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本間まゆ。



変な語感。

だって。

"ほんままゆ"、だよ?

名字が"ほんま"なら、別に"みな"でもいいじゃん?

"みき"でも"みほ"でもいいじゃん?

何でわざわざこんな名前にしたの?

てか。

今時の親って、どういうネーミングセンスしてんの?



って、ごめん。

前置き長くて。



これが、ユーカたん(←仮名)の本名。







でもさ。

やっぱ、見なきゃ良かった。

見るもんじゃなかった。




俺、めちゃめちゃ凹んでる。







まゆタン。

いや、まゆちゃん。


北見の子だったさ。

頑張って勉強して、大学入って。

悩み事なんてのも特になかったらしい。

それが、何であの日に限って、線路のすぐ傍を歩いてたのか。

何で地下鉄が入ってくる直前、あんなとこに落ちたのか。





…。



まだ、19歳だよ?




俺といっこしか違わねーし。



何か、ひどくね?





あんまりだ。









だから。

今日はガッコ行くけど、往復バスにしたさ。

彼女、寂しがるかもしれないけど。

こんな気分で、彼女のこと見たら。

俺、泣いちゃうかもしれないさ。




そしたらまた、嫌われちゃうかもしれねーし。




それだけは避けたいから。










そんなんで。


また、ヘタレに逆戻りなの、俺。










ほっとけ。

判ってっから。






     @  @  @






こういう日に限って、雨だったりして。

行きのバスは何だかもんもんとしてんの。


あ、こら。

てめー。

濡れた傘俺につけるなって!




でもって。

何故かこういうところでまた、富樫に会うし。

どいつもこいつも。

ちょっとは空気読め。



「おーっ! 三国!」


「あに?」


「ちょ。何でいきなり不機嫌?」


「別に」


「で、あのユーレイどうした?」


「んあ?」


「地下鉄の、ほら…」


こいつ。

うざ。

マジうざ。

消えて。

お願い。

ほら。

隣のにーさん、俺のことチラ見してるし。

惚れられたらどうしてくれる。



「いや、見えねーし」


「またまた! 嘘ばっか!」


「マジで。普通に見ねーし」


「何言ってんだって。本間まゆの幽霊だろう?」



…。



前言撤回。




こいつ、何様?


いや何者?





マジきもいんですけど?

 

 

 

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