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帰納法

 数学的帰納法 (mathematical induction) と呼ばれる証明法があります.

自然数についての条件 P(n) が,


・P(0) が成立する.

・P(n) が成立するならば, P(n+1) も成立する.


を満たすとき,


・全ての n で P(n) が成立する.


が結論付けられる, というものです. 高校数学の数学 B (数列) で出てくる内容ですね. 文系選択だと数学 B を学習しないことも多いようですが…

 この議論の興味深い点は, "全ての n で P(n) が成立する" という無限個の自然数に対する主張が, "P(0) & (P(n) ⇒ P(n+1))" という有限量の主張から導出される点です.

 実は, このような有限的な手続きによって無限の性質を明らかにする手法は, 一般化されて超限帰納法 (transfinite induction) と呼ばれ, 自然数全体の集合よりも "大きい" 集合に対しても適用できるのです.

 超限帰納法や関連する概念は大学の数学科くらいでしか学ぶ機会がありませんが, (情報系などでもやるかもしれません)

 数学における無限の振る舞いは, 相対性理論の伸び縮みする時空や量子力学の確率的宇宙観に匹敵して, 我々の経験的直感を飛び越えた向こうにある "世界に覆われていない剥き出しの真理" の一端を見せてくれます.


 これから無限の神秘と美しさを少しづつ眺めていきましょう.

これから集合や整列集合, 順序数についての話を進めていきます. どうしても細かな証明やらを省くことになりますので, お勧めの参考書籍を紹介します.


松坂 和夫 著, 「集合・位相入門」 岩波書店

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