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使命の槍と宿命の刀  作者: 里見レイ
姉川
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出撃準備と野暮用連絡

とにかくサクサク更新します。

週に5・6回くらいを目指します。

追加、無理でした。すみません。

・前回までのあらすじ

織田への総攻撃を会議で決めた秀介と、謎の少年の登場によってこの戦国への疑いが深まった叶と優姫であった。一文で、簡潔に完結!(ただいま、貴方の体感温度が三度下がりました)

秀介が、越前での会議を終え、小谷に帰ってから早数日。浅井軍は、来るべき戦いに備え、兵の訓練や兵糧の準備などに勤しんでいた。

 動員数は、1万5千、浅井の総兵力限界ギリギリの数である。各城に配置している手勢は、わずかだ。

 ただ、北方の大大名、上杉謙信と不戦締結も済ませており背後から襲撃してる敵はいないだろう。

 これで、憂いなく大人数を動員できる。

 各人テキパキと作業を進めており、この調子なら三日後には出陣可能だ。


「黒木! 伊藤からの返事は?」


 そばにやって来た後輩に盟友の状況を尋ねる。


「3万の兵を用意するから、あと一週間かかるそうです」


 朝倉家との連絡係の三郎が答える。


「先に2万出して、残りは別動隊にするよう伝えてくれ。織田が用意を整える前に前線まで出たいからな」


「分かりました。すぐ早馬を出します」


 そう言って走っていく三郎。自主的に行動するのは苦手だが、与えられた役目はキッチリ果たす有能な部下となっている。

 朝倉義景として召喚された伊藤誠二は、秀介の親友。秀介の覚悟に応えるべく、彼も限界に等しい兵を動かすつもりなんだろう。

 武田信玄として召喚された下原太一も、近いうちに松平勢に攻撃を仕掛ける手筈となっている。

 危険を承知で越前一乗谷で方針決定をしただけの事があり、抜かりはない。

 ただ、足利将軍の四谷雪は何もしようとしなかった。


「ったく、丸投げするだけしやがって。何しに一乗谷に行ったんだよ」


 考えることすら放棄したような雪の態度に秀介は怒りを覚えていた。戦おうとすらしない大名など戦国では即滅亡のルートだ。

 

 ただ、雪に構っている場合ではない。 

 なぜなら、もうすぐ浅井・朝倉・武田VS織田・松平(徳川)の戦いが始まるからだ。

 「姉川の戦い」と「三方ヶ原の戦い」という一般人も知っている超有名な合戦を同時にやるようなもので、規模・兵力・影響の全てが桁違いになる。

 そして下手すれば、一気に信長が天下取りに王手をかけるかもしれないのだ。

 秀介も絶対に負けるわけにはいかない。

 と、張り切って指示をあちこちに出している彼に、思わぬ用が入る。


「長政様」


 と、家臣の藤堂高虎がやって来たのだ。

 彼は後に、武勇、知略、築城術などで名をはせ、伊勢津藩32万石という今の浅井家よりも大きな土地を持つ大名となるのだが、今はただの足軽。

 そこを、歴史を知っている秀介が側近に抜擢したのだ。


「奥方様がお呼びです」


「私用なら後にするよう伝えてくれ。我は、今忙しい」


 秀介は、妻のお市の方がこの戦に反対派であることを知っている。その他色々と意見が合わず、部屋も別々にしているくらいに仲が悪い。


「どうしても、だそうです」


 強調する高虎。その目は真剣そのものだ。


「お主がそこまで言うならやむを得ないな。あい、分かった。すぐ行くと伝えろ」


「はっ!」


 風のように去っていく高虎。

 それを見届け、秀介は溜息をつく。

 近くの作業員にしばらくの休憩を命じ、重い足取りで城内へと向かうのだった。

藤堂高虎が浅井家家臣だったと知っている方は、意外に少ないかもしれませんね。

彼は、現代から召喚されたわけでなく、史実の中にいる人物です。

高虎ファンの方彼の今後にご期待ください。早咲きさせます!

それでは。

お手数でなければ、ブックマークと評価の程宜しくお願いします。

里見レイ

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