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RPG風  作者: 城帽子
7/7

ヘルマン二の部屋

ギルモア:夜には晩餐会が開かれます。


アレン:とりあえず、いつもの部屋で待つとするか。


ギルモア:待って下さい。こちらの方がよろしいかもしれません。


アレン:わざわざ変える必要があるのかよ?


エリサ:ギルモアにはそれなりの考えがあるのでしょう。 彼が間違えたことはないわね。


ギルモア:私は好きになる女性以外は、間違えたことがありませんよ。 少し部屋がはなれてますのでついて来て下さい。


エリサ:あら、どういう意味なのかしら?


ギルモア:深い意味はありません。一夜の恋も夜明けと共に薄れて行ってしまう。


エリサ:寂しいわねー。でも、あなたはおもてになるので、問題ないでしょう?


アレン:そうだぜ!丸太ん棒見たいなあ女かどうかわからねえ奴が、毎日家に来てみろ、溜まったもんじゃないぜ。


ギルモア:丸太ん棒ですか。みてみたいですな。


ギルモア:ある意味、心強いかもね。


ナナンフシ:ピーん


主人公:君は丸太ん棒まで行って無いもんね。某の助。


ナナフシ:ピヨーん!


主人公:新しい伸び方だね?レベルアップした?


妖精:どうでしょうかね。技が増えたというのはは。いい傾向じゃ無いでしょうか。


主人公:技が増えたのか。すごいなぁ。 僕なんか戦いといったら、スライムをぶっ叩いただけだよ。


アレン:お、少年も戦ったことがあったのか?すごいなぁ、虫も殺さないような顔をして。


主人公:確かに殺さないどころか、虫と一緒に旅してますよ。


エリサ:そうよね、有る意味すごいわね。


皇帝:すごいね。


ギルモア:あれ、皇帝陛下!お戻りにならなくてよろしいのですか?


皇帝:だってつまらないもの。なんか良くわからないハンコ押すだけだし。


アレン:あれはつまらんなー、俺も大嫌いだ。


ギルモア:私とアルマスも好きでやってたわけじゃないですよ。それに、ただ押してるだけじゃないんですよ。中身を精査してですね。


アレン:あーやだやだ、あんな小さい文字読んで何が面白いんだ。ヘルマンニの兵法書でも読んでいた方がよっぽどためになるよ。


ギルモア:あなたはその方が良いのかもしれませんね。全部を背負っていたのですから。


アレン:あの時はすまなかったな。しかし、向いてない事を一生懸命やるもんじゃないからな。失敗して取り戻せるもんならいいが。


ギルモア:まあ、予算一桁違ってとんだ騒ぎになりましたからね。


アレン:命だけはだめだ。間違ってはいけない。


エリサ:また、そのこと?あなたっていつもははつらつとしてるのに。その話だと、えらく暗い顔になる。


主人公:復活の呪文とか、生き返らせる魔法とか有るんじゃないですか?


アレン:おいおい、神話の中じやないんだぜ?


エリサ:そうよ、そんな、命を便利に使えるものがあってたまりますか。


ギルモア:魔法ですか。子供の頃にはそういう考えもありましたね。


主人公:え、だってゲームでしょう?


アレン:ゲームだかなんだかしらないが、俺たちはここで生きて、生活を営んでる。それだけだ。


エリサ:魔法ね。あったら良いわねー。


アレン:ああ、そうだな。


エリサ:でも、人口増えすぎて困りそうね。


アレン:そうか、それもそうだな。


ギルモア:そんな夢の中の話は置いておいて


主人公:これ。ゲームじやないのかな?


ギルモア:着きましたよ、さあどうぞ。


エリサ:では、入らせていただきましょうか。


ギルモア:先生、おじゃまします。


アレン:なんか、明るい感じのへやだな。


主人公:あの、ここ、子供部屋?


ヘルマンニ誰が子供だって?


主人公:あれ?どこから声が?


エリサ:あらやっぱり子供。


ギルモア:子供と言えなくもないが、ただの子供ではないぞ。 先ほど、アレン殿が口にされていた、ヘルマンニ先生です。


アレン:なんと!子供じゃないか!


ギルモア:正確には三世ですね。あの兵法書はおじい様が書かれた物です。


アレン:なるどな。


ギルモア: といっても、もう、後半の100ページは彼が執筆した物ですけどね。


アレン:斬新な切り口で書かれていると思ったよ。あの時、この兵法が間に合っていれば、もっと犠牲を出さずに済んだのかもな。


ヘルマンニ:間に合わずに申し訳ない。多分、その頃は父上に兵法を叩き込まれていた頃でしょうね。


アレン:そうなのですね。


ヘルマンニ:兵法を伝授され、その兵法を破る方法を突き詰めて行くことにより、更なるものが生まれて来ます。


アレン:ギルモアはよく爺さんの所にいってたものな。


ギルモア:ええ、色々と教えていただきましたよ。兵法のみならず、働かない上官の動かし方や、狂戦士の活用方法などもね。


アレン:俺は手のひらの上であっちへこっちへと働かされてたのかもな。


ギルモア:ご明察。でも全てその通りとはいきませんでしたよ。誤算も沢山ありました。

しかし、女性の扱い方については、全く役にたちませんでした。おっと、彼の名誉のためにこれ以上は口を閉じておくとしましょう。


ヘルマンニ:じいちゃん、もてなかったからな。 あ、皇帝陛下!ご機嫌麗しく。


皇帝:ご機嫌だよー今日は。アレンもエリサもいるからねー。


アレン:ここは、盗み聞きされることは無いんだろうな?


ギルモア:物事に絶対ということはありませんが、考えうる最善の方法で防御しているつもりです。


アレン:そうかそうか。じゃあ、改めて聞くが、そんなに賢い人なら、なぜあの大臣をのさばらせる?


ヘルマンニ:カーン殿のことですかな?そうですよね。あの方の行動パターン並びに思考の傾向、

それに皇帝陛下や侍女から聞いた話、そして各兵士からも聞いた話しを総合いたしまして、

それをまずオットの提唱した300のリスク管理の項目にあてはめると、


アレン:その話、夕飯までに終わる?


ヘルマンニ:そう言われると思いました。 簡単に申しますと、今は恐るるに足らぬ人物ということです。


カーン:ハックショーン!!誰かワシの噂をしているのかの?


ヘルマンニ:ただし、あくまで彼一人の目算です。ここに不確定要素が絡むと、このリスクが比例的に上がって行きます。


エリサ:どういうこと?


ヘルマンニ誰かと組む、いや、組んだ程度ならば問題ない。しかし誰かに操られているならば、それなりに対処せねば手遅れになりかねません。


主人公:大臣を操るなんて、できるのかな?偉いんでしょー?


ヘルマンニ:お金なんか山程あるでしょうね。 しかし、お金だけでは買えない何か。もしくはお金以上に欲しいもの。いや、お金すら発行できる権利。


エリサ:それって、皇帝陛下の座を狙っているということ?


ヘルマンニ:直接手出しは無理でしょう。だれがそんな君主に誰が付いてきますか?


アレン:まあ、あんなのが皇帝ならば俺がやった方が増しかもな。


アレン殿の皇帝というのもなかなか良い選択なのですよ、何も為されなければ良い神輿です。

力も持っていらっしゃるし、有る意味、護衛要らず。


エリサ:それは護衛代が浮くわね。 アレン、皇帝やる?


アレン:何をおっしゃいますか、皇帝陛下。ここは皇帝陛下以外に適任はいらっしゃいませんよ。


ヘルマンニ:そうなんです。血縁という意味では絶対的に陛下が皇帝であるべきなのです。


アレン:ほらね。


妖精:僕は?


ヘルマンニ: あら、妖精ですね珍しい。んっ?この妖精は、あれ?まさか!


妖精:しぃー!君はわかった見たいね。でも黙ってて。


ヘルマンニ:やっぱりそうでしたか。祖父から聞いておりますよ。遠路はるばる、ようこそおいでくださいました。


妖精:うん。遠かったよ。


ヘルマンニ:あなた様がいらっしゃってるということは、じきにここも荒れますね。何が起こるのでしょうか。


妖精:それはわからないけど、今は物事が動き出すまで静観しましょう。


ヘルマンニ:了解いたしました。ヘルマンニ家は、あなたから授かった知恵を元に躍進いたしました。


妖精:なんか役に立ったみたいね。よかったよ。


ヘルマンニ:いつでもお迎え出来る様に角砂糖も用意してますので、好きな時にお召し上がり下さいませ。


妖精:うん。ありがとう。


アレン:何をこそこそ話している?


ヘルマンニ:いえ、珍しくてついつい独り言を。


ギルモア:あはは、独り言が多いな、ヘルマンニ先生は。


ヘルマンニ:そういえば、聞いていませんでしたが、なぜアレン殿はここに?


アレン:あー、その話しなきゃならんかったな。 実はな、ドラゴンを退治しようと思ってな。


ヘルマンニ:ドラゴンですか、いくらあなたでも一人では無理でしょうに。


アレン:いや、一人で行く気はないよ。


ヘルマンニ:そうでしょうね。


エリサ:私もいくよ。


ヘルマンニ:エリサ殿ということは、砲兵も連れていかれるのですか?


エリサ:それはないよ。連れて行こうかと思ったのだけどね、アレンが守りを手薄にするなってね。


ヘルマンニ:アルマス殿は、ご一緒じゃないのですね。


アレン:そうだな、奴には守備隊長代理もやってもらってる。砲兵の隊長代理もね。


ギルモア:彼の能力なら、その位わけないでしょうね。兵士達にも良い訓練になるでしょうし。


アレン:そうだな、あいつは人に教えるのがうまいよな。


エリサ:そうね、なんで砲の照準合わせるのまでうまいんだろう?要領が良いのよね。


ギルモア:彼はなんというのかな?いつも冷静ですよね。


主人公:いつもは冷静で冗談ばっかりだけどね。


エリサ:まあ、あの子の戦場の姿をみたら、一ヶ月はうなされるわね。


主人公:そんなにすごいの。


エリサ:剣さばきや形相だけじゃないんだよねー、色々と、ね。


アレン:まあ、戦場には魔物が住んで居るからな。


エリサ:こんどはどこが戦場になるのかしら?


アレン:おそらく、晩餐会の会場か。 血は流れないかもしれないがな、


エリサ:舌戦じゃ負けないわよ。


アレン:皇后様も居るんだぞ、軽率な発言は控えろよ。


エリサ:了解。


ギルモア: 私も出来る限りフォローしますが、ハメを外し過ぎぬよう、ご留意願いますよ。


皇帝:そんなにかしこまらなくても良いのになー。


ギルモア:そんなことありませんよ。皇帝陛下の御前ですゆえに、格調高いお振る舞いをお願いせねば。


皇帝:難しいことはわからないけど、頼んだよー。僕は調理場のマリーに角砂糖もらってくるね!


ヘルマンニ:ありがとうごさいます。予備に二つ程余計にお願いします。


主人公:カマの助はどうするの?


ギルモア:庭で彼なりの狩りを楽しんでもらいましょうか。


主人公:棒の助は? 何食べるんだろうね、ナナフシって。


ヘルマンニ:葉っぱですよ。たたし、この種類だと、薔薇の葉しか食べないかもしれません。


皇帝:薔薇なら中庭にたくさん生えてるよ。


ギルモア:それじゃあ、食事して来ていただきましょう。


主人公:じゃ、二匹とも、一緒に行こうか。


皇帝:私も参るぞ。


ギルモア:皇帝陛下。 ならば私も


皇帝:皆はついて来ないでよい。男と男の話をしたいのだ。


ギルモア:わかりました。


皇帝: では、行くぞ少年。こちらだ。


主人公:あ、ななふし!そんな皇帝陛下に気軽に!


ナナフシ:ピヨーん


皇帝:よいよい。そうだ、お前は、ここに、居てくれないか?


主人公:そんな頭のてっぺんに、ププッ、角が生えてるみたいてますよ。


皇帝;よし、笑ったな。それで良い。堅くなる必要などない。我と其方はもう友達だ。


ハナカマキリ:カマー!


主人公:カマの助もな。


ギルモア:気をつけて行ってらっしゃいませ。



カーン;なに、皇帝陛下陛下と少年が二人で?お供は?誰も居ない? これはもしかしてチャンスと言うべきか? 行くぞ!


兵士:どちらへ


カーン:皇帝陛下の元へだ


兵士:今からですか、晩餐会がもう間も無く開かれるかと。


カーン:来いと申しておる。黙ってついて来い。


兵士: はっ!


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