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クラスメイト
私には霊感がある。
「三島ぁ、放課後暇? デートしようぜデート」
「嫌」
クラスメイトの不動くんは、そんな私によく絡んでくる。馴れ馴れしいのが嫌で、私はいつも冷たくしてるのにまったく諦める様子はない。
そんな不動くんは私以外の女の子に大人気だ。顔が良くて、背が高くて、体も鍛えられていて、成績が良くて、運動もできて、誰にでも明るく接するからだ。
私以外の子に、大人気。
「今日が駄目ならさ、土日とかどうよ? 飯ぐらい奢るからさー」
「嫌」
「えー、なんでさ」
だって私は、霊感があるから。
不動くんの肩にいつもしがみついてる幽霊が、視えるから。
こいつに殺された、埋められたって、いつもいつもいつもいつも、言っているから。
「いいじゃん、なあ?」
「嫌」
だから私は、不動くんとは付き合わない。