表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/548

薔薇の小人は拾っている

 私には霊感がある。


 3丁目の山田さんの家の生け垣に住んでいる小人さんは、今日も染め物に精を出している。

「こんにちは、薔薇の小人さん」

『こんにちは、大きなお嬢さん』

「今日は何を染めているの?」

『汚れたドレスを染めているの。見て、元々染みだらけだったのに、今はこんなに真っ白になったわ』

「わあ、すごい。それは何で染めているの?」

『屋根の上に乗っかっていた歯を砕いて溶かしたの。とっても大変だったけど、これほど美しく染まるならやった甲斐があったわ』

「よかったね。でも歯はあんまり見つからないよね」

『そうなの。

 ふふふ、でもね、私見つけちゃったの。あっちにある倉庫にね、いっぱい落ちてたの。たくさんたくさん拾ってきたわ。宝の山よ。それでもまだまだ残ってる。とてもじゃないけど、全部は持ち帰れなかったわ!』


 私は帰りにその倉庫に寄ったあと、警察に通報した。

 ヤクザの抗争の末の殺人事件に、町とニュースはにわかに騒然としたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ