけの猛反撃にも関わらず痣の範囲が余りにも小さすぎた。


 つまり、あの連携コンボはノムさんにとっては微小なダメージに過ぎなかった……!!


「まさか……、また例の『ガイアドレイン』ってヤツか!?」


「そのまさかじゃ。あん時お前さんの地獄車でぐるぐる回された時、背中に密着した地面を吸い取ってワシの身体全体に防御強化をさせたんじゃ!」


 ……迂闊だった。地獄車からの連携が逆にノムさんにとってのチャンスを生み出してしまった事に悔やむ豪樹。


「腕と胸だけ強くなっても様にならんなぁ、もういっその事()()吸収してやろう!」


 と何を考えたかノムさん、仁王立ちになって足元から地面を吸収し始める。

 植物の木々が根を張って養分を吸収するように、ノムさんは大地そのものを己の力に変えるべく、急成長を遂げる!


「…………オイ嘘やろ……!!?」


 完全にパワーを吸収しきったその身体は、身長が3メートルを超え、筋肉量は急激に増量。土色の英気を養ったそのボディはジャイアント馬場かハルクにも似た巨漢と化した!!


「……ハッ、ヤバい早く間合いを―――」


「遅い」


 豪樹とノムさんの距離が完全にリーチに直撃すると察した豪樹は回避するも、その瞬発力をも上回る音速ブローが彼に迫り……!



 ―――――ゴスッッッッ


「どぉおぉおおおおお?!!!」


 顔面殴打! そのまま勢いに任せて今度は反対側の森林に隠された鉄鉱所へと突っ込んでいった!!

 あぁ……この辺りはフィールドから80メートル離れている為これは場外確実。不運にも先制点を取られた。


 〔ノム・ジー 1-0 高橋豪樹〕


「……………あっ」


 しかしこの一撃で何かマズイことでも仕出かしたのか、鉄鉱所の洞窟へとゴールインした豪樹の様子を見るやいなや、顔面蒼白のノムさん。



「こりゃ大変じゃ、ワシの()()が……!!!」



 ▶▶▶ NEXT▽


 ――変わって舞台は森林の鉄鉱所に隠された洞穴。そこでは吹っ飛ばされた豪樹が意識朦朧としていた所。


「ぁ痛ぁ〜〜……、なんちゅークソ力やねん。土食ってパワーアップなんざ……」


 と早いうちに戦線復帰しようと洞穴を出ようとした豪樹だったが、あるものに目が触れてピタッと足を止める。



「……何でこんな所に古いゲーム筐体が……!!?」



 その洞穴には何と、1930年代の米産ピンボール台や、エレメカ式のクレーンゲーム。いやいやそれだけではなく、時系列が大いに異なる筈の異世界に、ファミコンやらメガドラ等のゲームソフトも飾ってある!!


 早い話がここは、オリジンゲームワールドの【レトロゲーム博物館】だ!!!!


 一体何故こんなものが? その詳細は決闘も更新も一旦下がって次回お届けしましょう。――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽



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