表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/548

事故物件

 事故物件に引っ越した。


 別にそういうのは気にしない性格だ。昔もこの手の物件に住んでいたが怪現象なんて一回も起こらなかった。

「よくもまあ殺人事件なんか起こった部屋に住めるな」 

「安いし」

 引っ越し後、友人数人が来た。祝いという名の酒盛りだ。

「泊まる?」

「ゼッテー嫌だ」

「チキーン」

「うるせぇ」

 夜も更けてきた頃に、「なあ」と友人のうちの一人が尋ねてきた。

「お化け的なやつ、ないの?」

「ないない全然ない」

「誰死んだとかわかんの」

「知らね。調べりゃ分かるけど、興味ないし」

 何本目かのビールに手を付けようとしたとき、ドンドンドンドン!と玄関ドアを連続で力強くノックされた。全員びくりと体をこわばらせる。

 全員息を潜めて、少し後に足音が去る音をしたあとに、玄関を出て確認する。

「うわっ」

 外側が、口紅のようなものでぐちゃぐちゃに落書きされていた。子供の、いや幼児の落書きのように、紅い線が禍々しい雰囲気を持って縦横無尽にドアの上を走っていた。

「なにこれ、キモっ」

「キチガイ? この辺治安悪かったっけ?」

「うーん、あんま良くないっては聞いてたけど……」

 話していると、スマホをいじっていた友人が「うわっ」と声をあげた。

「お前、この部屋の殺人事件のこと、調べてないって言ってたよな!?」

「お、おう」

 友人の顔は青い。

「この部屋の殺人事件の犯人、まだ捕まってないぞ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ