成敗
ハンナさんの家にお世話になり始めて丁度一週間。この生活にも慣れてきて、受付酒場で俺はすっかり看板娘的な存在になっている……らしい。
冒険者になるのが目標だった筈なのだが、いやはやどうしてこうなったのだろうか。
「しっかし、お前も結構この仕事が板に付いてきたんじゃねぇか? 今じゃ誰もお前が冒険者志望だって事すら知らねぇだろうしよ、いっその事このまま受付酒場の看板娘としてやってけば良いんじゃないか?」
「つまりそれは俺にずっとこの服を着て精神的苦痛を味わってろ。って捉えて良いんだよね? 泣くよ?」
「アタシ的には、結構似合ってると思うんだけどねぇ」
3時を回り昼間の騒がしさが嘘だったかの様に人が疎らになった受付酒場には、普段から席に座って駄弁っている常連の冒険者達と、俺がリーリャ……、先輩……に案を出して作ってもらった新作、落花生みたいな豆をバターで炒めた『バターパテラ』を食べてからというもの気に入ったのか毎日食べに来るようになったザキさん。それと時々顔を見せに来るカトラさんが今は寛いでいる。
数日に一回の頻度でザキさんに反抗的な態度をとっていた男三人(それぞれクロム、シスト、ロジールという名前)も訪れるが、「師匠! お勤めご苦労様です!」みたいなこと言ってきたり、俺の知らない所で謎の上下関係が成立していて、物凄く気まずかったりする。
ちなみにザキさん曰く「お前が俺に勝った日辺りから変に真面目になった」という。
「ま、楽しそうに仕事ができてるならひとまずは良いじゃないのかい? 嫌々やるよりかは遥かにマシだとアタシは思うけどね」
「確かに楽しいよ? でも服装と先輩が……ね」
初日のトラウマは忘れまい。
あの日からハンナさんの家に帰ってから着替えるようにしている。彼女は覗きとかそういうことは絶対にしてこないので、凄く助かる。
「ふざけんな! なんで報酬がこれっぽっちなんだよ!」
「ん? 何事だ?」
声のする方向を向いてみたら、冒険者の四人組パーティーの一人がハンナさんに向かって大声で捲し立てていた。
報酬と言ってるので、恐らく受け取った報酬に不満があったのだろう。
「またあいつらか……」
「知ってるの?」
ああ、と答えるザキさんは苦虫を噛み潰した様な表情だった。
「あいつらはBランク冒険者でかなり腕が立つ奴等なんだが、最近この辺で有名になったとかで態度までデカくなっちまってよ……今じゃ俺の言う事すら聞きもしねぇ」
いるよな、仲良かった同期が自分だけ昇進したと同時に調子に乗り始めてかつての同僚をコキ使いまくる奴。
俺も一回コキ使われた経験があるからよく分かる。すげぇ腹立つ。
「だから! なんで竜族を狩ったのに銀貨たったの20枚なんだよって聞いてんだよ!」
「先程から言ってます通りこの角は全て下位竜のものです。竜族だったとしたらこんなにサイズが小さい筈がありませんよ」
「言ってるだろうが! この角は子供の竜族から剥ぎ取ったものなんだよ!」
さっきからドラゴン狩ったとかなんとか……一応龍の血が混じってる(自覚なし)俺からすると、ちょっと思う所があるな。
『ご安心下さい。あの角に【解析鑑定】を使用した所、大蜥蜴の進化系統である下位竜の物だと判明しました』
あ、それでも竜には変わり無いんだ。というか、いつの間に解析……鑑定? なんて習得したの?
『彼女……カトラという鬼族の女性が御主人様に対して使用してきた解析鑑(待って、ちょーっと待って)如何しましたか?』
(カトラさんが俺に使ってきた【解析鑑定】をそのままコピーしたってのは分かった。でも今の説明に聞き捨てならない言葉があった気がするんだけど、確認させてもらうよ?)
『……? 構いませんが』
(カトラさんって……鬼族なの?)
『はい、ちなみに御主人様が勝利しましたザキという男性も同種族です。『変化』を使用した痕跡が見られない為、物理的に種族を誤魔化しているのでしょう』
衝撃の事実に開いた口が塞がらなかった。
「……どうしたんだい? アタシの顔になんか付いてたりする?」
「いや、なんでもないです」
「話を聞かない奴だなぁ……なんで分からねぇんだよ!」
「よしなさい。実物を見た事の無い彼女に何を言っても無駄でしょう。お嬢さん、私共も仕事でやってますのでね、言いがかりは止して頂きたい」
「言いがかりを付けてるのはそっちでしょう……いえ、何でもありませんよ。ただの独り言です」
独り言が独り言になっていないハンナさん。涼しい顔して挑発するその技術がほしい。
四人の内二人はこめかみに青筋を浮かべている。
「おいお前、Bランク冒険者である俺等を馬鹿にしてんのか?」
「助けに行った方が良いんじゃないか? あいつらそろそろキレるぞ」
「問題ないだろ。『ギルド内では訓練所を除く全区域での争いを禁ずる』、冒険者になったら最初に教えてもらう事だぜ? あの子供でも解る事だ―――」
ドゴンッ!
「……言ってる側から暴れてやがるぞ」
「まずはその口を黙らせた方が良いか? あ?」
「はぁ……私、引退したんですが?」
「それは貴女が弱かっただけなのでは? 我々Bランクパーティー『竜滅』が仇を討ってさしあげましょうか?」
机を蹴り倒した男の一人がハンナを脅し、もう一人の男が挑発する。
ハンナさんは相変わらず涼しい顔をしているが、俺の方がキレてしまった。
「おい」
「あ? んだてめぇ」
「ほう……子供ですか。このギルドは子供を給仕にしなくてはいけない程、切羽詰まっていたんですね。初めて知りました」
「……言ってくれるじゃねぇか」
細身の男の言葉でこめかみがピクンと動いたザキさん。というか今の発言でこのギルドにいる人物全員を敵に回した。
「これでも冒険者志望だけど、今はこの場所で働かせてもらってる。此処でで馬鹿な真似してみろ。その瞬間調子に乗った事、後悔させてやるよ」
「その歳で冒険者に……ねぇ。それにしても、この『竜滅』を敵に回しますか。勇敢な坊やです」
「俺等が馬鹿な真似をしたらどうなるんだ? 俺ぁ、知ってみたいねぇっ!」
バキッ! と椅子を踵落としで粉々に粉砕した男。
俺はザキさんの方を振り返ってアイコンタクトを飛ばした。「暴れるけど、良いよね?」の意味を込めたが、返ってきたのは「思いっきりやっちまえ」的な感じの目だった。
という訳で即行動。椅子を破壊した男に蹴りを放った。
ズンッと鈍い音が響いて、男の両腕に装着された防具に防がれた。
「――ッ!?」
「最初に警告はしたからな」
「ふぅ、やれやれ……あまり子供は痛めつけたくは無いんですけどねぇ。少し教育させてあげるとしましょう」
「ほら、どうせ痛い目見るんだから、全員で掛かってこいよ」
『一時的な『封印結界』を形成、周囲の被害を最小限に抑えます。御主人様、相手は四人組で剣1、槍1、杖2のパーティーです。物理戦闘では若干不利になりますので、私を使用することを推奨します』
場の状況を瞬時に判断したルシアは、早速行動に出た。
(あいつらが武器を取ったら使う。それまでは邪魔の牽制を頼む)
『御意』
「結界……使えるとは。っていうかザキ、よくあんたキレなかったねぇ。いつもなら数日は動けない体にしてる筈なのに」
「俺が怒ってないとでも思うか? お前すらキレてるこの状況だぞ? 俺はただ、あいつが黙らせる方が俺等の怒りを発散させてくれると判断しただけだ」
ファルの張った『封印結界』を前にそんな会話をしている二人、ハンナが焦った様子で走ってきた。
「先輩! これは止めた方が……私が彼等を煽ったのが原因ですし、ファル君が責任を取る必要なんてありませんよ」
「多分無駄だよ。ほら見てみな、あの結界……ちょっとばかし破るのは一苦労な代物だ。そんなのを張る奴が、更に言えばこいつに勝ったような奴がたかだかBランク四人ごときに遅れを取ると思うか?」
そう言ってザキの肩を叩きながら不敵に笑ってファルを見る目は、過去に竜族を単独で討伐をしたAランク冒険者、『ウルカトラ』の目だった。
「……あのガキ。とんでもねぇ力してやがる」
「剣闘士である貴方のガードを潰しますか……しかし所詮はその程度。魔力を纏えば防げる威力ということでしょう。我々に喧嘩を売った事、後悔させてあげますよ!」
四人全員が戦闘体勢に入る。
子供《俺》相手に随分と本気だな。
魔法使いの男が何やらブツブツと呟き始めた。ルシアが言うに魔法の詠唱なんだそう。気にせず攻めに入った。
「そんなんじゃ俺に傷一つ付けられないんだよ!」
「……詠唱完了。安心なさい、少し動きを封じるだけですから『束縛』!」
男がそう唱えた瞬間、杖の先端から細長いロープの様なものが飛び出て地を這うように襲い掛かってきた。
『成る程、魔酸素をロープ状に圧縮させたのですか『辻風斬』……ふむ、相殺可能ですね』
冷静に分析しながら対処するルシア。
「む、無詠唱で属性魔法ですか……」
驚いた様子の男だったが、すぐに気を引き締めて再度呪文を唱え始めた。
ルシアが何とかしてくれるといっても、ウザいものはウザいので、先に魔法使いの男二人を片付けようか、と考えた俺は、ブツブツ唱えている男の一人に蹴りを叩き込んだ……が。
「ッ……弾かれた?」
『防御結界です御主人様。しかし魔法の一種ですので【万物吸収】にて無効化が可能です』
(分かった。じゃあ……頼んだ)
『お任せ下さい』
【共有】で意思を共有した俺達は、心の中で立てた作戦を実行すべく行動に移した。
とはいえ作戦といっても大したものではないが。
「早速……『束縛』! 頑張って避けな」
早くもルシアが解析を終えた『束縛』を全方位に張り巡らせた。
ルシアとの共有で大体の用途と性能を理解したが、成る程。触れた対象の関節に巻き付いて動きを止めるのか。
「私の魔法を、見ただけで習得!?」
「そんな訳あるか!」
「そ、そうですね。しかし、この魔法には対処法があるので恐るるに足りません。お願いします」
「ああ、『風斬結界』!」
もう一人の魔法使いが唱えた魔法で、俺が放った束縛の数本を切断した。名前からして恐らく、風を纏わせた結界で守っているのだろう。
しかし、
「……ッ!? 結界が消えた……何をした!」
「ちょっと魔法を消しただけだよ」
【万物吸収】を発動させて結界内にある相手の魔法を、魔酸素ごと吸収した。だが足元……束縛の発動範囲だけは何もしていないので、俺の使ってる魔法だけが発動している形だ。
夜な夜な練習していたので、結構器用に使えるようになったのだ。
「くそっ、魔法が発動しない、ッうわっ!」
「何故私達の魔法だけが……くっ!」
魔法使いが二人とも束縛によって足元を拘束された。もがいているが、強度からして人の力では千切れないだろう。
「糞が! Bランク冒険者様を舐めんじゃねぇ!」
「まさか子供が、俺に得物を使わせるとはな」
魔法での援護は無理だと判断したのだろう残った二人は、武器を手に取って束縛を切り落としていく。
自身に向かう束縛を全て斬った男は、剣を柄に入れて斬り掛かってきた。
「殺しはしねぇ、けどガキの分際で俺等に喧嘩売った事、後悔させてやるよ!」
「このギルドに喧嘩を吹っ掛けてきたのはそっちだろうが」
バキィッ!
「なっ……俺の剣が!?」
素早くルシアを元のサイズに戻した俺は、【五感高速化】で限界まで圧縮した時間の中で迫ってきた男の剣を腹から切断した。
バターみたいに斬れたのは、ルシアの切れ味が凄まじいからだろう。
「さて、謝罪をするなら今のうちだぞ。今だったらザキさんの仕置きで勘弁してやる」
「馬鹿にすんじゃねぇ! おいっ! やっちま……えっ?」
圧倒されているという自覚が無いのか、未だ殴り掛かってくる男と束縛で動けない、さっきまでの丁寧口調が嘘だったかの様に罵詈雑言を吐きまくっている魔法使いを他所に、殆ど言葉を口にしていない他の男達は、武器を地面に置いて大人しくなった。
「もう止しとけ。あの子供には絶対敵わない」
「はぁ? 何言ってんだ!? こんなガキに……Bランク冒険者である俺等が謝れだと!? 冗談にもなってねぇよ!」
「そうです! こんな女装好きなガキ風情ぶべっ!」
「……おっと手が滑った」
女装の『じょ』の字が聞こえた辺りからダッシュで男の目の前まで走り、『風情』でぶん殴った。理由は言わずもがなだろう。
「1つ言っておくが、これは女装じゃねぇ……けど、好きでこんな姿になってる訳でもねぇ。次にまた変なこと言ったら顔の形が変わると思え」
「ひぃっ……ば、化け物……」
っと、少し脅してしまった。周りで見てる人も若干引いている。
「ざっけんじゃ……ねぇぞおらぁ!」
しかし、状況を理解していないのか最早意地なのかは知らないが、剣を真っ二つにされた男が顔を怒りで歪ませて攻撃を更に荒々しいものに変えていく。
が、力任せに振られた拳はファルに楽々と避けられる。
「最後のチャンスだ。この店に対して謝罪しろ」
「誰がするか! もう容赦しねぇ……ブッ潰す!」
既に思考する事を放棄しているのだろう男が、そんな事を言って突っ込んできた。リーチの差で潰しにきたのだろう。
「うらぁ!」
「そうか、じゃあちょっと眠ってなっ……痛ってぇな」
「効かねぇよ! 竜鱗鎧が、そんな程度の攻撃を通すと思ったか!」
思いっきり鎧を殴ったのだが、男が仰け反るだけでキズやダメージが見当たらない。逆に俺の手が傷付いた程だ。
竜族がどの程度の強さなのかは知らないが、鎧の強度は本物だし竜族を討伐したというのは事実なのだろう。
さて、後はルシアが……、
『……解析完了しました。あの防具は『水竜』の鱗を加工して作られた鎧です。耐久、耐熱に優れていますが、水属性の特徴を持った防具ですので、弱点である雷属性の攻撃を使用します。『属性剣』を使用しますか?』
ルシア、ナイスタイミング。
そう、俺は先程【共有】を発動した時にルシアに相手の武器防具、攻撃と魔法の解析とその対抗技の開発を任せていたのだ。
(剣に属性か……あの男も傷付けそうで恐いな。……こっちの方は?)
『可能です。少し多めに魔力を消費しますが、発動させます』
俺の要望を完璧に叶えてくれたルシア。本物に高スペックだな。
じゃあ早速……。
「食らいやがれ! 「それはこっちのセリフだ! 『雷拳』!」効かねぇって言って……なっ!?」
剣に纏わせる属性魔法を、自身の拳に纏わせて強化させた。
一点に属性を集めるので、かなりの魔力を消費するみたいだ。しかし威力は凄まじく、鎧を砕いただけではなく男までも吹っ飛ばした。
「がっは……!?」
「ふぅ」
男が倒れたと同時に辺りから歓声が沸き起こった。いつの間にか人が集まっている。
他の三人の冒険者は既に戦意を喪失しているらしく、両膝を着いている。
『あっ、御主人様……』
何かを思い出したようにルシアが呟いた。何かあったかな? なんて思っていると、
「ふぇっ……? あ、体が……」
突然体から力が抜けて動けなくなってしまった。
初めて『電光石火』を使った時と同じ感覚……体に負荷が掛かりすぎたのかな?
『……魔力切れです御主人様。どうやら『封印結界』は持続的に魔力を消費する様です』
「えー、マジですか……」
俺が倒れて結界が消えたと同時に、ハンナさんが駆け寄ってきた。
「ファル君! あぁ良かった、魔力切れね……。無茶しちゃ駄目よ。動けそう?」
「……ちょっと無理かな。力が入らない」
心配そうに駆け寄ってきたハンナさんに続いてザキさん、カトラさん……先輩も俺の所に来た。
「おう坊主! 流石は俺を負かしただけはあるな! で、その状態のお前に聞くのはどうかと思うが、あの野郎共はどうしたい?」
ザキさんの目が一瞬キラリと光った気がする。とても殺る気満々な表情をしている。
「ザキさんに任せるよ。俺は見ての通り動けそうにないしね」
「よっしゃ、任せとけ。このギルドを馬鹿にしたそれ相応の教育を施してやらなきゃな」
と、早速男達を連れていこうとしたザキさんに……先輩が、
「教官さん? その仕事、後で私も手伝いたいのだけれど」
「リーリャ……何するつもり?」
「そんなに警戒しなくて大丈夫よハンナ。それより私ね、『料理』って大好きなの」
うふふ、と微笑むリーリャ……先輩の体から謎のオーラが……
「嫌な予感しかしないけど、まぁ大丈夫でしょう。よいしょ」
そう言って俺を抱き上げるハンナさん。少し恥ずかしいが、動けない俺はされるがままだ。
「あっ、先輩「ちょっとこの子を運んでくるわ。この惨状だし、仕事の再開はもう少し後でしょうしね」はぁ……」
ファルを持ち上げて去っていくハンナを見送る女性。
なんか悪いことしちゃったかな?
「はぁ、本当に無茶して……」
「いやぁ申し訳ない。怒ると周りが見えなくなっちゃって……」
ハンナさんに謝る俺。
流石に後先考えずに動いた俺が今回は悪いし、自業自得だろう。
「私があの男を挑発したのも原因だけど……これでも心配してたのよ?」
「う……反省してます」
「もう……」
「みゅっ?」
ため息と共に俺をギュッと抱き締めたハンナさん。なんか変な声が洩れてしまった。
「これで勘弁してあげます」
そう言ってハンナさんは俺を長椅子に寝かせて仕事場に戻っていった。
「にしても……まさかあんな技を使うなんてね。そろそろアタシにはあの子が子供に見えなくなり始めてるんだけど?」
「あの子供は十中八九俺等と同じだろう。だが俺等とは比較にならない程の種族にだが……な」
「同じ? 種族……何を言って……まさか」
「あらぁ? そっちを気にしてて良いのかしら?」
リーリャが何をしたのか? 詳しい事は伏せておくが、その後『竜滅』達がこの国の冒険者ギルドに訪れる事は無かった。
そして、あの戦闘を見ていた冒険者達の間でとあるジンクスが生まれた。
『受付酒場で働いている子供は絶対に怒らせるな』と。
補足とオマケ
バターパテラ(ピーナッツ)
ソルトピーナッツでピンとくる人はいると思いますが、作者の好物です。
「なんで竜族を狩ったのに報酬が銀貨たったの20枚なんだよ!」
この物語での金銭は、石貨→銅貨→銀貨→金貨の順で上がっていき、それぞれ一円→十円→千円→一万円→十万円と上がっていきます。
『カトラという鬼族の(ry』
その時ルシアが【解析鑑定】を使用した際のステータスがこちら。
名前:ウルカトラ(五十四歳)
種族:鬼族
技能や称号はまた後程。
『物理的に種族をごまかしているのでしょう』
角……へし折ったんだと思います。
「Bランク冒険者である俺等(ry」
冒険者のランクはE→D→C→B→A→Sに順位付けられていて、簡単に区別すると、
E(駆け出し)
D(冒険に慣れてきたかな?)
C(そこそこ)
B(ベテラン)
A(最強)
S(お伽噺の域)
です。
「……もう」
「みゅっ……?」
「これで勘弁してあげます(やだ……凄い可愛い声出た……)」
その後、部屋の外で悶えていたのを他のギルド職員が見つけ、ハンナの黒歴史に刻まれる出来事になった。