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心霊トンネル

 心霊トンネルにみんなで肝試しに行こうという話になった。


 そこのトンネルを夜通り過ぎると、車に誰かの手形がたくさんついていると言う。

「定番すぎじゃん」

「たまにはいいだろ」

 仲間四人で、そのうちの一人が持っている車に乗って心霊トンネルの元へと来た。さすがに夜の誰もいない山道は不安な気持ちの元となるが、四人もいることと、道中気分があがる曲をかけてみんなテンションあげていたので、特に怖い思いはしなかった。

 いざ心霊トンネルへ、となって中に入っても、ただただ壁と天井と灯りだけがあるだけの、普通のトンネルだ。なんのトラブルもなく出口を過ぎようとしたとき、ほんの一瞬だけ目の前のが真っ白になった。

 そして、その一瞬が終わったあとには、フロントガラスに大小の手形がびっしりとついていたのだ。

「うわあ!」

 急ブレーキで、衝撃と振動が身体に伝わる。全員外に出ようとしたとき、また仲間の一人が「ひっ」と小さな声をあげた。

 フロントガラスだけではなく他の全てのガラスにも、ダッシュボードにもドアにもシートにもハンドルにも、全てに全てに手形がついていた。

 大人のものと、子供のもの。大小様々な手形が、車の内側に。


 ふぅー………。


 車に乗っているメンバーの誰の声でもない小さな吐息が、聞こえた。


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― 新着の感想 ―
[一言] 入れないわけじゃないからね…
[一言] そして賢者タイムか…
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