11.海底パズルゲーム・ウォーターパニック!!
――パズルが水没した。
『ウンディーネ・マリン』にてパズル勝負を繰り広げていたレミ&穂香が思わず漏らした言葉に、我々一同何事かと状況を疑った。字だけで表現しようにも説得力が足りない。
ならば検証ついでに最初からゲーム模様を見てみましょう! ではっ!!
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水の精霊ウンディーネも人への悲恋を癒やしに海へ還り、魂諸共消えていっ…………たかどうかは全く分かりませんが。
最近メンタル不安定な作者ももしかしたら、この海を見て心を癒やすであろうオリジンゲームワールドの大海原。その海底へと潜っていけば、不思議な魔力で活動が出来てゲームまでやっちゃってるのが、畠田レミと大森穂香。そしてもう二方。
「……何か、演出上忘れられてる感じになってるけども。ディーナ、どうして頭脳明晰で優等生な貴方までがマンドラに加担するの!?」
その忘れかけそうな人物は、超次元時空間管理局の衛生管理教授、『ルーラ・ラ・ルース』。シルヴィーの風魔法で彼女も飛ばされ、行き着いたのがレミ達のチームであった。
そして彼女らのゲームを指揮し挑むのはエレメンタルナイツの『ディーナ・ウェーブプール』。
「申し訳ありませんが……、幾ら管理局の教授の頼みでも聞けない事があるのです。マンドラは過去への決別に動いた。ならば同胞である私に出来る事は、それを阻む者の処理です。そしてそれを止めるには―――」
「だからこうしてアンタとパズルゲームしてるんでしょーが!!」
「私も剣さん、みのりさんと合流する為に全力で戦います!」
という訳で、海底にて繰り広げているのは2VS1のパズルゲームサバイバルだ!!
――――――――PLAY GAME――――――――
☆オリジンゲーム②☆
【ウォーターパズル・アラカルト】
・ジャンル:パズルゲーム
・プレイヤーレベル:50
ルール
①『テトリス』『ぷよぷよ』『パズルボブル』といったパズルゲームをリレー形式でプレイし、スコア獲得やゲーム内でのノルマを達成することで次のゲームに進められる。
②課せられたゲームのパスは不可、またゲームで途中でアウトになった時点でリタイアとなる。
☆10個のパズルゲームをクリアした時点で勝利!
――――――――――――――――――――
(やっぱり、ゲーム戦士同士ではこうなってしまうのね……。私は皆ほどゲームは強くないし、今は彼女らの戦いを見守る事しか出来ない。
――気を付けて二人共、このオリジンゲームワールドにおけるゲームは貴方達の常識は通用しないわ!)
ルーラの無言の願いが、果たしてレミと穂香に通じたかはさておき。序盤におけるゲームの展開は至ってシンプルだ。
先ずは一巡目、パズルゲームのオーソドックス『テトリス』から肩慣らしで展開される。
そして二つ目のパズルに進む為のノルマは、【20ラインを消せ!】。テトリミノ(ブロック)の消す列を20列まで消せば次のゲームに進められる。早い話が四列一気消しの『テトリス』を5回行えば効率良くクリアだ!
「ふっふ〜! そんなノルマならお茶漬けサラサラ〜♪」
「レミさん、それを言うなら『お茶の子さいさい』じゃないですか?」
等とゲームの合間に冗談を言える程に、彼女らはテトリスを熟知していた。
特にレミに至っては、ブロックの形とそれを向きを変えて操作・自由落下する仕組みを予め頭の中で計算し、その理論を理解しなくてもテトリスへの結果へと導く閃きを持つ『ブラックボックス思考』の持ち主。
それ故に彼女はテトリスにてカウンターストップを達成させた殿堂入りプレイヤーにもなっているのだ。
論より証拠に一巡目のテトリスは、圧倒的にレミが先にノルマ達成を果たした!
「楽勝〜! さぁ次もあたしにまっかせなさーい!!」
乗りにノリノリなレミ、その様子を淡々とプレイしながら見守るディーナは。
(浮かれているのも今のうちですよ。貴方達の知能は固定概念で縛られているのが良く分かります。それをひっくり返した時にどう対応するのか。お手並み拝見といきましょう)
何やら不穏な企みを感じさせるディーナの心の縁。それには全く目もくれずレミはダントツトップ、続いて穂香も負けじと一巡目をクリアし、ディーナは三位で次のゲームへ。二巡目は『ぷよぷよ』、そしてそのノルマは。
「『全てのぷよを50個消せ!』、うーんちょっと骨折れそうかな〜」
とぼやきながらもレミは黙々とぷよを同じ色に三つ重ね、あとの一つは別の段にズラして連鎖を続けるためにドンドン積み上げていく。
しかしこれだけではぷよぷよの連鎖に途絶えができる為、四つ消す時のぷよの形を『縦Y型』から『逆L型』へ変えて折り返しをしつつ更にぷよを積み重ねて大連鎖を狙う。
このようなぷよぷよの連鎖技を【GTR】、略して『グレイト田中連鎖』と呼びます。―『G-バイブル/全国の田中さん、誇っても良いんですよ!』より抜粋―
(畠田レミ……、仕掛けるのに時間の掛かるGTRを10秒で半分も画面を埋めるなんて! 流石パズルゲームの天才として名の連ねたゲーム戦士だけあるわね)
時空管理局のルーラさんも舌を巻くほどの速攻パズル戦術。もう画面を表現しても12連鎖は堅い所まで来ていた。流石はブラックボックス思考のレミちゃん!
「もっと褒〜めて! さ、一気に大連鎖行くわよ〜!!」
と大張り切りのレミに突如飛び交う野次。
「お待ちなさい自惚れ屋さん。これは貴方達の挑んでいるパズルとは違うの。つまり貴方達にとっては、このゲームも未知への遭遇に過ぎない」
「……何が言いたいのよ水色姉さん」
水色姉さんって……、他のネーミングは無かったんですかね。
「ねぇ貴方。もしこのぷよぷよが上からじゃなくて、下から浮かんできたらどう消すのかしら?」
「―――――は??」
これだけではレミとて何のこっちゃのちんぷんかんぷん。そしてそれに何かを感づく穂香。
(……もしかして、彼女もゲームを覆す能力を――!)
シルヴィーやマンドラを見て、自分ら同様に異端の力を発揮する事を知った穂香。これをディーナも出来ない訳がないと睨んだ彼女は警戒した。
「レミさん気を付けて、何か仕掛けて来ま………」
「パズル空間よ、我が水の精霊の霊力の元に、積み上げしパズルを沈め給え! ―――ウンディーネ流・遊奥義! 【スイジンインパクト】!!」
――――ドォォォォオオオオオオオオオ
すると不思議やら! 海底内でのパズルゲームの情景から、まるで画面から海水が流れ込むかのようにあれよあれよと言う間にぷよぷよの面を水没させていった!!
「な、何よこれ……!?」
「何でパズルの面が、水没してるのですか……?!」
「これが私のパズル戦術です。海の中のパズルでは落ちるブロックをも浮き上がらせる浮力の概念があるのです。それを証拠にほら……!」
「―――!!」
レミが画面半分まで積み重ねたぷよの配置が、水の浮力によって逆さに配置され、重力によって連鎖する筈のぷよが上に浮かんで消す事が出来なくなった!
「うっそぉ……!? じゃ次のぷよはどうするのよ!」
「言ったでしょう。上からじゃなくて、下から浮かび上がるって」
それを聞いてレミはハッと画面を拝見すれば、プカーっと浮かび上がる二色のぷよ。上で浮かび重なったぷよを下から積んで、底に達しないように消さなくてはならない。まさにアベコベの海中ぷよぷよだ!!
(これが、固定概念を打ち破ったディーナさんのパズルゲーム……!!)
異世界でのゲームに翻弄されるレミと穂香。果たして勝ち筋や如何に!? ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽