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使命の槍と宿命の刀  作者: 里見レイ
開戦
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包囲網会議 開催

着々とキャラ、増えていきます。

出来るだけゴチャゴチャしないように、気を配ります。

・前回までのあらすじ

ついに奥方の市と対面した秀介。周りの状況から彼女もまた二十一世紀の人間だと理解する。しかし、本当の殺し合いに臨む秀介には反対の様子。史実のようにおしどり夫婦とはいかないようだ。

「先輩、足利将軍から使者が届きました」


 一人縁側で兵糧の確認をしている秀介に優姫がやってくる。


「足利将軍。今は、十五代か」


「ええ、朝倉の本拠地で会議を開きたいとのこと」


「......史実にない動きかな? となれば......」


 秀介が眼光を鋭くさせる。


「ええ。私たちと同じ召喚された人ではないかと」


 呼応して優姫も真顔を強める。


「あの女みたいに、開戦反対派でなければいいのだが......」


「あ、その件は私に任せてください。先ほど彼女に会ったのですが、私なら話す余地はありますので」


「そっか。なら任せる。俺は、......いや。我は取り急ぎ会議場に向かうとするか」


 さっさと、書類を片付けて出発の準備をする秀介。


「お気を付けて、先輩。いや、殿」


 優姫は一礼してその場を去る。戦いというものは、戦場に立つ前から始まるのだ。



 そしてここ。越前、一乗谷。浅井家の盟友朝倉氏の本拠地。

 秀介も無事到着し、今から信長包囲網に属する大名たちの会議が開かれる。

 心強い、しかも同じ境遇を抱える仲間と顔を合わせることは、自身に安心感と闘志を与えてくれる。はずだった......


「はいはーい! それじゃあ会議始めまーす!!」


 無駄に甲高い声を上げ、議長の足利義昭、本名、四谷雪が開会宣言。

 秀介とは、3年間クラスメイトの腐れ縁だ。席は近いとこばっかだし、修学旅行のメンバー決めの際も同じ班。おまけに第一志望の大学まで同じという有様である。


「お転婆で、後先考えないおっちょこちょいの四谷が仕切るとわねえ......」


 秀介の表情は晴れない。雪のリーダーシップのなさをよーく知っているからだ。


「おーい、大福おかわり!」


 関係なく菓子を食い荒らすのは、武田信玄、本名、下原太一。

 大企業の子息で、女好きなことで有名な1年のサッカー部だ。今も「武田四天王」として召喚された親衛隊美少女四名を侍らせている。


「井田、どうすんの?」


 ひそひそ声で話しかけてくるのは、朝倉義景。本名、伊藤誠二。

 秀介の親友で、常識人だが極度の人見知り。万年帰宅部である。


「この面子でどう戦えばいいんだよ。どう見ても戦下手ばっかじゃん。特に、武田軍の状態はどうなのさ? 当主おろか四天王まで使い物にならないだろ。なんてったって、メイド服を着ている者までいるのだよ。戦国を遊園地か何かと考えているのでは?」


 ずらずらと酷評を並べる秀介。


「ま、まあまあ」


 秀介の文句を誠二がなだめるのは、昔からの恒例である。


「さてと、いつ戦う?」


 秀介が悪態をついていることを知らず、雪が話を進める。


「いつでもいいよー。仕事部下に任せてて、準備万端だから」


 と太一。


「浅井も問題ない。既に別動隊の手筈も整えている」


 精一杯厳格に話す秀介。ここは、遊びの予定を決める仲良しグループではないのだ。


「よーし!それじゃあ、帰ってからすぐに出陣ってことで。全方位から岐阜城攻撃よ!」


 なんかアッサリと決定宣言する雪。具体的な日程も動員人数も決めてない。


「ちょ、ちょっと待て! まだ決めていないこと多いだろ!!!」


 今にも帰国準備を始めそうな雪に待ったをかける秀介。


「何を?」


 説明しよう、雪の戦国知識は0である!


「第一、いきなり本拠地攻めるのは無謀だろ! それに、岐阜城はかなりの堅城だぞ!」


「大丈夫! 何とかなる!」


 雪は、突っ走るかのようにカラリと発言。


「ならないから言ってんだよ! 戦国マニアなめんな!! それに、足利に戦力あんのか? 延暦寺や本願寺は動くのか? 松永久秀は今どっちの味方なんだ? 上杉謙信の動向も確かめろよ! 徳川だっているんだぞ! 何か月行動するか決めてんのか? 行き当たりばったりじゃ、兵糧や武具が消耗して一瞬でジリジリになるぞ!!!」


 雪を思い直させるべく、必死に言葉を並べる秀介。今軽はずみに行動すればすぐに織田に叩かれる。それを何よりも恐れているのだ。


 一瞬の間。


「......じゃあ、あんたに任せるわ。私、何もわからないから。じゃ、決まったら教えて。それまで向こうで休んでるから」


 突然口調をおとなしくして、部屋から出ていく雪。その差に啞然となる一同。


「あー、四谷さん......えーと、それで何から決める?」


 雪のことを心配になるが、とりあえず会議を進める誠二。


「進軍の具体的な日程。誰がまず信長と戦うのか。動員人数。撤退予定日が主かな。下原には徳川と戦ってもらって、俺たちが信長を叩く。旧暦8月の収穫期前には国に帰ろう。」


 サクサク決めていく秀介。


「もう、足利は抜きでいいな。俺たちで、織田と徳川倒そうぜ」


 言いたいことをズバッと言い、方針を確定させる太一。


 覚悟を固めつつある男たちは、前へ進もうとしている。

 しかし、まだ何も心に決められず、奥で泣いている者がいることには、全く気が付いていない。


朝倉義景、武田信玄、足利義昭と、マニアなら常識のメンバーが出ました。

本当は、チラッと登場した武田四天王も詳しく書きたかったのですが、これでは、一向に話が進まないのでカットしました。

おいおい書きたいです。

ちなみに、私は高坂昌信推しです。

山県さん、馬場さん、内藤さんもいい人だと思っているので、彼らの性格をある程度トレースしたキャラを作ってみたいですが、今後どうなるか全く分かりません。

それでは、また。

お手数でなければ、ブックマークと評価の程宜しくお願いします。

里見レイ

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