表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Create Dungeon Online  作者: IF
3/12

Part3



落ち着け、よく考えるんだ。何が起こったのか。

原因は恐らく、あの最初の設定だ。だが、僕自身は髪の色の設定をそのままにしたはずだ。――そのまま?


「ま・・・まさか。」


最初、僕の身体はスキャンされた。あれは盗難防止システムかと思ってたが・・・。

もしかして、あの地点でまっさらな状態――即ち初期状態、になってたのではないのだろうか?・・・その状態でそのまま、を選べば、間違いなく白のままだ。

考えたくはないが・・・その可能性も低くない・・・。きちんと確認してなかった僕も悪いが、いきなり真っ白でキャラクリスタートって考えるか、普通!?


まあ、いいか・・・。今更どうにもならない。えっと、今の僕の姿は。

・身長143cm(だと思う。変化してないし。)

・白い髪。

・赤い瞳。


うん、ダメだ。自分でもよく分からないような容姿だ。

しかも、周りのプレイヤーは皆それなりの身長だ。当たり前だけど。

髪の色とか目の色とかは人それぞれだけど、僕みたいな低身長は誰一人としていない。


気を取り直して武器屋へと向かう。最初のお金は100Sある。大したものは買えないが、初期装備を買う分には十分な筈だ。

この世界のお金はゴールドとシルバーの二種類がある。といっても単純な話、1000シルバー(Silver)で1ゴールド(Gold)になる。ファンタジー小説世界の、銀貨と金貨みたいなシステムだ。


「え?あの子って何歳だ?すげえ小さいけど。」「おいおい、小学生がVRやっていいのか?」


とか声が聞こえてくる。違う!僕は背は小さいけど中学生だ!




「一瞬で100S無くなったんですがそれは・・・」


いや、少しは余るかなーと思ってたんだけど、甘かった。

ルーキーソードとかいう短剣が80S、薬草が4つで20S。はい終了。

と所持金が綺麗に0Sになってから気づいたんだけど、アイテムインベントリに初心者ポーションという回復アイテムが50個も入ってた。20S返せ!


ルーキーソード【短剣・武器】

攻撃力+3(斬撃・無属性)

初心者が最初に使う短剣。古い銅を再利用した一品。


薬草【回復・素材アイテム】

体力を10%回復。

治癒能力が秘められた薬草。山で比較的簡単に採取できる。


初心者ポーション【回復アイテム】

体力を50%回復。

レベル10まで使用できるポーション。レベル10を超えると、自動的にインベントリから削除される。


完全に薬草必要なかったじゃん。あー、もったいない事した。

しかも、僕は防具を買っていない。服は着てるけど、これはアバターが最初に着てる服で、防御性能は皆無なのだ。ちくしょう。


「とりあえず、適度に肩慣らしと行こうか。えっと、ここから一番近い狩場は。」


マップを開いて確認したが、『始まりの街』付近には3つの狩場がある。

『旅立ちの草原』、『旅立ちの森』、『冒険者の洞窟』の3つだ。

旅立ちの草原の適正レベルは1からだが、森は5から。冒険者の洞窟は10からとなっている。洞窟はダンジョンらしい。

適正レベルとは、これくらいのレベルなら苦戦しませんよーと、適切な狩場を示してくれる案内のようなものだ。

適正レベル以下でも入ろうと思えば入れるが、敵が強すぎて思うように経験値が手に入らない、すぐ死んでしまう等、メリット以上にデメリットが大きかったりする。


「まあ、そんなに急ぐ事も無い訳だし、草原で適当に狩るかな。」



十数分後。白夜は青い顔で街に戻っていた。

だってさ、あれだよ?人が多すぎる!いや、確かに販売して二週間程度だし、初心者プレイヤーが多いのは予想してたけど、あれは酷い!


あそこにいるのは、スライムとはぐれゴブリンらしいのだが、モンスターが沸いた瞬間にそっちへプレイヤーが群がっていくのだ。少しでも横取りみたいな事をすると、すぐに他プレイヤーが食って掛かる。白夜自身も、それらしい事が原因で喧嘩になってるプレイヤーを何回か見た。


「・・・どうしよう。草原は初心者プレイヤーで埋め尽くされてるし、かといって街にいても所持金が0じゃやる事が限られてるし。」


そういえば、今日はゴールデンウィークの初日なのだ。多分、連休が始まり、今まできちんと時間が取れなかった学生や社会人の人とかが、今のうちに遊ぶぞ!と集中してゲームにログインしてるのだろう。


だが、そうなると夜でも草原は人が多そうだな・・・。深夜になれば、流石に人は減るだろうけど、僕も眠気に耐えられないかもしれない。というか、深夜帯まで起きてまでゲームはやりたくない。


となれば・・・森に行ってみるか?

『旅立ちの森』の適正レベルは5。僕は1。自殺行為のようにしか思えないが、せっかくログインして、所持金だけ0にしてログアウトしました、じゃあ何がやりたかったのか分からない。


「よし、なら死ぬの覚悟で旅立ちの森に行きますか!」


僕は短剣を振り回しながら、旅立ちへの森へ続く道を歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ