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使命の槍と宿命の刀  作者: 里見レイ
姉川
18/153

一騎打ち開始

最近(2020年9月)、また編集作業してます。より良い作品の為にまた頑張ります。

・前回までのあらすじ

ある程度押し返して撤退を決めた秀介は各武将に伝言を出す。そんな中、最前線にいる優姫は親友の戸谷華香と撃ち合う事に。しかし、二人とも相手と戦いたくないと考えており引きさがろうとするが......

 秀介が織田・松平それぞれに適切な対応をしたことで、浅井軍はとりあえず壊滅だけは免れることができた。

 しかし、彼らの苦戦ぶりは歴然。朝倉軍が敗走した今、兵力差は歴然。3万6千対1万5千では話にならない。

特に優姫のいる前線は大変なことになっていた......


「浅井は妹の敵、全員殺す!!!」


 突如優姫に勝負を仕掛ける超長槍使い。その殺気は本物だ。


「死にな!!!」


 走っている馬から大ジャンプ!一気に優姫に槍を突き出す。その鋭さは秀介とは比べ物にならない。

 戦国に来てから、なぜか身についた馬鹿力のみで戦ってきた優姫に、この洗練された槍さばきをかわせるはずなどなく、


(やられる!)


と思い目をつぶったその時だった。


 ガンッ!

 

 鈍い金属音が優姫の目の前に響く。敵だが友人である戸谷華香が助けてくれたのかと思い、目を開ける優姫。しかし、実際は違った。


「僕の仲間を殺させはしない......」


 三郎だった。確かに、彼は先ほど後ろから優姫に「手加減するな」と叫んでいたが、二十メートル以上離れていた。

 超長槍使いと同じく馬に乗って駆け寄っていたとはいえ、ゼロコンマ数秒で間合いを詰め、あの鋭い槍を防ぐなど、人間卒業レベルだ。


「お前、只者じゃあねえな。名は?」


 超長槍使いが眉を少し動かして尋ねる。


「黒木三郎。浅井家家臣、遠藤直経役。そちらは?」


 冷酷な瞳を一切動かさずに答える三郎。


「石山竜牙。お前らに殺された石山果理奈の双子の兄だ。ここじゃあ前田利家だな」


「なるほど、それでその長槍。前田利家の槍は六・三メートル。この姉川で彼は『槍の又左』として天下にその武勇をとどろかせた」


「博識さんだねえ、さすが戦国研究会」


「! 知っていたのか?」


「うちには超能力者の軍師がいてね。あいつがあっちこっちテレポートしてるから情報筒抜けさ」


「......」


「サブロー......」


 黙り込む三郎。それをばつが悪そうに見る優姫。超能力者の軍師とは、優姫が以前会った竹中半兵衛に他ならないからである。


「あ、あのっ、先輩! あたしはこの優姫と休戦協定結んでてもう戦えなくて......」


 開戦の予感を察し、事前報告する優姫の親友の華香。何が何でも、優姫と戦うことを避けようといている。


「んじゃ、俺がそいつの相手する。生け捕りなら構わんだろ?」


「え、ええ。それなら......」


 竜牙の提案に、渋々賛同の意を示す華香。しかし。


「どうせ打ち首にするくせに」


 三郎、話に割り込みながら手で持っている斧に力を入れ、竜牙の槍を弾く。


「捕らえた敵将は、寝返らせるか処刑が定番。多数決で処刑させるつもりだったろ。お前、浅井皆殺しにするって叫んでいたしな」


 その冷酷な瞳に、怒りの色が映し出される。


「フッ、どうやら先に坊主を片付けた方がよさそうだな」


 後ろに跳んで間合いを取る竜牙。


「相手しよう......」


 三郎も斧を構えなおす。いつものあたふた感どころか、無表情により表す恐怖感もない。

 とらえどころのない狂気と言うべきなのだろう。


「くたばりやがれ......」


 竜牙、槍を強く握りしめる。すると、どうだろう。槍の先が炎に包まれているではないか!


「あれは!」


「石山兄妹の特殊技、なのか? 二人とも武器から火を出せるんだよな」


 驚く優姫。その横で軽く知っていることを話す華香。


「アァァァァァ......」


 三郎のその目には、生き物というより化け物のような色が出ている。この機械のような怪物のような声がそれを顕著に表す。


「消えろ!!!」


「アァァァァァァァ!!!」


 二人の渾身の一撃が重なり合ったその時、姉川を爆風が襲った。

前田利家、出したかったんですよねえ。織田の有名武将はほぼ全員出す予定ですが、出番に差が出そうです。それでは。

お手数でなければ、ブックマークと評価の程宜しくお願します。

里見レイ

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