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RPG風  作者: 城帽子
4/7

砦内


<砦の中>


アルマス:ヒョイ、ヒョイ、ヒョイ、あーん、まだ足の運びが悪いですね、

これじゃバランスとれませんよ。チョイっと!


兵士:ああっ!落ちるー!


SE ザブン!


アルマス: そんで、こっちは、こちょこちょっと!


兵士:うひひひーひゃめれくらさいー うわー!


SE ドスン!


アルマス:やれやれ、戦場では何があるかわかりませんからね。


兵士:あ、隊長がお戻りになられた。副隊長!アレン様がお戻りに。


アルマス:

はいはい、聞こえていますよー、そんな大声を出さなくても。はい、右の脇ががら空きですよ。


兵士:ぐは!


アルマス:ほら、その足の運びだと、こう来られたら、ね、転げちゃうんですよ。


兵士:あらららーうわぁー。


アルマス:

それじゃ、そのまま続けていてください。

君、私の代わりを頼む、剣はだね、そうだな。私のを使ってくれ。ほれっ!


兵士:はいっ!(受け取って)うわっ、何だこの重さ。こんなのを軽々と振り回していたのか。


アルマス:ごめんねー、子供の練習用の軽いやつでー


兵士:これで軽いやつって、いったいあの方は何者なんだ。


アルマス:あれはアレンが子供のころのやつだけどね。



<砦宿舎、門前>




アルマス:おかえりなさい、隊長!体調はいががですか?ぶふっ 笑


アレン:なにつまらないこと言ってるんだよ!


アルマス:だってーねー、隊長と体調がかぶっててぇー


アレン:そんなのつまらないってんだよ!


アルマス:おー、エリサ殿。ご機嫌麗しく、お姿も麗しく。背伸びた?


アレン:もうあっちに行ってやがるな、すばしっこい。


エリサ:三日前に演習で会ったばっかりだろ?伸びてたまるか?


アルマス:おーおチビちゃん。はじめまして、アルマスだよ!よろしく。


主人公♂:この前の不審者の正体です。よろしく。


アルマス:こんな可愛い不審者なら、どうぞ毎日いらしてくださいな。おもてなしいたしますよ。


妖精:へへーん、僕もいるよ!


アルマス:妖精じゃないですか、珍しいですね。 あら、胸ポケットに花が!おしゃれだねえー。


ハナカマキリ:カマ!


アルマス:あーらーハナカマキリなんですかぁ!騙されちゃいました!


ハナカマキリ:カマーカマー!


エリサ:喜んでるみたいね。


妖精♀:良かったね、カマの助!


主人公:いつの間にカマの助になったんだ?お前。


アルマス:

カマの助か。良い名だ。しかも、珍しい色だね。

この辺りは赤の色素を多く持つ花が多い。 まるで先の戦いで流れた血の色のように。


主人公♂:カマの助、昨日まで紫だったのに、今日は青いね。


妖精:何事も日々精進ですよ。ハナカマキリもレベルアップー!


アルマス:で、なんで枝が生えてるの? あ!動いた!


妖精♀:ナナフシ、お前もいたのかぁ? 名前きめなきゃ!えっと、棒っきれ!


主人公:もう少しいい名前無いの?棒の助とか。


妖精:そんじゃ、棒の助で。


ナナフシ:ピーン!


主人公:あー枝のフリしてる。うまいもんだね。


アレン:

そんで、こんな時間に戻って来たのはな、

明日、ちょっと城へ行ってくるんだが、また留守番頼めるか?


アルマス:ええー!私を置いていく気ですか?


アレン:すぐ戻ってくるよ。 そのあとは、まあ、少し長くなるかもしれん。


アルマス:なるほど、事情がありそうですね。 ふーん、どうやらその様子、腹を決めたようですね。


アレン:ああ、決戦だな。


アルマス:いよいよ娘さんを下さいと。


アレン:誰がエリサを嫁に!


エリサ:んっ? ポーッ!


アレン:なに赤くなってるんだ?


エリサ:何かお嫁さんだって。


アレン:言ってねえよ。


アルマス:長くって、新婚旅行でしょ?


アレン:

だいたい戦いにいく前にな、 「この戦いが終わったら結婚するんだ。」

なんて言ったら、死亡率が八割高くなるんだよ!当社比でな!


エリサ:それはまずいわね。 それなら、今から結婚式挙げましょう。


アレン:あのなー。


アルマス:冗談は置いて置くとして、 お城ですよね、これを持って行ってくださいよ。


アレン:おまえの認識票じゃないか。


アルマス:今日から君がアルマスだよ!


主人公♂:んっ?くれるの?


アルマス:貸すだけだぞ。


エリサ:あら、アルマスぅ、可愛くなっちゃって。


アレン:そんじゃ、訓練頼むな!


アルマス:しかし、強すぎるってのも、困りもんですね。ふふっ。 わかりましたよ、了解しました。


アレン:あとで果実酒おごるからさ。


アルマス:私はあんまり好みません、あのお酒は大味で。メリーネでお願いします。


アレン:分かったー皇帝に頼んでみるわー。


アルマス:よろしくお願いしますよ。それでは、今夜は宴ですね、結婚式の前夜祭と行きますか!


アレン:だから誰が明日結婚するんだって!


エリサ:そんじゃ、いつにする?


アレン:それはやめてくれーってさっき。


アルマス:面白い人たちでしょ?


主人公:そうですね。愉快な人たちです。


アルマス:ほんと、隊長は素直じゃないな。ある意味、素直すぎるのかなあの反応じゃぁね。


主人公:そうですね。


妖精:なんだかんだで、気になっちゃってるの見え見えだよね。


(遠くで)


アレン:だからそんなこというなって、大体お前は昔から!


エリサ:あーもう素直じゃないわね。だから早く私をお嫁さんにしなさいよ。


アルマス:あれはあれで、幸せなのかもしれませんね。おい、訓練はこれで終わりだ。

明日は両隊長の新たな出発だ。みんなで祝おう。


兵士:お呼びですか?


アルマス:うん、呼んだよー。今から大砲の演習場までひとっ走りお願いしたい。一番早い馬を使っていいよ。


兵士:それで、何を伝えればよいので?


アルマス:隊長殿達の結婚式前夜祭だとね。


兵士:本当ですか?


アルマス:本当かどうかは重要じゃない。勘違いだったって澄ませばいいことだよ。


兵士:わっかりました!すぐに行ってまいります。ヒャツホー!


<砦内、宴>



砲兵:おめでとうございます、隊長!



エリサ:あの、なんでうちらの砲兵まで来てるんだ?


アルマス:ああ、エリサ殿も関係することであれば、当然、その部下もお祝いに参加するべきでしょう。


砲兵:祝砲だ、祝砲ならせ!


SE ドン!


アレン:うるさいぞお前ら、静かにしやがれ!ったく、酒がまずくなる。


アルマス;そんなこと言っちゃだめだよ、みんな祝ってくれてるんだから。

それにxxxxx(かき消される)


SE ドン!


アルマス:うっるさいなぁー!今のタイミングで砲をぶっぱなしたの、誰だ!出てきなさい!


アレン:お前も怒ってるじゃないか!


アルマス:人の言葉を遮るなっていうんです。本当にこいつらはデリカシーってものが。


エリサ:二人とも怒るな。私の部下がやったことだ、私が全責任を取る。


アレン:どうやって?


アルマス:どうするんですか?


エリサ:こうやってだよ。chu!chu!


アルマス:うわー、婚約者を前に私にまで。うれしいですが。


アレン:おいおい、誰が婚約者だ!って、なにしやがる。


エリサ:いやぁーこれが今の精いっぱいだ!あぁ、アレン、なにを拭き取ってるの?


砲兵:なんだぁ?俺たちの隊長が女ってことに、何か文句があるのか?


兵士:おいおい、俺たちの隊長は女にはだらしないがな!すごいんだぜ!


砲兵:おう、こっちは女でも隊長張れるくらいすごいんだぜ!


兵士:なんだ、やるか?


砲兵:おう!それはこっちのセリフだ!


主人公:あわわわ、止めなくていいんですか?隊長のお二人とも。


アレン:ああ、ほっておいていい。いい訓練になる。


エリサ:砲兵っていったってね、接近戦もできるんだよ。なんのために剣を提げていると思ってるのさ?

大砲を守るためには命を懸けるんだよ。


兵士:俺たちはあのアレン様だぞ!


砲兵:俺たちだってあのエリサ様だぞ!


兵士:名前を聞けば騎士団でさえな!


アレン:おい、その話は辞めろ!詰まらんことで争うのはかまわんが、いい加減俺を巻き込むな。


兵士:す、すいません。


砲兵:申し訳ありませんでした。


兵士:おい、あっちで飲みなおそう。


砲兵:ああ、そうだな。


アルマス:隊長、まだそのことにこだわっているのですか?


アレン:ああ、もう終わったことだ。俺は守備隊の隊長だ。若い頃の事は、もう思いでの中だ。


エリサ:そうね、若かったわね、あの頃は。そして、めちゃくちゃだった。けど、楽しかった。


アレン:さて、昔話はまたこんどだ。明日の打ち合わせでもしようか。

城へは俺が先に言って話をつける。あと、対ドラゴン用の作戦も綿密に練る必要がある。


エリサ:そうね、一筋縄じゃいかないわね。ドラゴンの鱗ねえ。いつそうのこと、砲兵連れて行く?


アレン:おいおい、守りを手薄にしちゃいけねえ。俺らの仕事は、国を守ることだ。


エリサ:そうだね。ま、考えておこうかね、最悪の事態を想定してね。


アレン:そうだな。



<城へ出発>


アレン:あれ、いつもの場所においてるか?


アルマス:おいてますよー!というか、あんなもの、他に誰がもっていくもんですか。


エリサ:たまには砲兵の所も見に行ってやって。


アルマス:見るだけですよ?大きな音は苦手なのですよ、私は。デリケートな部品で構成されているので。


エリサ:まあ、それでいいわ。よろしくね。


主人公:本当にみるだけでいいんですか?


エリサ: あんなこと言ってるけどね、ちゃんとやってくれる人よ。アレンより、ずっとしっかり者なんだから。


アレン:よし、準備は整った。ひとっ走り行くか!


主人公:うわぁ!なんて、大きな剣。あんな物振れるの!


エリサ:あちゃー、よりによってアレ持って来たか。 あいつ、本気ね。


アレン:では城へ向かうぞ。 エリサ、馬車あつかえるよな?


エリサ:その辺の奴らの十倍位はね。


アレン:謙遜してくれちゃって。よし、坊主達をのせてやってくれ。俺は 一足先にこいつで行ってるからな。


エリサ:ファイブスターね、久しぶり。 元気いっぱいだね、今日も。


アレン:相変わらず元気過ぎてな、困ったもんだ。こいつは俺とエリサしか乗りこなせないからな。


アルマス:僕でさえダメだったんだからね。


エリサ:もう一人いるでしょ?


アレン:奴はまあ、当然といえば当然。カウント外だな。


主人公:そんな馬を操れるなんて、誰なんですか?


エリサ:帝国騎士団団長


アレン:あいつの名前なんか言わなくていいぞ。そのうち会うことになるだろう。ほら、行くぞ!


エリサ:ははは、わかったよ!


主人公:それじゃ、隊長をお借りしますねー。


妖精:いってきまーす。


アルマス:はいよー、じゃあな。エリサ殿も、気を付けて。


アレン:行くぞ!ハッ!


エリサ:そんなこと言って、騎士団は皇帝の護衛を務める精鋭部隊だぞ。

顔を合わせざる得ないだろ?皇帝に謁見するのだから。


アレン:ああ、言われなくても分かってるさ。ただ、なんか申し訳なくてな。


エリサ:だろうな、元帝国騎士団団長、アレン殿。


アレン:おい、その呼び方はやめろ。昔の話だ。


主人公:えええ!そうだったんですか!


アレン:おいおい、そんなつまらないことは、話さなくてよかったんだけどな。


エリサ:ええ?またそんなこと言って。今だって精鋭部隊じゃないの。

元騎士団のやつらのうち、アレンについてきた者達が多数。アルマスもその一人。


アレン:剣の腕で言えば、奴にはかなわないないんだがな。ほんと、奴といったら俺以上の騎士であり狂戦士だったよ。昔はな。


主人公:えーあの穏やかで軽い人が?


アレン:そうだな、今はそんな感じだな。いや、それは昔からだな。


主人公:あ、そうなんですね。


アレン:戦場ってのは、正気でいられる方が珍しいんだ。

奴は戦場に行くと本能的に血の匂いをかぎつけ、本当に狂気を帯びる。

一度(ひとたび)そこに陥ると、止めるのは大変なんだ。


エリサ:ふふっ、苦労させられたわね、あの子には。


アレン:まぁ、しかし、あれだけ心強い戦力も他にはいない。


エリサ:ドラゴン退治ならば、ほしい人材ではあるんだけど、そのあとがね。大変だから。


アレン:まぁ、力を借りないで置く方がいいこともある。


アルマス:くしゅん!また私の話をしていますね、あの二人。


アレン:ファイブスターでさえ、恐れて走り出せないんだ、奴が乗るとな。

さーて、昔話はこれまでだ。少し、これからの話もしないといけないな。


エリサ:そうね、皇帝にドラゴン討伐の許可をもらわなきゃね。


アレン:皇帝はいいんだ。だがな。


エリサ:あの大臣ね。


アレン:気をつけろ、いつどこから、毒矢が飛んでくるかわからねえぜ。


エリサ:そうね、警戒しておくわ。


アレン:坊主のこともよろしく頼むな。


主人公:僕は僕でなんとかしますから。


妖精:僕もいるよー!


エリサ:心配しないで、ぼくちゃんのことは私が守るからね。


主人公:うわ!なんか子供扱い全開だ。


エリサ:だって、子供でしょ?ねっ?


主人公:はいー。


アレン:そんじゃ、ゆっくりきてくれ、中でまた会おう。


エリサ:任せておいて


アレン:行くぞ、ファイブ!ハッ!

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