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水分

 8月に入ってから、いかにも「夏」で毎日毎日が暑い。


「あっつ……」

 スーパーで買ったばかりのペットボトルのお茶を半分ほど飲む。冷えたお茶が身体に染み渡る。

「あれ……鍵どこだ」

 飲み終えて、家に帰るために自転車に乗ろうと鞄の中の鍵を探すがない。鞄の内ポケットに入れ損ねて鞄の底にあるのだろうと、ペットボトルのお茶を自転車のカゴにいれる。

「あったあった」

 予想通り鞄の底にあった鍵をつまんで刺そうとすると、目の前を何かが通り過ぎた。

 お茶が半分入った、ペットボトル。先ほど確かに自転車のカゴにいれたもの。

 それはふよふよと空中に浮き、キャップがとれ、傾き、中のお茶がどんどん失われていく。ただお茶は道には落ちず、飲み口当たりで消失している。

 まるで、透明人間が飲んでいるように。

 そして中身がなくなると、ペットボトルの包装が剥がされ、ふよふよと浮きながら移動して、キャップもボトルも包装も全て分別されてごみ箱のなかに入っていった。

「………………泥棒………………?」

 あんまりな光景に怒ることもできず、ただただ呟くことしかできなかった。

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― 新着の感想 ―
[一言] あまりにも堂々と泥棒してて笑う
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