#7 ドラゴンとの死闘
本日2本目
「ど、ドラゴンが出たぞぉ!」
その一言で、あの活気に満ち溢れていた街は急変した。住民は泣き叫び、冒険者たちも震える始末だ。
「カリス! どうしたらいい?」
『む?そんなの簡単じゃろう。何のために「反転」があると思ってる。』
そういわれてやっと気づく。
「そうか! ドラゴンの強さを反転しちゃえばいいんだね!」
『うむ、そういうことだ』
「うーん、だけど少しは戦ってみてもいいかな?」
『おぬしが良いなら構わぬが、、、死ぬなよ?』
「そんなことわかってるさ!カリス、よろしくね」
『分かった、とっとと行くぞ』
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僕は町の門の前まで来ていた。外に出ようとすると、門番に思いきり止められる。
「早まるな! 君はまだ若いだろう!」
「大丈夫です。死にに行くんじゃなくて、倒しに行くんです。任せてください」
「へ?」
門番の人は唖然としている。その間に僕は町を抜け出した。
街を出てしばらく進むと、そいつはいた。
真っ黒な体でとても大きな翼が生えている。いかにもドラゴン。という感じだ。
僕は剣を抜き、とびかかろうとする。すると、
「お待ちください。ラルムさま」
その声で僕はフリーズする。
「え? なんで僕の名前を知ってるの? 君は? 悪い奴じゃないの?」
「私はバハムートと言い、代々「反転」スキルに選ばれたものに仕える身です。よろしくお願いします。」
「うん。それはいいんだけど、なんで僕なんかに使えるの?」
「無論、それが我が1族の決まりですから。ただし、ただというわけにもいきません。我らは自分より下のものに使えたくはないので、1度私と戦ってもらいます。勝ったら私はあなたのもとへ喜んでお仕えしましょう。だが、この勝負に勝ったものはごくわずか。どうです、受けますか?」
「もちろん、受けるよ。勝負だ!」
「分かりました! その勝負、受けて立ちましょう!」
そして、戦いは始まった。僕は今持てる装備の中で、1番強いものを惜しげなく装備した。
反転フル装備にアポロン・ブレイドとカリス・ブレイドを両手に装備する。
「ほう、反転武具か。しかも純度も、とてもいい」
「そんなこと言ってると、すぐやられちゃうよ! 行くよ! 神威開放!」
そう言い放つと、僕の周りに金色のオーラがあふれ出す。
神威開放はカリス・ブレイドの中に込められた、神威を開放して、能力を何倍にも飛躍させる技だ。
僕はスカイフロールで飛び上がりながらすさまじい勢いでバハムートめがけて斬りかかる。
その斬撃は、思い切りバハムートの翼に直撃し、翼を少しだけ切り取る。
「くそ! ここまで強化してこれだけしか傷が入んないのか!」
「ぐうぅ! なかなかやりますね! だがまだまだここからですよ!」
そういうとバハムートの口が光った。これは、ブレスだ!
そう考えると、僕はとっさに横にずれる。
少し当たってしまったが、アークスカイブスがうまくいなしてくれた。
「あちち! あぶない! でもまだまだいけるよ!」
そういいつつ僕は魔剣、レーバテイン・エクスを振り下ろす。
その瞬間、魔剣から大地を狂わせる勢いで、炎が噴き出る。その光がバハムートを飲み込む。
「やった! いったか?!」
などと思っていると、
「こんな攻撃ごときで私が死ぬとでも?まだまだですね」
そういってバハムートは思い切り僕にブレスを放ってきた。
今度はブレスをもろに受け、地面に叩きつけられる。
「ぐぁ!」
『主よ! 大丈夫か?!』
「うん、、、まだ何とかなる。だけど、、、勝敗は決まった」
「ラルムよ!ここまでよく頑張った!だが、そなたもここまでだ。さらばだ」
バハムートがもう1度ブレスを打とうとする。だが、それも関係ない。
「今回の勝利は、、、僕たちだ! 「時間停止」!」
この掛け声とともに僕はクロノス・ギルスを天に掲げる。
すると、僕以外の、世界が止まった。
クロノス・ギルスの力は時間停止。膨大な魔力と長いチャージ時間が必要だが成功すれば、時間を止める秘術中の秘術。僕はこの間にありったけの攻撃を叩き込む。
そして効果が切れた。
「ぬう?! 何が起きた?! ぐはっ!」
そういいバハムートは全身から血を吹き出し倒れた。
この勝負、僕たちの勝利だ。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
初の戦闘回。どうでしたかね?
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これまでの武器がたくさん出てきました。
ちなみにクロノス・ギルスのクロノスは、私のユーザーネームの由来だったりします。
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