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7 暗雲

 あれから数週間が経って。

「各々の活動状況と実績を報告してくれ」

「小テストの方は、作問が少し追いついてないかな~。それ以外はおおむね良好だと思うよ。不満も出てこないし」

「朝読書に関しても、毎日全学年で数名忘れる程度で、その人たちには反省文を書かせているので、違反は減っていくものと思われます。レポートの提出についてもおおむね良好と言えるでしょう」

「あ、あの、進路希望調査の方も、みなさんきちんと考えてくれているようで、ふざけた回答や無回答はありません。先生方の指導の成果も出ているんじゃないでしょうか」

「そうか。どうだ益城。私の人選と采配は間違っていなかっただろう?」

「ですが会長。問題がないことって、問題だと思いませんか?」

「ふむ、一理あるが、現状はあるべき姿だと思うぞ」

「確かにそうかもしれないですけど……」

 確かに僕の言っていることは根拠のない違和感に過ぎない。けれど、頭のどこかでその気持ちが間違いではないと警鐘を鳴らしているのだ。

「では、今日の会議はこれにて終了とする。各自『学園をよりよく』という理念のもと、仕事に励んでほしい! 解散!」

「「「お疲れ様でした」」」

「お、お疲れ様でした……」

 確かにみんなは人望が厚い人たちだ。けれど、この学園にも千差万別の人間がいる。全員が全員同調しているとはとても思えない。

「ん……?」

 と、そこで。

「あの時、僕は会長の演説を聞いて、どう思ったんだっけ……?」

 確か、他の演説者の演説内容を──

「益城、施錠するから早く出てくれないか?」

「すみません! すぐに支度します!」

 手繰りかけた可能性の糸をもう一度手繰り寄せるのは、まだ先の話────


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