君と僕と時と糸
今、ふと思う。あの頃は、楽しかったなぁー、いろいろ複雑で、様々な糸が交じり合い、それらが一種の物語を綴っていた。今だから、気づけるこの感情。「今になって、あの時に戻りたいなんて、俺もなかなか傲慢だなぁー。」そう呟きながら、腰掛けていた椅子の背もたれに、背中をつけ、後ろに反って、顔を上にあげ、目を瞑る。そうすることで、あの時の出来事が鮮明に蘇ってくる。ある産物とともに・・・・。
第一話 海と太陽
遡ること17年前、まだ俺が中学1年生の時になる。俺、竹下智樹は様々な不安を抱え、学校生活を送っている。例えばだが、かわいい子はいるのか、俺の顔は彼女達にとってどれくらいのものなのかとか、今思うと、恥ずかしい内容ばかりだ。俺がいる学校は、少子化が進む田舎で、クラスもたった、4クラスしかないほどの、小さな中学校だ。「こんなところで、俺が思い描いている青春はできるのかね。」そう、俺は小学校の時は、陽キャ集団の中心核的存在だったため、友達や彼女などのこと、気にもしなかったのだ。この先、このことが俺の人生において、大きな問題となるに知らず。
今日4月6日はこの学校での、入学式。俺はあまり緊張せず、この中学校につき、同じ小学校の友達と今後について、話しながら、割り当てられた教室へ向かった。俺は、3組。
他の友達3人のうち、一人は1組、もう二人は4組に配属された。「ちぇー、俺と智樹は一人だけかよ。いいよなー、お前ら二人は一緒で。」そう4人で廊下で話していると、ある女の子一人が、俺らの横を通っていた。透き通って大きな目、
小さな顔に、低身長。さらには、あそこも大きい。この時、俺はふとあることを思い返していた。