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02.初戦闘は俺次第!!

説明回はまだまだ続く・・・。

目の前が真っ白になったと思うと、目の前には広大な土地が広がっていた。

いや、目の前っていうか下だがな。


俺は絶賛落下中らしく、あの大きな街に向かってるようだ。

自由落下と言う感じでもなく、おそらく転送の演出なんだろう。

俺の周りには光の演出がまとわりついている。



よく見ると俺以外にも絶賛落下中の奴らがいるようだ。

先に地面に到着した奴らも別段痛がってる様子ではない。



ん?ゲームだと痛いことなんて無いだろって?

まぁ今までのゲームならな。


VRゲーム・・・ヴァーチャルリアリティ技術によって仮想現実空間を現実だと錯覚させる技術って言えばいいか?まぁベットの上でねっ転んでる俺の体の代わりに俺はゲーム内で活動するアバターを操作している。

アバターが見たものを視覚情報として、アバターが触った感触を触覚情報として実際に仮想現実空間に自分がいるように錯覚させることで、別の世界にいるかのように行動できる。

流石にそのままってわけじゃなくて、痛覚情報とかは一定値で制限されてるらしいけどな。

他にも時間の感覚とか4倍に引き伸ばしてるらしい。


今までもこういったVR技術で作られたゲームはあったがどれもゲームセンターやイベントに行かないと出来ない大規模なモノだったが、ついに家庭用のVRゲームが販売された。

今日はそのサービス開始日だ。


女性とかには痛覚設定のせいで嫌煙されがちだったが、味覚情報を再現できるようになってからは嫌煙するのは高齢者ぐらいなもんだ。

食べても太らないで、いくらでも食えるとなって結構ヴァーチャル空間で食べるダイエットがブームになったな。

ゲームセンターの一角に飯を食うためのVRマシンが設置されたのは冗談かと思った。

実際は食いまくっても別に腹がふくれるわけでもないから、ゲームからログアウト時に余計に空腹に我慢できなくなるんだけどな。


格闘ゲームなんかも人気があったな。

あとは剣や弓を使ったアクションものや、脱出モノ。

スポーツモノ。だいたい人気はあったが、スポーツモノに関しては微妙な人気だったらしい。

スポーツをする奴らはリアルでやるし、それ以外はたまにやる程度だからな。

昔あった超次元スポーツモノの技を再現する猛者の動画とかは胸熱だった。


と、そういう人気のゲームをあわせたのがMMORPGとなったらしい。

戦闘、脱出ゲーム、料理や、スローライフ。

ゲームセンターだと倍速とは言え回転率を意識したゲームになるからな。

家庭用ゲームということで、長々と遊べる形にしたらしい。




おっと、地面が近づいてき・・・っと!

痛くわねぇけど・・・足に響くなぁ。


無事着地した俺は街なかに降り立ったらしい。

周りには俺と同じように、街に降り立ったばかりにPC達が大勢いた。

上からどんどん降りてきてるが・・・ぶつかったりしねぇよな?



周りの街並みや人・・・アバターというべきか・・・を見ていると自分がアニメの世界に入ってきたかのような錯覚を感じる。

リアルと言っても完全なリアルな写真と言う感じではなく、全てアニメのような感じだ。

アバターとかも3D独特の感じがしないあたり綺麗に感じる。

まぁ俺の身体を見てもアバターなんだが。


足元を見てみると汚れひとつない、新品な地面だ。

街とかもゴミ一つ見当たらない。

リアルだが、微妙に真新しさを感じる。


と、観察はこんなもんにしてまずはレベル上げでもしてくるか。

スキルってのがどんな感じか確認したいし。



他にも同じようにフィールドに出るPC達は多いらしくなんとなく流れのようなものだが出来ていた。

流れに沿って歩いていると、大きな門が見えてくる。

門の端にはガチガチに装備を整えた騎士?っぽい戦士がいる。

門番だろうか?頭上のマーカーを見る限りNPCのようだ。



よくあるゲームだと、街の名前を教えてくれるだけのNPCだろうが、AMOではリアルを表現する役割がNPCにあるとさっきの説明でも言っていた。NPC達はAIを持っているらしいしね。

話しかけてみるかな?


っと、人の流れに逆らいながら門番さんに近づいてみると、どうやら門番さんはお仕事中らしい。

何やらPCらしき人物2人とおしゃべりしている。


その様子を見ている感じだと、どうやらあのPC達はβ組のようだ。

その証拠に装備が違う。

俺と同じように今日ゲームを始めた者達はだいたい同じような装備をしている。

布の服にナイフ・長剣・杖のどれかだ。

武器の3種は腰に装備してあった袋の中にあった。

と言っても袋に手を突っ込んで出したのではなく、袋に手を突っ込むと出てきた表示画面に表示してあったわけだが。



俺のステータスは魔法に特化しているため、杖を装備している。


***********************

▼初期装備の杖 Lv1 【杖】【木製武器】【非売品】

【攻撃力】+0

【耐久力】無制限

【装備制限】なし

刻印スキル:【マジックショット1】

***********************


装備しても攻撃力が上がらないという武器としてどうなんだと言いたくなる性能だが、刻印スキルというのが気になった。

これ、俺が持ってるスキルの【マジックショット1】と同じだよな?

もしかしたらこの杖があればスキルのマジックショットを使えるのかもしれない。



と、話がそれたな。

だいたい布の服の見た目は最初にいじれるから少しずつ違いはあるが、あのPC二人組は明らかに違う装備をしている。

β版をプレイしていたPLには装備の引き継ぎがあったらしいのでそれだろう。

俺の友人もβ版をプレイしていたらしく、えらく自慢されたもんだ。



一人はまっくろくろすけ・・・と言ってもダメか。

忍者のような格好だな。忍装束と言うのか?たぶんそうだろう。

髪と目は黒で、暗闇に紛れたら同化してしまいそうだな。


もう一人は頑丈そうな鎧を着ていて、自分の身長ほどある大剣を背負っている。

大剣って実際だと使い勝手悪そうだが、モンスター相手にHPを削るには良いのだろうか?

対人戦だと小回りがきいたほうが致命傷を与えられると思う。

だが、ちょっとかっこいいな。

白髪に青目のイケメン君だ。ちょっと友人の顔に似てるのが気になるが他人の空似だろう。


あいつは日本人だ。

あんな白髪で青目の外人君じゃない。

例え、髪や目なんかの体格なんか以外は変更可能なアバターシステムだとしても、俺の友人なわけがない。

そうだよな。顔なんて元のアバターがリアルの顔を元に作成されるとしても、そこからいじることが可能なんだから他人の空似か、あいつの顔を誰かがまねて作ったとかかも知れない。


門番さんに叱られている様子の二人組には近づかないほうがいいと判断し、俺は流れに戻って門の外に出た。一瞬、涙目のイケメン君と目があった気がするが気のせいだろう。



門の外は、草原が広がっていた。

草原のど真ん中に城壁付きの街が突っ立てるのは何なんだろうか?

そんなもんなんだろうか・・・。

どうせ街を作るなら、もっとこう後ろに山とか海とか背負って守りやすいようなところとか、鉱山とかで人が集まるようなところにだな。

なんで草原に・・・。



あ、でも少し遠くに森が見えるし、あの森の素材のためにここに街を作ったのかも・・・いやないか。

草原ではちょくちょく戦闘しているPC達が見られる。

出てくるモンスターは一種だけのようで同じモンスターと戦っているようだ。

そのモンスターはスズメのような見た目なのに足が4本あるグリフォンのような・・・。

大きさはスズメより大きいようで鳩ぐらいある。

チッポと呼ばれるモンスターだ。

出現位置から察するに最弱モンスターなんだろうか・・・。

なんていうか・・・可愛いのだ。

ちょっと倒すのに抵抗があるのか、戸惑っているPC達が戦闘している連中を見ている。

何の苦行か、泣きそうな顔でチッポに剣を突き立てるPCも見られた。



俺も覚悟を決めるか・・・。

チッポが首を傾げながらこっちに近づいてくる。

遊んでと言わんばかりだ。

やめてほしい。もっと凶悪そうなモンスターにしてほしい。

剣を突き立てる連中よりは良心も傷まないだろうと俺はスキルをしようs・・・



あれ?どうやって使うんだ?

「【マジックショット】」

取り敢えず呪文?を唱えてみると表示画面が出てきた。


「えーと、なになに?はじめての魔術スキル。 指を突き出し、【マジック】と唱えよう。すると指先が光るので、各スキルの呪文を空中に書いてスキル名を唱えると魔術スキルが発動する・・・えーと。【マジック】」

お、右手の人差指が光っている、空中に文字を書いてみると確かに文字が残るようだ。

えーと、呪文は・・・さっきの表示画面に乗っていた。

どうやら呪文を書かずにスキル名を唱えると、呪文の説明が出てくるらしい。

これは【ゲート】や【ヒール】も書かなきゃダメなんだろうなぁ。


チッポはこっちに攻撃する気なさそうだからいいけど、まともな戦闘中に空中に文字書いてる余裕があるとは思えないんだが・・・。

しかもこの文字、俺が移動してもその位置から移動してくれないのね・・・。

ソロの魔法職は詰んでる気がする。



マジックショットの呪文を空中に畫いた俺はもう一度スキル名を唱える

「【マジックショット】!」

すると先ほどの空中文字が光の玉に変わって、まっすぐ飛んでいった。


「なっほど・・・敵に自動的に飛んで行くんじゃなくて、俺の手の方向に飛んで行くのね・・・そりゃそうだよな・・・」

もう一度書いて発動する

「【マジックショット】」

こっちをじっと見ていたチッポさんは避けようともせずもろに【マジックショット】を受けて光になって消えていった。


「お前ちょっとは戦えよ!!こっちの良心がやばいぞ!」

俺の叫びをきくチッポさんはすでに光となって消えた後だ・・・他のモンスターさがした方がいいだろうか・・・。



チッポさん大好きです。

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