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12.ブッ飛び!リアルファイトだ、格ゲーだ!!

 ――天空のエアホッケー、海底のパズルゲーム、それぞれが同時に織り成すゲーム戦士とエレメンタルナイツとの戦い。


 そしてこの森林広がる緑の大地でも、それ同等なる激闘が繰り広げられていた!!


 ▶▶▶ NEXT▽


 ――森林とは、ファンタジーな世界観に従って説明するならばエルフやら妖精が自分の素性を人間達や心に汚れある者に襲われぬように暗く奥深い森林にて集落を立てて、日々を過ごすとか諸説あるとかとか。


 そんな密林森林大樹海のオリジンゲームワールドの森にて一箇所、故意にも円形状に木々を伐採したかのようなポッカリと地面が見える場所がある。


 これこそ今回のゲームの舞台。エルフや森で暮らす民族のゲーム戦士が、己の力量を示すべく集落一同で作られた()()()


 (しか)してその実態は、『ノームさんの愉快な森』名物【フォレストコロセウム】だ!



「ここにゃワシも含めた色んな力自慢のゲーム戦士が集まって良く大会を開催してたがのぅ。10年前の正体不明な敵との戦争以来ぱったり決闘をやらなくなって廃れて来た所じゃが、アンタが久方ぶりの挑戦者(チャレンジャー)ってヤツじゃ」


 等と染み染み語るは、エレメンタルナイツの一人で土の精霊・ノームの力を宿す老人、ノム・ジーさん。そんな彼の使命としては、仲間のマンドラの為にシャッフルのゲーム戦士を引っ張り出して足止めするという寸法だ。


 そしてその挑戦者は、シャッフル随一のパワーファイター・高橋豪樹。


「要するに異世界人と地球人との亜流試合って奴やな。そんでジジイのアンタが、よりによってこの豪樹様を自分から指名するって事ぁ……」


「決まっとるじゃろ、()()()()()()()()()じゃ!」


 それ即ち、リアルファイトの格闘ゲームなり!!


 ――――――――PLAY GAME――――――――

 ☆オリジンゲーム③☆

【パワーバーストファイター】

 ・ジャンル:格闘ゲーム

 ・プレイヤーレベル:50


 ルール

 ①半径50メートルの円形ナチュラルフィールド

 での格闘バトルを行う。

 ②このバトルでの一本を取る方法はとにかく

 ()()()()()()()()事、

 フィールド場外に飛ばして2点先取した方が勝ち。

 ――――――――――――――――――――


 ……さて、このルールを読んだ皆様は何処か既視感を覚えたかと思います。早い話がこのゲーム、


「これ、スマブラか!?」


「何じゃ、お前さんの世界じゃこれを“すまぶら”と呼ぶんか? 奇遇な事もあるんじゃのう」


 今豪樹が立つのは時代も空間も異なったオリジンゲームワールドの世界。スマブラのように何処か似ていたり既視感が目立つゲームがあるのは、彼らにとっては()()()()()の認識でしか無いのです。


「まぁ知ってるんなら話は早いわな。パンチ・キックは勿論、飛び道具も魔法も何使っても良い格闘ゲームじゃ。ノックアウトで決着は無いが、とにかくフィールドに吹っ飛ばした方が勝ち。ええな?」


「あ、あぁ……」


 豪樹は格ゲーに関しては三冠王級の実力を持っていたが、色々と宜しく無い条件下で挑むのには気が引けた。


 と云うのも、エレメンタルナイツとはいえ老人のゲーム戦士相手にリアルファイトする事。それに伴って本気で闘って仮に吹っ飛ばして何処か骨を折ったりしたら色んな方から顔向け出来ないと不安が過ぎったからである。


(大人ってのは色々と世間体も気にせなアカン、悲しい生き物なんやでぇ〜……)


 だからと言って挑戦を前に背中を向けてはゲーム戦士が廃る。元はと言えばおじいちゃんが自ら宣戦を仕掛けたゲーム、自己責任で何とかなるだろうと自己解釈させて豪樹はフィールドに向かった。



「うわぉ、ホンマに宙に足場浮いてやんの」


 中段に2枚、上段中央に1枚の足場が不思議な魔力で浮く自然豊かな情景広がる決闘フィールド。スマブラで言うならオーソドックスな『大戦場ステージ』と言った所か。



「時間は無制限、その中でフィールドから吹っ飛ばして2点先取した方が勝ちじゃ。良いかな?」


(良いかな?って、んな貧弱なボディで衝突したらアンタ骨折れるでホンマに……)


 等と愚痴る豪樹、筋骨隆々の逆三角形ボディを誇る彼とは裏腹にノムジーさんは骨と皮だけ。雲泥の差とはこの事か、試合が始まる前に豪樹は他人の心配をするが……



 ―――その心配が、逆に仇となる事を豪樹は30秒後に思い知らされる事になる。



「相互に、礼ッ! 構えてぇッッ―――」


 フィールド中央で号令を掛けるは、ノムさんの知り合いで急遽審判を務めることになったモブのノームなおっさん。どっから湧いてきたんでしょうね?



「――――始めッッッ!!!」



「悪いが先に片付けさせて貰うでぇ!!」


 戦闘開始の合図と共に、飛び出してきたのは豪樹。ヘビー級と見まごうボディとは裏腹の瞬発力・スピード一直線にノムさん目掛けての正拳マッハストレートを繰り出すが……、


 ――シュンッッ


(は、早い……?!)


 紙一重にノムさん交わした! 華奢なボディが豪樹の正拳を撫でるようにヒラリと回避し、側転倒立で間合いを取るノムさん……って、おぉッ?!!


「―――!!? じ、じーさん!? アンタ腕が……!!」


 何と側転の際に両手が地面に付いた途端、急に腕がモリモリと極端に筋肉量が増え始め、その剛腕は豪樹をも匹敵する程になった!


「これぞノーム流・遊奥義、『ガイアドレイン』じゃ! 大地の土の力を吸収させて、ワシの筋肉向上・パンプアップへと繋げる事が出来る!」


『そんなバカな!』と豪樹は口をあんぐりさせて訴える。がそれを許すほど決闘時は甘くはない。彼の元に急接近したノムさんが一言物申す。



「……ワシを貧弱なジジイと舐めてたのが仇になったのぅ若造。四六時中大地の御加護で力を蓄えたワシが、そんなヒヨッコに倒されるタマでは無いわぁ!!!」



 ――――ゴスッッッ


 鈍い音を立てて豪樹の顔面に激突する大地パワー全開の拳で唸ったノムさん正拳。その衝撃はハンパじゃない。



「うわあああああああああ!!!!」



 木々が倒れ、地面も抉れるほどの衝撃にただ一本取られるのを待つだけなのか!? 危うし豪樹さん! ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽


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