遺伝的 n 進表記
前置きの話が長くなるので小分けにして投稿. 遺伝的 n 進表記 → グッドスタイン列 → グッドスタインの定理 の予定.
まず, 自然数に対する "遺伝的 n 進表記" というものを定義します. 厳密に定義すると面倒なので実例を交えながら説明していきます.
例えば 42 が遺伝的 2 進表記によってどのように表されるか見ましょう.
まず 42 は 2 進数で 101010_(2) です. これを冪と和で書けば 42 = 2^5 + 2^3 + 2 となります. ここで 2 の肩に出てくる 5 と 3 をさらに同じように表して,
となります. 42 の場合この段階で終了して遺伝的 2 進表記が得られます.
このように肩の数をさらに冪と和で表していって 1 と 2 だけを使って表したものが遺伝的 2 進表記です. もう少し例を見ると, 例えば 2^64 は
と表されます. この例だと "肩の肩の肩" まで出てきて四階建てになります.
2 進以外も具体的に見てみましょう. 100 を遺伝的 3 進表記で表してみます. 3 進数で 100 = 10201_(3) です. これを冪と積と和で書けば 100 = 3^4 + (3^2)×2 + 1 となります.
(3^2)×2 は 3^2 + 3^2 と書く流儀 (理論的な定義は単純になる) もありますが, 表記が長くなるのでここでは積を使います. また 2×(3^2) と書いても当然同じですが, 後々カントール標準形と関係してくるので順序数の積の順番に合わせて (3^2)×2 と書くように約束します.
話を戻します. 100 = 3^4 + (3^2)×2 + 1 でした. ここで 3 の肩に出てくる数をさらに同じように表せば,
となって 100 の遺伝的 3 進表記が得られます.