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使命の槍と宿命の刀  作者: 里見レイ
終局 急
143/153

パズルピース

・前回までのあらすじ

 一揆軍防ぎ切った誠二。そして雪は観察者スズメへの特攻を仕掛ける。しかし、まんまとスズメの特殊能力を受けて意識を失ってしまう。

 そして、竜牙を撃破した秀介達は......

 それは、あまりにも唐突な出来事だった。


「! 頭が......」


 頭痛を訴える秀介がそこにいた。叶が最終戦の決着を彼女の手で付けると宣言した直後である。


「......秀介様、少しお休みください。恐らく、私の申すことが分かるようになると思いますから」


 叶は秀介をゆったりと受け止め彼に眠りを促す。今回は、叶の能力故のものではないらしい。


「か、叶。先輩は一体どうしたの?」


 歩にぴったりと付きながらも、優姫は恐る恐る叶に尋ねる。


「そうね。簡単に言えば私が受けた真実の記憶が秀介様にもダウンロードされようとしている感じかしら。正直、私たちは知りたくなかった情報だけど知らなければいけない情報ね」


 秀介の体を愛おしそうに抱きしめながら、叶は落ち着いた表情で答える。


「それ、俺たちも関わっているのではないのかい? 恐らく、子孫か何かで」


 このセリフは歩である。彼も、何か未来について考える節があるようだ。


「流石です、歩さん。それは、あまりにもつらい未来だったようですけど、軽くならお話します」


「は、母上?」


 恐る恐る二人の傍に寄りそる茶々子。その小さき両手は父の左手を包み込んだ。


「......ごめんなさい、茶々子。これは、母たちのいた時代からさらに先の話です。貴方にも、つらい話になると思いますよ」


 悲しげに叶は話し始めた。今秀介が見ている記憶と同じであろう映像を。




『権限者、チハル。実験場へのワープ適正測定完了。評価、A。ロールプレイ人物希望優先度第一位と認識します』


「ほう、お前が一番手か。で、誰を希望する?」


「......濃姫を希望します。織田信長として被験となる成川リョウ、及び彼の身近人物の監視に努めるつもりです」


 目の前にいる一人の初老の男に対し、聞こえたのはヒバリの声だ。しかし、姿は見えない。


「あい、分かった。データによると、成川リョウはかなり頭が切れるらしいからな。しっかりと監視と揺動を頼むぞ」


「畏まりました。では、改めて対象者たちの情報の確認をしておきます」


 直後、視界が一気に歪む。いや、視線が下がる。そして、そのまま廊下へと画面が移っていった。


「あら、思ったより落ち着いているのね。てっきり、大喜びしていると思ったのに」


 横から声をかけてきたのはお団子髪の少女。ニヤニヤといたずらっ子のような笑顔だ。


「そうね。私はすごく喜んでいるわよ。貴方みたいに外から選ぶんじゃない、内側から近づいて手に入れたいのよ。ずっと探し求めていた、永遠の伴侶をね......」


 そう言った時、目の前の壁が光を反射して二人の少女の顔が写った。

 一人は、先ほど声をかけてきたお団子髪の少女。そしてもう一人は、秀介達と郡山城で対面した少女。そう、リョウを自らの膝の上に迎えた観察者、ヒバリだった。

 


お待たせしました。この話は一つの話の前に慌てて作った補足の話です。そろそろ章の整理をしておきたいですね。

お手数でなければ、ブックマークと評価の程宜しくお願します。

里見レイ

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