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Create Dungeon Online  作者: IF
10/12

Part10

仕事の都合で大幅に予定狂いました

「あれ?誰かいる?」


「「「え?」」」


入り口を見て呟いた白夜に、リーナさん、ミズリさん、レイの3人が一斉に入り口を見る。

やがて、姿を現したのは、一人の女性のプレイヤーだった。

薄いプラチナブロンドのミディアムヘア、オレンジ色の目をしたプレイヤーだ。あれ、武器を持っていない?って事は、魔法使いかな?

初期装備の服っぽいのを着て、防具らしい防具も着てないし、この人ってどういう風に戦ってるんだろうか。もしかして生産職とか?


「あら?皆揃いも揃って、どうしたのかしら?」


「な、何でエルザさんが・・・!?」


「私たちは3人パーティーだったからね。『3人で旅立ちの森でPT組んでますけど、来ますか?』ってメールを送っておいたのよね。」


「リーナ・・・余計な事を・・・」


と、何やら暗い顔のレイが居た。さっきまでの元気さは微塵にも無い。

あれ?聞こえてきた会話を整理すると、この人はエルザさんって名前なのかな?

ジッとレイを見ていたエルザさんが、こっちへ歩いてきた。


「それで、この子は・・・?」


「あ、初めまして。このゲーム初めて間もない、ビャクヤと言います。えっと、リーナさんの知り合いで――」


ぎゅむっ。

うわぁ、抱きしめられた。女の人っていい匂いするなぁ・・・――って、ちょっと待って!?


「えっ!?ちょ、ちょっと待って!?何やってるんですか!?」


「・・・可愛い子ね。大丈夫よ、お姉さんが守ってあげるわ・・・」


頬ずりまでしてきたんだけど!?

いや、嬉しくない訳じゃないけど、これどういう状況なの!?


「・・・ああ、マスターの悪い癖が始まった・・・」


「ビャクヤ君を見た時から、エルザさんに何かされるとは思ってましたが・・・


「まあ、ビャクヤも嫌っては無さそうだし、あれはあれでいいんじゃないの?」


リーナさん、ミズリさん、レイの3人が何やらヒソヒソと話をしている。ねえ、早くこの状況を何とかして!


「いい加減にしろっ!」


「ああ、勿体無い・・・」


強引にエルザさんの抱擁から離れると、エルザさんが物凄く残念そうな顔をしていた。

ダメだ、この人は危険だ。色々な意味で。


「リーナさん、この方は?」


「ああ、言うのが遅れたわね。この人が、私達のギルドのマスター、エルザさんよ。」


「初めまして、ギルド『エンブレム』のマスターをやってるエルザよ。クラスは格闘家、レベルは47よ。」


「レベル47!?・・・僕はまだレベル11なんですが・・・」


「ビャクヤ君、マスターと比べちゃダメよ。」


「そうですよ?エルザさんは、色々と規格外ですから。」


リーナさんとミズリさんが苦笑いをしながらフォローしてくれた。

まだ発売から1ヶ月経ってないよね?この人ってあれかな、廃人なのかな・・・


「そうね。でも、この爆速レベリングもゴールデンウィークの期間だけだからね。連休後は少し休むわ。」


少しじゃこの差は埋まらないよね・・。


「いえいえ、レベル47なんて、僕なら数か月は掛かりますけど・・・?」


「信頼出来る仲間となら、レベル上げなんて簡単よ?」


結構格好良い事言ってるけど、ただの廃人集団の爆速狩りな気がする。


「さてと。さっきから気になってたけど、貴方達はこんな隠し部屋に集まって何をしていたのかしら?」


とエルザさんが言った瞬間に、レイがバッと背中を向けて出口まで走った。

・・・と思ったら、首根っこをエルザさんにしっかりと掴まれて動けなくなっていた。何という早業、目に見えなかったよ?






「・・・そう。ビャクヤ君には悪い事をしたわね。」


リーナさんから事情を聞いたエルザさんはすぐに頭を下げて謝って来た。別にいいんだけどなあ。


「いえ、大丈夫でしたしいいですよ。それに、もう謝罪受けてますし。」


「いえ、間接的にとはいえ、MPKの類をしてしまった訳だもの。それにギルドマスターとして謝っておかないとギルドの沽券にも関わるし。」


なるほど、確かにそう言われてみればそうかもしれない。

和かに微笑みながら言うエルザさんだけど、レイを片手で持ちながら会話するのは、いくらなんでも可哀想な気がする。レイは半分涙目だし。


「確かに数は多かったですが、虫避け線香の効果で弱体化が掛かってたから、一撃で倒せてましたし」


「え?」


僕が話してる途中で、リーナさんが顔を傾げた。あれ?なにかおかしい事言ったかな?


「リーナさん、どうしました?」


「いえ、ビャクヤ君ってレベル11よね?そのレベル帯なら、キラービーなんて通常でも一撃の筈だけど?」


「確かにそうよね。見た所、短剣持ちだから、クラスはシーフかアサシンよね。攻撃力は高くないけれど、森のモンスターなら一撃圏内な筈よ。」


あれ?でも、森に出没するモンスターで、僕が一撃で倒せたのって、弱体化を付加したキラービーだけだよ?


「もしかして、ビャクヤ君はSP振ってないとかないよね?」


「SP?」


「レベルアップごとに5ポイントずつ貰えて、それをステータスに振って上げるでしょ?まさか、それをやってないとか言わないよね?」


やばい、知らなかった。

ステータス振り分けポイントみたいなの、CDOにあったのか・・・!


「・・・はじめて聞きました。多分、今までステータス振り分けをしないで戦ってたんだと思います。」


「ビャクヤ君・・・ステータス振り分けについては、チュートリアルで教えてたはずよ?」


「飛ばしたかも知れないです・・・」


リーナさんやミズリさんは苦笑いしてるし、レイに至っては、「嘘だろお前!?」と言いたげな顔をしている。エルザさんは、未だにレイを捕まえながら、何かを考え込むような表情をしている。


「なら、クラス決定の流れも知らないわね?」


「クラス?・・・ああ、職業の事ですか。」


「ええ。レベル10になったら、今まで振り分けたSPとか、使用武器によって自動的にクラスが決まるのよ。決まる前は【ルーキー】ってクラスで、ステータス全般に制限がかかるの。覚えておきなさい。」


エルザさんも、溜息を吐きながら教えてくれた。

チュートリアル、もう一度お世話になろうかな・・・。


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