メール
グロ画像つきのメールが送られてきた。
「うわっ」
ホラー映画愛好家の私ですら眉を顰めるレベルのグロ画像。顔がミンチになっている人間の画像だ。
ただ根が大雑把な私は拒否するでもなく、そのメールを放置した。趣味の悪い悪戯だな、と思っただけだ。
翌日、また届いた。
服装から、前日に届いたグロ画像と同じ人物だと分かる。それは昨日の画像の少し前のシーンで、顔に斧が叩き込まれて、ミンチになりかけている画像だ。前の画像では分からなかったが、手足が拘束されている。
翌日、また届いた。
やはり、前日の画像の更に少し前らしき画像だ。昨日は既にいくつもの傷跡がある顔に更に斧が叩き込まれている最中の写真だったが、今日のは初擊のシーンだ。顔の真ん中に、キレイに斧が。顔が酷く歪んで人間のものではないみたいだ。
翌日、また届いた。
今回も、以前の画像よりも前に撮られたものだ。被害者は生きていて、髪を掴まれ無理矢理顔を上向きにされている。恐怖で涙を流して、顔が引き攣っている。
そこでようやく私はそのメールアドレスを拒否した。それ以来、画像は届いていない。
ただ、最後に写っていた生きていた頃の被害者の顔が私にそっくりで───それだけが、いやに薄気味悪かった。




